みなさんこんにちは、マンガフルライターの神門です。
本とは知識の集まりです。
メジャーなものから、これ誰が読むのかと思うくらいマニアックなジャンルまで存在し、私達が知らないことを教えてくれます。
そんな様々な知識を私達のような漫画好きに与えてくれる出版社といえばもちろん、
民明書房
ですね!
『魁!!男塾』で一躍有名となった民明書房。
そこで今回は、『魁!男塾』の中で登場した世にも不思議な知識と、その知識を紹介してくれた引用元の書籍をまとめてみました。
これを読めば、博識だと自負していた方も、世界にはまだまだ知らないことが沢山あるのだと理解されると思います。
是非、一緒に知識の渦に飛び込んでいきましょう!
目次
- 1、『魁!!男塾』ってどんな作品?
- 2、『魁!!男塾』内で引用された民明書房刊の書物を7つのカテゴリーに分類して全紹介!
- 2-1 武術
- ■一文字斬岩剣(いちもんじざんがんけん):『剣史記』
- ■天縄闘(てんじょうとう):『中国武術大覧』
- ■鎮守直廊(ちんじゅちょくろう):『中国武術大覧』
- ■死穿鳥(しせんちょう):『世界の怪拳・奇拳』
- ■鼯樵橤拳(ごしょうずいけん):『奇跡の鳥慶漢』
- ■黒闇殺(こくおんさつ):『世界の怪拳・奇拳』
- ■乖宙浮遊體(かいちゅうふゆうたい):『世界の怪拳・奇拳』
- ■宙秤攣殺闘(ちゅうびんれんさつとう):『拳法興亡史』
- ■辨締旋風大車輪(べんていせんぷうだいしゃりん):『中国拳法大武鑑』
- ■翔穹操弾(しょうきゅうそうだん):『知られざる秘拳』
- ■纒欬針点(てんがいしんてん):『中国拳法修行大鑑』
- ■晏逅寺軟體拳(あんこうじなんたいけん):『世界の怪拳・奇拳』
- ■鶴脚閃走術(かくきゃくせんそうじゅつ):『中国日本武術交流秘史』
- ■梁山泊(りょうざんぱく):『武の中国史』
- ■鶻宙身(かっちゅうしん)の法:『独習中国拳法』
- ■千日颮鏡(せんにちほうきょう):『中国の奇拳-その起源と発達-』
- ■頭槌鐘砕(とうついしょうさい):『誰が為に鐘は鳴る』
- ■暹氣龍魂(しんきりゅうこん)/暹氣虎魂(しんきふうこん):『中国秘拳満漢全席』
- 2-2 文化
- ■六忘面痕(ろくぼうめんこん):『古代刑法全』
- ■盥支蝋(かんしろう):『教育と体罰』
- ■天稟掌波(てんぴんしょうは):『中国三千年の歴史に学ぶ現代人の知恵』
- ■謝砕節(しゃさいせつ):『亜細亜刑史体系』
- ■王家の谷の守護者達(ファラオ・スフィンクス):『ツタンカーメンの逆襲』
- ■蛇墨輒闘(じゃぼくちょうとう):『世界死闘決闘百選』
- ■指撥透弾(しはつとうだん):『中国宮廷儀礼典範』
- ■跳蚤器(ちょうそうき):『中国武具-その創造と継承-』
- ■轢鋲球(れきびょうきゅう):『世界古代兵器大鑑』
- ■髐撥雷神拳(きょうはつらいじんけん):『中国電化大革命史』
- ■ラ・メルヴェル:『西欧文明-その爛熟と退廃-』
- ■ラーマ・ヨガ:『インド人も吃驚!ヨガの奇跡』
- ■水龍[革奉]球(すいろんぼーきゅう):泳げ!騎馬民族
- ■モングール・ピラニア:『喰うか喰われるか!!世界食通事情』
- ■赤鞭斬(レッドウィップジェノサイド):『世界拷問史』
- ■騎馬戦車スコルピオン:『世界史に見る現代兵器の源泉』
- ■魔翔流気法(ましょうりゅうきほう):『バットマンかく語りき』
- ■鉄騎宙弾(てっきちゅうだん):『玩具に見る古代中国の英知』
- ■浮木流闘(ふぼくりゅうとう):『アラスカ大紀行』
- 2-3 人物・歴史
- ■戦吉兆羅針盤(いくさきっちょうせんしんばん):『戦国武将考察』
- ■男塾血誓痕生(おとこじゅくけっせいこんしょう):『日本風俗奇譚』
- ■大鐘音(だいしょうおん):『戦国武将考察』
- ■蛇轍槍(じゃてつそう):『戦国武芸者往来』
- ■爆挺殺(ばくていさつ):『戦国異聞記』
- ■竜盆梯网闘(りゅうぼんていもうとう):『鉄拳記』
- ■血闘援(けっとうえん):『武士魂』
- ■千条鏤紐拳(せんじょうちゅうおうけん):『戮家その全貌』
- ■抛託生房(ほうたくしょうぼう):『戦国武将人情譚』
- ■攪音波催眠(かくおんぱさいみん):『大衆操作暗黒史』
- ■渦龍天樓嵐(かりゅうてんろうらん):『武道達人逸話集』
- ■砕氷凍界(さいひょうとうかい):『かき氷屋三代記-我永遠に氷をアイス-』
- ■炎刀嗋油闘(えんとうきょうゆとう):『炎の武将・織田信長』
- ■剣座天虣耐(けんざてんほうたい):『戦国決闘異聞』
- 2-4 科学
- ■昇龍風(しょうりゅうふう):『世界気象大鑑』
- ■盤隆氷(ばんりゅうひょう):『氷の科学』
- ■怒粧墨(どしょうぼく):『肉体の神秘』
- ■鉄球のヘソを見切る(てっきゅうのへそをみきる):『分子核構造その理論』
- ■氣功闘法(きこうとうほう):『氣-その効用と実践』
- ■無明察相翫(むみょうさっそうかん):『中国拳法-その科学性-』
- ■翹磁大撥界(きょうじだいはっかい):『大磁界』
- ■灼炎畷掌(しゃくえんていしょう):『人体-その代謝機能の神秘-』
- ■千歩氣功拳(せんぽきこうけん):『氣の科学』
- ■透闇視(とうあんし):『EYEこそすべて』
- ■宙磁闟斬刀(ちゅうじきゅうざんとう):『マグネットパワー-21世紀をこう変える-』
- 2-5 医学
- 2-6 生物
- 2-7 スポーツ
- 2-1 武術
- 3、まとめ
1、『魁!!男塾』ってどんな作品?
著者 | 宮下あきら |
出版社 | 集英社 |
掲載雑誌 | 週刊少年ジャンプ |
掲載期間 | 1985年~1991 |
単行本巻数 | 全34巻 |
ジャンル | 格闘 |
『魁!!男塾』は宮下あきら先生が週刊少年ジャンプで連載をしていました。
過激で封建的で軍国主義なスパルタ教育を施す「男塾」を舞台に、入塾した主人公の剣桃太郎やその仲間達が様々なことに立ち向かい、大暴れする作品です。
連載当初は男塾で行われる様々な行事に塾生たちが挑む姿が描かれていましたが、やがて塾生同士の闘い、そして塾生が団結して外部の格闘大会で闘っていくバトルものとなり人気を確立していきます。
闘いの描写だけではなく、キャラクターが放つ毎度のお約束のような台詞や、奇天烈な技や決闘法の解説書として引用される「民明書房」が読者の心を掴む、実に強烈な個性を放つ作品となりました。
2、『魁!!男塾』内で引用された民明書房刊の書物を7つのカテゴリーに分類して全紹介!
