みなさんこんにちは、今日も今日とて漫画読んでますか!? マンガタリライターの神門です。
さて今回は、
「2019年7月にマンガタリのライターが読んだおすすめ漫画」
を紹介します!
毎日が暑いですね!
夏の本格的な暑さの始まった7月、マンガタリライター達はどんな作品を読んでいたのでしょうか。
マンガタリライターがおすすめする作品をぜひ、みなさんが次に読む漫画の参考にしてください!
目次
1、『蟲師』 / 捲った頁から感じられる濃密な「湿度」が魅力。蟲が生み出す不可思議な現象を描いた作品
作者 | 漆原友紀 |
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出版社 | 講談社 |
掲載誌 | アフタヌーンシーズン増刊/月刊アフタヌーン |
掲載期間 |
1999年~ 2008年
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巻数 | 10巻 |
生物と現象のはざまにある存在「蟲」と、それらが生み出す不可解な事象を淡々と描き出します。
時代設定は江戸時代の日本のようなイメージ、舞台は山深い村やさびれた漁村です。
村で蟲がなにかの悪さをしたとき、ふらりと現れるギンコという「蟲師」が物語のキーパーソンです。
蟲師は蟲が起こした現象を研究、把握している者であり、ときには蟲の被害を解決することもあります。
蟲が原因で、娘の姿が徐々に姿が消えていったり、男の体から木の芽が芽吹いたり、死んだ母親がその娘から再度生まれたり・・・怪異な現象が起こります。
ギンコは村人たちから事件を聞き、手助けをしようとしますが、その努力は実る時もあれば失敗に終わることもあります。
蟲とは、自然現象にもほど近いものです。
運命を受け入れ、理不尽に寄り添う不思議な感覚を味わうマンガです。
2、『とどのつまりの有頂天』/ 6人の女子高校生3カップルのドタバタ日常を描いたギャグ成分も百合成分も濃密な漫画
作者 | あらた伊里 |
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出版社 | 少年画報社 |
掲載誌 | ヤングコミック |
掲載期間 | 2018年1月号~ |
巻数 | 2巻 |
訛りがコンプレックスで友達がいない山田美古都。
そんな美古都に実は一目ぼれしちゃった生徒会書記のクールな猫崎蓮が美古都のために「巫女部」を設立しちゃいます。
有頂天高校では必ず全員が部に所属しなければいけません。
部には部員4人と部室と顧問が必要で、「巫女部」が部室を持っていることに、美古都と蓮以外のはみ出し者4人が目を付けます。
結局その4人はなし崩し的に「巫女部」に入部し、猫崎が秘かに企んでいた美古都と二人きりでのキャッキャウフフな活動はあえなく潰え、女の子6人でドタバタな日常を繰り広げる、ギャグ成分が多めな百合漫画です。
6人の女の子が3組のカップルになって、それぞれがそれぞれの味を出してくれています。
- ほんわか女の子×真面目でクール少女の見ていてもどかしいカップル
- パンクな外見なのにですます口調の少女×大人しい見た目で口の悪いケンカカップル
- ものぐさ少女×青信号な病弱少女の相互依存の幼馴染カップル
と、どれも読んでいて美味しいカップルばかり。
1巻はギャグがやや強めですが、登場人物が分かって動き始めた2巻は百合度が急上昇!
それぞれのカップルの関係性や距離感、更に心理描写も細かくされて、より一層楽しむことが出来ます。
百合密度も高まり、ギャグと百合のバランスも良く、これから先が更に楽しみなところで
「え、まさかこれでおしまい!?」
と憤慨したのですが、どうやら掲載誌を移して再スタートするとのことで一安心。
早く続き(というかリスタート)が読みたい一作です。
3、『僕と彼女の×××』 / ギャグと心理描写が絶妙な高校生男女入れ替わり学園ラブコメ!
