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『アイシールド21』の名場面21選!挑戦者の姿に心を揺り動かされる胸熱・感涙のシーンを全力でお届け

みなさんこんにちは、マンガフルライターの神門です。

 

いつの時代も人気のあるスポーツ漫画。

特に団体競技を題材にしていると、主人公の成長だけでなく個性的なチームメイト達と時には衝突したりしながらも切磋琢磨し、絆を深め、そして強力な相手に打ち勝っていく。

王道なれども、そんな物語だからこそ時代を越えて楽しませてくれます。

そんなスポーツ漫画から今回お届けするのが

 

『アイシールド21』

 

です!

アメリカンフットボールはアメリカでこそ国民的スポーツですが、日本では決してメジャーとはいえません。

本作はそんなアメフトを分かりやすく描き一躍身近なものとしてくれて、尚且つ迸るほどの熱さを私たちに与えてくれました。

主人公の小早川瀬那はアメフト初心者であり、所属する泥門高校アメフト部は部員数すらまともに揃わない弱小高校です。

さまざまな壁にぶちあたり、挫折し、心が折れそうになることも多々ありますが、挑戦心と反骨心を失わず立ち上がり挑み続けていく姿にはいつ読んでも泣かされそうになります。

そこで今回は、『アイシールド21』の名場面をお届けします。

  • アイシールド21が今でも大好きだ!
  • どんなシーンがあったか忘れちゃったからもう一度思い出したい
  • 良く知らないけれどちょっと興味あって作品がどんな感じか知りたい

 

というような方、是非、本記事をお読みください!

熱く、心震えるシーンが待っています!

 

目次

1、『アイシールド21』ってどんな作品?

著者 原作:稲垣理一郎、漫画:村田雄介
出版社 集英社
掲載雑誌 週刊少年ジャンプ
掲載期間 2002年~2009年
単行本巻数 全37巻
ジャンル スポーツ

 

『アイシールド21』は原作・稲垣理一郎先生、漫画・村田雄介先生のコンビで、週刊少年ジャンプで連載されていました。

アメリカンフットボールという、日本では決してメジャーとはいえないスポーツを題材にしていますが、分かりやすいアメフトルールの説明と魅力的なキャラクター達の熱いプレイで、アメフトを知らない読者をたちまちのうちに虜にして人気作品となりました。

主人公の小早川瀬那は中学までずっとパシリをやらされているような気弱な少年でしたが、その結果身に付いた素早さと俊敏さの能力を泥門高校アメフト部の蛭魔妖一に見出され、“アイシールド21”という謎の選手として試合に出場することになり、そこからアメフト選手として成長し活躍していきます。

主人公の努力や成長だけでなく、チームメイトの仲間達から他高校のライバル達まで全てのキャラに魅力と見せ場があり、まさにスポーツ漫画の魅力が全て詰まっていた作品でした。

2023年には連載開始21年を迎え特別読み切り作品も公開(予定)、いまだ衰えぬ人気を見せてくれています。

 

2、『アイシールド21』は凡人達が諦めずに挑戦する姿がとにかく熱い!

それでは早速、『アイシールド21』の名場面をお届けします。

物語の流れも分かりやすいよう、時系列でご紹介します。

名場面は多数ありますが、「挑戦心」や「諦めない心」、といった部分を意識して、作品タイトルにあわせて21の場面をピックアップしました(なお、ライターの好みで選んでいる部分も多々あるので、偏りがあることはご容赦ください)

皆さんも熱くなりましょう!

 

2-1 初めての敗北から立ち上がるセナ。雨中で一人、自分の意思で練習をする姿

蛭魔の策略によって泥門高校アメフト部・泥門デビルバッツに入部させられたセナは、謎の選手アイシールド21として半ば強引にアメフト選手として試合に出場させられることになりました。

アメフトのルールも良く分かっていないセナでしたが、パシリ人生で鍛えられた脚力を武器に、春大会の一回戦では恋ヶ浜キューピッドを相手に見事逆転タッチダウンを決めました。

その勢いのまま挑んだ二回戦の相手は、泥門が昨年の試合で99-0で敗戦した王城ホワイトナイツでした。

王城が誇る守備、特に守備の要でもある進清十郎の前にセナの足も封じられ、デビルバッツは敗北を喫して春大会は終了を告げます。

いつもの日常に戻りセナは気が抜けたようになりますが、大会の写真を整理しているうちに大会のことや大会に向けて練習した日のことを思い出します。

わずか2週間ほどのことでしたが、セナにとっては今までの人生でないほど濃密な日々であり、そして初めて心から味わう“悔しさ”だったのだと思います。

その悔しさがこみあげてきたセナはじっとしていられなくなり、雨が降るグラウンドで制服のまま汚れるのも厭わず、ラダーを使ったステップの練習を自分の意思で始めたのでした。