では早速、『魁!!男塾』の中で登場した民明書房刊の数々の奇書や珍書を、7つのジャンルにカテゴライズしてご紹介します。
カテゴリーは以下の7つとなります。
- 武術
- 文化
- 人物・歴史
- 科学
- 医学
- 生物
- スポーツ
分類はあくまで引用された書物をもとに行っていますので、例えば拳法の技だとしてもその引用された書物が科学的な書物であれば、「武術」ではなく「科学」に分類されます。
いずれもライターの独断と偏見で勝手にカテゴライズしたものですので、ちょっと違うんじゃない? というものがあってもご容赦願います。
見方としては以下の通りです。
■引用することになった技等の名前(読み方):『引用元の書名』
また、民明書房以外の太公望書林、ミュンヒハウゼン出版、といったところのものは対象外としていますのでご容赦願います。
2-1 武術
『魁!!男塾』はバトルをメインとした作品ですので、最初は「武術」のカテゴリーから紹介します。
多いのはやはり中国拳法関連ですね。
■一文字斬岩剣(いちもんじざんがんけん):『剣史記』
「魁!!男塾」 2巻 宮下あきら/集英社 より引用
民明書房刊の記念すべき最初(おそらく)がこちら、一文字斬岩剣です。
作品内でも有名ですが、男塾二号生筆頭・赤石剛次が極めたのがこの一文字流。
まさに文字通り岩をも斬り裂くほどの剛剣であり、以降の様々な闘いにおいても赤石の必殺技として対戦相手を倒していきます。
決め台詞はもちろん
一文字流斬岩剣、この世に斬れぬものはなし!
■天縄闘(てんじょうとう):『中国武術大覧』
「魁!!男塾」 5巻 宮下あきら/集英社 より引用
驚邏大四凶殺の最後、桃vs伊達の闘いに用意された舞台が天縄闘です。
縄で作り上げた大きな蜘蛛の巣、というのがはまるでしょうか。
足場の不安定なその上で闘い、なおかつ四方八方から火をつけるという、闘い終えた後はどうやって戻るつもりなのか問いただしたい闘いの舞台です。
■鎮守直廊(ちんじゅちょくろう):『中国武術大覧』
「魁!!男塾」 5巻 宮下あきら/集英社 より引用
桃達が男塾の三号生たちに呼び出されて向かった先がこの鎮守直廊でした。
本殿まで一直線上にのびた直廊の中にはいくつかの房があり、その房の一つ一つに番人や仕掛けがあってそれを通り抜けた者だけが目的地に辿り着けます。
バトル物とかでよくあるアレですね。
いうなれば、レッドリボン軍のマッスルタワーが縦バージョンなら、こちらは横バージョンというわけです(え、本当に?)
■死穿鳥(しせんちょう):『世界の怪拳・奇拳』
「魁!!男塾」 8巻 宮下あきら/集英社 より引用
大威震八連制覇の第三闘で男爵ディーノが繰り出したのが死穿鳥拳です。
死穿鳥とは中国雲南省の原産で、鷲鷹科の猛禽です。
その特徴的な鋭い嘴には猛毒が塗られており、殺人鳥として仕立て上げられています。
死穿鳥拳はこの死穿鳥と鞭での同時攻撃を行うものです。
ちなみに男爵ディーノ、髭がない方がなかなか男前だと思います。
■鼯樵橤拳(ごしょうずいけん):『奇跡の鳥慶漢』
「魁!!男塾」 8巻 宮下あきら/集英社 より引用
大威震八連制覇の第三闘の闘いの終盤、闘場は火に包まれ出します。
炎から逃れるため、闘場にある柱の上に移動した羅刹が繰り出したのがこの鼯樵橤拳です。
柱から柱にまるでムササビのように飛ぶ、高所での闘いにこそ適した拳法です。
なお、鳥慶漢とは中国の屈指の大樹海地帯であり、そこで発達した拳法、ということになっています。
■黒闇殺(こくおんさつ):『世界の怪拳・奇拳』
「魁!!男塾」 9巻 宮下あきら/集英社 より引用
大威震八連制覇の第三闘の闘いで、羅刹が最後に繰り出したのが黒闇殺です。
全く目のきかない闇夜や暗い屋内での殺傷を目的とした暗殺拳です。
大威震八連制覇では日中屋外の闘いであったため、羅刹は煙幕を使って黒闇殺を繰り広げました。
黒闇殺を極めた者は10メートル先に落ちた針の気配もつかめるとのことですが、羅刹の対戦相手の伊達は20メートル先の針の動きもつかめるとのことで、あっさりと上をいかれてしまいました。
更に言うなら、もともと視力のない月光とか相手には全くきかないということですかね?
■乖宙浮遊體(かいちゅうふゆうたい):『世界の怪拳・奇拳』
「魁!!男塾」 12巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の予選リーグの準決勝で対戦した淤凛葡繻十六闘神の副神、一角獣の搴兜稜萃との戦いで蝙翔鬼が繰り出した技です。
蝙翔鬼の蝙とは蝙蝠を意味し、文字通り蝙翔鬼は蝙蝠を使用した技を得意とします。
その一つがこの乖宙浮遊體で、蝙蝠の空中揚力を活用して自ら宙を浮遊することを可能としました。
鎮守直廊三人衆の中で蝙翔鬼は正統派でありながらトリッキーでもあり、使い勝手もよさそうだっただけにこの戦いでの退場が残念でした。
■宙秤攣殺闘(ちゅうびんれんさつとう):『拳法興亡史』
「魁!!男塾」 10巻 宮下あきら/集英社 より引用
大威震八連制覇の最終戦、桃vs邪鬼との闘いで用いられたのがこの宙秤攣殺闘です。
1号生と3号生がそれぞれ檻の中に閉じ込められ、その折は中空の天秤に吊り下げられ30分後には落ちる仕掛けになっています。
仲間を助けるためには檻を開ける必要がありますが、檻の鍵は闘う相手が飲んでしまい腹の中に。
仲間を助けるためには相手を倒して腹の中の鍵を奪わなければならないという、とんでもない闘いです。
■辨締旋風大車輪(べんていせんぷうだいしゃりん):『中国拳法大武鑑』
「魁!!男塾」 11巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の予選リーグ二回戦で対戦した狼髏館の鎮獰太子が繰り出した技です。
辮髪にした長い髪の毛と首を鍛えることで、その髪の毛を自在に操り、なおかつ巨大な重量を誇るものさえ振り回すほどの威力を誇ります。
鎮獰太子はこの辨締旋風大車輪により、髪の毛だけで男爵ディーノを敗北させるという伝説を作りますが、その技も伊達の前には通用せずにあっさり敗北してしまいます。
■翔穹操弾(しょうきゅうそうだん):『知られざる秘拳』
「魁!!男塾」 11巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の予選リーグ二回戦で対戦した狼髏館の館主、宗嶺厳が得意とする技です。
使用するのは長さ5mmほどの小さな銀の礫です。
その銀の礫を体に打ち込むことにより人体の筋肉組織の結節を刺激し、その腱反射で相手の五体を自在に操るという恐ろしい技で
狙った結節に寸分の狂いもなく打ち込むことで、相手に自刃を促すことすら可能な恐ろしい技です。
中国三千年の歴史にあって秘伝中の秘と言われ、継承するのはわずか3人ともいわれますが、その3人のうちの1人が桃であり尚且つ宗嶺厳より精度も高かかったため、宗嶺厳は桃の翔穹操弾を受けて返り討ちにあってしまいました。
■纒欬針点(てんがいしんてん):『中国拳法修行大鑑』
「魁!!男塾」 12巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の予選リーグの準決勝で対戦した淤凛葡繻十六闘神の副神、一角獣の搴兜稜萃との戦いで月光が繰り出した技です。
搴兜稜萃が操る馬が装着している角での突進攻撃に対し、月光は棍の先端を角の先端に当てて突進を止めました。
見切り技でありますが、それを体得するためには地上10mの高さから下面中央に鉄針のついた岩を落とし、口に咥えた鉄針で受け止める練習が必要とのこと。
まあ、普通に練習で死にますよね。
■晏逅寺軟體拳(あんこうじなんたいけん):『世界の怪拳・奇拳』
「魁!!男塾」 17巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの第二戦で対戦した王家の谷の守護者達のネスコンスが極めているのが、この晏逅寺軟體拳です。
この世に生を受けた時から、酢を満たした大瓶の中で生活・成長することで超柔軟な体質を作り出します。
その人智を超越した柔軟な体を使うことにより、信じられないほど自在な攻撃、防御を行うことが出来るのです。
冷静に考えて、柔軟な体以外の強さってどうやって作り上げるのか?
