皆さんこんにちは、ラブコメを読むと「こんな恋をしてみたかった!」と思ったりもするマンガタリライターの神門です。
今回は数多くあるラブコメ作品の中で、こいつは最高のラブコメだ! と思える『僕らはみんな河合荘』を紹介します。
以前、テレビアニメ化もされており、気になっていた、読んでみたいと思っていた人も多いかと思います。
そう思った方、間違いありません! 性別、世代、関係なく楽しめる最高のラブコメ作品に仕上がっています!
もう、見ている方が悶えたくなるくらい、眩しい青春のきらめきがページから飛び出てくるのを感じます!
そこで今回は『僕らはみんな河合荘』の、
- 基本情報とあらすじ
- 奇人変人ぞろいの河合荘の住人達
- 老若男女、全てに響く特筆すべき魅力
をご紹介します!
ぜひ、みなさんも、少年少女の眩し過ぎる恋愛模様に身悶えて下さい!
目次
1、『僕らはみんな河合荘』ってどんな漫画? 基本情報とあらすじ
著者 | 宮原るり |
出版社 | 少年画報社 |
掲載雑誌 | ヤングキングアワーズ |
掲載期間 | 2010年 – 2018年 |
単行本巻数 | 全11巻 |
ジャンル | ラブコメ |
「僕らはみんな河合荘」は、4コマ漫画を主に人気を博している宮原るりさん初のストーリー漫画で、月刊ヤングキングアワーズに連載されていたラブコメです。
キーワードは「話の腰はシモに折れ!」と、なかなかパンチが効いていますが、内容は高校生男女二人の実にピュアな恋愛を描いた作品です。
連載中の人気を経て、テレビアニメ化もされました。
作品のあらすじですが、物語は高校一年生の男子・宇佐和成が、両親の仕事の都合で一人暮らしをするため、下宿先である「河合荘」にやってくることで幕を開けます。
その河合荘には同じ高校の憧れの先輩、河合律がいました。
学校の図書室で見かけた時から、宇佐の恋は始まった!
「僕らはみんな河合荘」 1巻 宮原るり/少年画報社より 引用
律との距離を縮めたい宇佐は、無愛想でコミュ障な律の塩対応にもめげず、個性的な住人の弄りにも耐えて律と接していきます。
すると律の中でも、一途に慕ってくる宇佐の存在がちょっとずつ大きくなっていきます。
一つ屋根の下、賑やかな同居人達に囲まれた中で、二人の関係も少しずつ変わっていきます。
とにかく読んでいて、「二人とも頑張れ! あぁ、僕も・私も、こんな恋がしたい!(したかった!)」と思わせてくれるラブコメ作品です!
2、“コミュ障”、“変態”、“残念”、“腹黒”、アクの強すぎる河合荘の住人を紹介!
下宿、同居ものは「ここに一緒に住んでみたい!」と読者に思わせられるかが重要です。
その点は全く問題ありません!
河合荘の住人たちが騒動を繰り広げる日々を見ると、彼らと日々を過ごしたいと心から思います!
ここでは、そんなアクの強い河合荘の住人6名を紹介します!
2-1 宇佐和成:優しくお人よしでツッコミ役の「変人処理班」
律を見るとわんこになっちゃう
「僕らはみんな河合荘」 4巻 宮原るり/少年画報社より 引用
宇佐を一言で表すならば「お人よし」です。
人当たりがよく、面倒見がよく、それが災いしてかそれとも体質なのか、「変人吸引機」となっています。
相手がどんな変人だろうがうまいこと対応できてしまうが故に中学時代は
- マッドサイエンティストな先輩
- 厨二なクラスメイト
- 超霊感少女
らとうまいこと付き合い、「ヘンショリ君(=変人処理班)」などというあだ名を付けられていました。
良くした挙句がその仕打ちとは、報われない。
「僕らはみんな河合荘」 2巻 宮原るり/少年画報社より 引用
なお、変人だらけの河合荘でもその力は十分に発揮されます!
2-2 河合律:無口・無表情・無愛想・コミュ障の「プロぼっち」
可愛い!
