「誰だ?」って聞きたそうな表情(かお)してんで自己紹介させてもらうがよ
おれぁおせっかい焼きのTOMONORI!
高知の貧民街から「ジョジョの奇妙な冒険」を紹介しにやって来た!
と、いう事で第1部の名わき役スピードワゴン風に自己紹介をさせていただきましたライターのTOMONORIです。
今回から「ジョジョの奇妙な冒険」の各部ごとのあらすじや見どころ、登場人物の紹介をしていきたいと思います。
ジョジョは各部ごとにそれぞれ違った魅力があり、それぞれ作風が異なるので全編通して楽しめる作品となっています。
まだジョジョ未体験の方はこの記事で予習をしていただき、既にジョジョ好きの方は新たな発見をしていただければと思います。
その前に、「ジョジョの奇妙な冒険」とはどんな漫画なのか?という方は↓の記事をご覧ください。
今回は第一弾としてジョジョのすべての始まりである第1部「ファントムブラッド」を紹介していきたいと思います。
1、ファントム・ブラッドの基本情報
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
---|---|
連載期間 | 1987年1・2号~46号 |
年代設定 | 19世紀 |
同時期に連載していた漫画 | ドラゴンボール/聖闘士星矢/キャプテン翼 etc |
1987年ころのジャンプは他にも魁!男塾やシティーハンター、キン肉マンなどが連載されていてまさにジャンプの黄金期にスタートした作品ですね。
(「ジョジョの奇妙な冒険」1巻より引用)
第1部は19世紀末のイギリスが舞台。「ジョジョの奇妙な冒険」のすべての始まりである、ジョナサン・ジョースターと宿敵ディオ・ブランドーの物語です。
ジョジョを語るうえでは外せないストーリーとなっていますが、必ずしも最初に読まなくても大丈夫です。巻数は5巻と短めですが読み応え十分な作品となっていますので、第3部や第4部から読み始めてジョジョの魅力にハマってきてからでもいいので必ず読んでください。
また数々の漫画に影響を与えた名シーンや名台詞も多く含まれるパートなので、漫画好きなら必見です!
ちなみに今では違和感が全くありませんが、外国人の主人公というのは当時としては超異色だったようです。
2、第1部ファントムブラッドのあらすじ~ジョナサンとディオの青春~
下層階級出身のディオは父親の死をきっかけに貴族のジョースター家の養子になり、ジョースター家の財産を全て奪おうと画策します。
ディオの策略により周囲から孤立させられるジョナサンですが、ディオに初恋の相手エリナ・ペンドルトンを辱められたことで反撃しディオを打ち負かします。
その後、表面上は仲のいい親友のように成長をするジョナサンとディオですが、ディオはジョースター家の乗っ取りをあきらめておらず、ジョナサンは幼い頃の確執からディオを信じ切れずにいました。
そんな中ディオはジョナサンとその父ジョージをそれぞれ事故死・病死に見せかけるため動き始めますが、ジョナサンとジョナサンに惚れ込み協力を申し出たスピードワゴンにより計画が発覚し警官隊に追い詰められます。
追い詰められたディオは隠し持っていた「石仮面」により吸血鬼へと変貌し、逆にジョナサン達を追い詰めていきます。
(「ジョジョの奇妙な冒険」2巻より引用)
ジョナサンの決死の行動により、屋敷と全てを失いながらも吸血鬼となったディオを倒します。しかし、ディオは生きており手下のゾンビを増やしながら勢力を増やしていきます。
ディオとの決闘で重傷を負ったジョナサンは「石仮面」を追うウィル・A・ツェペリと出会い、吸血鬼を倒すための「波紋」を習得し、ディオの潜伏する「風の騎士たちの町(ウインドナイツ・ロット)」へスピードワゴン・ツェペリと共に向かいます。
ウインドナイツ・ロットではディオによゾンビとなった切り裂きジャックを倒し一度はディオと対峙しますが、ディオの凶悪な力にかなわずディオはゾンビとして蘇らせた中世の騎士タルカスとブラフォードにジョナサン達の始末を任せ去っていきます。
