『ブルージャイアント』に心揺さぶられて完全につきぬかれた男、マンガタリライターじょにすけです。
『BLUE GIANT』5巻 石塚真一/小学館より引用
きっとあなたも『ブルージャイアント』に心つきぬかれちゃったんじゃないでしょうか?
ほんと最高に感動できる漫画ですよね!
この作品を読むと僕たちは、、
- 初ライブで罵倒されても、すぐに立ち直る大の“強さ”に…勇気づけられて前向きな気持ちになれたり。頑張ってる人を応援したくなったり。。
- 「世界一のジャズプレイヤー」を目指す大のために「一番いいサックス」を選んだ雅之兄ちゃんの“優しさ”に…ありがとうの気持ちが溢れてきたり。。
そんな最高の気持ちになれるんです。
あの感動をもう一度!
いや、一度と言わず、何度でも!!!
ということで今回は、、
『ブルージャイアント』の感動名シーン12選をストーリー順にご紹介させていただきます!
「あんなこともあったね〜。」「こんなこともあったよね〜。」って、感傷に浸ったり。。
「やっぱり、大たちは最高すぎるぜー!」って、感情を高ぶらせながら、、
あの感動を何度も味わっていきましょう!笑
※この先、完全ネタバレとなっていますので、『BLUE GIANT』未読の方は、まずはこちらからご覧ください。
ちなみに…10月24〜30日まで期間限定、漫画アプリ「マンガワン」で全巻イッキ読みできます。この機会にぜひ!
1、『ブルージャイアント』ってどんな漫画?基本情報おさらい
まずは、基本情報を軽くおさらいしていきましょう。
作者 | 石塚 真一 |
---|---|
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | ビッグコミック |
連載期間 | 2013〜2016年(同年 続編スタート〜連載中) |
ジャンル | 青年/青春/音楽(ジャズ) |
単行本 | 全10集+続編『SUPREME』10集 (2020年3月現在) |
発行部数 | シリーズ累計570万部突破(2020年3月現在) |
作者は、石塚真一先生ですね。
前作は、感動山マンガ『岳』
この作品も「もう読んだよー。」という方、多いんじゃないでしょうか。
そして、今作、感動ジャズ漫画『BLUE GIANT』
もうね。石塚先生には、感動させられっぱなしです。笑
現在は、続編の『ブルージャイアント シュプリーム』が連載中ですが、
「ジャズが好き」「でも若い人たちには『大人のイメージ』『よくわからない』と言われることが多い。だからジャズってこんな感じだよって伝えたかった。マンガの中では『かっこいい』を『カッケー』って言ってますけど、『ジャズ、カッケー!』って言ってもらえるところに持っていけたら嬉しい。」
「ロックを超えてほしい」
こんな熱い思いを込めて描かれているそうです。
「ブルージャイアント」は、まさに!その思いがビンビン伝わってくる感動作です!
物語は、主人公の宮本大が世界一のジャズプレイヤーを目指す王道ストーリー。
シンプルで力強い物語に、多くの感動ドラマが詰め込まれています。
ちなみに、、
- 『岳』は、11月のおすすめ漫画
- 『BLUE GIANT』は、2018年の一番面白かった漫画
として、以下の記事でも熱くご紹介させていただきました。
他のライターさんのおすすめも面白いので、よかったら読んでみてください。
2、心揺さぶられて完全につきぬかれる感動名シーン12選をストーリー順に全力紹介!
『ブルージャイアント』には全80話の中に、思わず感極まっちゃう、心に残る名シーンがいくつもあるんですよね。
ここでは、その中から厳選した至極の12シーンを、そこに至るまでの道のりを丁寧に繋げて、ご紹介していきたいと思います。
【仙台(大修行)編】
まずは、仙台に暮らす大くんが、高校を卒業して、上京するまで。
物語がはじまり、そこに至るまで、いろんなことがありました。
- 孤独や不安と戦いながら、でかい目標に向かってまっすぐ突き進んでいく大
- そんな大を温かく見守り、困った時に助けてくれる最高の家族
- そんな家族や友達との別れ
- 由井さんとの熱い師弟関係
心震える名シーンだらけです。
手からにじみ出る汗。溢れ出る涙。
きっと、いろんなものが出てくると思います。笑
ティッシュの準備はよろしいでしょうか?
さぁ、思いっきり感動していきましょう!
〔1〕誰にも理解されない孤独と戦う大の背中を後押しするお父さんがカッコいい!
