みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『まどわせないで矢守くん』
です。
ここのところ、女装モノや男の娘モノの紹介が多くなっている気がしますが・・・
今回もそうです(笑)
ということで、『まどわせないで矢守くん』です。
主人公は高校生一年生男子、森くん。
夏休みに入るまでクラスでは殆ど友達らしい友達もできず、まともに会話をしたのが後ろの席の矢守くんくらいという状況。
なんとか自分を変えようと、夏休み中に髪型を変え、ピアスを開け、そしていざ二学期になって学校に登校すると、森くん以上に変身していた生徒が!
なんと、矢守くんがスカートを穿いて登校してきた!?
しかも、似合っている!?
「まどわせないで矢守くん」 1巻 いのぐちしな/秋田書店 より引用
ということでいきなり男の娘になった矢守くんと、そんな矢守くんに振り回されることになる森くんを描いた作品です。
男の娘モノではありますが、これまた少し不思議な部分もあります。
矢守くんがなぜいきなりスカートを穿いてきたのかというのが、特に語られません。
まあ一応、スカートも似合って可愛い自分を見て欲しい、ということは言っていますが、果たしてそれだけなのか。
森くんに対しては懐いて、スキンシップも激しく、森くんのことを好きだからなのかと思わせておいて、そういう感じでもない。
矢守くん自身は自分は男だし、と思っているし、自分のことを女の子扱いして欲しいと思っているわけでもない。
森くんが夏休みにイメチェンして女の子からモテ始めているのを見ても、嫉妬するわけでもない。
ただ、森くんと仲良くしているだけ。
一方の森くんも、可愛くなった矢守くんに戸惑いはするものの、決して女の子扱いするわけではない。
「まどわせないで矢守くん」 1巻 いのぐちしな/秋田書店 より引用
ただ、矢守くんがスカートを穿いて女の子の格好をするのが似合っていて可愛いからドキドキする。
守ってあげたくなり、隙を見せれば叱る。
他の男子が可愛くなった矢守くんに近づくと、それはそれで気分が悪くなる。
実に複雑な感情を抱えつつも、あくまで友人として付き合っていく姿は、見ていて不思議に心地よい関係でもあります。
男の娘モノでありがちな本人が恥じらったり、可愛い男の娘を意識してしまう男子とか、そういうのが全くないわけではないけれど。
そういうのを前面に押し出していない、この絶妙なバランスというかが、なんか良いんです。
とはいえ、男の娘となった矢守くんに戸惑わないわけでもありません。
二人の関係がこのままで終わるはずもないと思います。
それが果たして恋なのか友情なのか?
この先どのように関係が変化していくのを楽しみに待ちたいと思います。
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