タルカスとブラフォードはかつて「77の輝輪(リング)」というタフガイの血も凍る地獄の訓練法を乗り越えた猛者であり、さらにゾンビとなり驚異的な力を身につけています。
2人ともかつては誇り高い騎士だったのですが、世を恨みながら処刑されたことからその恨みだけを増幅させられゾンビとして甦らされています。
長い黒髪を自在に操るブラフォードとの戦いでは激闘の末ブラフォードにかつての高潔な精神を取り戻させることが出来、最期はジョナサンに「LUCK(幸運を)」と「PLUCK(勇気を)」の剣を託しチリと消えていきます。
この「LUCK」とPLUCK」の剣は2012年のジョジョ展で特別製作され展示されていました
(「ジョジョの奇妙な冒険」4巻より引用)
そして、もう一人の騎士タルカスはそんなブラフォードを騎士の恥さらしとし、遺品である鎧を一蹴。
圧倒的なパワーでジョナサン達に襲い掛かってきます。
ジョナサンとツェペリの波紋で一旦騎士たちの修練場へと逃げますが、ジョナサンは逃げ込んだ「双首竜の間」の仕掛けによりタルカスと一騎打ちとなってしまいます。
お互いの首に嵌められた首輪にそれぞれの首輪を外すカギがついているため、自由になるには相手を倒すしかないチェーンデスマッチで生前のタルカスの最も得意とする競技の一つです。
鎖で繋がれ上手く波紋が練れないジョナサンを助けるため何とか部屋に入ったツェペリですが、タルカスにより胴を真っ二つにされてしまいます。
それでもジョナサンに「深仙脈疾走(ディーパスオーバードライブ)」で自分の生命エネルギーを全て託します。
ツェペリの生命エネルギーを受け取りパワーアップしたジョナサンがタルカスを倒しますが、ツェペリはジョナサンに希望を託し死んでしまいます。
(「ジョジョの奇妙な冒険」4巻より引用)
ツェペリを失った一行ですが、ツェペリの師であるトンペティとその弟子ダイアーとストレイツォが駆けつけ、ディオの館へと乗り込みます。
ディオとの戦いでダイアーも命を落としますが、数々の戦いを経て成長したジョナサンの渾身の一撃により遂にディオを倒します。
(「ジョジョの奇妙な冒険」5巻より引用)
その後ジョナサンは幼いころの初恋の相手エリナ・ペンドルトンと結婚し、仲間たちに見送られ新婚旅行へと旅立ちます。
しかし、その新婚旅行中の客船で首だけとなり生きていたディオがジョナサンの肉体を奪おうと襲ってきます。
客船はディオの手下により既にゾンビだらけに。ジョナサンはエリナを守る為ディオとの最後の死闘を繰り広げます。
ディオの攻撃で致命傷を受けたジョナサンは最後の波紋で船を爆破させます。最期はディオに「奇妙な友情」を伝えディオと共に爆破する船ごと海の底へ。
(「ジョジョの奇妙な冒険」5巻より引用)
一方、ジョナサンの子を身籠っていただエリナはジョナサンに促され、生き残りの赤んぼうと共に船を脱出。助けた赤んぼうとジョナサンの子がジョースターの血統を受け継ぎ新たな物語へとつながっていくことになります。
3、第1部ファントムブラッドの主な登場人物
第1部は全5巻と短めのストーリーなのですが、敵・味方共に魅力的なキャラクターがたくさん登場します。
ここでは物語にかかわる重要なキャラクター達を少しだけ紹介したいと思います。
3-1 歴代主人公最強? ジョナサン・ジョースター
(「ジョジョの奇妙な冒険」5巻より引用)
由緒ある英国貴族、ジョージ・ジョースター卿の一人息子。
正義感が強く、本当の紳士を目指している。作者の荒木先生いわく、歴代のジョジョの中で戦ったら一番強いのでは?と言われているが、存在感はもう一人の主人公ディオに食われ気味。
2000年発売の画集「JoJo aーgo! go! 」の「作者人気投票キャラクターベスト10」に唯一入っていない悲しい主人公。
吸血鬼となったディオに対して生身で戦い抜く勇気と精神力を持ち合わせている。ツェペリと出会ったのち、短期間で波紋法を習得しディオやディオが生み出したゾンビたちとの激闘を繰り広げた。
3-2 悪のカリスマ ディオ・ブランドー
(「ジョジョの奇妙な冒険」1巻より引用)
イギリスの下層階級出身ながら高い知性と稀有なカリスマ性を持ち、狡猾な野心家。