物語は、大が「世界一のジャズプレイヤーに、なる。」と、ぶつぶつ言いながらサックスのセッティングをしている場面から始まります。
大は、中学の同級生 周平(しゅうへい)に連れられて行ったジャズライブで心打たれて、、「世界一のジャズプレイヤーになる」というでかい目標を掲げていたんです。
そして毎日、独り川原でサックスを吹き続けていました。
バスケでは、身体的な限界があってダンクシュートは打てなかった。でも、音楽には限界がない。
そう信じて、ジャズに没頭していました。
ただ、「大人の音楽」というイメージのあるジャズは、同級生には理解されず…中には小バカにしてくるやつも…。
なんとかして、自分が好きなジャズの「熱さ」「ハゲしさ」を伝えようとする大ですが、、なかなかうまく伝えられませんでした。
(毎日吹いてる。ずっと……毎日吹いてるけど…)
こんなことで本当にジャズプレイヤーになれるのか?普段、人前では弱音を吐かない大も、自信を失いかけていました。
…
最初にご紹介する名シーンは、、
孤独を感じ、心揺れる大とお父さんの食卓での1シーンです。。
母親を亡くし父子家庭の宮本家は、高校3年生の大。小学6年生の彩花。そして食品スーパーの店長をしているお父さん。の3人で暮らしていました。
夜の11時をまわり、彩花はもう寝ています。
静かな食卓には、大とお父さん。
2人で何気ない会話をした後、お父さんが切り出します。
「高校の後さ。お前は…どうするつもりなの?」
ちょっと間をおいてから、、大は素直な気持ちをぶつけました…
『BLUE GIANT』1巻 石塚真一/小学館より引用
不器用だけど、懸命に「ジャズプレイヤー」になりたいことを告げる大。
お父さん、食い気味の「やれよ。」からの、、
最高の後押し!!
理想に向かって突き進んでく男がカッコいいのはもちろん、、
本気でやりたいことがある息子の背中を力いっぱい押してあげれるオヤジもカッコいい!
最高の親子ですね!
…
…
最高の後押しを受けた大は、再びサックスの練習にのめり込みます。
そこへ大が通っていた楽器屋の店長 小熊さんが登場して、、
「決まったから!! 君のライブ。」
大の初ライブが決まるんです。
〔2〕初ライブで罵倒されても、すぐに立ち直る大の強さに勇気づけられる!
大は、念願の初ライブが決まって大興奮。
学校の授業中も頭の中はライブのことばかり。。
そして、ライブ当日を迎えました。
会場は、JAZZバー「バード」。
ピアノ、ドラム、ギター、ボーカルのバンドに加わる形でいよいよ大の初ライブです。
「毎日吹いてきた。」
この日のために。。
大は、気合い充分、全力モード!!
『BLUE GIANT』1巻 石塚真一/小学館より引用
しかーし!
常連客のおじさんに「うるさいんだよ!」って止められちゃうんですよね。
で、「今日はもういいよ。」ということになって、、
大は、放心状態で店を後にします。
心配して追いかけてきた楽器屋の小熊さんを制して、1人真っ暗な公園に入って行きました。。
この物語のラストにつながる名シーンです。
『BLUE GIANT』1巻 石塚真一/小学館より引用
大の“打たれてもすぐに立ち直る強さ”には、ほんとに勇気づけられますね。
〔3〕雅之と大のアツすぎる兄弟愛に心温まる。
続きまして、大と雅之兄ちゃんのアツい兄弟愛が詰まった、心温まる名シーンです!
大のサックス秘話でもあります。作中では回想シーンとして登場しました。
…
宮本家の長男 雅之は、大の3つ上の兄で、、高校卒業後、工場に勤めながら一人暮らしをしている面倒見のいい優しいお兄ちゃんです。
初給料が出たときは、大と彩花を連れて外食。。
そこで、なにか欲しいものも買ってあげるという話になります。
彩花は大喜び。笑
でも、高校生になったばかりだった大は違いました。
「バイトして自分で買うし。」
高校生といえば、なんでも自分でやりたいお年頃。軽い反抗期だったのかもしれません。。しっかり者の大くんのことなので宮本家の家計状況を気遣ったのもあるのかも。。
当時、大が欲しいものはサックスでしたが、、雅兄の申し出を断ります。
ただ、サックスといえば、普通の高校生からしたらやっぱり高いお買い物。。
きっと、自分で買うのは難しいだろうなー。と雅兄も思ったんですよね。
雅兄は1人で楽器店に向かいます。。
まずは、店員さんにサックスの相場を軽く確認。すると、、
その店の相場は、20〜30万くらい。安くても10万円代とのこと。
雅之は思わず「10万円からかあ〜〜」と漏らします。
さぁどうする雅之!?からの…
『BLUE GIANT』2巻 石塚真一/小学館より引用
兄ちゃん、カッコいい!36回ローンのオチも含めて最高です。笑
男前で安心感もある最高の兄ちゃんですね!
