今月も漫画読んでますかー!マンガタリ編集長の堤です。
今回は
「2018年12月にマンガタリのライターが読んでいたおすすめ漫画」
を紹介します!
1年の最後の月に読んで、面白かった漫画は一体どんな漫画なんでしょうか!
ぜひ、次に読む漫画の参考にしてください!
目次
1、『彼方のアストラ』 / 見事に4ジャンルが融合した9人で宇宙を冒険する傑作SFミステリーアドベンチャー
作者 | 篠原健太 |
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出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 少年ジャンプ+ |
掲載期間 | 2016年5月9日 – 2017年12月30日 |
巻数 | 全5巻 |
『彼方のアストラ』は、
- ミステリ
- SF
- アドベンチャー
- ジュブナイル
の4要素が見事に融合した、最高のエンターテインメント漫画です!!
舞台は西暦2063年、宇宙旅行が手軽になった未来です。
とある宙港から、9人の高校生たち(うち1人は小学生)が旅立ちます。
安全な観光惑星でキャンプを楽しむ予定だった9人ですが、突如現れた謎の球体により全員が宇宙空間に放り出されてしまいます!
無人の宇宙船を見つけ避難する9人でしたが、そこで彼らは母星より5012光年離れた場所にいることを知ります。
通信機器はないため助けは呼べず、食料もわずかです。
そんな絶望的な状況の中、彼らが選択したのは「未知の惑星を転々と移動し、食糧を補給しながら5012光年をサバイブする」ことでした!
なぜこんなことに?そして、誰がこんなことをした?
謎を抱えたまま、9人の友情と冒険物語がスタートします・・・!
2、『33歳独身女騎士隊長。』 / ファンタジー世界の女騎士隊長の裏側を下ネタショートギャグでお届け
作者 | 天原 |
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出版社 | フレックスコミックス |
掲載誌 | アナンガ・ランガ(電子書籍) |
掲載期間 | 2016年01月08日〜(?) |
巻数 | 既刊1巻 |
喪女騎士隊長を主人公とした、下ネタショートギャグ漫画です。
ファンタジーの世界を舞台にしながら、その手の作品で描かれることのなかった、汚い面や裏の面を赤裸々に描いてくれています。
ラノベの綺麗なファンタジーを真っ向から殴り倒すような内容には爽快感さえ覚えます。
華やかに見える女騎士隊長という立場の主人公・メイルですが、不規則かつ長時間勤務のブラックな職場で、休日の楽しみは酒飲んで自慰行為をして寝るだけという潔さです。
他にも、敵に捕まってあらゆるエロいことをされてしまった女教官とか、結婚相手との夜の生活に満足いかず離婚を繰り返している王女様とかが、当たり前のように描かれています。
18禁雑誌に掲載されていましたが、本作は全年齢対象なので安心して(?)読むことが出来ます!
これはもう、奇才・天原氏の魅力というかが全開に放出されている下ネタコメディー作品です。
ゲームやラノベではお馴染みファンタジー世界の女性騎士ですが、実際にはそんな綺麗で甘いものではないのです。
そういう世界をさらりと描いてしまうところに作者の凄さがあると思います。
独特の絵柄がまたこの世界観にマッチしており、2ページずつで一区切りという短さの中でうまいことネタが展開されています。下ネタなのにいやらしさを感じさせないのは、絵柄と、エロだって人間だから当たり前という姿を描いているからです。
絵が綺麗なだけの漫画、緩い漫画にはもう飽きた、そんな方にお薦めの、尖ったセンスに満ち満ちた作品です。
3、『究極超人あ~る』/ 昭和SFギャグ作品の最高点
作者 | ゆうきまさみ |
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出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
掲載期間 | 1985年〜1987年 |
巻数 | 全9巻 |
春風高校に転校生としてやってきたアンドロイドの「R・田中一郎」は光画部(写真部)所属の「大戸島さんご」と同級になる。光画部長「鳥坂」、光画部OB「たわば」などの強すぎる個性を持った先輩・OBたちにほぼ無理矢理に光画部に入部させられたRは、さんごらとともに光画部の常識(世間の非常識)に飲まれながら特に事件が起きない日常を戦ったり戦わなかったりしながら過ごしていく。
平凡な毎日の中に自律行動するアンドロイドが混じって生活していることに特に誰も異を唱えないという、ローファンタジーの領域に片足を突っ込んだ感じのSF漫画。ギャグを重ねていくストーリー立てだが、ギャグの9割方が特撮やアニメーション、写真などの専門的な領域のもののため多くの読者を置いてきぼりにするかと思いきや、ギャグの組み立てが秀逸で元ネタの意味が分からなくても笑えるという奇特な作品でもある。