「僕らはみんな河合荘」 5巻 宮原るり/少年画報社より 引用
宇佐と同じ学校に通う高校二年生で、河合荘のオーナーの娘の女の子です。
本の虫で、読書に没頭していると周囲のことにまったく無頓着になり、学校の帰宅中も歩きながら本を読んでなかなか前に進まないなんてことも。
無口で無表情で無愛想というヒロインらしからぬステータス保有者で、コミュ障で友人も殆どいない「プロぼっち」の学生生活を送っています。
「僕らはみんな河合荘」 2巻 宮原るり/少年画報社より 引用
そんな律も、宇佐の登場によって少しずつ変化を見せていきます。
2-3 城崎志弦:肉体的にも精神的にも真正ドMな「チキンカツ好きのチキンカス」
「僕らはみんな河合荘」 1巻 宮原るり/少年画報社より 引用
河合荘の住人イチ、いえ作品の登場人物の中で最大の変態がこの城崎 志弦、通称シロです。
心も体も責められるのが大好きという根っからのドMで、縛ってもらうのはもちろん、言葉で精神的に責められるのもOK。
他の住人からも酷い扱われ方をしていますが、真性のマゾヒストなのでむしろご褒美です。
大家さんの住子さんの辛辣な言葉にゾクゾクしているシロ
「僕らはみんな河合荘」 1巻 宮原るり/少年画報社より 引用
そんな変態ですが、時に大人の男性らしく他の住人をフォローしたりもします。
2-4 錦野麻弓:巨乳で下ネタ製造機の残念美人な「ダメ男キャッチャー」
セクシーお姉さん!
「僕らはみんな河合荘」 8巻 宮原るり/少年画報社より 引用
爆乳で抜群のプロポーションを誇る眼鏡美人のOLさんです。
しかしその実態はダメ男に何度も引っかかり同じ失敗を繰り返して痛い目をみる、「吸引力の変わらないダメ男掃除機」です。
何気なく律が毒舌
「僕らはみんな河合荘」 2巻 宮原るり/少年画報社より 引用
自分の恋愛がうまくいっていないと他人の恋を応援出来ず、宇佐と律が良い雰囲気になりかけると「青春ぶち壊し隊隊長」になって邪魔します。
それでいて二人の仲が駄目になるのも嫌だというワガママ姉さん。
酒癖が悪くてお酒を飲んでは酷い行動をしますが、お酒を飲んでいなくても下ネタとセクハラを繰り返す、外見と中身が乖離しすぎているこれ以上ない残念美人。
「僕らはみんな河合荘」 1巻 宮原るり/少年画報社より 引用
2-5 渡辺彩花:顔も性格も作り物の腹黒小悪魔女子大生な「サークルクラッシャー」
見た目はなかなか可愛らしい女子大生です。
しかし、そんな容姿も性格も全て作り物。人間関係(男女関係)をひっかきまわし、大学ではサークルクラッシャーとなっています。
ごく普通にサークル潰しのトークをする人たち
「僕らはみんな河合荘」 2巻 宮原るり/少年画報社より 引用
普段はか弱い女子大生を演じていますが、田舎育ちで内面は誰よりも強かで計算高い。性格だけでなく容姿も実態と大きく異なり、彩花の素顔を知ると恐怖のどん底に陥れられることになります。
彩花の素顔を見てしまった宇佐の驚きよう!
「僕らはみんな河合荘」 3巻 宮原るり/少年画報社より 引用
2-6 河合住子:温厚だけど時に毒舌で胸を突き刺す河合荘の「ラスボス」
お茶目な住子さん
「僕らはみんな河合荘」 1巻 宮原るり/少年画報社より 引用
河合荘の大家さんで、住人達をいつも柔和な笑顔で見守ってくれる老婦人です。
笑顔を絶やしませんが、個性的すぎる河合荘の住人達を仕切っているだけあり、優しいだけではありません。
河合荘の秩序を乱すような行動には実力行使も辞しませんし、鋭い毒舌で住人を撫で切りにすることもあります。
怒らせると怖いです!
「僕らはみんな河合荘」 2巻 宮原るり/少年画報社より 引用
ですが、基本的には懐の深い女性で、河合荘の住人が傷ついたりしたときは、その人の好きなメニューを晩御飯に用意して待っていてくれます。
住子さんがいるからこその河合荘でもあると言えるかもしれません。
3、少年マンガであり少女マンガであり青年マンガでもある、誰もが楽しめるラブコメ!
世の中に「ラブコメ」作品はそれこそ沢山ありますが、その中でも『僕らはみんな河合荘』は最高峰だと思います!
なぜなら『僕らはみんな河合荘』は、
- 少年漫画としてのラブコメ
- 少女漫画としてのラブコメ
- 青年漫画としてのラブコメ
と、あらゆる世代の男女に魅力的なラブコメ作品に仕上がっているからです。
え、それってどういうこと!?
