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HUNTER × HUNTERの連載再開を祝して、冨樫義博先生の作品の魅力を改めて語ろう(3)

どうも、和佐です。

今回も冨樫義博先生のHUNTER × HUNTERについて語っていきたいと思います。

今回でもうこのシリーズも3回目ですね。

これまでの記事はこちらから読むことができます。

HUNTER × HUNTERの連載再開を祝して、冨樫義博先生の作品の魅力を改めて語ろう(1)

2017年6月19日

HUNTER × HUNTERの連載再開を祝して、冨樫義博先生の作品の魅力を改めて語ろう(2)

2017年6月28日

前回までの目次はこちら。

1、「HUNTER × HUNTER」がなぜジャンプ史上最大の問題作とされているのか?
2、「HUNTER × HUNTER」の魅力を思い出しながら語る(ネタバレあり)
2-1 冒険の始まり、仲間との出会い
2-2 ハンター試験開始
2-3 キルアの里帰り
2-4 天空闘技場にて世界のレベルを知る
2-5 「念能力」の登場で広がる世界観
2-6 ヨークシン編
2-7 幻影旅団の登場
2-8 第一次幻影旅団抗争
2-9 オークション編

そして今回の目次はこちらです。

 




2、「HUNTER × HUNTER」の魅力を思い出しながら語る PART3 ※ネタバレあり

さて、今回からは「グリードアイランド編」に突入していくわけですが、ここからさらに深く「念能力」というものが物語のキーになっていきます。

幻影旅団編はいわば、念能力の「紹介」だったわけです。

「念能力を使えばこんなこともできるよ」

という見本市ですね。

グリードアイランド編では出てくる登場人物は全てが念能力者になります。

なぜならそもそもとして「グリードアイランド」というゲームは念能力者でなければプレイできないからですね。

ちなみにグリードアイランドというゲームは、「MMORPG(マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロール・プレイング・ゲーム)」というやつだと考えてください。

アニメ「ソードアート・オンライン」で描かれたものですね。

「ゲームの世界の中に入ってしまう」というやつです。

ある意味、HUNTER × HUNTERのグリードアイランド編は、最近はやりのMMORPG系のアニメなどの先駆けとも言えます。

さすが、伊達にゲーマーじゃないですね。冨樫先生は(笑)

では、さっそく本題に移っていきましょう。

 

2-10 グリードアイランド編に突入

引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

幻影旅団編を経て、ついにゴンとキルアの2人はゴンの父親である「ジン=フリークス」の唯一の手がかりである「グリードアイランド」というゲームへの参加資格を手に入れます。

具体的には、グリードアイランドは非常に稀少性が高いゲームソフトで、相場価格50億ジェニーというとんでもない高額なゲームですが、それを正攻法で入手することができなかったゴンとキルアは、

オークションでグリードアイランドを根こそぎ落札した「バッテラ氏」の元へ向かい、ゲームプレイヤーの選抜があることを知り、選抜試験をクリアすることに成功しました。

バッテラ氏に雇われて、グリードアイランドというゲームをプレイすることになった

ということですね。

なぜバッテラ氏は自分の資産の半分をつぎ込んでまでこのグリードアイランドに固執しているのかというと、それはこのゲームをクリアした人間だけが受けとてる「特別な報酬」が理由でした。

この報酬については後述しますが、とにかく、バッテラ氏はその「通常の世界ではありえない奇跡のような報酬」を目当てとして、グリードアイランド攻略に燃えていたのです。

しかしこのグリードアイランドというゲームは普通のゲームではありません。

冒頭でも少し説明しましたが、
改めてこの「グリードアイランド(G.I)」というゲームについて説明すると・・・

 

①念能力者にしかプレイできない

このゲームのプレイ条件は、プレイヤーがゲーム機に向かって念能力を発動させることです(オーラを出す)。

故に普通の人間にはプレイすることができないので、バッテラ氏はプロゲーマーに依頼するのではなく、プロハンターにゲームクリアを依頼しています。

その中にはシングルハンター(輝かしい功績を残したハンターには星が与えられる。最高はトリプル)のツェズゲラも含まれていました。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