という疑問は残りますけれどね。
ある程度成長したら、外に出てもその柔軟性は失われないのでしょうかね?
■鶴脚閃走術(かくきゃくせんそうじゅつ):『中国日本武術交流秘史』
「魁!!男塾」 18巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの第二戦で対戦した王家の谷の守護者達との闘いで、相手の副将アヌビスとの闘いにおいて桃が繰り出した技です。
もとは足場の悪さを克服するための秘策として編み出されたもので、剣などの武器の自らの足の如く自在に操ります。
アヌビス戦では猛毒を持つ蠍が群れをなして潜む砂地が闘いの舞台となっており、蠍の毒から逃れるためにこの技を使用しました。
■梁山泊(りょうざんぱく):『武の中国史』
「魁!!男塾」 19巻 宮下あきら/集英社 より引用
梁山泊とは中国に存在した沼沢で、伝奇小説『水滸伝』の舞台として有名な地でもあります。
しかし男塾における梁山泊は、名前は同じでも異なるもの。
時は紀元十一世紀の宋の時代、時の権力に反旗を翻し、天下に受け入れられなかった豪傑・名将達が集い作り上げた別天地こそが梁山泊です。
この地では名だたる拳法家、武闘家達が凄絶な修行と研究を重ね、梁山泊馮翊拳という新たな独自の流儀を作り上げました。
そして、天挑五輪大武會の決勝リーグの準決勝で激突した相手こそがこの梁山泊の猛者達、梁山泊十六傑でした。
■鶻宙身(かっちゅうしん)の法:『独習中国拳法』
「魁!!男塾」 22巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの準決勝で対決した梁山泊十六傑の山艶が使用する技です。
ある一点に着地するとき、全体重がかかる寸前に次の一点に素早く連続移動することで一点あたりにかかる負荷を無にします。
山艶はこの技を使用することで、宙に舞う扇の上を自由自在に移動しながら攻撃する最大の秘奥義「鶻宙扇舞殺」を繰り広げました。
これは、
- 降ってくる雨粒に当たる前に別の場所に移動することで雨が降っていても濡れない技
- 兎が追い付く前に亀も少しは前進しているので兎は亀に永遠に追いつけない
といったものの考えと同じということですかね(違うか?)
でも、負荷を無にしたら移動もできなくならないものでしょうかね。
作用反作用の法則ってあるじゃないですか。
まあ、男塾ですからね!
■千日颮鏡(せんにちほうきょう):『中国の奇拳-その起源と発達-』
「魁!!男塾」 26巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士の紫蘭が誇る奥義です。
集中力と反射神経を極限まで研ぎ澄ませることで、相手の動きを寸分たがわず一瞬にして模倣します。
同じ攻撃をすることで相打ちや攻撃の相殺を続けることで相手の焦りを誘い、その隙を突いて相手を倒すというものです。
更に先に攻撃に出る相手の勢いを利用したカウンターで攻撃の威力を増大させることも可能です。
紫蘭と対戦した伊達は、紫蘭が完全に自分の動きを模倣することを逆手に取って勝利しました。
■頭槌鐘砕(とうついしょうさい):『誰が為に鐘は鳴る』
「魁!!男塾」 26巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士の劉菘胠が持つ超奥義です。
中国拳法では格闘技で手足につぐ武器として頭を鍛えることに精進し、その修行方法の究極が頭槌鐘砕となります。
これは、寺院の鐘を撞木のかわりに頭で突くという荒行で、この修行を極めることで頭が金槌のような強度、形態を有するようになります。
劉菘胠は自身の頭に絶対的な自信をもっていいましたが、対戦した江田島塾長は特に修練もしていないただの石頭で打ち破りました。
■暹氣龍魂(しんきりゅうこん)/暹氣虎魂(しんきふうこん):『中国秘拳満漢全席』
「魁!!男塾」 27巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士の大将である藤堂豪毅が得意とする超秘奥義です。
中国拳法の中で「氣」を利用した技の中でも最高峰とされるものとなります。
「氣」を刀身に集中して龍(虎)の形をした衝撃波として繰り出し、相手を攻撃する技になります。
藤堂が会得しているの、武術会ふたつの総本山の内の一つである蒼龍寺の暹氣龍魂ですが、対戦した桃も実は総本山のもう一つ王虎寺で暹氣虎魂を会得していました。
でも、何が違えば龍と虎の形の衝撃波になるのでしょうね。
気持ちでしょうか?
2-2 文化
様々な国の文化を発祥とした技であったり決闘法であったりも多く登場しています。
こんな文化もあるのか、と驚くこと請け合いです。
■六忘面痕(ろくぼうめんこん):『古代刑法全』
「魁!!男塾」 5巻 宮下あきら/集英社 より引用
伊達の顔面についている傷跡のことです。
中国漢代後期、大罪を犯した罪人の刑罰の一つとして与えられたもの、らしい。
伊達はどのような経緯でこの六忘面痕を刻まれたのか。
それは作品が完結されても結局は明かされることがないのでした。
(伊達の過去みたいなものは終盤でちょっと語られますが)
■盥支蝋(かんしろう):『教育と体罰』
「魁!!男塾」 5巻 宮下あきら/集英社 より引用
なみなみと油の入った盥の中に木っ端に乗せた蠟燭を浮かべ、その盥を持ち上げさせるというもので、男塾の名物罰の一つです。
男塾の場合、バケツを持って廊下に立たせるのではなく、この盥支蝋が行われます。
遅刻をしただけで火だるまとなる恐れのある体罰が与えられるとは、さすが男塾だと唸らされます。
■天稟掌波(てんぴんしょうは):『中国三千年の歴史に学ぶ現代人の知恵』
「魁!!男塾」 5巻 宮下あきら/集英社 より引用
鎮守直廊の第二の房、垂溶房の番人の蝙翔鬼が得意とする技です。
中国武術三千年の歴史を誇る南朝寺教体拳最大の秘奥義で、拳の気と風圧で遠くから相手を切り裂きます。
天稟掌波で落とした鳥は肉がよく締まり、最高の宮廷料理として重宝されたそうですよ。
■謝砕節(しゃさいせつ):『亜細亜刑史体系』
「魁!!男塾」 6巻 宮下あきら/集英社 より引用
鎮守直廊の第二の房で、番人の蝙翔鬼が苦戦するJに対して行ったものです。
拳闘士の決闘などで勝者がその勝利の証として、敗者の両手の指の第一関節からすべてを折り、拳を封じたという刑罰です。
拳を武器に戦う者だからこそ、この罰は最大級の屈辱を与えるものとなります。
Jはこれで逆に怒りをMAXまで上げて房を脱出するのですが、普通に拳を握ってマッハパンチを繰り出していましたぞ……?