作者 | 森永あい |
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出版社 | マッグガーデン |
掲載誌 | 月刊ステンシル(エニックス) →月刊コミックブレイド →月刊コミックアヴァルス →WEBコミック Beat’s |
掲載期間 | 2001年2月 – 2013年3月 |
巻数 |
全8巻+番外編1巻
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高校生男女の入れ替わりを描いた学園ラブコメ。
それだけ聞くとよくある設定ですが、
- イケメンで運動神経抜群なのに地味で気弱な上原あきら(菜々子に片思い中)
- 特Sレベルの美少女なのに中身が野獣の桃井菜々子
この二人が入れ替わり、中身と外見がばっちりハマってしまうからさぁ大変。
ワイルド系イケメンになったあきら(中身菜々子)と儚げ可憐な美少女になった菜々子(中身あきら)の
- 「もとの体に戻る!」
- 「戻らない!」
合戦に加え、それぞれの親友を交えた恋模様が複雑に動き出します。
あきら(中身菜々子)は元親友の椎名と付き合いだし、菜々子(中身あきら)は元親友の千本木に押し倒され……。
「このままの方が幸せなのか?」
日々葛藤するどこまでも不運な男・あきらの未来はどっちだ?!
森永先生のギャグセンスが光る名作です。
学生時代にのめりこみ、ドキドキしながら読みました!
菜々子に恋をしつつ日々女子力がアップしていくあきら。 あきらの気も知らず、男ライフを謳歌し日々ツヤツヤの菜々子(なにをしているんだ……)。
急に男らしくなったあきら(中身菜々子)を意識しだす椎名に、菜々子(中身あきら)に狙いを定めるお色気眼鏡男子の千本木。
物語はこの4人を中心に展開していき、百合のようでいてBLのようでいてノーマルラブコメのような、不思議なテイストに仕上がっています!
個人的に、作中もっとも印象に残っているのが「女の子になって8か月。僕に彼氏が出来ました…」というモノローグ。
なんだかすごいことを言ってますが、ギャグでありながら丁寧に心理描写もされていて、思わずキュンキュンしてしまうこと必至です!
バレンタインに球技大会、学園祭に修学旅行。
学園モノのお約束もしっかり回収しつつ、絆を深めていく4人。
4人が最終的にどうなるかは読んでみてのお楽しみ!
ゲラゲラ笑いつつ、甘酸っぱさとちょっぴり切なさを味わいたい人におすすめの漫画です!
※8月9日に発表された森永先生ご逝去の報に接し、こうして作品をおすすめさせていただきました。心よりお悔やみを申し上げるとともに、森永先生の作品が今後も多くの人の心の中で輝き続けることを願います
4、『アイネクライネナハトムジーク』/ 伊坂幸太郎氏の原作小説の雰囲気をうまく表現した6編の恋愛オムニバス作品
作者 | 作画・いくえみ綾 原作・伊坂幸太郎 |
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出版社 | 幻冬舎コミックス |
掲載誌 | comicブースト(WEB) |
掲載期間 | 2018年1月から8月 |
巻数 | 上巻 |
伊坂幸太郎さん原作の小説のコミックス化をいくえみ綾さんが手掛けた作品です。
妻が娘を連れて実家に帰ってしまった会社員、その先輩のあおりを受ける後輩の会社員、ボクサーと美容師の電話から始まる恋など、普通の人たちの姿が描かれ、彼らに起こる小さな奇跡が描かれています。
原作も6つの恋愛小説集であることから、漫画でも6話構成のオムニバス形式で進み、それぞれの主人公たちが頑張って生活していく姿が、いくえみ綾さんらしく表現されている作品です。
まず、コミカライズにいくえみ綾先生を使う(失礼)とは!!
と本屋で驚いてしまい、思わず購入したのですが、とても面白く、上手い描き方で、完全にいくえみ作品になっていると感じました。
私は、いくえみ先生の人の描き方がとても好きなのですが、これが伊坂先生の作品の雰囲気にとても合っていると思います。
小説の細かいところまでは描かれなくても、いくえみ先生らしい味付けに代わるので、読んでいてとてもスムーズで、単純に面白かったです。
下巻もとても楽しみです!