バッテラ氏がツェズゲラを雇ったことで、世界中で「グリードアイランドの伝説は本物だ」という噂が広まり、まさにゲーム内では激しい競争が行われている状況だったのです。

 

②肉体ごとゲームの中に吸い込まれる

ゲーム機に念能力を発動させると、一瞬でゲームの中に肉体ごと吸い込まれてしまいます。

 

③ゲームで死ねば現実でも死ぬ

そしてゲーム内で死ぬと現実には「死体」が現れます。

ゲーム内での死は、現実での死を意味するのです。

 

④現実に戻るにはゲーム内で入手できるアイテムが必要

ゲーム内から一時的に現実に戻ることができるアイテムが存在し、それを入手すれば期間限定で現実に戻ることが可能です。

しかし、現実に戻るためのアイテムの入手すらできずにいるプレイヤーの方が圧倒的多数であり、生半可な実力では、クリアどころか現実に戻ることさえも不可能です。

 

⑤ゲームクリアした者にはある特別な報酬が与えられる

ゲームのクリア条件を満たしたプレイヤーにはグリードアイランドからある特別な報酬が渡されます。

バッテラ氏に雇われたハンター達は、500億ジェニーという途方もない賞金と引き換えに、ゲーム報酬をバッテラ氏に引き渡す契約になっています。

と、こんな感じで、命の危険がある特別なゲームだったのです。

果たしてゴンとキルアは無事にゲームをクリアすることができるのでしょうか?

いや、そもそも無事に現実世界に戻ってこれるのでしょうか?

そして父親であるジンの手がかりはあるんでしょうか?

 

2-11 グリードアイランドの洗礼

ゲームの説明が終わり、実際にゲーム内に入ったゴンとキルアは、初心者プレイヤーを狙った他のプレイヤーの攻撃にさらされます。

ちなみに、ゴンが持っていた(ジンが残した)指輪には、グリードアイランドのセーブデータが入っていましたが、特に有益なものは何も残されていませんでした。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

グリードアイランドで使える魔法は2つだけ。

それは

「ブック」

「ゲイン」

です。

ブックの画像

この2つの役割は、「ブック」と唱えると魔法の本が出てきて、そこに収められている「カード」を使用することができます。

この「カード」を集めるのが、グリードアイランドの目的であり、
全種類コンプリートがゲームクリアの条件となっています。

そして「ゲイン」とは、手にしたカードの能力を使うことができる呪文です。

例えば、ドラクエで言うところの「ルーラ」のようなカードがありますが、
これを手に「ゲイン」を唱えると、その移動呪文が実際に使える、ということです。

しかし1度使ってしまったカードは消えてしまうので、カードをコンプリートするにはカードを使わないようにしなければならないわけですが、
プレイヤー同士で戦う時にはカードの使用がほぼ必須なので、クリアが非常に難しくなっています。

この基本的なゲームシステムを知らない初心者プレイヤーは、他プレイヤーに狙われやすく、早速ゴンとキルアものその洗礼を受けたというわけです。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

しかしグリードアイランドには「プレイヤーに直接攻撃する呪文」は存在しないので、ゴンとキルアが受けたのは「そのプレイヤーがこれから入手するカード情報を得る呪文」でした。

「誰がどのカードを何枚持っているのか」

という情報はこのゲームにおいて非常に重要な情報なのです。

カードを入手する方法は大きく分けて3つ。

  1. カード屋でパックを買う(これで全カードが出るわけではない)
  2. クエストをクリアする
  3. 他プレイヤーとトレードする
  4. 他プレイヤーから奪う

グリードアイランドが発売されてから10年以上、誰もこのゲームをクリアできていない理由は、クエストの難易度の高さと、入手難易度が高いカードほど他プレイヤーから狙われやすいという性質からでした。