そう思う方のために、それぞれの視点で魅力を紹介します!
【少年マンガ的ラブコメの魅力】下宿先には憧れの先輩が! 一つ屋根の下の生活でヒロインと距離を縮めるべく奮戦する少年の物語
少年マンガとしての『僕らはみんな河合荘』は、高校一年生男子・宇佐を主人公とし、律をヒロインとした物語となります。
少年漫画としての本作の魅力は、ずばり以下の3点です!
- ヒロインが魅力的!
- 羨ましいシチュエーション!
- ヒロインと親しくなっていく展開がたまらない!
■ヒロインが魅力的
なんといってもヒロインの律、魅力的過ぎて悶死します。
律は無表情、無愛想、コミュ障、面倒くさい性格とヒロインらしからぬステータスを多数保有しています。
ですが、そんな律が見せる行動が可愛いのなんの!
恐くないと強がるも、明らかに怖がっている姿が可愛い!
「僕らはみんな河合荘」 1巻 宮原るり/少年画報社より 引用
本に夢中になりすぎての行動や、無自覚に見せるエロであったり。
ちなみに「チェス」のお誘いですから!
「僕らはみんな河合荘」 4巻 宮原るり/少年画報社より 引用
宇佐のことを意識し始めてからの言動であったり。
物語の最初から最後まで律の魅力はずっと高騰して高止まり状態です!
寝ている宇佐に「壁ドン」をして満足する律。
宇佐の「カンベンしてくれ」の気持ちが分かる!「僕らはみんな河合荘」 7巻 宮原るり/少年画報社より 引用
■羨ましいシチュエーション
主人公=自分と考えるわけですから、主人公とヒロインの距離が近くなるような、現実世界ではありえないようなウラヤマ設定であるのは大きいです。
本作は、下宿先に憧れの先輩がいて、好きな女の子と一つ屋根の下での生活! ということになります。
朝、起きたら好きな子がいて、ちょっと照れながら一緒に朝ごはん!
「僕らはみんな河合荘」 2巻 宮原るり/少年画報社より 引用
この状況に胸踊らさない男子は世の中に存在しないと思います!
■ヒロインと親しくなっていく展開がたまらない
魅力的なヒロインを好きになり、そんなヒロインと一つ屋根の下で暮らし、そうして少しずつヒロインが心を開いていってくれるのがたまりません!
当初、律は宇佐に無関心でしたが、宇佐が頑張って心を開かせていくに従い、他の男子相手では決して見せない表情や反応を見せてくれるようになります。
こんな風に大笑いする姿も見せてくれたり
「僕らはみんな河合荘」 6巻 宮原るり/少年画報社より 引用
そして、次第に律は宇佐のことを気にした行動をとり始めます。
一緒に遊ぶために今までやっていなかったゲームをしようとしたり、一緒に本の話がしたいから宇佐が楽しめそうな本を探してくれたりします。
無愛想でコミュ障だった律が宇佐のために動いてくれていたなんて!
「僕らはみんな河合荘」 7巻 宮原るり/少年画報社より 引用
もう、全て宇佐のためだけ!
難攻不落に思えたヒロインと仲良くなり、やがて自分のためだけの行動を取ってくれる、男子にとっては夢のような展開です!
バレンタインの一幕。律がこんなことを!
「僕らはみんな河合荘」 5巻 宮原るり/少年画報社より 引用
魅力的なヒロインと一つ屋根の下で暮らしながら距離を縮めてゆき、自分の頑張りで次第にヒロインも心を開いてくれるようになる、状況も、展開も、男子にとっては理想的なラブコメとなっているのです!
【少女マンガ的ラブコメの魅力】ぼっちでコミュ障な自分の前に現れた、「一途でブレない男の子」の存在で変わっていく少女の物語
少女マンガとしての『僕らはみんな河合荘』は、律を主人公とし、宇佐をヒーローとした物語となります。
少女マンガとしての本作の魅力は、以下の3点です!
- ぼっちの主人公が男子に恋をされる!
- ライバルの出現に焦るも負けないよう頑張り、変わっていく主人公!
- 男子は主人公のことだけを一途に好き!