…
そのサックスを持って雅兄は大のもとへ向かいました。
ところが、、、
大はまだ素直になれません。
サックスを前にして、突然家を飛び出すんです。
家を飛び出た大は、今までのことを思い出していました。
- 雪で動けなくなった大を心配して迎えに来てくれたこと
- 母の葬式で励ましてくれたこと
いつも雅兄に助けてもらってたことを。
そして、、
うんうん。本当は嬉しいし、ありがたいし、泣いちゃうよね。涙
『BLUE GIANT』2巻 石塚真一/小学館より引用
大が愛用しているサックスには、こんなにあったかい兄弟物語がありました。
…
そして大は、雅兄にもらったサックスで、毎日練習に励んできたんです。
初ライブでは悔しい思いをしました。でも、すぐに立ち直り、、
- 学校の文化祭では、音楽の黒木先生と一緒に大声援を受けたり、
- 2度目の「バード」でのライブでは、初ライブで怒鳴られたおじさんを「ギャフン」と言わせて、見直させたり、、
ものすごいスピードで実力をつけていきました。
そんな大は「世界一のジャズプレイヤー」にさらに近づくため、仙台を離れることを決意します。。
〔4〕大が「もう帰ってこないんだ。」と悟った彩花の素直な涙が切なすぎる。
次は、高校卒業後に上京することを決意した大が、それを父、雅兄、彩花の家族3人に伝えた後の切ない別れの場面です。
…
彩花は、雅之のことを「でっかい兄ちゃん」と慕い、「でっかい兄ちゃんと結婚する」と言うぐらい大好きです。一方、、大のことは「ちっちゃい兄ちゃん」と呼び、よくケンカしていました。
基本めちゃめちゃいいやつの大も、妹の彩花に対してだけは、からかってバカにしたり、時にはムキになったり、、しょーもない兄妹ゲンカを繰り返すお互い素直になれない間柄です。苦笑
そんな2人の別れのシーン。
大が家族会議で上京の意思を伝えると、彩花は「ちっちゃい兄ちゃんはバカだから、どうせすぐ戻ってくるんだ…」とふてくされていました。
そんな彩花を雅兄がなだめて、ひとまず大のサックスを聴いてみよう。ということになります。
そしてお父さんが勤める閉店後のスーパーへ…
『BLUE GIANT』4巻 石塚真一/小学館より引用
大の熱演に、お父さんと雅兄は、言葉を失い魅了されます。でも、彩花だけは、2人と違う思いを抱いていたんです…
『BLUE GIANT』4巻 石塚真一/小学館より引用
大が「もう帰ってこない」ということを悟った彩花の素直な涙。。切なすぎです。
〔5〕上京する大に贈る師匠 由井さんの「ありがとう」と「願い」が心強い。
惜別の別れ、、もう1ついきます。
大と由井さんの師弟物語の感動シーンです。
…
大と由井さんの出会いは最悪でした。
路上ライブをしていた2人組の若者に、酔っ払った中年オジさんが「ヘタクソ」「うるせっつってんだよ!」と絡んでいました。偶然居合わせた大は止めに入りますが、、そのオジさんこそ由井さんだったんです。
のちに、「バード」の店長 川西さんの紹介で2人は再会。そしてセッション。。そのとき、大に光るものを感じた由井さんは、大にサックスを教えることになりました。
かつて自身も一流のジャズプレイヤーを目指していた由井さんは、ジャズの世界の厳しさ、ジャズマンの基礎を大に叩き込みます。
『BLUE GIANT』3巻 石塚真一/小学館より引用
文化祭での大喝采も、2度目の「バード」でのライブ成功も、由井さんの指導があったからこそでした。
- 由井さんの厳しいレッスンを乗り越え、どんどん上達していった大。
- その姿にかつての自身の夢を大に託しはじめた由井さん。
2人は固い師弟関係で結ばれました。
そして、上京前、最後のレッスンの日。
場所は居酒屋でした。
由井さんは、巣立っていく弟子に惜別の言葉を贈ります…
『BLUE GIANT』4巻 石塚真一/小学館より引用
ジャズの世界の厳しさを身をもって知っているからこそ、大にも厳しく指導してくれてた…
由井さんの素朴な「ありがとう」と「願い」
きっと、大にとってこれほど心強い言葉はなかったと思います。
大は、熱い思いを胸に、東京へ旅立ちます。。