■王家の谷の守護者達(ファラオ・スフィンクス):『ツタンカーメンの逆襲』
「魁!!男塾」 16巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの第二闘場で男塾を待ち受けていた対戦相手こそが、王家の谷の守護者達です。
古代エジプト王朝の王(ファラオ)達が眠るピラミッド地帯があるのが王家の谷と言われている場所で、その王家の谷を守護する最強精鋭の闘士をこのように名付けたとのことです。
中国拳法とは異なる特殊な格闘術を発達させており、それらの技によって男塾の塾生達も苦戦を強いられることになりました。
■蛇墨輒闘(じゃぼくちょうとう):『世界死闘決闘百選』
「魁!!男塾」 18巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの第二戦で対戦した王家の谷の守護者達との闘いで、相手の副将アヌビスが桃との闘いで選んだ決闘法です。
墨液を膝の高さまで満たした二間四方の水槽に、全身が黒一色で猛毒を持つ黒咬蛇を放ちその中で戦うというものです。
墨液と同化し、どこにいるかもいつ咬まれるかも分からない恐怖の中で闘うという、精神力と運が必要な決闘法となります。
桃とアヌビスの闘いにおいては、猛毒を持つ蠍が群れをなして潜む砂地を舞台としており、王家の谷の守護者達の間では「ルクソールの憂鬱」と呼ばれています。
なおルクソールはエジプトの都市であり、王家の谷や王妃の谷があります。
■指撥透弾(しはつとうだん):『中国宮廷儀礼典範』
「魁!!男塾」 20巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの準決勝で対決した梁山泊十六傑の蒼傑が最後に繰り出した最終奥義です。
5本の指を弓に見立て、目に見えぬほど細い羊の腸で作られた糸を弦とし、鯨のヒゲから削り出した目には見えない矢4本を同時に放つ必殺技です。
■跳蚤器(ちょうそうき):『中国武具-その創造と継承-』
「魁!!男塾」 20巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの準決勝で対決した梁山泊十六傑の頭傑が使用する技です。
見た目は、スプリングのついた兜ですね。
中国史上で勇名を馳せた東門慶将軍が発明したとされています。
背の低かった東門慶将軍はそれを補うためにこの跳蚤器を考案し、頭上からの攻撃の有利さと敏捷性を得ることに成功しました。
これを見た人の多くは、スプリングマンを思い出したことでしょう。
■轢鋲球(れきびょうきゅう):『世界古代兵器大鑑』
「魁!!男塾」 21巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの準決勝で対決した梁山泊十六傑の宋江将軍の直属の指揮下にある三人の男が繰り出す技です。
外面に鋭利な棘のついた巨大な鉄球の中に男たちはそれぞれ入り、その三つの鉄球が互いに完全な計算のもとに乱反射しあい、どこから攻めてくるか軌道を見極めさせないことで相手を攪乱、翻弄します。
人間ビリヤード、とでもいえば良いでしょうか。
特に敵が大集団の時に威力を発揮します。
■髐撥雷神拳(きょうはつらいじんけん):『中国電化大革命史』
「魁!!男塾」 23巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士の一番手、赤い稲妻(レッド・サンダー)が繰り出す奥義です。
人間の血液の中には微量ながらも電流を帯びたイオン質を含んでおり、修練によってそれを増幅してより強力な電流を発生させることで敵を怯ませたり、ダメージを与えたりします。
電気ウナギなどと同じことを人間が実施する、ということです。
人間を含めてすべての生き物は、筋肉を動かすとき微弱な電気が起きますので、ありえないことはないのでしょうか・・・?
■ラ・メルヴェル:『西欧文明-その爛熟と退廃-』
「魁!!男塾」 23巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士の一人、黒薔薇のミッシェルがみせたものです。
ラ・メルヴェルとは技ではなく拷問法のひとつで、17世紀フランスのブルボン王朝で考案されたものです。
囚人に毒を飲ませたうえで毒の解毒剤を割ることが不可能な鉄球の中に入れ、囚人が鉄球を相手にもがき苦しむ姿を見て楽しむというものです。
ミッシェルも同様に、対戦相手である富樫に紫の薔薇の毒香を付与し、解毒剤を入れた肉厚5cmの鉄球を渡しました。
なお、鉄球は富樫の石頭によって見事に粉砕することが出来ました。
■ラーマ・ヨガ:『インド人も吃驚!ヨガの奇跡』
「魁!!男塾」 24巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士の一人、ラジャ・マハールが繰り出す技です。
インドに伝わるヨガの中でも別名「黒ヨガ」とも呼ばれるものです。
骨の骨細胞組成さえも変えて自由自在に変形させることを可能とし、信じられないような体の動きを見せます。
ラジャ・マハールはそのヨガを戦闘用に鍛え上げ、驚異の殺人格闘技に昇華させています。
いや、骨を自由に変形させるってどういうこと!?
