こんにちは、子供の頃より図書館通いは欠かせないマンガフルライターの神門です。
図書館っていいですよね!
もはや書店では売っていない絶版の稀少本がフツーに置いてあったりする、宝箱のような場所です!(特に海外作品とかすぐに日本で出版されなくなりますし)
そんな図書館とか本を扱った作品が増えている気がします。
個人的な超絶おススメは『図書館の魔女』(著:高田大介)、これはもう2010年代、いや2000年以降の作品でも個人的に三本の指に入る傑作リブラリアン・ファンタジーです!
しかし『図書館の魔女』は漫画ではないので置いておいて(でも言いたかった)、漫画界ならば『図書館の大魔術師』です!
本作は
- 本好きは読むべし!
- ファンタジー(ハイ・ファンタジー)好きを称するなら読むべし!
- 物語の主人公になりたいなら読むべし!
という、これはもう読まないわけにはいかないよね、という一作です。
今回の記事では、そんな『図書館の大魔術師』の大いなる魅力を皆さんにご紹介いたします!
気になっていた方、これを気に是非、手に取ってみて下さい。
素晴らしい世界が待っています!
目次
1.『図書館の大魔術師』ってどんな漫画?
著者 | 泉光 |
出版社 | 講談社 |
掲載雑誌 | good!アフタヌーン |
掲載期間 | 2017年11月~ |
単行本巻数 | 既刊4巻(2020年8月現在) |
ジャンル | ビブリオファンタジー |
『図書館の大魔術師』は、泉光先生によって描かれている、異世界を舞台としたファンタジー作品です。
様々な種族の人々が暮らし、精霊や魔術といったものが存在する魅力的な世界が、美しい筆致で描かれています。
その世界で、タイトルの『図書館』にもある通り、主人公の少年・シオが図書館の司書を目指して成長していく姿を描いています。
また、少年の成長という王道的な物語だけではなく、この作品そのものにも様々な謎が含まれていたりして、色々と考察もしたくなる要素も満載の非常に上質なハイ・ファンタジー作品です。
2.物語のあらすじ
この世界ではない、どこか別の世界。
活版印刷技術が発明されてはいるものの、その世界において「本」はまだ誰もが自由に読めるというものではありません。
本とは様々な知識の集合体であり、重要な情報を他者に伝えるための媒体であり、自分の知らないことを教えてくれるものです。
本があるから、自分が知っている範囲以外にも世界は広がっており、見たこともないような動物や、植物や、美しい光景があると人々は知ることが出来ます。
「図書館の大魔術師」 1巻 泉光/講談社より 引用
主人公の少年、シオもまた、そんな本に魅せられた一人です。
小さなアムンという村で育ったシオは混血児であり「耳が長い」という、周囲の人とは違う特徴を持つために他の村人と同じ扱いをされず、図書館を利用させてもらうこともできませんでした。
それでもシオはいつか、世界中の全ての本が揃っているといわれている、本の都“アフツァック”の図書館に行くことを夢見ています。
「図書館の大魔術師」 1巻 泉光/講談社より 引用
そんなある日、アムンの村にアフツァックの図書館で働いている司書達が訪問してきます。
シオはその司書の一人、セドナと知り合い、一つの約束をします。
それは、セドナの宝物である本を借り、いつかそれを返しに行くこと。
そうして、シオの司書になるための物語が始まるのでした。
「図書館の大魔術師」 1巻 泉光/講談社より 引用
3.『図書館の大魔術師』は稀に見る極上なハイ・ファンタジー作品!その練り込まれた世界の魅力をご紹介
『図書館の大魔術師』は異世界ファンタジーを描いています。
それも唯のファンタジーではありません、極上のハイ・ファンタジーの世界が創り上げられています!
ハイ・ファンタジーとはなんぞや?
といいますと、要は異世界そのものを舞台とする作品のことを言います。
異世界ファンタジーといえば、2000年代からライトノベルを中心に異世界転生モノが非常に流行しています。
それらもハイ・ファンタジーではありますが、本作に対し『稀に見る極上』と冠を付けているのには理由があります。
それは『世界の細部までみっしりと、魅力的に設定されている』ことです。
実際にどのように作られているのか、
- 世界を形作る様々な種族と、文化・風習
- 世界の土台となる独自の獣や植物、地理
- 物語を彩る魔術、精霊、神話
この3点、プラス、それらによって創られている「世界の見せ方」をご紹介致します!