…
…
ということで、まずは【仙台編】の名シーンを振り返ってきました。
ここで紹介したシーン以外にも、
- 初めての作曲「バーナム、ラブ」
- 離れ離れになる初恋の人 三輪舞や友達との青春
と、まだまだ数多くの感動シーンがありました。(もしリクエストがあれば、今後追加していきたいと思ってます)
でも、まだ折り返し地点です。。
「世界一のジャズプレイヤーになる」という目標に突き進む大は、不安や孤独と戦いながらも、
- 弟の夢をサポートするため最高のサックスをプレゼントしてくれた雅兄
- 気持ちを理解して、全力で後押ししてくれたお父さん
- 身をもって知るジャズの世界の厳しさとジャズマンの基礎を叩き込んでくれた由井さん
- 音楽の楽しさを教えてくれた黒木先生
- 楽器屋の小熊さん
- 「バード」の川西さん
まわりの人たちのサポートがあって、一人前のジャズプレイヤーに成長していくことができました。
何があっても実現したい目標と、それを後押ししてくれるみんなの思いを背負って、大は上京することになります。
そして、、
ここからまた、物語は加速するんです。
もっと僕たちの心を突きぬいてくるんですよね。笑
どうぞ続きをご覧ください!
【上京(JASS)編】
ここからは上京後、
- 大がピアニストの雪祈と運命的な出会いを果たして、
- 親友の玉田と3人で伝説のジャズバンド「JASS」を結成してから、
- 涙なしでは語れないラストライブを行い解散するまで
の名シーンを振り返っていきます。
まずは、「JASS」結成の瞬間の名シーンからです!
〔6〕「感動できればいい。」JASS結成の瞬間に感動!
大は、大学に通うため同じく東京に出てきていた玉田のアパートに居候。バイトをしながら東京での生活を始めました。
そして、東京に来て初めて観に行ったジャズライブで雪祈と出会い、雪祈のピアノに圧倒されます…
『BLUE GIANT』4巻 石塚真一/小学館より引用
このライブ後、、
大と雪祈は、偶然トイレで会い、2人きりで話すことに…。
雪祈は、ジャズの世界で勝つ。東京の音楽の先頭に立つ。という野望をもっていました。
大の右手の親指にあるでっかいタコとジャズへの思い聞いて、なにかを感じた雪祈は「おれと組もう」と持ちかけます。
ただ、初対面で、、しかも「ヘタなら即解散」「才能があれば踏み台にする」という雪祈の横柄な態度もあり、大は返事をしませんでした。
…
後日、連絡先を交換していた大と雪祈は再会。2人で雪祈が「週3で通っている」という日本一のジャズクラブ「ソーブルー」へ行きます。
そこで、雪祈のジャズへの情熱を知った大は、雪祈と組むことを決めました。
2人は、バンドに必要なドラマーを探し始めます。
…
そのころ玉田は、やる気のないサークルや大学生活に嫌気がさしていました。。それは、一緒に住んでいる大が、同じ方向に進む仲間を見つけ、一歩ずつ進んでいってる様子に刺激を受けたからでもありました。
玉田は初心者ながら、ドラマーとして大たちのバンドに加わることを志願します。
しかし、雪祈は認めません。
最速で駆け上がっていくために、才能があり、すでに実力があるドラマーを求めていたからです。
「200パーセントムリ !!」と玉田に引導を渡します。
しかししかーし、、
玉田も負けず嫌い。どれだけ厳しいことを言われても諦めません。
そして、練習用のドラムを購入し、音楽教室にも通い、ドラムを叩けるようになることの喜びと、ジャズの素晴らしさを知りました。
雪祈に引導を渡されてから1週間後、玉田はメンバーに加わるため再びドラムの席に…
『BLUE GIANT』5巻 石塚真一/小学館より引用
そして、叩き始めるんです。
本気でジャズをやりたいという真っ直ぐな思いと、1週間で基本の8ビートをマスターしてきた玉田の頑張りに大は感動して涙を流します。
3人でのセッション後、
「玉田君をメンバーにするのは…ムリっす」と切り出した雪祈を制して、大が話し始めます…
『BLUE GIANT』5巻 石塚真一/小学館より引用
ウマいヘタより、感動!
