みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『毎月庭つき大家つき』
です。
百合です。
社会人百合です。
最近、百合作品の紹介が続いていますね。
でもいいものは良いんです。
個人的に社会人百合の方がなんとなく好みです。自分が年齢を重ねたからでしょうか。
さてさて、主人公は漫画編集を仕事にしている26歳・須賀アサコ。
アサコは面食いで惚れっぽいけれど、好きになって付き合った相手には甲斐甲斐しく尽くすタイプ。
だけど、それだからといって相手と上手くいくわけではなく、むしろなかなか上手くいかずに別れてしまうことばかり。
つい最近も交際していた相手から別れを告げられてしまい、色々とむしゃくしゃ、モヤモヤとしていました。
そんな状態である日の仕事帰り、貸家の入居者募集のチラシが目に入ります。
別れた交際相手との思い出が残る部屋に住み続けたくないアサコは、ならばむしろ一人を謳歌してやろうと、その貸家の見学に行きます。
そこにいたのは、その貸家の大家の北野ミヤコ。
実はその貸家、大家(ミヤコ)付きの物件だったのです。
しかもミヤコは引退した元アイドルで顔面偏差値が非常に高く、アサコはそんなミヤコに頼まれては断ることもできず、「大家付き」の物件を契約することに。
そうしてアサコとミヤコ、借主と大家の奇妙な同居生活が始まっていくのでした。
「毎月庭つき大家つき」 1巻 ヨドカワ/KADOKAWA より引用
本作の魅力は幾つかあるのですが、まず一つはやっぱり主人公二人の関係性でしょうか。
アサコが26歳、ミヤコが19歳と、お互いが社会人で大人ではありますが、一方でミヤコはまだ十代で子供らしさも多分に残しています。
アイドルのミヤコは清楚で完璧な美少女を演じていましたが、実際のミヤコはだらしなくて抜けている所が多々ある普通の女の子。
世話好き、尽くすことが好きなアサコからしてみれば、顔が良いうえに手がかかって放っておけない!
こんな同居生活は変だと思いつつも、どうしてもミヤコのことに構ってしまいます。
そしてミヤコは、色々と面倒を見てくれるアサコに懐いていきます。
「毎月庭つき大家つき」 1巻 ヨドカワ/KADOKAWA より引用
ならばすぐに恋愛に発展してもよさそうなのですが、アサコは過去に様々な失敗を重ねてきていること、前の恋人と別れたばかりで更に一人暮らしを謳歌しようという意識もあって無意識下でそういう方向にいかないようにしています。
またミヤコがペットっぽい、ってのも要因にあるかもしれません(笑)
なので、良い雰囲気を醸し出しているのに、すぐには恋愛方面に動き出さない、日常面を押し出しているところにほっこりさせられます。
アサコは最初から同性愛者であることを出していますが、百合っぽさをあまり感じさせないのはそういうところにもあるかと思います。
ほんわか、ゆったりとした雰囲気で、百合を手にしたことがないような方にもおすすめできます。
もちろん、それだけではありません。
ミヤコは元アイドルということもあり、その手の方面のネタも盛り込まれています。
アサコが担当している漫画家・鳩森ハトさんはミヤコが属していたアイドルグループの大ファンのドルオタでミヤコ推し。
なので、アサコを介してミヤコと会った時の言動がおかしすぎて笑えたり。
ミヤコが抜けた後のリーダーをつとめるルリとミヤコの関係性とか。
アサコとミヤコ以外のネタもちょいちょい投下してきて良いアクセントになっています。
「毎月庭つき大家つき」 2巻 ヨドカワ/KADOKAWA より引用
アサコとミヤコの関係性は最初から悪くありませんでしたが、巻を重ね、エピソードを重ねていく中でお互いの感情も少しずつ変化していき。
性急ではなく、そうやって時間をかけて見せていくところも良い感じです。
2023年4月現在、3巻まで刊行されております。
手に取って読むにはちょうど良い感じですね!?
是非、読んでみてくださいな。
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