3-1.様々な種族と、種族毎に練り込まれている独自の文化・風習が深みを生み出す
現代世界においても、世界中には様々な人がいて、国によって文化や風習が異なるのは当たり前のことです。
物語の中の世界も当然、単一種族で単一文化などということはありません。
ファンタジーの世界で有名なのは、エルフ、ドワーフ、ホビットなどが思い浮かびますが、これらはトールキンの『指輪物語』に登場した種族が定着したものです。
ですから、これらの種族を登場させること自体、元の世界がある別のファンタジーを基に作り上げることとなります。
しかしながら『図書館の大魔術師』においては、そういった種族は(今のところ)登場せず、オリジナルの種族を登場させ、その種族毎に異なる文化・風習を持たせています。
言葉でいうのは簡単ですが、これがどれだけ大変なことか!
例えば種族。
本作においては同じ人間でも以下のように様々な種族が登場します。
- ヒューロン族
- ホピ族
- ラコタ族
- カドー族
- ココパ族
- クリーク族
- ハイダ族
それぞれ、容姿的な特徴もあれば、文化・風習の違いもあります。
「図書館の大魔術師」 2巻 泉光/講談社より 引用
読み進めていくと、色々な種族のことが分かってきて楽しくなります。
「図書館の大魔術師」 3巻 泉光/講談社より 引用
現代でもそうですが、異なる民族と心を通わすというのはそう簡単にいかないものです。文化や風習というのは、人間の成長において考え方や思想に大きく影響を与えるからです。
そのように各種族の背景を創り上げることで、その種族に属する人が持つ基本的な性質、言動といったものが統一されます(もちろん個人差があり、その種族らしからぬ人も中にはいたりもするでしょうが)
また、種族が異なるから対立することもありますし、逆に自分が知らない新たな知見を得ることもあります。
そういったことも作品の中で上手く使っており、単に種族を作っただけではなく、この世界の過去から繋がって今に至るところまで練られている、それがまた作品世界に深みを作り出しているのです。
「図書館の大魔術師」 3巻 泉光/講談社より 引用
3-2.想像の余地も大きいオリジナルな獣、植物、地理にワクワクさせられる
現代世界では存在しない動物、植物、そして地形などが当然あります。
というか異世界ファンタジーですから、基本的に動植物とかも別物と考えた方が自然です。
作品内で一つ一つ説明がなされているわけではありませんが、描写されている食べ物であったり、動植物であったりは、ぱっと見には私達が見慣れている動植物に似ているようでどこか異なります。
そういった細かいところも、描かれています。
「図書館の大魔術師」 1巻 泉光/講談社より 引用
異世界ファンタジーは、人間はもちろんですが、むしろ人間以外の動植物や建物、地形といったところに、どれだけオリジナルで魅力的なものを想像することが出来るか、というのも大きいと思います。
それらは、その世界を支える基盤となります。
- この世界にはどんな動物がいるのだろう?
- どんな不思議な植物、生態系があるのだろう?
- 現代世界ではありえないような、どれほどの地形や光景が広がっているのだろうか?
ファンタジーの世界なのですから、実際にはありえないことだって何でも出来る。
でも、あまりに突拍子もないとついていくのが大変で、理解が追いつかなくなります。
人が想像できる、想像しやすい、想像したくなる世界を、絵をぱっと見て感覚的に伝えられるのも漫画の大きな利点です。
「図書館の大魔術師」 2巻 泉光/講談社より 引用
本作では絵による世界の表現が、身近にも感じられるようだけど現実にはない異世界、というのを違和感なく読み込ませてくれます。
説明も多すぎず、でも気になる要素を扉絵なども使用して効果的に見せることで、どんな世界が広がっているのか、想像の羽を大きく広げ、ワクワクさせてくれるような世界を見せてくれます!
物語、特にファンタジーは、ワクワクするもの、というのが大いなる基本だと思います。
『図書館の大魔術師』は、そんなワクワクを読み手に間違いなく届けてくれる作品です!