『ブルージャイアント』を読んでいると本当にそう感じますね。
…
そしてここに、感動のジャズバンド「JASS」が誕生しました。
ここから「JASS」は、日本のジャズシーンを一気に駆け上がっていくことになります。
〔7〕初ライブ成功の裏で悔し泣きする玉田がたまんない。
「JASS」を結成した3人は、仲良くなったジャズバー「テークツー」のアキコさんに場所を借りて練習を始めます。
雪祈は、バンドのオリジナル曲を作曲をしながら、豊富な音楽経験を活かし、バンドの司令塔として、初心者の玉田をサポートしたり、大には最大の魅力である“強さ”をめいっぱい引き出すため、厳しい言葉を投げかけます…
『BLUE GIANT』6巻 石塚真一/小学館より引用
玉田は2人に追いつくため。大は強さを磨くため。自主練に励みました。
自主練に励む大は、初めて飛び入りライブにも参加して、自分の武器である“強さ”を再確認します。
自信をつけた大は、今の状態でどこまで通用するのか?試してみたい。ということで、雪祈の「早すぎる」という反対を振り切って「JASS」の初ライブを決めました。
大は自作のチラシを作って配ります。
でも、「無名の10代ジャズバンド」に興味を持つ人はいません。チラシもすぐに捨てられる始末。。
果たしてお客さんは集まるのか?初ライブは成功するのか?
9月18日。場所はJAZZ HOUSE「seven Spot」
「18歳のジャズナイト」と題した初ライブが始まります…
『BLUE GIANT』6巻 石塚真一/小学館より引用
お客さんは、バーの常連客3人と大がチラシを手渡した人が1人。でしたが、、
大は全力で演奏。雪祈も実力を発揮して、そこにいた人たちを魅了…
『BLUE GIANT』6巻 石塚真一/小学館より引用
ライブ終了後、お客さんからの拍手をうけて、大と雪祈は確かな手応えを掴みます。
でも、玉田だけは違いました。
『BLUE GIANT』6巻 石塚真一/小学館より引用
ドラムをはじめてから、わずか5ヶ月足らずでの初ライブで、何もできなかったと絶望。。
お客さんから「ホント良かった!!」と声をかけられる大と雪祈の影で、玉田はずっと下を向いていました。
ライブ後の自販機での打ち上げでもずっと下を向いたまま、、
玉田は「ごめん。」と切り出して、話し始めます…
『BLUE GIANT』6巻 石塚真一/小学館より引用
そんな玉田に対しての2人の返答。そしてその後の玉田。。
たまらないシーンです!どうぞ…
…
『BLUE GIANT』6巻 石塚真一/小学館より引用
玉田ー!お前には最高の仲間がいる!負けるなー!!ガンバレー!!!ですね!
〔8〕完膚なきまでに打ちのめされても挫けない雪祈を励ましたくなる。
初ライブで玉田は悔しい思いをしましたが、、少ないながらもそこにいたお客さんをファンに変え、バンドとして手応えをつかんだ「JASS」は、2回、3回とライブをするたびにファンを増やしていきました。
3回目のライブでは、初ライブから聴きに来てくれていたファンの1人から玉田に…
玉田の頑張りが報われた瞬間。涙
『BLUE GIANT』7巻 石塚真一/小学館より引用
こんな嬉しい言葉をかけてもらえたり、、
オリジナル曲を増やしたり、、
「JASS」は着実に成長を遂げていきます。
そんな中、、
雪祈は、念願だった日本一のジャズクラブ「ソーブルー」出演に向けて動き始めます。
雪祈は、名の知れたギタリストで、「ソーブルー」とも繋がりがあり、雪祈に目をかけてくれていた川喜田(かわきた)さんの元を訪れました。
そして、川喜田さんに尋ねます。
「どうやったら「ソーブルー」に立てるでしょうか?」
しかも、日本最高のジャズのステージに10代で立ちたい。と。
雪祈の話を聞いた川喜田さんは「そうなったら面白いかもしれない。」と前置きした上で、
「そりゃナメすぎだそ、沢辺。」と優しくたしなめます。
でも、雪祈は折れません。
ずっと憧れ続けてきた「ソーブルー」への熱い思いを伝えます…
『BLUE GIANT』7巻 石塚真一/小学館より引用
こんな雪祈の真剣な訴えを受けて、川喜田さんは「ソーブルー」の平(たいら)さんを紹介してくれることになりました。
…
雪祈は、平さんとのメールのやりとりを通して、まずは「JASS」のライブを観てもらう約束をすることに成功。
そして、ライブ当日。
ここで平さんを納得させる演奏ができれば、念願の「ソーブルー」出演を実現できるかもしれない!