■水龍[革奉]球(すいろんぼーきゅう):泳げ!騎馬民族
「魁!!男塾」 25巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士のうち、冥凰島蒙古三凶撰の一人フビライカーンが得意とする決闘法です。
モンゴルに伝わる最も過酷な決闘法で、当初は7メートル四方の木槽に水を一杯に満たし、その中でどちらかが死ぬまで戦うというものです。
空気孔は出入り口でもある天井にある穴一つであり、闘いの最中にはその空気孔で息を継ぐしかありません。
当然、相手が息を継ごうとするのを妨害するのも戦法の一つとなります。
窒息死とか嫌なので、決闘法の中でもやりたくないものの一つです(いや、全部やりたくないのばかりですけど)
■モングール・ピラニア:『喰うか喰われるか!!世界食通事情』
「魁!!男塾」 25巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士のうち、冥凰島蒙古三凶撰の一人フビライカーンが影慶との水龍[革奉]球の決闘で出した切り札です。
ピラニアの中でも特に体長も大きく凶暴さを誇り、土地の人々には「水中の悪魔」と恐れられています。
百匹も集まると、水浴びにきた水牛を十数秒で白骨にしてしまうほどの凄まじさです。
でも、珍味らしいですよ。
あまり食べたいとは思いませんが。
■赤鞭斬(レッドウィップジェノサイド):『世界拷問史』
「魁!!男塾」 27巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士のスパルタカスが持つ奥義です。
帝政ローマ時代に奴隷を処罰するために用いられた武器です。
この鞭には鋭利な刃物が感覚を置いて仕込んであり、ひねりやしなりが自由自在なまま相手を切り刻むことができるというものです。
鞭の先端には極鉄鋼で編んだ網も仕込まれており、網で捉えて自由を奪ったうえで鞭で攻撃するといった合わせ技も見せます。
■騎馬戦車スコルピオン:『世界史に見る現代兵器の源泉』
「魁!!男塾」 27巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士のスパルタカスが得意とする攻撃方法です。
古代ローマ帝国の英雄カエサルが考案し使用した伝説の兵器です。
戦車の車軸に回転する刃を装着し、人馬一体となって相手を攻撃します。
ここまでくると、個人が使用する武器というよりも兵器ではないかと思いますが、天挑五輪大武會ではこれもアリなんですね。
■魔翔流気法(ましょうりゅうきほう):『バットマンかく語りき』
「魁!!男塾」 29巻 宮下あきら/集英社 より引用
七牙冥界闘の第二の牙の王宮への道五人衆の一人デバレスが使用する技です。
羽を装着し、谷から吹き上げる上昇気流を利用して自在に空を飛び、上空から相手を攻撃するものです。
この技を獲得できるのは過酷な修行を重ねたうえであり、一万人に一人とのこと。
しかし、技を会得したとしても活用できる場所、場面はえらく限定されそうですね。
上昇気流が常に発生するような場所じゃないと駄目ですもんね。
それでも人は空に夢を抱く生き物なのでしょう。
■鉄騎宙弾(てっきちゅうだん):『玩具に見る古代中国の英知』
「魁!!男塾」 29巻 宮下あきら/集英社 より引用
七牙冥界闘の第二の牙の王宮への道五人衆の一人ヘルバーが繰り出す奥義です。
拳法における身のこなしの素早さを倍加させる道具がこの鉄騎宙弾です。
バネと体重移動を利用したごく単純なものでありますが、使用することによって地上30メートルまで跳躍することも可能とのこと。
しかし、バネの力で跳躍するのは素早くできるとしても、物理法則として頂点では運動エネルギーはゼロとなって止まる瞬間ができるはずなのですけどね。
「魁!!男塾」 29巻 宮下あきら/集英社 より引用
■浮木流闘(ふぼくりゅうとう):『アラスカ大紀行』
「魁!!男塾」 29巻 宮下あきら/集英社 より引用
七牙冥界闘の第二の牙の王宮への道五人衆の一人バーミリオンが持ち出した決闘法です。
川の下流には大瀑布があり、落下する直前に垂らされた一本のロープを掴んで助かることができるのは一人。
川に流れる丸太の上で闘い、その一本の命綱を掴むために闘うというものです。
なお、この決闘を見て真っ先に思い出したのは『ゲームセンターあらし』でした。
「ゲームセンターあらし」 3巻 すがやみつる/小学館 より引用
同じような方、いますか?
2-3 人物・歴史
古今東西の偉人や歴史をもとに生まれた技や伝統のようなものもあります。
そういった書を集めました。
■戦吉兆羅針盤(いくさきっちょうせんしんばん):『戦国武将考察』
「魁!!男塾」 4巻 宮下あきら/集英社 より引用
桃達一号生四人が驚邏大四凶殺に向かう際、教官の鬼ヒゲが桃達の戦の命運を占うために持ち出したのがこちらの戦吉兆羅針盤です。
要はルーレットのようなものですが、100の目のうち99が「勝利」、1が「死」と、基本的には「勝利」が出るようになっています。
戦の前に景気を付ける前に行う形式的な儀式ですが、鬼ヒゲはよりによって1/100の出目の「死」を出してしまうのでした。
■男塾血誓痕生(おとこじゅくけっせいこんしょう):『日本風俗奇譚』
「魁!!男塾」 4巻 宮下あきら/集英社 より引用
驚邏大四凶殺の最初の闘いでJが雷電と相打ちになって命を落とした後、桃が行ったのがこの男塾血誓痕生です。
死んだJの名をナイフで腕に刻み込み、この先も共に戦うと誓ったものです。
まあ、結局は死んでいないんですけどね!
■大鐘音(だいしょうおん):『戦国武将考察』
「魁!!男塾」 4巻 宮下あきら/集英社 より引用
驚邏大四凶殺で富樫が苦戦していることを知った一号生の仲間たちが、遠くにいる富樫にエールを送るために行ったのがこの大鐘音です。
残された一号生たちで一斉に大声を出し、ニ十キロ以上離れた場所で戦っている富樫にエールを送るのです。
現実的に届くはずがないと思われますが、ピンチに陥っていた富樫は確かに大鐘音を聞き、そこから飛燕に対し反撃を開始するのでした。
■蛇轍槍(じゃてつそう):『戦国武芸者往来』
「魁!!男塾」 5巻 宮下あきら/集英社 より引用
驚邏大四凶殺で伊達が繰り出したのがこの蛇轍槍です。
槍でありながらその柄にはいくつもの節があり、まるで十節棍のように変幻自在に動かすことのできる仕掛槍です。
室町時代後期、稀代の槍の達人といわれた辺見鉄山によって考案された逸物、らしい。
ていうかこれ、先端に槍の穂先がついた十節棍では……?
■爆挺殺(ばくていさつ):『戦国異聞記』
「魁!!男塾」 6巻 宮下あきら/集英社 より引用
鎮守直廊を突破した桃達が辿り着いたのは三号生筆頭の大豪院邪鬼が待つ天堂宮でした。
富樫は兄の仇である邪鬼に向かいますが、圧倒的な実力の前になすすべもありません。
そんな富樫が最終手段として考えたのがこの爆挺殺です。
自分の体に爆弾を巻き付けて相手もろとも爆殺する、人間爆弾です。
この人間爆弾にも、古き日本の時代から受け継がれてきたというわけですね。
まあ、1257年といえばまだ鎌倉時代なんですけどね。
■竜盆梯网闘(りゅうぼんていもうとう):『鉄拳記』
「魁!!男塾」 7巻 宮下あきら/集英社 より引用
大威震八連制覇の第二の闘場がこの竜盆梯网闘でした。
直径30メートルの大器になみなみと濃硫酸を満たし、その上に3名以上の人が乗ると我落ちるよう設計された梯が渡された闘場です。
富樫&飛燕が、センクウ&独眼鉄とこの竜盆梯网闘で死闘を繰り広げました。
■血闘援(けっとうえん):『武士魂』
「魁!!男塾」 7巻 宮下あきら/集英社 より引用
大威震八連制覇の竜盆梯网闘での闘いで、その独特の闘場ということもあり飛燕は独眼鉄を相手に苦戦を強いられます。
そんな時、ペアを組んでいた富樫が、飛燕に向けてこの血闘援を送りました。
胸に“闘”の一文字を刻んで必勝を祈願する応援の至極です。
『武士魂』によるとその胸の傷は一生消えることはないと記載されていますが、その後の富樫の闘いでは特に傷も残っていなかったような気はします。
■千条鏤紐拳(せんじょうちゅうおうけん):『戮家その全貌』
「魁!!男塾」 8巻 宮下あきら/集英社 より引用
大威震八連制覇の第二闘で三号生のセンクウが繰り出した技です。
目に見えぬほど細いけれど、恐ろしく鋭く研ぎ澄まされた刃物のような鋼線を自在に操る技です。
このように細い線を活用した技は様々な作品で使われていますが、トラップとして仕掛けておくには最強クラスだと思います。
■抛託生房(ほうたくしょうぼう):『戦国武将人情譚』
「魁!!男塾」 12巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會に男塾が参加したのは、もとはといえば塾長の江田島平八の個人的な復讐の為でもありました。
その事情に直接関係ない塾生たちを死闘の舞台に送り出し、一人だけのうのうと待つことをよしとしない江田島平八が行ったのがこの抛託生房でした。
十六本の綱のうちの一本だけに支えられた棘天井のある部屋に一人こもり、塾生が一人死ぬ毎に一本の綱を切り、塾生と共に生死をかけたのです。
発祥は戦国時代、毛利元就が行ったらしいですよ……って、いやいや!?