「図書館の大魔術師」 2巻 泉光/講談社より 引用
3-3.魔術や精霊などファンタジーに欠かせない要素もきっちり練られており今後が気になる
ファンタジーといえば、やっぱり魔術や精霊といった現実にはありえない超常現象でしょ!
という方もご安心。
当然、その辺も完備しています。タイトルだって「大魔術師」というくらいですし。
世界には“マナ”があり、その“マナ”を使用することで人は魔術を使うことが出来ます。
マナには8つの種類があり、それぞれで特性が異なっています。
光、土、水、雷、樹、炎、宙、不明
「図書館の大魔術師」 3巻 泉光/講談社より 引用
水や炎というのは他のファンタジーでもよくありますが、樹というのは少し珍しいかもしれません。
そしてマナを使用した魔術がありますが、例えば、炎のマナを保有するから火球を生み出せる、みたいな感覚的なものとも異なるようです。
たとえばシオは水のマナの持ち主ですが、その場合は汗っかきの人が多いというところから始まり、人体の60%は水分で出来ているので水のマナを使用した肉体強化が出来たりするのは、今までの水の魔術のイメージからはちょっと異なっていると感じたりします。
「図書館の大魔術師」 3巻 泉光/講談社より 引用
そして世界には精霊という存在も存在します。
ただ精霊に関しても色々と種類はあるようで、普通に人間たちと一緒に暮らしている精霊もあれば、悪意をもって動いている精霊もいるようです。
これは物語の根幹につながっていきそうに感じます。
「図書館の大魔術師」 3巻 泉光/講談社より 引用
魔術にしても精霊にしても、まだ多くは語られていません(4巻までにおいて)
この世界においての魔術や精霊がどのような意味を持つのか、今後の展開を注視していきたいと思います!
3-4.作り込んだ世界の見せ方が上手い! 徐々に、そして一気に広がる世界に飲み込まれていくのが快感!
例えば異世界転生モノでも、世界はきちんと作られているのではないか? と思うかもしれませんが個人的には大きく違うと感じます。
異世界転生モノは、主人公は現代の人ですから、異世界に行っても主人公視点から現代の尺度に置き換えてその異世界を見ることが出来ます。
例えば、「現代なら○○メートルくらいか」とか、「日本で言うお盆みたいなものか」とか主人公に考えさせることで、同時に読み手に対して説明も出来ます。
しかし、主人公も含めて完全なる異世界ファンタジーではそうはいきません。
言語、通貨、度量衡、文化、風習、そういったものを全て新たに考える必要があり、しかもそれらはその世界の住人にとっては当たり前のことです。
それをいかに読み手に伝えるか。
「図書館の大魔術師」 2巻 泉光/講談社より 引用
考えなければいけないことは膨大にあり、中途半端な作り込みではどこかで破綻をきたしかねませんし、更にそれだけ考えて作っても読み手に受け入れられるとは限りません。
だからこそ本格的なハイ・ファンタジーを作り込むのは非常に難しく、意外と作られていないのだと思います。
そして、どれだけ設定を練り込んでも、作品内で表現できるのはおそらくごく一部だけで、どこまでを表現し、どこから先を読者の想像に任せるか、といったバランスも考えなければなりません。
『図書館の大魔術師』ではそういったバランスが上手く取れています。
物語は主人公のシオが小さな村で育つところから始まり、やがて図書館の司書を目指して大きな都市に向かうというように展開していきます。
シオの目を通してこの作品の世界が徐々に広がっていくわけで、それは即ち、主人公と一緒に読み手も世界を知っていくことになります。
たとえばこちら、主人公のシオが大きな街(アフツァック)に来て水道に驚くシーンなど、こういう描写で理解させてくれます。
「図書館の大魔術師」 4巻 泉光/講談社より 引用
そして話が進むごとに開示されていく細かな設定に、
- こういう文化があるのか
- こんな風習を持つ種族の人達がいるのか
と、理解していくのです。
設定というのは、作品に現れない裏の設定をどこまで奥深く煮詰めて作っていくかが、作品の骨太さに繋がる一つの要素だと思います。
特に文化や風習は、その世界を形作る土台であり、ここがしっかりしていないと異世界ファンタジーは途端に安っぽいものになると思っています。
実際、架空世界のファンタジーを作ろうと考えたことのある人は、現代ものを考えるのとは比べ物にならないくらい大変だということを、身をもってご理解できるかと思います(私も考えたことあります!)