他プレイヤーからカードを奪う方法には2種類あり、

  1. カードスペル(呪文)で奪う
  2. 力づくで奪う

なので、仮に最強の念能力者だったとしても、カードスペルによってせっかく入手したレアカードが奪われてしまうことが多々あるのです。

単純な「戦闘力」だけで乗り切れるほど、このゲームは甘くはない、ということですね。

また、多人数で挑まなければならないクエストも存在するので、複数人でパーティーを組み、ゲームクリアに挑むのが基本的な戦略です。

とはいえ、何も知らないゴンとキルアは、先輩プレイヤーからの誘いも断り、2人だけでゲームをプレイすることを決めてしまいます。

※ちなみに先輩プレイヤーは大人数の組織(100人規模)を作って、防御スペル(スペルによる略奪を防ぐカード)の独占を行い、無防備になったプレイヤーからカードを奪いまくるという作戦を実行中でした

そこについてきたのが「ビスケット=クルーガー」という女の子でした。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

2人と仲間になりたいと申し出るビスケをキルアが「邪魔だから嫌だ」と一蹴。

それでもついてくるビスケに2人は違和感を覚えますが、それもそもはず、ビスケには大きな秘密と目的(趣味)があったのです。

それは・・・

 

2-12 修行の開始

ゴンとキルアの動向をしばらく見ていたビスケはついにキレてしまいます。

なぜなら、ビスケはその容姿では考えられないほどの念能力の達人で、実年齢は57歳という化け物だったからです。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

修行がなっていない2人の動きを見て思わず口を出したくなったのでした。

当初の目的は、

「2人の友情をズタズタに引き裂いて遊ぼう」

という邪悪なものでしたが(笑)

まるで宝石の原石のような2人を見て、修行をつけることに。

しかしゴンとキルアは、

「俺たちにはウィングさんという先生がいる」

と言って反発。

しかし実はビスケはウィングの師匠であり、ハンター協会会長のネテロの直弟子であることが判明。

ビスケの圧倒的な実力と経歴を知り、2人は素直に弟子入りをするのでした。

そこからはグリードアイランドのゲームをせずに、ひたすら3人で修行に明け暮れます。

というのも、このグリードアイランドというゲームは、ドラクエやFFで少しずつレベルを上げていくのと同じで、ゲームをプレイし、モンスターと戦っていけば自然と念能力が強くなっていく、という仕様になっていたのです。

そのことにいち早く気がついたビスケは、ゲームクリアのためにも念能力の修行が必須だと判断したのでした。

事実、グリードアイランドの参加したてのゴンとキルアの実力は、Fランクのモンスターを倒すので精一杯で、それ以上強いモンスターの攻撃には一切対処ができていませんでした。

運よく高ランクモンスターとは遭遇していませんでしたが、高ランクモンスターとの遭遇や、悪意あるプレイヤーと接触してしまった時には、一瞬にして殺されてしまうぐらいのレベルだったのです。

ゴンとキルアは、運よく最高の師匠と出会い、根気よく修行を積むことによってみるみる成長し、半年ほどの修行で上位プレイヤーとタメをはれるぐらいのレベルまで成長。

そこから急速にカード枚数を増やしていきました。

そんな時に他のプレイヤーからコンタクトがあり、「ボマー」が大量虐殺をするという情報を聞きます。

※ボマー=ゲンスルーというプレイヤーで、ゲーム当初に勧誘されていた「攻略組」の幹部の1人。実はメンバー全員に念能力で爆弾を仕掛けており、爆弾の解除を条件に入手した全カードを要求。一気にゲームクリア目前まで迫る。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

このゲンスルーの強行によりゲームバランスが大きく崩れ、クリアの可能性があるプレイヤーは3組だけに絞られてしまいます。

ゲンスルー組、ツェヅゲラ組、ゴン組、の3組です。

これでゴン組もゲンスルーのターゲットになってしまったわけですが、格下であり、子供のゴン組は与し易いと考えたゲンスルーは、先にツェヅゲラを狙います。

ゲンスルー vs ツェヅゲラ

の駆け引きが行われる中、ゴン達は他のプレイヤーと共にある秘密のクエストを発見していました。

 

