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【今週の一冊】『岩泉舞作品集 ミレンさんの壺』感想。岩泉先生の傑作短編がついに単行本化!読むべし!

 

みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。

皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。

今回ご紹介するのは

『岩泉舞作品集 ミレンさんの壺』

です。

 

 

タイトル通り、岩泉舞先生の作品集なのですが、岩泉先生をご存じない方も多いと思います。

かくいう私も今回の作品集で思い出した、という感じす。

といいますのも岩泉先生、とても寡作な漫画家さんなんですね。

1989年にデビューしますが、基本的に発表されているのが読み切り作品のため、なかなか単行本になりません。

その読み切り作品自体も数が多くないので、1989年にデビューしながらつい最近まで単行本は1冊だけ!

という方でした。

それが今回ようやく、3冊目の単行本の発刊です!

ちなみにご存じないという方も、かつて発表されていた作品タイトルを耳にすれば思い出す方もいるかもしれません。

というのも発表していたのが週刊少年ジャンプという最大の週刊少年漫画雑誌だったからです。

どれが一番有名だろう・・・?

やっぱりシリーズが幾つか続いた『COM COP』でしょうか?

あるいは『七つの海』でしょうか?

ほら、聞いたことある方もいるでしょう!?

 

ということで岩泉先生にちょっと触れた後は、改めて『岩泉舞作品集 ミレンさんの壺』について。

基本的にはタイトルに冠している「ミレンさんの壺」がメインです。

収録されているのは「ミレンさんの壺」の他には一編、「ロボットを捨てに行く」のみです。

「ミレンさんの壺」は、未練を抱えて亡くなった人達の魂が成仏できるよう、ミレンさんがその未練の正体を明らかにして現世への心残りをなくすというものです。

何が現世への心残りなのかを探る

「岩泉舞作品集 ミレンさんの壺」 岩泉舞/小学館クリエイティブ より引用

 

こう聞くと少し重い話のようにも思えますが、節々にちょっとしたギャグというかが挟み込まれており、岩泉先生の絵柄もあって柔らかなファンタジー作品として読むことができます。

もちろんその本質には、その人が辿ってきた人生とか、思いとか、そういったものが詰まっているのですが。

それもまたコメディタッチな部分もあったりして。

例えば4話の黒井暦さんの話では、亡くなった暦おばあちゃんの黒歴史を消したい、みたいな未練について描かれていて。

う、自分のことのように突き刺さる・・・!

という人も続出するのではないかと思います(笑)

そして魂を浄化する相手だけでなく、ミレンさんとその弟子の関係性とか、ミレンさん自身についてとかもちょっと触れていて。

連作短編の形で全7話、とてもよくまとまっている作品です。

こんな未練、嫌・・・っ!?

「岩泉舞作品集 ミレンさんの壺」 岩泉舞/小学館クリエイティブ より引用

 

そしてもう一遍が「ロボットを捨てに行く」です。

SF短篇ですが、これが傑作!

主人公の月子が、耐用年数を越えてボロボロになったお手伝いロボット・ROBを捨てに行く話なのですが。

ロボットを捨てに行く途中、ROBとともに思い出の地を巡って色々なことを思い出す月子。

そんな中で月子はROBに、さんざん利用しておきながら用がなくなったら捨てちゃう身勝手な自分にもっと怒れと言う。

だけどROBは自分にはもう終わりが来たのだからと、淡々と事実を受け入れます。

なんとも切ない人とロボットの話。

タイトル通りロボットを捨てに行く話、なのですが・・・

「岩泉舞作品集 ミレンさんの壺」 岩泉舞/小学館クリエイティブ より引用

 

ではあるのですが。

ネタバレになるので詳細は伏せますが、うん、これは読んでもらいたい。

まさにSF!

私自身、読んでいて、ガツン! とやられました。

 

ということで実に貴重な岩泉先生の作品集が発刊されたのでご紹介でした!

ちなみに岩泉先生の単行本は他に、

  • 『七つの海 – 岩泉舞短編集1』
  • 『岩泉舞作品集 MY LITTLE PLANET』

 

が発刊されていますので、興味がある方、懐かしいと思われた方は是非に!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

社畜として働きつつ、漫画と小説と野球に癒される日々。人生を変えた作品は「女神転生」。プロ野球を愛しベイスターズを愛する。 熱血王道もの、血飛沫舞うバトルものから美少女百合ものまでなんでも好む。特に「無限の住人」の美しい殺し合い、「はやて×ブレード」のバカバトルが好きです。