雪祈は、気合いマックスでライブに挑みます。
ライブが始まると、、
大も玉田もいい感じに乗ってる。
お客さんからは大歓声。
(平さん…どうでしたか!?)
ライブ終了後、雪祈は慌てて、平さんが待つバーへ向かいました。
そして、期待に胸膨らませて席に着くなり尋ねるんです。
「オレたち………どうでしたか?」
それに対する平さんの答えは、とても厳しい言葉でした。
特に雪祈への演奏に関しては「全然ダメだ。」「面白くない。」と酷評した上で…
この後、雪祈の人間性まで全否定…。
『BLUE GIANT』7巻 石塚真一/小学館より引用
雪祈は何も言い返せませんでした。。
その帰り道、、
頭の中で繰り返される平さんの言葉…。
寒空の下、1人たたずむ雪祈…
『BLUE GIANT』7巻 石塚真一/小学館より引用
完膚なきまでに打ちのめされた雪祈でしたが、くじけず「ソーブルー」への憧れを強めるんです。
雪祈もガンバレー!ですね。
…
…
ただ、その後しばらく、雪祈はもがき苦しむことになります。
(全力で自分をさらけ出すソロとは?考えを捨てたプレイ。無の演奏だ。でも、いざやるとなると、考えてしまう。頭では理解できるけど…。考えるな。考えるな…。)
丸2日ピアノを弾き続けても、数週間練習し続けても、思考の迷路から抜け出せません。
その頃、大は、、
雪祈が目指すソロ。音と無意識につながる「自動モード」(スポーツの世界でいう「ゾーン」の状態)の感覚を掴みはじめます。
そして、雪祈の異変にも気づきます。
大は、雪祈の苦しみを知りながら、前を突き進み、雪祈の感情をめいっぱい引き出しました。
めいっぱい引き出された雪祈は、あるライブで思考の迷路から抜け出す糸口を見つけ、、また少しずつ前に進みはじめるんです。
〔9〕アオイちゃんとの再会で純粋な気持ちを取り戻した雪祈に心から良かったと思う。
4歳からここまで、雪祈が苦しみながらも情熱を持ってピアノを続けてこられた理由は、、
「ソーブルー」への強い憧れと、もう1つ…
雪祈の母親がやっていたピアノ教室に通っていたアオイちゃんの存在があったからでした。
『BLUE GIANT』5巻 石塚真一/小学館より引用
雪祈にとってアオイちゃんは、「音楽=楽しい」を教えてくれた人だったんです。
そして、願わくば…音楽を続けていてほしい。そう思っている人でした。
次にご紹介するのは、、
そんな雪祈とアオイちゃんの感動の再会シーンです。
…
着実にライブを重ねお客さんを増やしていく「JASS」。
少しずつ自分が目指すソロに近づいていく雪祈…。
そんなライブ中、雪祈はアオイちゃんの存在に気づきます。
『BLUE GIANT』9巻 石塚真一/小学館より引用
そして、、、
『BLUE GIANT』9巻 石塚真一/小学館より引用
見ているこっちまで「心から良かったね。」って思える名シーンですね。
雪祈は、あおいちゃんと再会したことで「音楽をやれる幸せ」「音楽を楽しむ」という純粋な気持ちを取り戻すことができました。
〔10〕失恋のショックを機に、結束し再始動する3人の姿に期待膨らむ!
雪祈が復活の兆しを見せ始めた頃、、
曖昧な関係のまま離ればなれになっていた大の初恋の相手 三輪舞が仙台から大を訪ねてやってきます。
で、言うんです。「案内して、東京。お台場連れてって。」って。
東京に出てから1年間、三輪さんにはまったく連絡してなかった大ですが、大にとって三輪さんは、ずっと忘れられない人…
恥ずかしいセリフを言ってニヤつく大と照れる三輪さん。かわいい。笑
『BLUE GIANT』9巻 石塚真一/小学館より引用
2人は、ピュアすぎるお台場デートを楽しみます。
でも、この後、、
観覧車の中で、三輪さんが話し始めるんです。
好きな人ができたこと。大のことでずっと悩んでたこと。
三輪さんが、大に会いに来た理由。それは、、
大に別れを告げるためだったんですね。
三輪さんは最後に、、
好きな女の子にこんなこと言われたら、、もうやるしかないですね!