2-13 レイザーと14人の悪魔

それは、

「レイザーと14人の悪魔を退治して欲しい」

というもの。

このクエストは15人以上のパーティーを組まなければそもそも発生しないクエストだったので、10年以上誰にも見つかっていないものでした。

当然このクエストで手に入るカードのレアリティは最高です。

まだ誰も手にしていないわけですからね。

偶然発見し、最初のチャレンジの時は、キルアが「このメンバーでクリアするのは絶対に無理だ」と判断し、わざと3人は負けます。

クエストの内容は、15人の海賊(悪魔)とスポーツで戦い勝利する、というものです。

そしてゴン達はこのクエストを攻略するため、グリードアイランドで出会った最強のパーティーメンバーを揃えることにします。

それで自分たちのブックの中に記録されている「遭遇プレイヤー履歴」を眺めていたら、「クロロ=ルシルフル」という驚愕の名前があることを発見します。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

クロロといえば幻影旅団の団長であり、今はクラピカの能力によって念能力を封じられているはずでした。

もちろん2人は遭遇した覚えもありません。

気になった2人はとりあえずそのプレイヤーと接触することに。

そこにいたのはまさかの・・・

ヒソカ


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

でした。

ヒソカはクロロを探していて、グリードアイランドの中でクロロを名乗れば、誰かクロロの関係者がコンタクトを取ってくるんじゃないかと考えていたのです(これは嘘の理由)。

期せずしてヒソカという超強力な念能力者と出会ったゴンとキルアは、とりあえず事情を説明して、協力を仰ぎます。

ヒソカは暇だったのと、面白そうという理由でこれを快諾

これでゴン達は4人になり、次にツェヅゲラにコンタクトを取ります。

ツェヅゲラも4人組でゲームをプレイしてて、そこにさらにゴレイヌというプレイヤーが参戦します。

これでメンバーは9人。

残り6人のプレイヤーが必要だったので、とりあえず人数合わせとして、現実に戻ることさえできないでいる雑魚プレイヤーを6人揃えて、クエストに挑みます。

「15対15で8勝した方が勝ち」
というルールでゲームが進んでいきますが、途中で事件が発生します。

前回のゲーム時にキルアに大火傷を負わされた「ボポボ」というゲームキャラクターがキルアに喧嘩をふっかけます。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

ボスであるレイザーの制止を振り切り、挙げ句の果てにボポボは、

「こいつを殺して船で島を脱出しよう」

と提案。

この意味不明なやり取りにゴン達はついていけませんが、そうこうしているうちにレイザーによってボポボが殺されてしまいます。

そしてレイザーによってグリードアイランドが「現実世界」であることが示唆され、ヒソカやキルアは一瞬にしてそのことを理解します。

そう。

グリードアイランドというゲームは、念能力者を肉体ごとゲームの世界に引き込むゲームではなく、念能力者をある島まで強制的に瞬間移動させて、その現実世界にある島でプレイするゲームだったのです。

そしてこのレイザーこそが、グリードアイランドを開発した11人の中の1人、ゲームマスターでした。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

グリードアイランドのゲームシステムは、ジンを除く10人のゲームマスターによって運営されていて、念能力の複合によって島を丸ごとゲーム化するというとんでもないものでした。