■攪音波催眠(かくおんぱさいみん):『大衆操作暗黒史』
「魁!!男塾」 12巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の予選リーグの準決勝で対戦した淤凛葡繻十六闘神の一人、双子座の贅魅爾が卍丸に対して繰り出した技です。
竪琴の音色による催眠効果で卍丸に幻覚を見せて自由を奪いました。
音を利用した操作というのは、「ハーメルンの笛吹き男」など有名なものがあり、メジャーなものなのかもしれません。
■渦龍天樓嵐(かりゅうてんろうらん):『武道達人逸話集』
「魁!!男塾」 18巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの第二戦で対戦した王家の谷の守護者達のセティとの闘いにおいて、セティが操る硝酸のシャボン玉から脱出する際に伊達が使用した技です。
中国槍術の幻の秘技で、槍をすさまじい勢いで回転させることで小竜巻ともいえる乱気流現象を起こすものです。
伊達はこの技により、降りかかる硝酸を風圧によって全て弾き返しました。
この技を使用することで雨をはじくこともできるので、急に雨が降った時などは傘の代わりにもなりそうですね。
■砕氷凍界(さいひょうとうかい):『かき氷屋三代記-我永遠に氷をアイス-』
「魁!!男塾」 25巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士のうち、冥凰島蒙古三凶撰の一人シャイカーンが闘いの中で繰り出した技です。
闘いは硫陿氷樹という氷を模した氷の上で行うというもので、対戦相手の雷電を仕留めるために使用しました。
硫陿氷樹でこそ使用される技で、高速回転によって生み出された細かい氷片のヘルベリン冷凍効果によって周囲の温度を零下30度にまで下げ相手の体温を奪い凍結させるというものです。
対戦した雷電は危機に陥りますが、鎖鎌を濃硫酸につけその熱で体が凍るのを防ぎました。
■炎刀嗋油闘(えんとうきょうゆとう):『炎の武将・織田信長』
「魁!!男塾」 27巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士の大将である藤堂豪毅が桃との闘いに持ち出した決闘法です。
お互いが全身に油をかぶり、長時間火をともせる松ヤニを刀身に塗り、触れただけでも火だるまになってしまうというものです。
藤堂はさらに火の囲いを作ることで闘いの場を狭くし、逃げ回ることなく短期決着をしようとしました。
発祥は、戦国時代の織田信長であると書かれていますが、そんなことはないでしょう。
■剣座天虣耐(けんざてんほうたい):『戦国決闘異聞』
「魁!!男塾」 28巻 宮下あきら/集英社 より引用
桃と東郷総司の男塾総代決定戦で用いられたものです。
蝋燭の炎によってロープが焼き切れると、ロープの先に結ばれている刃のついた石が頭上から落ちてくる仕組みになっており、先に逃げ出した方が負けという度胸試しです。
発祥は戦国時代、侍や武将たちが己の勇気や胆力を誇示し競う目的で行われていたとのこと。
一歩間違えれば死んでしまいますので、度胸試しどころか人材の大いなる損失にしかならないものですね。
2-4 科学
意外と思われるかもしれませんが、科学関連の書物も多く出ています。
科学関連は、なかなか面白い書名も多いので、是非、読んでみたいと思う書もあるかと思います。
■昇龍風(しょうりゅうふう):『世界気象大鑑』
「魁!!男塾」 4巻 宮下あきら/集英社 より引用
驚邏大四凶殺の富樫vs飛燕の闘いで、断崖から真っ逆さまに落ちたと思われた富樫を救ったのがこの昇龍風でした。
気象学的には実際に発生しそうな気がしますが、どうなんでしょうね?
どなたか、実際に経験された方がいたら教えてください!
■盤隆氷(ばんりゅうひょう):『氷の科学』
「魁!!男塾」 4巻 宮下あきら/集英社 より引用
驚邏大四凶殺の虎丸vs月光の闘いの場となったのがこの盤隆氷です。
言ってしまえば氷のリングです。
急激な高低温度差によって出来上がり、北海道の不知火山近くの氷洞に多くみられるそうですが、北海道に不知火山などありませんので誤解なさらぬよう。
■怒粧墨(どしょうぼく):『肉体の神秘』
「魁!!男塾」 4巻 宮下あきら/集英社 より引用
盤隆氷での闘いで虎丸に放屁をくらった月光が怒りのあまりに見せたのがこの怒粧墨です。
体温の上昇により浮かび上がる特殊な墨を使用して体に彫ってあります。
月光の体に浮かび上がった文字は「一見必殺」
これを見たものは死あるのみという宣言をしています。
ま、『男塾』なので死にませんが。
■鉄球のヘソを見切る(てっきゅうのへそをみきる):『分子核構造その理論』
「魁!!男塾」 9巻 宮下あきら/集英社 より引用
これは他のものと異なり、具体的な見出しがあるわけではありませんので、月光が言った言葉を引用しました。
大威震八連制覇の最終闘の天愕塔山へと向かう道で正面から巨大な鉄球が転がり落ちてきました。
1号生全員の力でなんとか押しとどめますがそれが精いっぱい。
このままでは力尽きてしまうという状況を打開したのが月光です。
月光はその鉄球の上に乗ると、鉄球の一部を拳で傷をつけました。更にその後に転がる鉄球のその傷の部分に一撃を放つと、鉄球は粉々に砕け散りました。
鉄球を構成する分子構造体の一番弱い箇所に衝撃を与え、その連鎖反応で全体を破壊したのです。
■氣功闘法(きこうとうほう):『氣-その効用と実践』
「魁!!男塾」 10巻 宮下あきら/集英社 より引用
大威震八連制覇の最終戦、桃vs邪鬼との闘いで、桃が邪鬼の剛拳に対抗するために繰り出したのが、この氣功闘法です。
氣、即ち肉体がもつ生体エネルギーであり、そのエネルギーをハチマキに注入することで鋼の如く硬くして邪鬼の拳を切り裂きました。
それならなんでもアリじゃんと思うかもしれませんが、氣を練るには時間がかかりますし、氣を使いすぎると体力も大きく消耗する諸刃の剣ともいえるものです。
■無明察相翫(むみょうさっそうかん):『中国拳法-その科学性-』
「魁!!男塾」 13巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の予選リーグの準決勝で対戦した淤凛葡繻十六闘神の副神、一角獣の搴兜稜萃との戦いで月光が見せた辵家奥義がこの無明察相翫です。
相手の動きを完全に予測し、相手の動きを先回りした行動をすることで相手を追い詰めていきます。
心理的圧迫状態に陥った時、年齢・性別・知力・体力にかかわらず全て同様のパターンをとるというケッペルの法則に基づいた秘儀です。
ただ一つ大きな問題があるとしたら、ケッペルの法則などというものは実在しないことです。
■翹磁大撥界(きょうじだいはっかい):『大磁界』
「魁!!男塾」 21巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの準決勝で対決した梁山泊十六傑の宋江が使う技です。
要は磁石の力です。
強力な磁力をもつ太極磁石使用し、敵の武器に太極磁石粉を付着させ、同極の太極磁石で出来た防具を装着することで無敵の防御幕を作り出します。
太極磁石粉が付着するような武器を使用する相手には絶大な威力を誇るでしょうけれど、そうでない場合はどうするのでしょうね。
