みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『少女入門』
です。
主人公は、たった二人だけの美術部に所属する久納はじめとはじめの美術部の先輩である西波。
西波先輩は小さくて可愛くて学校内でもアイドル的な存在。
いつもは可愛い子として生活しているけれど、はじめの前だけでは本性をさらけ出していつもいじってふざけあうような関係。
そんな二人の関係性が変わるのは、はじめの体に変化が起こってから。
それはなんと、女の子になってしまう病気!
病気は止めることも治すこともできず、はじめはあっさりと女の子になってしまう。
女の子になって生活せざるをえないはじめを前にして、西波先輩の様子も今までとなんか違う。
実は、西波先輩もはじめと同じ病気で男から女の子になってしまった子だったのです・・・!
・・・が、はじめは信じてくれない!
という感じで開幕する、TS少女×TS少女の物語です。
「少女入門」 1巻 堀出井靖水/KADOKAWA より引用
奇病やらなんやらで男の子が女の子になってしまう、という物語はちょいちょいあります。
TSものは昔から存在して、今もなお根強く人気もありますからね。
そんな中で、TS少女が二人、そして片方はもう一方がTS少女だと知らずに元から女の子だと思っている。
男だったときの感情や関係性、女同士になってしまったことによる感情や関係性。
そういったちょっとしたすれ違いであったり、もどかしさであったりを、二人の軽妙なやり取りで見せてくれるのが読んでいて楽しい作品です。
先輩と後輩という関係ですが、どちらかが一方的に慕っているとか恋しているというわけではなく。
絶妙に仲良い先輩・後輩という関係性を築いています。
先輩は後輩をからかって楽しみ、後輩は反抗するほどではないけれど時には言い返したりやり返したり。
男女の先輩・後輩で距離が近いと思うかもしれませんが、TS少女なので男子に距離が近いのは当たり前と言えば当たり前。
「少女入門」 1巻 堀出井靖水/KADOKAWA より引用
そこからさらにはじめがTS少女となることで、物語展開はまた新たな方向性を見つけるわけで。
いわゆる攻めと受けが一方的でなく、はじめもやり返すのでその辺がちょいちょい入れ替わります。
更にそれが、女としてなのか男としてなのか。
相手を男としてとらえているのか、女としてとらえているのか。
そういうところに想像の余地を残している所が、読み手にはむず痒くも嬉しいところではないだろうかと思います。
「少女入門」 1巻 堀出井靖水/KADOKAWA より引用
更に西波先輩とはじめがメインではあるものの、次第に他のキャラクターも色を見せてくる。
はじめの姉とか、クラスメイトとかも、なかなかに濃そうなキャラを持っている。
二人だけだと話の展開に広がりが出づらいかもしれないけれど、そういう周囲のキャラが絡むことでまた楽しい状況にもなっていきそう。
TS好き、ラブコメ好きならちょっと手にとって読んでみて損はない作品だと思います!
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