当然ゲームマスターの実力は、一流のハンタークラス。

レイザーによってゲームの秘密が明かされた後に、次のゲームの内容が「ドッチボール」であることが知らされます。

8対8のドッチボール。

これで勝利した方に8勝が与えられ、結局は、いくら他の雑魚に勝とうが、最終的にレイザーに勝てなければ意味がないということです。

しかもレイザーは念能力によって14体の「念獣」を作ることができ、つまりは最終的な敵はレイザー1人でした。

「レイザーと14人の悪魔」というのは、レイザーと14人の手下のことではなく、レイザーと14対の念獣のことだったわけです。

この時点でゴン達はすでに3戦を行っていて、同じプレイヤーが複数のゲームに参加することはできないので、主力メンバーは残り6人しかいません。

数合わせの雑魚プレイヤーはレイザーの恐ろしさを目の当たりにして逃亡。

6人ではゲームに参加できないところでしたが、ゴレイヌもレイザーと同じ念獣の能力を持っていて、2体のゴリラを召喚します。

これでゴンチームは、ゴン・キルア・ビスケ・ヒソカ・ツェヅゲラ・ゴレイヌ・念獣のゴリラ2体の合計8人になり、8対8のドッチボールの開幕です。

「ドッチボール」といえど、念能力を使えば殺人ゲームに変貌します。

現にレイザーが放った念弾は、ボポボの頭を粉々に吹き飛ばしていて、これと同じようにボールに念を込めて強化すれば、簡単に体が吹き飛ぶ威力になってしまいます。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

ちなみにレイザーはグリードアイランドの発案者であり開発者のジンの友人で、ジンの手がかりを知る重要な人物でした。

そしてジンからは、

「俺の息子が来たら手加減するな」

と言われていて、その際、

「殺してしまうかもしれないぞ」

とジンに忠告するとジンは、

「俺の息子だぞ、なめんなよ」

と反論。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

これによって友人の息子だとしても容赦はしない構えです。

レイザーの驚異的な能力によって、ツェヅゲラとビスケとゴレイヌが次々に退場になり(ゴレイヌが気絶したことで2体の念獣ゴリラも消える)、残るはゴン・キルア・ヒソカの3人のみになります。

レイザーは放出系の能力者なので、もともと念で作った念弾を飛ばして戦うのが得意です。

今回のドッチボールに置いても、強力な念をドッチボールに凝縮させ、それをバレーのサーブのように打ち出してきます。

これを正面から受け止めることができるメンバーは誰1人おらず、当たれば100%致命傷を負ってしまいます。

しかしゴンはレイザーとの真っ向勝負にこだわり、「絶対に正面から受け止めて見せる」と言って聞きません。

そこでキルアが考えたのは、ゴン・キルア・ヒソカの3人の合体フォームでした。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

ゴンがボールを受け止め、ヒソカがバンジーガムで全体を包み込み(ボールが飛んでいかないように)、キルアが後ろでクッションとして支えるというフォームで、最も難しいクッション役をキルアが担います。

これに対してレイザーは、正真正銘、全身全霊のオーラをボールに込め、最強の一撃を放ちます。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

それを見事に3人で受け止め切り、レイザーもそれに驚愕しますが、まだまだこれで終わったわけではありません。

レイザーを倒すには、レイザー自身をドッチボールで当ててアウトにする必要があるのです。

しかしいくら強力な一撃をレイザーに向けて投げたとしても、巧みなテクニックで補球されてしまいます。

しかしゴンはあくまでレイザーとの真っ向勝負にこだわり、全身全霊の力で、キルアが持つボールを殴ります(殴って飛ばす)。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

キルアは意図的に砲台となる自分の手をオーラでガードせずにいたので、再起不能になるレベルで手を損傷してしまいますが、ゴンもキルアも驚異的な信頼関係と精神力でこれを決行。

その結果、見事にレイザーを打ち取ったかに見えましたが、レイザーはさらにその上を行き、ゴンが打ち出した最強の一撃を逆に打ち返してきます。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