■灼炎畷掌(しゃくえんていしょう):『人体-その代謝機能の神秘-』
「魁!!男塾」 25巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士のうち、冥凰島蒙古三凶撰の一人シャイカーンが得意とする技です。
人間が発する総熱量はおよそ10万キロカロリーに及びますが、想像を絶する修行をすることでその熱量を自在に操り、熱を一点集中させることを可能とします。
一点に集中した熱は温度850度にも達し発火させます。
なお、熱量の配分をする働きをもつのが脊柱神経とのことですが、ネットで調べてみたところそのような神経はヒットしませんでした。
■千歩氣功拳(せんぽきこうけん):『氣の科学』
「魁!!男塾」 26巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士師範の洪礼明が得意とする至極奥義です。
離れたところから気功法によって発する「氣」という人体エネルギーで敵を倒す百歩神拳をさらに強大にしたのが千歩氣功拳です。
なお、洪礼明と対戦したのは江田島塾長だったのですが、実は塾長は千歩氣功拳を伝授した陳老師の弟子で洪礼明の兄弟子にあたり、はるかに強力な千歩氣功拳を放って洪礼明に勝利しました。
■透闇視(とうあんし):『EYEこそすべて』
「魁!!男塾」 29巻 宮下あきら/集英社 より引用
七牙冥界闘の第一の牙の魍魎塔五人衆の一人ダーシルマが極めている技です。
修行をすることによって完全に遮蔽された完全なる闇の空間でも物体を見ることで出来るようになるというものです。
ダーシルマはさらに気配も消すことで、相手の攻撃を受けることなく一方的に攻撃することができます。
ダーシルマと対戦した宗嶺厳は、翔穹操弾を放ち塔の壁に穴をあけて外の光を入れることで打ち破りましたが、宗嶺厳以外ならもっと大きな攻撃力を誇る技で壁を破壊して光を入れることが出来てもっと楽に勝てたかもしれませんね。
■宙磁闟斬刀(ちゅうじきゅうざんとう):『マグネットパワー-21世紀をこう変える-』
「魁!!男塾」 33巻 宮下あきら/集英社 より引用
宙磁闟斬刀が出てきたのは物語も終盤です。
武幻城での闘いで武幻城の四闘仙の一人である幽鬼之丞が繰り出してきたのがこの宙磁闟斬刀です。
要は、磁石です。
幽鬼之丞が使用する武器の不知火は磁力を帯びており、更に闘いの舞台となった庭園全体も強力な磁場であり、その磁力を使用して触れることなく不知火を自由自在に動かして相手を倒すというものです。
もちろん、ただそれだけでは自由に動かせませんので、隠し持った超強力な一対の異極の磁石を自在に操ることで刀がまるで意思をもって動いているかのように見せるのです。
出典は『マグネットパワー-21世紀をこう変える-』
これを読めば使用しているのは普通の磁石ではなく特殊なもので、他の金属には反応しないようなので、沢山の磁石を集めて同様のことを再現しようとしてもできませんのでご注意ください。
2-5 医学
医学というのは即ち人体のことを研究していることでもあり、壊すのと治すのは表裏一体なのではないかと思います。
そういう意味で、医学的な書があるのも当然なのかもしれません。
■體動察(たいどうさつ):『医学的見地より考察した中国拳法』
「魁!!男塾」 21巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの準決勝で対決した梁山泊十六傑の泊鳳が会得している技です。
人間の体というのはその肉体を駆使する寸前に必ず筋肉、表情、呼吸に微妙な変化が現れます。
その微妙な変化を読み取ることで相手の動きを完璧に予見します。
具体的には、運動を起こすときに大脳から意志を伝達する運動神経の中継機能を持つのが體動点であり、全身にめぐらされた體動点の変化を見極めて拳法に応用したのが體動察となります。
■噴血針(ふんけつしん):『中国古代吃驚医学大鑑』
「魁!!男塾」 22巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの準決勝で対決した梁山泊十六傑の首領、梁皇の技で使用する道具です。
噴血針とは古代中国医療で使われた医療器具で、噴血針を体内に打ち込むと、血液の持つ浸透圧の差を利用することで体内に溜まっている悪い血や膿を体外に排出することができます。
梁皇は透き通るガラスで作られた噴血針を高速で投げて対戦相手に打ち込み、相手に大量の出血をさせていきます。
■傀儡窕彭糸(くぐつちょうほうし):『中国拳法に見る東洋医術』
「魁!!男塾」 26巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士師範の洪礼明が得意とする超奥義です。
筋肉運動を命令する脳と筋肉各部の中継点となる神経節に糸のついた極細針を打ち込み、糸の微妙な操作で刺激することで相手を自在に操る術です。
もともとは中国の秦の時代に他国から攫ってきた奴隷を効率的に働かせるために使われたものを、戦闘用の奥義として昇華させてきたものです。
洪礼明と対戦した江田島塾長は苦戦を強いられますが、肉体の中でも傀儡窕彭糸の及んでいなかった箇所(股間)を使用することで、この技を打ち破りました。
■モルグケシ草:『現代麻薬集成』
「魁!!男塾」 29巻 宮下あきら/集英社 より引用
七牙冥界闘の第一の牙の魍魎塔五人衆の一人ギーガーが鎮座する「花園の間」に咲き乱れていたのがモルグケシ草です。
中央アジア北部のカングール地方でのみ算出され、強烈な幻覚作用を持ちます。
あまりの強力な幻覚作用で軍事転用された時には凄惨な結果を残し、現在では栽培も禁止されています。
なお、ギーガーと対戦したゴバルスキーは、モルグケシ草を上回る強烈な匂いを発するゴバルスキー自身のフンドシ(三年間未洗濯)を活用することで幻覚作用を打ち消しました。
2-6 生物
『魁!!男塾』で闘う相手には、様々な生き物を操ることを得意とする者も多くいます。
そんな、闘いに使われた生物の出典となる書がこちらになります。
■甲冑軍隊蟻(かっちゅうぐんたいあり):『実用動物辞典』
「魁!!男塾」 17巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの第二戦で対戦した王家の谷の守護者達のジェセルが活用していたのがこの甲冑軍隊蟻です。
ジェセルはなんとこの甲冑軍隊蟻で自分の頭部と腕を作り上げており、そのために腕を切り落としたり、首を跳ねられたりしてもなお生きている不死身の人間のように思わせていました。
ただこの『実用動物辞典』の引用部分を見ても、甲冑軍隊蟻をどうして自分の手足のように使役できるのかということは記載されていないのですけどね。
■煇光蛍(こんこうぼたる):『驚異の昆虫世界』
「魁!!男塾」 19巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの第二戦で対戦した王家の谷の守護者達との最終戦、相手の将であるファラオが桃を相手にまず繰り出したのが、この煇光蛍を使用しての技「永劫の輪廻覚醒」でした。
煇光蛍は極めて明るい光を放ち、その集団性と知能の高さで知られています。
ファラオはその特性を活かし、煇光蛍の集団で自身の分身を形成して相手と戦わせるという凄まじい技となります。
