みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『コトヤマ短編集 ファンフィクション』
です。

『だがしかし』、『よふかしのうた』で人気を博しているコトヤマ先生の初の短編集です!
短編集といいつつ、実際に収録されているのは二作品なんですけれど。
だから実際には中編2本、といっても良いのかもしれない。
1本目は「ミナソコ」(前後編)
剣道少年×辻斬り少女という、なんともな組み合わせ(?)の展開が実に良い。
主人公の高砂シンは剣道少年の高校二年生。
高校二年生にして全国大会に優勝して同世代では敵なし、既にいくつかの大学から推薦の話もきている。
しかし本人は剣道に対するモチベーションが薄くなってきていた。
剣道が嫌いなわけではない、むしろ好きだけど・・・
このまま剣道を続けたら大学でも坊主頭!?
そこまでして続けるのか?
もう辞めてしまおう、そう高砂が考えた時、目の前に現れたのは侍のような格好をした謎の人物。
モチベを失った高砂の前に現れたのは・・・?
「コトヤマ短編集 ファンフィクション」 コトヤマ/小学館より引用
突然の辻斬りを相手にするも、一瞬で巻き上げをくらって竹刀を手放してしまう。
完全に敗北した高砂は、自分を打ち負かした相手を探し回り、やがて辿り着いたのは母校の中学の剣道部に在籍している少女・青海。
部活で他の部員にバレないよう手を抜いて負けている青海こそが辻斬りの相手と見抜いた高砂は、いかにして青海に対するか?
序盤から中盤の展開に比して、終盤の”転”が良いですなぁ。
結局剣士は、剣と剣でしか語り合えないとでもいうのでしょうか?
青海の抱えている思いとか、高砂が何を考えているとか、なんかどうでもよくなってしまうような、二人の闘い。
コトヤマ先生らしくちょっとシュールなギャグも含み入れつつ、少年少女のバトル。
ほんの少しのイカレ具合と、青春的なアレ。
ボーイミーツガール的なものでもあり、堪能させていただきました。
結局は剣(竹刀)を交わして会話するしかないのか?
「コトヤマ短編集 ファンフィクション」 コトヤマ/小学館より引用
2本目は「百鬼夜行実行委員会」
妖怪たちの百鬼夜行が100年ぶりに開催されることになった。
そこで百鬼夜行に参列希望する妖怪を審査するのが、実行委員会の仕事。
ぬらりひょん、猫娘、座敷童子が、様々な妖怪たちを審査していくという話。
猫娘が可愛い
「コトヤマ短編集 ファンフィクション」 コトヤマ/小学館より引用
こちらの方は妖怪をテーマにしつつ中身はコメディ。
爆笑というよりはクスクスと笑わせてくれる、コトヤマ先生らしい妖怪ギャグ(?)
そしてラストは爽やかと、なんとも不思議な感覚を味あわせてくれる一品。
どちらも質の高い作品で、コトヤマ先生ファンならずとも楽しめると思います。
コトヤマ先生の作品を未読の方は、この作品で雰囲気を味わうのも良いかと思います!
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