殺人的に威力が増したボールがまっすぐにゴンに向かって行く途中で、ゴンは力を使い果たしたせいで気絶。

ボールはそのままヒソカへと向かいます。

ヒソカはゴンを称賛し、自身の能力のバンジーガムでボールを捕球し、さらにゴムの反動の力で打ち返します。

引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

それをまたレイザーは打ち返そうとしますが、今度はヒソカのバンジーガムによってボールが手から離れていかず、打ち返すことができずに場外まで吹っ飛ばされます。

※バンジーガムはガムとゴムの性質を持つ能力

レイザーが場外に飛ばされたことでドッチボールはゴンチームの勝利。

ゴンの完勝ではありませんでしたが、見事格上のレイザーを相手に戦い抜きました。

気絶したゴンが起き上がり、レイザーにジンの話を聞き、残念ながらグリードアイランドの中にはジンはいないことを知ります。

レイザーとジンの昔話を一通り聞いたところで「レイザーと14人の悪魔編」が終わり、まだ誰も手に入れたことのない「一坪の海岸線」というカードを手に入れます。

ゴンの功績を讃え、ツェヅゲラはオリジナルのカードをゴンに託し、自分たちはコピーのカードを持って帰ることに。

そんな時、あの凶悪なボマーであるゲンスルーから、ツェヅゲラにコンタクトが。

ツェヅゲラが新しいカードを手に入れたことをスパイしていたのです。

ツェヅゲラは覚悟を決め(ゴンとキルアの覚悟を見せられ、自分がいつの間にか効率優先の仕事しかしていなかったことに気づく)、ゲンスルーの対峙します。

そして死を覚悟したツェヅゲラは、ゴン達に伝言を残します。

「俺たちが時間を稼ぐ。その間にゲンスルーを確実に倒せる方法を考えてくれ」

ツェヅゲラvsゲンスルーの戦いが始まると同時に、ゴンチームvsゲンスルーの戦いも始まるのでした。

 

2-14 ゲンスルー討伐戦

ツェヅゲラが稼げる時間はせいぜい2~3ヶ月。

この期間中にゴン達はゲンスルーを倒す戦略を練る必要があったわけですが、戦略担当はもちろんキルア。

まあ、ビスケが出てきて本気で戦えばゲンスルーにも勝てたと思いますが、師匠が前面にしゃしゃり出てきたら意味がありませんよね(笑)

しかしキルアはドッチボール戦での負傷のせいで、手を1ミリも動かせないほどの重症です。

キルアは一切の修行をせず、ひたすら手の回復と戦略の立案を。

ゴンとビスケは引き続き修行を続けます。

そして遂にツェヅゲラとゲンスルーの戦いに決着がつき(ツェヅゲラは不測の事情がありゲーム自体をリタイヤすることに)、ゲンスルーがゴンにコンタクトを取ってきます。

要求としては、

「黙ってカードを渡せば殺さない」

というもの。

ゴン達がまさか自分達をハメる作戦を考えて綿密な準備をしているなんてことを知るよしもないゲンスルーは、完全に3人を子供だと思って油断しています。

ゴン達の作戦はとにかくゲンスルーを油断させて、作戦実行場所までスムーズにおびき寄せることが第一でした。

おびき寄せることに成功したゴン達は、ゲンスルー組3人と自分達を分断。

1対1の状況を作ります。

ゲンスルーの仲間であるサブとバラは、キルアとビスケに一蹴(バラはキルアよりも格上でしたが戦略で負けます)。

問題はリーダーであるゲンスルーとゴンの戦いです。

明らかに実力に差がある2人でしたが、ゴンがわざと攻撃を受けることによって、ゲンスルーの体にガソリンをかけることに成功(ボマーの能力を封じる)。

さらには自力では脱出不可能な大きさと深さの落とし穴に落とし、上から巨大な岩(落とし穴と同じ大きさの)を落とすことに成功します。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

この時ゴンも一緒に落とし穴に落ちてしまいますが、あらかじめ掘っていた横穴に逃げ込み、焦ったゲンスルーもそれを追い、間一髪、横穴に逃れます。

逃れた先の横穴にはゴンが待ち構えてて、無防備なゲンスルーに全力の一撃を食らわせます。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