実父を毒殺し、養父のジョージ・ジョースターも同じ手口で毒殺しようとするものの、ジョナサンに企みを暴かれ自ら石仮面をかぶり吸血鬼になる。
第1部からPart6まで様々な影響を与える「ジョジョの奇妙な冒険」の悪の主人公。
実は「ジョジョ」はディオというキャラクターがまず出来て、それに対応する形でジョナサン(とその血統)が出来上がったと言われています。「ジョジョ」はディオの為に出来た漫画なんですね。
ちなみに、ジョナサンの初登場シーンは小さな一コマに対して、ディオの登場は見開きで2ページ使われるほどの高待遇。
部によって表記が「ディオ」・「DIO」・「Dio」と使い分けられています。
3-3 「ジョジョ」への影響はディオ以上 ロバート・E・O・スピードワゴン
(「ジョジョの奇妙な冒険」2巻より引用)
ロンドンの貧民街のゴロツキたちのボス。ジョナサンに惚れ込み仲間に。
波紋は使えませんが、戦いの場面で実況解説をしてくれる「おせっかい焼きのスピードワゴン」。
後に「スピードワゴン財団」(SPW財団)を設立し、ジョースター家をサポートし続け、Part7までその名が存在し続けます。
「ジョジョの奇妙な冒険」の三人目の主人公と言っても過言ではありません。
お笑いコンビ「スピードワゴン」のコンビ名の由来にもなっている。
3-4 石仮面に人生を捧げた男 ウィル・A・ツェペリ
(「ジョジョの奇妙な冒険」3巻より引用)
ジョナサンの波紋の師匠。
若いころに遺跡調査で石仮面を発掘した張本人。偶然発掘隊のリーダーである父が石仮面をかぶり吸血鬼化し、発掘隊は全滅。
吸血鬼を倒す方法を探すため世界中を旅しているときに波紋法に出会い、修行の後習得。
最期はジョナサンに波紋の力を託し絶命する。
連載当時、作者の設定ミスにより別の意味で「波紋」を広げた人物。
3-5 ジョースターの血統を次世代へと繋ぐ誇り高き女性 エリナ・ペンドルトン
(「ジョジョの奇妙な冒険」5巻より引用)
ジョナサンの初恋の相手。幼いころ、ジョナサンへの当てつけのためディオに無理やりキスをされるも、泥水で口をすすぎ拒絶の意思を示す。
吸血鬼となったディオと戦い重傷を負ったジョナサンが運ばれた病院で偶然再会。
ジョナサンがディオを倒したのち結婚をするも、新婚旅行に向かう船上でディオの襲撃に遭いジョナサンとは死別。
すでにジョナサンの子を身籠っていたため、ジョースターの血統は受け継がれていくことに。
4、第1部ファントムブラッドの見どころ
第1部はジョナサンとディオの友情と成長、家族愛など少年漫画らしい冒険活劇となっていますが、独特な擬音表現や当時の漫画とは一線を画すような内容で漫画の新たな扉を開いたとも言えます。
4-1 「そこにシビれる!あこがれるゥ」な擬音表現や大胆なページ使い
「ズギュウウゥン」「パパウパウパウ」「メメタァ」などの独特な擬音や、1話19ページというページ数にも関わらず、1ページぶち抜きのシーンや見開きでのインパクトのある大胆なシーンが良く使われています。
キスに対して「ズギュウウゥン」の効果音は衝撃的!多くの漫画にオマージュとして使われているシーン
(「ジョジョの奇妙な冒険」1巻より引用)
アメトークでの「ジョジョ芸人」でもおなじみの「パパウパウパウ」は意外と小さな一コマ
(「ジョジョの奇妙な冒険」3巻より引用)
ただ独特なだけでなく、読んでいてドキドキ・ハラハラさせるようなリズム感があり、より作品に引き込まれていきます。
ジョジョシリーズ全てに言えることですが、この独特な擬音はアニメでは味わえない漫画独特の魅力となっています。
4-2 いまだにオマージュされ続ける名シーンや名台詞の数々
ジョジョと言えば「スタンド」というイメージが強く、「スタンド」から着想を得た漫画作品もたくさんありますが、実はこの第1部にも多くの漫画作品にオマージュされている名シーンや名台詞がたくさんあります。
(「ジョジョの奇妙な冒険」1巻より引用)
先に紹介したディオとエリナのキスシーンの次のページですが、有名な「そこにシビれる!あこがれるゥ!」も意外と小さな一コマで、つい最近も「HUNTER×HUNTER」にオマージュされたセリフです!