■ぼっちの主人公が男子に恋をされる
律は教室で一人で本を読むような少女で近づきがたく、同級生達からは一人が好きだろうと思われています。
本が友達だったから、他の同級生とはなかなか合いません
「僕らはみんな河合荘」 3巻 宮原るり/少年画報社より 引用
普通の女の子とはちょっと違っていて、モテ系ではない非主流に属していることは間違いありません。
そんな女の子が年下男子に熱烈に恋されちゃうわけです!
王道少女漫画ならイケメン男子にモテモテでお姫様気分というのもありますが、それはファンタジー路線。
「実際にあるかも」と思える爽やか少年と等身大の恋愛、これも少女漫画の王道です!
本を読むこと=律自身、をありのまま受け入れて好いてくれる男の子の登場!
否定されてきた自分を肯定されたら嬉しい!
「僕らはみんな河合荘」 7巻 宮原るり/少年画報社より 引用
■ライバルの出現に焦るも負けないよう頑張り、変わっていく主人公
宇佐から懐かれるも、最初は律も何とも思っていませんでした。
宇佐が律に構うのも「変ショリ」と呼ばれるほど「人が良いから」なんて言っちゃって宇佐の好意にも気が付かずにつれない態度を見せます。
しかし、そんな律の前に恋のライバルが現れることで律も大きく変わっていきます!
それは、明るくて可愛くてコミュ力モンスターの後輩、椎名です。
椎名は宇佐と趣味が合うこともあり、あっという間に仲良くなります。
「僕らはみんな河合荘」 6巻 宮原るり/少年画報社より 引用
椎名と仲良くする宇佐を見て、律は不安になります。
知らない感情が律の中で湧き上がってきて、宇佐と椎名との仲が気になり、今までにない表情を見せるようになります。
キスではなくお約束の勘違いですが、目撃した律は!?
僕らはみんな河合荘」 6巻 宮原るり/少年画報社より 引用
行動も変わり、椎名が料理上手な女子力の高いところを見せつけると、律も苦手な料理を頑張ろうと思ったりします。
椎名に刺激され、変わり始める律
僕らはみんな河合荘」 7巻 宮原るり/少年画報社より 引用
ライバルに負けないよう頑張る律!
そして、恋を知って変わっていく律!
頑張れ律! と応援したくなります!
■男子は自分のことだけを一途に好き
律は、登下校中も歩きながら読書するほどで、カラオケや合コンを楽しむ同年代の子達から浮いた存在でした。
自分が無愛想でコミュニケーションが苦手で、人と比べ少し変わっていることも自覚しています。
そんな面倒くさい律のことを宇佐は決して嫌がること無く慕い、懐き、世話をやいてくれますが、それでも律は最初は面倒くさそうにあしらいます。
初めは宇佐にもこんなつれない態度
「僕らはみんな河合荘」 1巻 宮原るり/少年画報社より 引用
ですが、どんなに律が塩対応をしても宇佐が離れていくことはありませんでした。
ただ律のことを好きなだけではありません。
宇佐の行動は律のことを第一に思ってのものであり、面倒くさい律にあわせてくれているのです。
歩きながら本を読んで帰宅する律を咎めることなく、律にあわせて歩いて見守ってくれたり。
一緒に帰っているのに本に夢中!他の人なら嫌がりそうなことも受け入れてくれる宇佐。
「僕らはみんな河合荘」 1巻 宮原るり/少年画報社より 引用
律と共通の話題を口にできるよう、今まで読んでいなかった本を読んで本の話をしたり。
律の好きな本でのコミュニケーションをとってくれたり
自分が好きなことの話が出来るのって、嬉しい!
「僕らはみんな河合荘」 3巻 宮原るり/少年画報社より 引用
他にも、律が嫌がることや怖がるものから守ってくれたり。
ぼっちだった律が同級生たちと話す時間が得られるように背中を押してくれたり。
面倒くさいことを言っても、変な態度を見せても、我が儘を言っても、宇佐は決してブレることなく一途に律のことだけを思ってくれます。
「僕らはみんな河合荘」 9巻 宮原るり/少年画報社より 引用
こんな面倒くさい女の子、多くの男子なら「そこまでするほどか」と思って引いてもおかしくありません。付き合うなら、明るくて可愛くて人懐っこい後輩の椎名の方がよほど魅力的と感じても不思議ではありません。
でも宇佐は決して引くことなく、面倒くさい律を思い続けてくれます。
自分の嫌な所、変な所も含めて全て受け入れて好きでい続けてくれる男性。
間違いなく宇佐は、主人公の少女=律の前に現れたヒーローなのです。
僕らはみんな河合荘」 9巻 宮原るり/少年画報社より 引用
【青年マンガ的なラブコメの魅力】高校生男女の眩しい恋愛模様を目を細めて見守る。大人こそが楽しめる物語
恋愛の中心となる二人が高校生男女でなぜ青年漫画なのか、それは連載されていたのが青年漫画誌であり、もともと少年少女だけというより、大人向けの作品として描かれてもいるからです。
そして青年漫画としての魅力は、大きく以下の2点だと思います!