■操蜂群拳(そうほうぐんけん):『罦虻流昆虫記』
「魁!!男塾」 21巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの準決勝で対決した梁山泊十六傑の蓬傑の最大の奥義です。
三匹で刺せば猛牛さえも絶命させる毒を持つ禽虎蜂を調教し、自在に操り闘います。
実際には大量の蜂全てを操っているわけではなく、群れを統率する女王蜂がいてその女王蜂により集団で行動をなしています。
女王蜂さえ殺してしまえば破ることのできる技でもあります。
■操象戮狟闘法(そうぞうりくかんとうほう):『闘う動物大百科』
「魁!!男塾」 24巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士の一人、ラジャ・マハールが行う戦い方です。
陸上最大の生物である象の欠点である鈍重さを、特殊な訓練を行うことで恐るべき敏捷性を身につけさせ数々の秘儀をもつ戦闘法として確立させたものです。
現実として、インドや東南アジアを主として軍事用の戦象は存在しており、マケドニアの東方遠征やディアドコイの戦いなどで戦象は運用されています。
他に有名なのは、「アルスラーン戦記」におけるシンドゥラの戦象部隊が有名ですね。
ただ、突撃時は前進しかできず方向転換や急停止は至難であり、暴走の危険性や、大音響や火に弱いなど弱点も多く、銃器の発展とともにその役目を終えました。
実際、本作で登場したパンジャブのような象が実在したら、とてつもなく恐ろしいことになりそうですね。
「魁!!男塾」 24巻 宮下あきら/集英社 より引用
■驚鞉操鰐術(きょうとうそうがくじゅつ):『クロコダイル・ダンディ-爬虫類よもやま話-』
「魁!!男塾」 29巻 宮下あきら/集英社 より引用
七牙冥界闘の第一の牙の魍魎塔五人衆の一人クリンスマンが使う技です。
地上に生息する爬虫類の中でも最も獰猛といわれるマーダー・クロコダイルという鰐を自在に操る術です。
巨象すらも瞬時に白骨化するほどの威力を誇り、鰐とクリンスマン自身の二重の攻撃で対戦した白鳳を苦しめました。
2-7 スポーツ
『魁!!男塾』で見せられる技の中には、既存のスポーツに似たような技も出てきます。
スポーツからルールを除けば格闘になりやすいものもありますが、しかしその転用はちょっとどうなのよ、と思えるものが多くあるのも確かです。
■羅惧美偉(らぐびい):『ヨーロッパ中世スポーツの起源』
「魁!!男塾」 3巻 宮下あきら/集英社 より引用
米国からの交換留学生が男塾にやってきた際、日米親善という名のもとに対抗戦が行われました。
その対抗戦の一つがこの羅惧美偉でした。
試合の前に両チームは塩酸バリトニウムという劇薬を飲みます。
解毒剤の入った金庫はお互いが目指すゴールにあり、金庫の鍵を鋼鉄製のボールの中に入れてボールを奪い合って先に金庫を開けて解毒剤を手に入れたチームだけが助かるというものです。
双方、ボールを奪い合う前に大乱闘になり、本物のラグビーとは似ても似つかない競技です(当たり前)
■練活気挿法(れんかつきそうほう):『肉体の神秘とスポーツ』
「魁!!男塾」 8巻 宮下あきら/集英社 より引用
大威震八連制覇の第三闘で、伊達が羅刹との闘いの際に繰り出しました。
自己催眠をかけることにより、普段は50~60%しか使用できていない肉体能力を瞬間的に100%まで引き上げます。
伊達はこの練活気挿法を使用することによって、羅刹の攻撃による絶体絶命の窮地から脱出することに成功しました。
■纏咳狙振弾(てんがいそしんだん):『スポーツ起源異聞』
「魁!!男塾」 19巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの準決勝で対決した梁山泊十六傑の蒼傑との闘いにおいて、月光が使用した技です。
棍で地面に置いた鉄球を打ち、正確無比な打球で敵を打ち倒します。
いってしまえばゴルフスイングですね。
記載にもある通り、創始者である呉竜府の名をとりゴルフの起源ともなった、とも言われているようです(※そんなわけありません)
しかしサッカーやらテニスやらゴルフやら、男塾は何でもありですね!
■彊条剣(きょうじょうけん):『世界スポーツ奇譚』
「魁!!男塾」 20巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの準決勝で対決した梁山泊十六傑の蓬傑が使いこなしているのがこの彊条剣です。
いってしまえばフェンシング。
針のように細く研ぎ澄まされている剣のため、わずかの力で素早く相手の急所を突くことができます。
しかし、この使い手が邊真愚(へんしんぐ)であり、フェンシングの名の由来となったというのは驚きですね!
■地獄相撲(じごくずもう):『相撲人生待ったなし』
「魁!!男塾」 25巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士のうち、冥凰島蒙古三凶撰の一人キルギスカーンが得意とする決闘法です。
要は相撲ですが、地上15メートルの高さに土俵を作り、そこで生死をかけて戦うというものです。
通常の相撲とは異なり、土俵の上で手をついたり倒れたりしても問題なく、あくまで相手を土俵から落とすことで決着をつけます。
■硫陿氷樹(りゅうきょうひょうじゅ):『SKATERS WARTZ』
「魁!!男塾」 25巻 宮下あきら/集英社 より引用
天挑五輪大武會の決勝リーグの決勝で対決した冥凰島十六士のうち、冥凰島蒙古三凶撰の一人シャイカーンが得意とする決闘法です。
起源は蒙古中央部で行われていたもので、厚さ約1cmの薄い氷の張った湖沼を選び、いつ氷が割れるかもしれないという恐怖の中で闘うものでした。
その決闘法が発達し、やがて三次元的な動きを加味するため樹を模した氷の上で闘うようになったものです。
薄い氷、さらに溶けていく氷の上で闘うため、優れた体術が必須な決闘法です。
■趨滑襲(すうかっしゅう):『室内球技における中国文明の影響』
「魁!!男塾」 30巻 宮下あきら/集英社 より引用
七牙冥界闘の第二の牙の王宮への道の最終番人・エーベルシュタインによってエーベルシュタインの忠実な部下となった月光が繰り出してきた技です。
刃の両端に極めて弾力性に富む球状の特殊ゴムがあり、これを室内の壁や床や天井に反射させて敵を攻撃します。
反射角の精密な計算を行うことで、術者自身には当たらないようにしながら自在に敵を攻撃することが可能となります。
でも、一度投げただけでこんな何度も跳ね返り続けるなんて、どれだけのエネルギーを込めたのか恐ろしいですね。
3、まとめ
『魁!!男塾』で一躍有名となった民明書房の書物に関して、7つにカテゴライズして紹介しました。
こうして読み返してみると、実に様々な、タイトルだけでも魅力的な書物があることに改めて気が付きます。
気になった方は是非、読み返してみてください。
多くの驚きと笑いに包まれることかと思います。
しかし、今をもって忘れることのできない民明書房を生み出したことは、偉大といわざるをえないです。
以上、マンガフルライターの神門でした。
『魁!!男塾』はアプリで読むこともできますので、読みたくなった方は是非こちらから!
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