(「ジョジョの奇妙な冒険」3巻より引用)
この無数のナイフを飛ばすシーンは第3部でのディオの攻撃として有名ですが、既に第1部からあり多くの作品にオマージュされています。
他にも様々な漫画作品にオマージュされているシーンがあるので、他の漫画の元ネタになったシーンを探しながら読むのも楽しみの一つです。
特にジャンプ作品に多く見られるので、ジャンプ好きならぜひ元ネタシーンを探し出してみてください。
4-3 各話の間の白ページに描かれるオシャレすぎるラフなイラストが魅力的
第1部だけに限ったことではないのですが単行本で見た場合、話と話の間の余白ページに描かれたラフなイラストがめちゃくちゃオシャレです!
単行本1巻では石仮面、2巻ではジョナサンかディオの作中でのイラストですが、3巻以降の余白ページには描かれているので緊迫したストーリーの合間にほっと一息つけるようなオシャレなイラストが添えられています。
単行本3巻の余白ページに初めて描かれたイラストはやはり主人公のジョナサン
(「ジョジョの奇妙な冒険」3巻より引用)
同じく単行本3巻に描かれたディオ
(「ジョジョの奇妙な冒険」3巻より引用)
こういったラフなイラストが荒木先生の画力の高さを物語っていますね!
お気に入りの一枚を探しながら読むのも一つの楽しみ方です。
4-4 漫画の常識を変えた王道を行きながら実験的な内容
冒頭でも触れましたが外国人の主人公で舞台も海外というのは当時ではあまり馴染みがなく、主人公の死で迎えるラストというのも非常に衝撃的でした。
そして、作者の荒木先生の中では既に3部作までは構想されていたそうですが、代替わりする主人公というのも他にはない新たな試みだったのではないでしょうか。
ジョジョの魅力である「スタンド」はまだ登場しませんが、これまでの単純な肉弾戦(それはそれで面白い)とは一線を画す超能力バトル漫画の先駆けともなっている作品で、この作品以降のバトル漫画の様相が一変したと言っても過言ではありません。
絵的に抵抗があるという方は先にも述べたようにまず第4部辺りから読み始めて、ジョジョの世界観に慣れてから読んでみるのもお勧めです。
5、まとめ
ジョジョの奇妙な冒険第1部ファントムブラッドの内容的には
- ジョナサンとディオの友情と成長
- 石仮面と波紋
- 繋がれるジョースターの血統とディオとの因縁
について描かれ、作品的には
- 独特な擬音表現や大胆なページ使い
- いまだにオマージュされ続けている
- オシャレなイラスト
- 漫画の常識を変えた
作品となっています。
第1部は今のジョジョのようなスタイリッシュな絵ではなく、どちらかというと生理的に受け付けないようなグロテスクなキャラも登場し、連載当初から拒否反応を起こした人も多くいました。
当時のジャンプでの掲載順も常に後半で巻頭カラーを飾ったのも連載開始時の一度だけでしたが、それでも打ち切りにならず今日まで30年続く大作漫画となったのはやはり単純に「面白い」という事です。
また、多くの漫画作品にオマージュされていることからも分かる通り、漫画を書くプロ(漫画家)に愛され続けている作品であるという事が分かります。
30年前の作品ですが、今読み返してみても非常に胸が熱くなる作品で後のジョジョに繋がる重要なストーリーとなっていますので、ジョジョを読むうえでは欠かせない作品です。
メジャーな漫画ではありますが、まだ読んだことが無い方はこの機会にぜひ読んでみてください。
TOMONORI
なお、ジョジョ第一部はこちらに名言をまとめた記事もありますので、是非ご覧ください!
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