こういった全ての要素を踏まえ、『図書館の大魔術師』は稀に見る上質なハイ・ファンタジー作品なのです!
4.ハイ・ファンタジーというだけに留まらない『図書館の大魔術師』の更なる魅力3点をご紹介
ハイ・ファンタジーとしての魅力をお伝えしましたが、『図書館の大魔術師』が持つ魅力はそれだけではありません!
まだまだある魅力を3点、ご紹介します!
4-1.本こそが国力になる!本が持つ力と魅力をこれでもかと描いているから、本好きなら満足すること間違いなし!
『図書館の大魔術師』は、ビブリオファンタジーです。
いや素晴らしいです、この響き。
昨今、本作に関わらず本や本に関わる仕事を主にした作品も増えてきています。
冒頭の挨拶でご紹介した『図書館の魔女』もそうですし、マンガフルでも記事にした『バーナード嬢曰く』、他にも『本好きの下剋上』、『夜明けの図書館』、『ぶっきんぐ!』などあって、本好き・図書館好きとしては嬉しい限りです。
本作はタイトルに『図書館』とある通り、本であり図書館であり図書館で働く司書が主人公の物語です。
それ故に、本が持つ力、その魅力をビシバシと書いて伝えてくれています。
もうこれだけで、本好きには堪りません!
- ファンタジーの世界でなぜ、本がそんなに大事なの?
- ファンタジーの世界でなぜ、図書館なの?
そういった疑問を呈する方々、ファンタジーだからこそ、本であり図書館なのです!
現代では当たり前の電子媒体、磁気媒体などない世界ですすから知識を、情報を、思想を残しておくのは紙であり本しかないのです。
「図書館の大魔術師」 1巻 泉光/講談社より 引用
政治にしても、戦にしても、商売にしても、何より重要なのが情報であることは現代も変わりません。
だからこそこの世界の時の為政者たちも本を集め、図書館を作り、知識の倉庫として自分の力を示しています。
この作品ではそんな本の重要性はもちろん、本そのものに関する知識、そして図書館司書の役割の重要性などを教えてくれます。
- 本の修理の仕方について
- 製本について
- 本の歴史について
そういったことを、作品を通して紹介もしてくれます。
「図書館の大魔術師」 1巻 泉光/講談社より 引用
電子化の波が押し寄せ、出版業界(紙出版物)や印刷業界、書店などは斜陽業界とも言われています。
電子の方が場所は取らないし、安いし、当然の流れだとは思います。
でも、やっぱり紙の本が好きな人間からすると、紙の本だからこその良さもあるわけで。
- 装丁であったり
- その手触りであったり
- インクや紙の匂いであったり
本作では本の大事さを伝えてくれており、だからこそ、本好きならば是非に手に取ってみてほしい一作です。
4-2.物語の主人公は自分! 主人公に共感するだけではなく、読み手全員が主人公となって夢中になる!
主人公のシオは拾われた子供であり、耳が長くて周囲の村人と違うことで差別を受けていました。
そういう劣等感があったからこそ、冒険譚に描かれている主人公、ヒーローに憧れていました。
- 何かしらに劣等感を持つこと
- 物語のヒーローに憧れること
これらは、私達の多くが感じるようなことだと思います。
最初から勇者でもない、英雄でもない、ごく普通の少年。いや、むしろ周囲の人達よりも下にいる存在。
そんな少年が立ち上がり、這い上がっていくのは王道ストーリーであり、だからこそ読み手の私達もシオに「頑張れ」と感情移入して読み進めることになります。
「図書館の大魔術師」 2巻 泉光/講談社より 引用
でも『図書館の大魔術師』はそれだけではありません。
シオは、世界を嫌っていました。
- 他の人と耳の長さが違うと馬鹿にする村の子供達が嫌いだった
- それを見て見ぬふりをする大人たちが嫌いだった
- 馬鹿にされるだけで姉に迷惑をかけ何も出来ない自分が嫌いだった
だからいつか、自分の世界を変えてくれる、物語の主人公が目の前に現れるのを願い待ち焦がれていました。
「図書館の大魔術師」 1巻 泉光/講談社より 引用
これって、普通のことだと思います。
多くの人は自分が勇者でも英雄でもない普通の人間だと理解しています。
だけど、村に来ていた司書のセドナはシオに対して言います。
「主人公は誰の前にも決して現れない」
と。
そして更に続けて言います。
「物語のページを進めるのは自分自身だけであり、主人公は君なのだ」
「図書館の大魔術師」 1巻 泉光/講談社より 引用
これは、セドナを通してシオに伝えているのと同時に、読者に対して放ったメッセージでもあると捉えられます。
メタです。
例えば『はてしない物語』のように、物語の主人公は自分なのだと思わされる作品は他にもありますが、ここまで潔く正面から突き付けられる作品はなかなか珍しいと思います。
セドナの言葉を機に、シオの考えと行動は変わっていきます。
「図書館の大魔術師」 2巻 泉光/講談社より 引用
このように、とにかく語り掛ける言葉の強さが響いてくる作品です。
- シオにかけられる言葉
- シオが考えること
それらは全て、私達に伝えたいことでもある。
だから一層、シオを応援したいと思い、物語世界に没入していける作品となっているのです。
4-3.作品そのものに仕掛けられた謎!考察心をくすぐられ、結末を迎えるまで読み続けないわけにはいかなくなる!