- 大人を主役とした大人目線の物語が描かれる
- 大人目線で「羨ましい」と思える宇佐と律の恋愛
■大人を主役とした大人目線の物語が描かれる
作品ではしばしば麻弓、シロ、彩花、といったキャラを中心とした物語が描かれます。
彼らは仕事や恋愛でうまくいかず、ままならないことも多いです。その姿が我が身と重なったり、「わかるわぁ」と思わされたりするのです。
麻弓の学生時代の親友・愛美。「出来る女」は男から敬遠される?
大人になると学生の時と異なる悩み、壁にぶちあたる。うつむくことも多くなったと、ふと思い知らされたりも。
僕らはみんな河合荘」 4巻 宮原るり/少年画報社より 引用
うまくいかなくても立ち上がり、また明日も仕事に向かわなければならない。
かつて河合荘の住人だった陽子は、仕事で落ち込んで河合荘にやってきた。
この気持ちは多分、働かないと分からない。
辛い、でも、一度巣立った河合荘に戻っては駄目だと優しく諭す住子さん
僕らはみんな河合荘」 4巻 宮原るり/少年画報社より 引用
宇佐と律のピュアな恋愛模様の合間に、こういうのが挟まれるのです!
高校生同士の甘い恋愛だけを描いた漫画と一線を画しているのは、大人の世界を垣間見せられるから。
しかも辛いだけでなく背中を押されたり、負けない強さをみせられたりするから、大人の読者の心も打つのです。
■大人目線で「羨ましい」と思える宇佐と律の恋愛
大人になると仕事や生活の中で疲れてしまうことも多いです。汚い世界を見ることもあります。
そんな身に、宇佐や律の恋愛はとても眩しいです! その若さや青臭さや一途さを「羨ましい!」と思えて癒されます。
一途でブレない姿に、自分の理想を重ねたくなる
僕らはみんな河合荘」 7巻 宮原るり/少年画報社より 引用
そして、眩しい学生生活を送る宇佐と律に自分の願望を投影する。
自分もこんな学生生活が、恋愛が出来ていたらどんなに良かっただろうと思い、宇佐や律を応援する。
ライバルの男が現れてウダウダしている宇佐を一喝!
僕らはみんな河合荘」 7巻 宮原るり/少年画報社より 引用
男性なら、「律みたいに可愛い女の子を好きになってアタックして、好きになってくれたら」と
女性なら、「宇佐みたいな男の子が一途に、自分のことだけを好きでいてくれたら」と
酸いも甘いも汚れも知った大人になったからこそ、キラキラ輝いて眩しいような恋愛をしたかったと自己投影したくなります。
花火大会ではぐれないよう手を繋ぐ二人。
こんな恋愛したかったと羨ましがりつつ、おまえら、さっさと付き合えや! とも思います。僕らはみんな河合荘」 9巻 宮原るり/少年画報社より 引用
周囲に大人のキャラがいて、彼らの目線でも宇佐と律の二人のことが描かれる。だからこそ、大人でも楽しめる作品になっているのです。
4、作品をより面白くしているポイントを2つ紹介
ご紹介したように、『僕らはみんな河合荘』は少年・少女・青年マンガそれぞれの魅力を持っています。
ですが、それだけで老若男女、誰が読んでも楽しめる作品になっているわけではありません。
ここでは、作品を更に魅力的にしている、2つのプラスアルファのポイントをご紹介します!
4-1 ハーレムもラッキースケベもない「今時ではない」ラブコメ、だがそれが良い!
『僕らはみんな河合荘』は、なんといっても「今時ではない」ラブコメです!
ん、どういう意味? と思うかもしれません。それは、
- ハーレム展開なし
- ラッキースケベなし
- 主人公に都合の良い展開なし
一つ屋根の下での下宿ものというと、主人公以外の住人は全員が女の子で全員が主人公に好意を持ち、ラッキースケべに日々見舞われる、なんてイメージがあります。
そんな、今時の男性向けラブコメによくある要素は一切ありません。
河合荘の住人は甘くない!