『BLUE GIANT』9巻 石塚真一/小学館より引用
大に最高の言葉を残して去って行きます。
ということで、この2人の恋物語は終わりを迎えました。
…
その後、、
三輪さんにフラれた大の異変に、雪祈と玉田はすぐに気づきます。
3人は、深夜のファミレスへ。(ここでのやりとり(9巻 第71話)は、いろいろ面白いのでぜひ読み返して欲しいシーンでもあります。)
3人で他愛もない話をした後、大は話し始めました。
まったく連絡してなかったので覚悟はしてたけど、思ってた以上にショックだった。
でも、だからなおさら、それを表に出さないように、プレーがブレないようにいつも以上のつもりで吹いてた。
なのに、2人にはすぐに伝わってしまうジャズってやっぱスゲーな、って。
失恋のショックを受けた大でしたが、結果的には今まで以上にジャズに集中することになります。
「JASS」の結成からここまでいろんなことがありました。
- 初ライブでの玉田の悔し涙。
- 雪祈の挫折。
- 大の失恋。
それらを一つずつ乗り越えてきた3人は、楽器でお互いの気持ちを理解しあえるほどのバンドになりました。お客さんを魅了し、ファンも増えてきている。
ここで大は「JASS」の明確な目標を立てます。
『BLUE GIANT』9巻 石塚真一/小学館より引用
玉田のリアクションが面白すぎるんですけど(笑)、、ともかく!
大も、雪祈も、いい顔してますね!
それまでは雪祈の個人的な目標だった「ソーブルー」出演を、改めて「JASS」の目標として立て直し、3人がおなじ方向を向いて再び動き出したシーンでした。
そして、物語は佳境を迎えます。。
平さんから雪祈に、ある海外バンドの緊急サポートピアニストとして「出演してみないか?」という一本の電話が入るんです。
〔11〕憧れの「ソーブルー」の舞台で覚醒する雪祈に鳥肌が立ちまくる!
「3人でソーブルーの舞台に立つ」ことを目標に定めた途端に舞いこんできた雪祈1人へのオファー。
繊細な雪祈は、自分だけ抜け駆けしてる気分になったのか?急いで、大と玉田のアパートに行き、ちょっと申し訳なさそうに事情を話しました。
でも、ご存知の通り、大も玉田も仲間の晴れ舞台を妬んだりするような、、そんな小さい人間じゃないですよね。
「ドカンと、ぶちかませよ。」
快く雪祈を送り出します。
こうして雪祈は、世界的サックスプレイヤーのフレッド・シルバーのバンドのサポートメンバーとして、「ソーブルー」の舞台に立つことになりました。
もうね、このライブは最初から最後まで鳥肌立ちまくりの最高のシーンです。
しかも、この後の悲劇を知った上で読み返すと、より儚くて、切なくて、美しくて、たまらない名ライブなんです。
…
ライブ当日。
憧れ続けてきた日本一のジャズクラブ「ソーブルー」の舞台…
『BLUE GIANT』9巻 石塚真一/小学館より引用
雪祈は、緊張で手が震えるなか、気持ちを高めます。
そして、雪祈の長年の思いが詰まった舞台へと上がります…
『BLUE GIANT』10巻 石塚真一/小学館より引用
雪祈は、本物の音楽家たちの演奏を肌で感じながら…
『BLUE GIANT』10巻 石塚真一/小学館より引用
これまでに積み重ねてきた日々、歩んできた道のりを思い返しながら…
『BLUE GIANT』10巻 石塚真一/小学館より引用
ソロに自分の全てをぶつけるんです…
…
…
…
…
『BLUE GIANT』10巻 石塚真一/小学館より引用
たまらんですね!
ここではハイライトでご紹介したんですけど、、
このライブは全ページ全セリフ何度も味わいたい、味わってほしい、美しすぎる感動シーンです!
さらにライブ後、、トイレで喜びを噛みしめながら涙を流す雪祈の姿がまた、たまらないんですよね。
ここはぜひじっくりと読み返してみてください!
そしていよいよ!次がここでご紹介する最後の名シーンです。
〔12〕雪祈の悲劇を乗り越えて2人で演ったラストライブに「誰がなんと言おうと最高のライブだった。」って言いたい!