そして最後にお伝えしたいのは、この作品自体が持つ「謎」です。
この作品、表紙を見ると分かるのですが、
- 原作「風のカフナ」
- 著:ソフィ=シュイム 訳:濱田泰斗
とあります。
「図書館の大魔術師」 1巻 泉光/講談社より 引用
ああなるほど、どこかの原作を漫画化した作品なのね。
と最初は思うのですが、いざ「風のカフナ」なる作品を探そうとググってみても、どこにもそのような作品は存在しません。
カフナとは司書のことです。
もしかしてシオがいずれ「風のカフナ」と呼ばれるようになり、そのシオの物語を描いている作品だから、架空の「風のカフナ」というのが原作だという設定なのか。
そう思いはするものの、この世界の魔術においてシオが保有しているのは「水」の力であり「風」ではありません。
ならば視点を変えてソフィ=シュイムや濱田泰斗という人を探そうとしてみても、やはりその人も存在しないばかりか、作品の中で同名のキャラクター(ソフィ=シュイム)が登場します。
「図書館の大魔術師」 4巻 泉光/講談社より 引用
はて?
- では作品に登場するソフィ=シュイムの作品(いわゆる作中作)を原作とするのだろうか?
- それともやっぱり、他に架空の原作が存在するのか?
- ソフィ=シュイムって結局、誰よ?
これだけで気になって仕方ありません。
恐らく、この原作、著者そのものも作品に仕掛けられたギミックなのではないかと思われるのですが、正直、今の時点では分かりません!
でもですよ、だからこそ考察するには堪らない作品となっています。
本書自体が持つ上記のような謎はもちろん、物語そのものにもまだまだ謎は沢山あります。
- シオがこの先どうなっていくのか?
- セドナとの関係はどうなるのか?
- この世界を滅ぼそうとする魔王は、世界はどうなるのか?
物語の流れとリンクして、原作や著者の謎も解明されるものと想像しますが、果たして真実はいかに?
物語の終わりまで見届けないわけにはいきません!
5.まとめ
今回の記事では『図書館の大魔術師』について
- ハイ・ファンタジーとしての上質さ
- 本好きに読んで欲しいビブリオファンタジーの意味
- 自分こそが物語の主人公だと夢中にさせてくれる理由
- 考察心をくすぐる、作品そのものが持つ謎
などをご紹介しました。
絵も美しく、物語は続きが気になる謎を多分に含み、魅力的な世界に没頭できる作品です。
本記事を作成した時点(2020年8月)では、単行本としても4巻と、まだまだこれからという作品ですが、間違いなく更に面白くなると予感させてくれる作品です。
異世界転生モノは面白いけれど、どっぷりと新しい世界に入り込めるようなハイ・ファンタジー作品って最近なかなかないよなー、なんて思っているファンタジー好きの方、なども是非、手に取ってみて下さい。
素敵な世界にどっぷり浸かれること間違いありません!
以上、異世界ファンタジーといえば「ロードス島戦記」と「アルスラーン戦記」かな? なマンガフルライターの神門でした。
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