ラッキースケベ!? かと思いきや、そうではない
「僕らはみんな河合荘」 1巻 宮原るり/少年画報社より 引用
ですが、だからこそ男性にも女性にも媚びていない作品となっています。
ハーレム設定だと女性からは
- 主人公が無意味にモテる。なぜ女はそんな男に惚れるのか意味不明
- いつまでも一人に決めない優柔不断な主人公
- そんな女いない
なんて思われます。
逆に少女漫画で、ごく普通の女の子がなぜかイケメン男子にモテモテというのも、男性読者から見れば同様に感じるものです。
ですが本作では、
- 河合荘の住人は男2人に女4人
- 女性は老婦人、アラサーOL、女子大生。男性はアラサーのニート、と主人公たちの恋愛対象外
- 宇佐や律が意味不明にモテることもなく、あくまで二人の恋愛(他の異性には目を向けない)
となっています。
宇佐が律を好きなことは、宇佐が気になる女子にもダダ漏れ。だからアプローチし辛い
「僕らはみんな河合荘」 7巻 宮原るり/少年画報社より 引用
また、好きな女の子と一つ屋根の下で暮らしていでも、宇佐に都合の良いラッキースケベは起きません。
むしろ、麻弓や彩花といった年上で大人の女性から見たくもない女性の一面を見せられたり、麻弓たちに弄られてろくでもない醜態を晒して律に蔑みの目で見られたり、好感度を下げることばかり起きます。
「僕らはみんな河合荘」 5巻 宮原るり/少年画報社より 引用
ハーレムではない同居ものといえば、「めぞん一刻」や「陽あたり良好!」なんかを少し上の世代の方は思い出すかもしれませんが、そういった系統です。
男性にも女性にも嫌われず、若い世代の読者にハーレムではない共同生活ものは新鮮に映り、少し大人の読者には「こんな青春が過ごせたら!」と思わせてくれる、どの年代にも受け入れやすい内容になっているのです!
4-2 物語の初めから終わりまでブレずに炸裂する下ネタがむしろ楽しみになる!
『僕らはみんな河合荘』のもう一つの魅力は、「下ネタ」です!
初っ端からコレです(ヒドイ)
「僕らはみんな河合荘」 1巻 宮原るり/少年画報社より 引用
物語の初めから終わりまで、一巻から最終巻まで、ブレることなく下ネタが至る所で炸裂しています。
下ネタの発生源は、殆どが麻弓によるものです(あとは一部、シロ)
ロクでもない下ネタばかりですが、豪快であけすけな麻弓が口にすると、不思議といやらしさを感じさせません! 多分!
何いってんでしょうね
「僕らはみんな河合荘」 4巻 宮原るり/少年画報社より 引用
ともすれば宇佐と律のピュアな恋愛ものになりそうなところ、下ネタがアクセントをきかせてくれます。
宇佐の邪魔をしたり、二人の仲が進展するのを手助けしたり、律の恥じらいの表情を引き出したり。
とにかく下ネタをガンガンぶっ込んでくる麻弓さんが素敵!
「僕らはみんな河合荘」 6巻 宮原るり/少年画報社より 引用
下ネタの嫌いな人でも、麻弓のキャラもあって、「しょうがないなぁ」とむしろ呆れてしまうと思います。
そして、バカバカしくてどうしようもない下ネタが次第に楽しみになってきます。
小学生相手に何を言っているのこの人!?
「僕らはみんな河合荘」 3巻 宮原るり/少年画報社より 引用
5、まとめ
ということで今回は『僕らはみんな河合荘』の、
- 基本情報とあらすじ
- 奇人変人ぞろいの河合荘の住人達
- 羨ましい状況で魅力的なヒロインと親しくなっていく少年マンガ的な楽しさ
- 一人の男の子の存在で主人公の女の子が魅力的に変わっていく少女マンガ的な魅力
- 大人目線で「こんな恋がしたかった!」と思えるピュアな恋愛の眩しさ
- ハーレムもラッキースケベもない、「今どきではない」からこその良さ
- 全編通して炸裂する下ネタ
を紹介させていただきました!
本当に、男性だけでなく女性も、そしてどの世代にもお薦めしたいラブコメ作品です!
是非、手に取ってみてください!
以上、麻弓さん大好きですが、麻弓さんを受け止められるだけのキャパがなさそうなマンガタリライター、神門でした。
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