上巻は6月末に発売で、私は7月に購入して読んだわけですが、8月末にはもう下巻が発売されるというスケジューリングにも驚きです。
それは今年の9月には放映も決まっているという作品なので、それを盛り上げるためのコミカライズだという編集部の思惑(?)にも気付きつつ、手に取ってよかった作品でした。
伊坂幸太郎ファンは、一度文字で読んだものを他の媒体にされるのを良く思わないかもしれませんが、いくえみ先生の描き方ならばそれを壊してはいないと思うので、ぜひ漫画を手に取って読んでみてほしいです。
いくえみ綾先生のファン(自分)は、もちろん楽しめるから読んでほしい。
映画ファンも文字読むのが面倒くさかったら、この漫画から読んでみてほしい、もちろん原作まで読んでほしい。
夏休みだから、他媒体の同作品も手に取る時間もありそうですし、純粋に漫画好きの人には少し敬遠されるかもしれないとは思いつつ、ぜひ紹介したい作品だと思いました。
5、『シドニアの騎士』/ ラブコメが物語の質を高くしている、宇宙を舞台としたサバイバルSF漫画
作者 | 弐瓶勉 |
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出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 月刊アフタヌーン |
掲載期間 | 2009年4月 – 2015年9月 |
巻数 | 全15巻 |
奇居子(ガウナ)と呼ばれる謎の生命体によって太陽系が破壊された1000年後の未来の話で、太陽系を脱出した人類が宇宙を旅しながら迫り来る奇居子(ガウナ)と戦いサバイブするSF漫画です。
主人公は宇宙空間で奇居子(ガウナ)と戦うロボット「衛人(もりと)」の操縦士訓練生なので、バトルシーンも満載です。
あと、人はバンバン死んでいきます。
宇宙船日常パートと宇宙空間バトルパートが絶妙に折り重なることで、常に生死の不安定さを感じることで、ハラハラドキドキが止まらない作品です。
ともかくラブコメが効いてる作品です。
SFなんで、世界観があり、綿密な設定があり、宇宙を漂う人類の生活やロボットの戦いが展開される「シドニアの騎士ワールド」にグッと引き込まれるんですが、さらにそこに「のどかなラブコメ」が挟まることで、作品がグレードアップします。
ラブコメがあることで「みんな死んでほしくない」って気持ちが強くなります。
キャラそれぞれの思いがあって、思いのおかげで成長したりして、でも思いがあるから無理もしちゃうし、思いがあるから積み重ねてきたものの価値がどんどん高まっていきます。
そのおかげで、奇居子(ガウナ)と戦うシーンのハラハラ感が跳ね上がります。
ついさっきまでラブコメしてたのに、すぐに死と隣り合わせの空間に身を置かないといけないキャラクターたちに、読者の思いが乗っかってしまいます。
もし、はじめの3巻〜5巻にピンとこなくても、読み続けてみて欲しいです。どんどん面白くなっていくので、特に1巻は読者を置いてけぼりにしてるところがありますが、なんとか耐えてください(笑)
楽しいSF娯楽が欲しい方に、オススメの漫画です!
まとめ
今回はマンガタリライターが2019年7月に読んだ漫画をご紹介させて頂きました!
皆さん、気になる漫画はありましたか?
森永あい先生の突然の訃報には私も驚きました。
今回紹介されている『僕と彼女のxxx』は私も大好きな作品でお薦めの作品ですので、ご存知なかった方も是非、森永あい先生の作品の魅力を感じていただければと思います。
他にも皆さんも気になる作品があれば、是非、読んでみて下さい!
マンガタリライター 神門
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今年はなんだか梅雨が長かった・・・!
じめじめしたときに読みたくなるマンガ、それが蟲師です。
魅力はたくさんあれど、イチオシは画面から立ち上る「湿度」!
特に蟲が起こす現象は、見たくないものを見せる・・・とか忘れたくないことを忘れさせる・・・とか、やってほしくないツボを的確についてきます。
また蟲に対しての人間の対応もスッキリしなくて、スカッと解決することはほとんどないです。
どう考えても理不尽じゃんか、これでいいのか? いいのかな?
なんて揺れる想いを抱えながら読み、各村、各人の出した答えをただただ受け入れるのがだいご味です。
なんとも言えない気持ちのまま本を閉じたとき、じめじめと雨が降っているのがこれほど似合うマンガもありません。
次は夏が来ます。
湿度の高い夜にも似合う怪異が目白押しですので、ちょっと不思議でじめっとした話が読みたいならぜひ読んでみてください!