主人公・Rの高性能さに驚けるくらいに読み込んでほしい作品。人間並みに「指を折って数を数えられる」ほど性能が秀れた人型自律ロボットを、私はほかに知らない。
これがギャグになるということは、読者はロボットがコンピュータで制御されるもので、だから2進法でものを考えていて、計算がとても速い、ということを「常識として知っている」ということであって、それが分からない人にはギャグ漫画としては通用しない。何も考えずに読める作品だが、よく考えながら読むとギャグの部分にせよSF考証にしろ、随分と緻密に組み立てられたものなのだと感服させられる。
昭和のSFギャグ作品の、おそらく最高点。ゆうき自身が描きたいと述べていた「毒にも薬にもならないマンガ」に、ずばり当てはまっているのではないだろうか。
4、『うみうしごと』/ クラファンで240万円集めたウミウシ系日常マンガ
作者 | 名島啓二 |
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出版社 | ナンバーナイン |
掲載誌 | マンガトリガー(漫画アプリ) |
掲載期間 | 2018年10月~12月 |
巻数 | 既刊1巻 |
アニメ化もされた『波打際のむろみさん』で有名な名島啓二先生が2018年にクラウドファンディングで240万円を集め、漫画アプリ「マンガトリガー」で連載していた作品です。
海、珊瑚礁、海洋生物、生と死……といった名島ワールドを舞台に、「ウミウ士」というウミウシが擬人化された存在たちが、お仕事に奮闘する様子が描かれていきます。
2018年12月に、まずは第1巻分が完結・リリースされております。
2018年の夏ごろ。『うみうしごと』のクラウドファンディングの真っただ中で、作者の名島先生がTwitterでこんなツイートをされていました。
今現在僕には担当編集者なる漫画の舵取り役というかブレーキ役というか…な人がいない状態で連載作を描いていますんで、すべて僕の裁量次第なのが不安なところですね。
でも商業誌特有の表現の自主規制が無い分、すごく………自由!
— 名島啓二 (@NajimaKEG) August 2, 2018
このツイートを読んだ時、僕は思いました。
「おいおい、『波打際のむろみさん』の時でも漫画を読みながら『クレイジー!』と(僕が)叫びたくなるような作品だったのに、名島先生がブレーキを外して描いてしまったら、いったいどんな作品になってしまうんだ……」
そして、クラウドファンディングは無事成功。僕の期待は的中。否、期待を超えるほどに「クレイジー!」な作品が誕生してしまったのです。
「ウミウ士」という存在で独特に擬人化されているものの、いわゆる「お仕事もの」作品でもあるのですが、「先輩と上司がギスギスしてると新人は困る」とか、「職場環境がわりとブラック」とか、日常お仕事あるあるネタに共感して読んでいると、おもむろに大きなイワシの死体が降ってきて主人公が死にそうになったり、同僚がエッチなこと(はんしょく)を始めたり(ウミウシなので雌雄同体)します。
日常のお仕事の悩みとか考えていたはずなのに、気がつけば、生命の諸行無常を突きつけられ、また逆説的に生命の繁栄力に歓喜、打ち震わされたりするのです。
このマンガを読んでいると、「お仕事」という身近で小さな話がほどよく「世界」という大きくて広大な話と相対化されます。あ、今日、仕事でちょっと躓いちゃったけど、海レベルとか地球レベルとか宇宙レベルで見たら、そんなに気にし過ぎなくてもいいのかも?みたいなノリで、ほどよい気軽さをもちながら明日からお仕事に向えるようになったりするかもしれません。
忙しくなりがちな日常に海レベルの大らかさを取り戻していく処方箋に、『うみうしごと』はただいま第1巻。自信をもっておすすめいたします。
5、『女子高生に殺されたい』 / 「ある女の子に殺されたい」という理想の殺され方を追いかける
作者 | 古屋兎丸 |
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出版社 | 新潮社 |
掲載誌 | ゴーゴーバンチ |
掲載期間 | 2015〜2016年 |
巻数 | 全2巻 |
「女子高生に殺されたい」という願望を持った高校教師の東山春人。殺されたい相手は、高校1年性で美少女の佐々木真帆。
東山は、その願望を実現するため、緻密に計画を練り、実行に移します。。
はたして、東山が望む「理想の殺され方」は実現されるのか!?
鬼才・古谷兎丸先生が描く狂気のサスペンス漫画です。
主人公は「女子高生に殺されたい」という“異常願望”を持っています。
まったく共感できません(笑)
けれど、、
あまりにもリアルな心理描写。そして、テンポ良く進んでいく緻密で美しすぎるストーリーに導かれて、読み進めていくと、
- これが人間の裏側?いや、本能的な欲求??
- もしかして普段意識できてないだけで自分の中にもあるんじゃないか?
- 奥の方で眠ってるだけなんじゃ?