これによってゲンスルーも負け、ゴンは重傷を負いましたが、ゴン達の勝利に終わります。

そしてその後、「大天使の息吹」というSSランクのスペルカードを使い、負傷した人間の傷を癒し(ゲンスルー達も含め)、ゲンスルーは完全に負けを認めます。

そして全てのカードをゴンに託し、さらに、そこにやってきたゴレイヌによって、リタイアしたツェヅゲラが集めていたカードも全て、ゴンに託すということに。

これで、晴れて100枚のカードをコンプリート。

グリードアイランド最後のイベントが発生します。

最後のイベントは、

「クイズ」

でした。

グリードアイランドを最もプレイした人間が勝つようになっていたのです。

これに真っ向から挑み、見事ゴンが優勝。

これにより名実ともに(ゲンスルーも倒し、クイズにも勝った)全プレイヤーから、ゴンが最もクリアにふさわしいということが認められ、エンディングを迎えます。

エンディングはパレードで王宮に迎え入れられるというもの。

王宮では、「ドゥーン」「リスト」の2人のゲームマスターが待ち構えていました。


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

そこでクリアしたプレイヤーに贈られる報酬として、「ゲーム内のカードを3枚まで現実に持ち出して使うことができる」というものが与えられます。

もともとゴンやツェヅゲラを雇ったバッテラ氏が望んでいたものはこれで、グリードアイランド内にあるとされる「どんな病もたちまち直してしまう魔法(大天使の息吹)」を手に入れることだったのです。

しかし、バッテラ氏が病から救ってあげたいと願っていた愛人は、その少し前に他界してしまい、目的を失ったバッテラ氏はツェヅゲラに依頼を取り下げることを伝えます(これがツェヅゲラリタイヤの理由)。

ゴンとキルアは悩んだ末に「出会ったことがある他のプレイヤーのところに飛んでいく呪文」のカードを現実に持ち出します(この1枚を持ち出すのに2枚のカード枠を消費)。

ビスケは宝石ハンターだったので、グリードアイランドでしか手に入らない秘宝「ブループラネット」を手に入れます。

そしてゴンとキルアは、もともとグリードアイランドにやってきた理由であった「残された指輪とセーブデータ」の中に唯一あった、

「NIGGS」

という名前のプレイヤーの元に現実世界で、呪文を使って飛んでいきます。

そう、この「NIGS」とは、

「GINS(ジン)」

のアナグラムであり、ジン本人である可能性が高かったのです。

飛んだ先には誰かのシルエットが・・・

果たしてゴンとキルアはジンを見つけることができるのでしょうか?


引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』集英社

こうしてグリードアイランド編は幕を閉じるのでした。

続く・・・




 

和佐大輔

 

PS.

いやー、今回もまったく前に進みませんでしたね(苦笑)

グリードアイランド編のみです。

ここから先は「キメラアント編」に突入していきますが、これまた話が凝縮されているので、こうやって振り返るだけでも大変です。

まあでもそれだけ物語に無駄がなく、いつまでも飽きさせない作品だということです。

こうやって自分の記憶を頼りに物語を振り返っても、尋常じゃないぐらい情報量が多く、凝縮されている。

ゴンとキルアも怖いぐらい順調に成長しています。

グリードアイランド編は内容がゲームなだけに好き嫌いが大きく分かれると思いますが、

ゴンとキルアの成長には必要不可欠であり、さらにはクロロの除念(復活)の伏線にもなっているので、僕としてはパーフェクトです。

ゴンの純粋さ、そして、キルアの危うさ。

2人が成長するにつれてこの微妙なバランスは今にも崩れてしまいそうなわけですが、次のキメラアント編では2人の長所が仇となって、最終的には大事故につながっていきます。

振り返りはこれまで以上に大変そうですが(苦笑)

近いうちに書いていきたいと思います。

お楽しみに!

P.S.前回、前々回の記事はこちらです↓

HUNTER × HUNTERの連載再開を祝して、冨樫義博先生の作品の魅力を改めて語ろう(1)

2017年6月19日

HUNTER × HUNTERの連載再開を祝して、冨樫義博先生の作品の魅力を改めて語ろう(2)

2017年6月28日
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「人生で大事なことはすべて漫画から学んだ」と豪語するマンガタリのライター。「漫画を愛し、漫画に愛された男」サンシャイン和佐は少しでも多くの人に漫画のすごさを伝えなければいけない、という身勝手な使命のためにマンガタリを一人で運営中。詳しくはプロフィールをご覧ください。