念願だった「ソーブルー」で最高のライブを成し遂げた雪祈は、19歳で日本一のジャズクラブの舞台に立った天才ピアニストとして注目を集めました。
そして、遂に「JASS」3人での「ソーブルー」出演が決まります。
平さん…
『BLUE GIANT』10巻 石塚真一/小学館より引用
「JASS」のお母さんとも言えるアキコさん…
『BLUE GIANT』10巻 石塚真一/小学館より引用
まわりの人たちの期待と祝福を受けて。
自分たち自身への期待も高めながら…
『BLUE GIANT』10巻 石塚真一/小学館より引用
曲をつくる楽しさや仲間と一緒に音楽ができる喜びを感じながら、、
ライブに臨みます。
3人で立てた目標の「ソーブルー」出演。いよいよその目標が実現する。
そんな中、、
そんな幸せの絶頂の中ですよ…
ライブ2日前。あの悲劇的すぎる事故がおこるんです…
『BLUE GIANT』10巻 石塚真一/小学館より引用
初めて読んだときは、本当にショックでした。。
今でも、3人で「ソーブルー」に立って演奏しているシーンが観たいくらい。。
きっと、雪祈の事故でショックを受けたのは僕だけじゃないと思います。
ただの読者でさえ、こんなにもショックなのに、、
大や玉田のショックはどんだけでかいんだろう?
想像するだけで、胸が苦しくなります。
でも、大と玉田は、立ち止まらないんです。
前を向いて進み続けるんです。
2人で「ソーブルー」に立つんです…
…
『BLUE GIANT』10巻 石塚真一/小学館より引用
悲劇を乗り越えて、堂々と最後までやりきった「JASS」のラストライブ。
誰がなんと言おうと、最高のライブでした。
…
…
そして、、
『BLUE GIANT』10巻 石塚真一/小学館より引用
最高のバンド。最高の物語でした。
たくさんの感動をありがとう!ですね!
…
感動のラストライブをやりきった「JASS」はその後、、
雪祈が入院している病室で、解散することになりました。
そして大は、最高の仲間だった雪祈、玉田と別れ、、
世界へ飛び立っていきます。
物語の続きは、現在連載中の『ブルージャイアント シュプリーム』を楽しみながら、またいっぱい感動していきましょう。
まとめ
今回は、『ブルージャイアント』の完全につきぬかれる感動名シーンを振り返ってきました。
僕は、書きながらいろんなものが溢れ出てきて、もう大変でした。苦笑
感動しっぱなしって、疲れますね。笑
でも、今回の記事を通して、『ブルージャイアント』で感動しまくったことで、わかったことがあります。
「感動」とは…
- なにかの終わりであり、新たな始まりでした。
- 大切な人との別れであり、新たな仲間との出会いでもありました。
- 悔し涙があって、嬉し涙がありました。
- 今までありがとう。であり、これからやってやるぞー。でもありました。
「感動」することで…
不安が勇気に変わり、
意固地な気持ちが素直な気持ちに変わり、
溜まってたものが溢れ出てきて、全部出したくなります。
感動しっぱなしはさすがに疲れるんですけど、、
溜まってるものを出すのは、やっぱり、、
気持ちが良いです。笑
- なんか面白くねーなー。っていうとき。
- 孤独や不安に負けそうなとき。
- なにかに失敗して悔しい思いをしたとき。
そんなときはまた思い出してください。
僕たちは『ブルージャイアント』を読んで感動することができます。
何度も読み返していきましょう!
じょにすけ
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↑こちらは石塚先生の感動山マンガ『岳』をおすすめした記事です。
↑『ブルージャイアント』を2018年ベスト漫画として選抜した記事。他のライターさんのおすすめも面白いので、ぜひ読んでみてください!
俺もダイが大好きなんで(ダジャレではありません・・・笑)、とても楽しく読みました。
そして、もちろん音楽もダイ、ダイ、大好きです。
だからこそ、名場面を振り返った時、俺の心に刺さりました。
現実の世界は、もっと非情で、不幸で、切なくて、悲しいことが多いけど、そんなとき
この漫画を読むと、純粋に、俺もまだ大丈夫だぜ、と思う。
今日、この記事に出会えて、とても良かったよ!ありがとう!
おかのさんコメントありがとうございます!僕もこの記事書いてほんとに良かったです。笑
これからも、辛いこと、悲しいこと、『ブルージャイアント』と一緒に乗り越えていきましょう!
熱い記事ありがとうございました。私も宮本大の熱い想いや、様々なエピソードに心を打たれた一人です。「岳」もそうでしたが、石塚先生の描く世界は本当に優しさで溢れていますよね!今後も共に感動していきたいですね!
コメントありがとうございます!『岳』もほんとに心あたたまる傑作ですよね!!いろいろ語りたい漫画なので、いつか記事にしようと思っています。その時はまた一緒に感動しましょう!笑