という気にもなってきて、、
日常的に考えないようなことを考えさせられます。
読後、スッキリして気分が良くなる、ということはないですが(苦笑)
怖いもの見たさと本能的な探究心をくすぐられる。次の作品が気になる。
そんな作品でした。
病みつき性のある作品なので好きな人は好きだと思いますし、ちょっとマンネリ気味で刺激が欲しい。なんてときにはうってうってつけの作品だと思います。
綺麗に展開されていき、シンプルにまとまる物語なので、一気に読めます。ぜひ1度ご覧になってみてください。
6、『メタモルフォーゼの縁側』 / BLで繋がる75歳のおばあちゃんと17歳の高校生の58歳差の友情
作者 | 鶴谷香央理 |
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出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | コミックニュータイプ |
掲載期間 | 2017年11月17日から配信中 |
巻数 | 既刊2巻 |
この作品は、75歳のおばあちゃんと、17歳の本屋でアルバイトする女子高生との友情を描いた物語です。
75歳の1人暮らしのおばあちゃん・市野井雪さんは、とある書店で、偶然目に入った漫画を手にします。
その漫画は男の子が男の子を好きになる、いわゆるBLマンガでしたが、雪さんは純粋に漫画の内容を楽しみ、ハマっていきます。ここで現れるのが、雪さんが漫画を購入した書店でアルバイトをしていた女子高生・佐山うららさんです。
実はうららさんもBL好きなのですが、それを隠して日常生活を過ごしている為に、同じ趣味の友達も作れず、それどころか学校では特に仲の良い友達も作れず、少し寂しい日常を送っていました。
「共通の趣味」が接点となって、ふたりは漫画の感想を話したり、一緒に同人誌のイベントに出かけるような、「友達」になるのです。これだけだと、のんびりとした内容に見えますが、その裏にはいろいろな人の考えがあることが、この漫画の面白さです!
孤独をなんとなく感じている女子高生と、自分が年齢を重ねたことを自覚しながら生きる老婦人との友情(58歳の年齢差)がどうなるのか、雰囲気も内容も気持ちのいい良作です!
「このマンガがすごい!2019」でオンナ編第1位を獲得したこの作品ですが、私はいつも通っている本屋さんで、お試しで数ページ読むことが出来たので、まずは少し読み、そして2冊をまとめて購入してホクホクしながら帰りました。
この作品は、高校生のうららが悩む姿にも共感しますし、しかしなぜか78歳の雪さんが感じる日常の事にも共感できると思います。1巻を読み終えた時には、私は同人誌のイベントには行ったことがない(しかし行ってみたかった)漫画読みなので、このうららさんの気持ちはとってもよく分かりましたし、「友達」を得たうららさんが少しだけ強く、行動的になったことに嬉しく思いました。
その上で、2巻と連載中のその後で、彼女が雪さんとどんな関係をこれから築いていくのか、とても楽しみで早く続きを読みたい!と思っています。ゆっくり時間が流れるような雰囲気の漫画なのですが、しかしふたりが考えていることがよく分かる漫画であるため、私は一気に読んでしまって、サイトまで行って最新話も確認してしまいました。
カドカワのネットコミックス、とは違う雰囲気なのかな?と読み始めは思っていたのですが、途中途中に入ってくるBLを考えると、「らしい」作品だと言えると思います。ちなみに、BL好きでもBLに全く興味のない人でも、共感して楽しめる作品であることは間違いありません。
自分の「好きな物」を共有できる友達が、偶然にも58歳の差がある人だった、というだけなのです。
恋愛のドキドキではなく、友情のドキドキや想い・悩みが丁寧に描かれた作品です!
まとめ
今回はマンガタリライターが2018年12月に読んだ漫画をご紹介させて頂きました!
気になる漫画はありましたか?今回はかなり個性的な漫画集まりました!
個人的には『メタモルフォーゼの縁側』を読んでみたいですね。
BLの文化に触れたことがないので、漫画を通して、どんな人たちがどんな受け取り方でBLを楽しんでいるのかを知るいい機会になるかなと思います。
あと『彼方のアストラ』は超絶オススメです!
連載で読んでましたが、毎週ずっと楽しみでしたし、キャラクターの魅力と9人チームの醸し出す雰囲気が素敵すぎて、本当に終わって欲しくない漫画でした。
一切のネタバレなしで読んでください!一気に読んじゃうと思うので、5巻一気読みする時間を確保して臨んでください!
マンガタリ編集長 堤
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2019年このマンガがすごい!オトコ編第3位。
このマン受賞ということで試し読みをしましたが、ストーリーの勢いと徐々に明らかになる謎に引き込まれて気が付けば全5巻読破。
伏線がびっしり張られた構成に、ライターは全巻を1か月で5回は読みなおしましたよ・・・!真実を知ってから読み直すと、確かにあのキャラったらこの話の時にこんな顔をしている!などミステリ魂をバキバキ刺激されます。
また、宇宙船内の密室ミステリなのに「爽やか」というのも超おススメポイント。決して暗くならず、ジャンプらしいアツい友情をビシイッ!と叩きつけてきます!ギャグのテンポもスピーディーで小気味よくサクサク読めます。(そしてそのギャグも伏線だったり・・・!)
5巻という巻数も、中だるみなしでスパッと読めて気持ちいいです。
傑作ミステリによく言われる「この作品を未読とは羨ましい」が当てはまるマンガ。お願いです、ぜひネタバレなしで読んでください!その方が激しく面白いですから!!