誰に言われるでもなく、敗北から立ち上がったセナ

「アイシールド21」 1巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

この瞬間こそ、セナが本当にアメフト選手としての一歩を刻んだ大事な瞬間だったと思います。

 

2-2 死の行軍(デス・マーチ)に参加することを宣言するモン太、セナ

秋大会で優勝してクリスマスボウルに行くために、泥門デビルバッツは夏休みの40日間を利用して無茶な特訓を敢行することに決めました。

その名も、「死の行軍(デス・マーチ)」

泥門のトレーナーとなった酒奇溝六(さかきどぶろく)もかつて学生時代に実施しましたが、その無茶な特訓のせいで足を故障。無事にやり遂げた人間は過去に一人もいないという過酷なものです。

ずっとクリスマスボウルを目指してきた蛭魔、栗田はともかく、セナ達に強制できるものではなく、参加するかどうかは本人の意思に委ねます。

ですが、セナをはじめモン太も、雪光も、十文字達も皆、躊躇せずデス・マーチに参加することを宣言します。

特にモン太は、キャッチ力を見込まれてアメフトをするようになったのですが、それまでは野球一筋で生きてきました。

そんなモン太が迷いもせずに、「今一番好きなスポーツはアメリカンフットボールです」と言いきってデス・マーチに参加しました。

野球への未練も見せず、アメフトのキャッチで誰にも負けない選手になると心に決めたモン太の清々しい覚悟を見ることが出来るシーンです。

野球に人生を捧げてきたモン太が、迷いなく好きだという

「アイシールド21」 9巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

そしてセナもまた、この場で自分がアイシールド21だとチームの皆に正体を明かし、デス・マーチに参加することを宣言します。

デス・マーチに参加する以上は自分が選手であると知らせることになるからというのもありますが、自分が正式に泥門デビルバッツの一員だということを皆に認めてもらい、小早川セナの意思として参加したかったのだと思います。

セナもまた自分の正体をチームメイトにあかし背後を断ちました

「アイシールド21」 9巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

アメフトだけでなく、こうしたセナの精神的な成長の過程も見られるのが、「アイシールド21」という作品の一つの魅力でもあると思います。

 

2-3 蛭魔達の思いを知り、デビルバッツ全員でクリスマスボウルに行くと誓う

実際に始まったデス・マーチの過酷さは想像を超えるものでした。

特に、もともと蛭魔に脅されてアメフト部に入っていた十文字、黒木、戸叶の三人にとっては、なぜ自分たちがこんな辛い特訓をしなければならないのかと思い、脱走を企てます。

ですが、それを知った溝六は彼らを止めようとしません。

一年生の彼らにはまだ次があり、選手生命を賭けてまでデス・マーチに付き合う必要はないと言うのです。

しかし同時に、蛭魔と栗田、そして武蔵が中学時代からいかにアメフト馬鹿だったか、たった三人だけの大事な仲間だったかも伝えます。

黒木、戸叶は、どこか自分たちに重ね合わせます

「アイシールド21」 9巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

そんな彼らをクリスマスボウルに行かせたいからこそ、無茶なデス・マーチなんていう特訓をしているのです。

それを聞いた黒木達は、学校からはみ出し者でもずっとつるんできた自分たち自身にその姿を重ねます。

自分たちをアメフトに引き込んだ蛭魔がいないんじゃ意味がないと言って脱走を取りやめたのです。

誰一人脱落することなくデス・マーチを完走することを誓う

「アイシールド21」 9巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

無理矢理やらされていたはずのアメフトに引き込まれ、蛭魔や栗田と共にクリスマスボウルに行くという思いをいつの間にか抱いていました。

デビルバッツのメンバーの思いが同じ方向を向いた瞬間だったのではないかと思います。

 

2-4 雪光が見せる根性。自分の足で最後までデス・マーチを走り切る覚悟

デス・マーチも終盤を迎えると、メンバー達にも限界が見えてきます。

特に17年間ずっと机にかじりついて勉強しかしてこなかった雪光学は、とうとう倒れて動けなくなってしまいます。

潰れた奴は捨てていくと最初に宣言した通りに蛭魔は雪光を置いていきますが、セナは雪光を背負いながら訓練を続けます。

ところが雪光はセナの背中から降りると、前に進むのではなく道を逆走していきます。

自分が倒れたところから、自分の足で走りなおすために、雪光は戻っていきます。

自分の足で走り切る。雪光の決意とアメフトに賭ける思い

「アイシールド21」 10巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

励まし合いこそすれ、誰かに助けられて完走をしても意味はないと考えたのでしょう。

運動能力に劣り体力もない雪光ですが、アメフトに賭ける思いと根性は決して他のメンバーに劣るものではありません。

そんな雪光の情熱と真面目さ、そして覚悟を見ることが出来た一幕でした。

 

2-5 泥門デビルバッツが全員揃うその日まで、デビルバッツは負けない!

デス・マーチを終えて日本に戻ったデビルバッツは、練習の中でパワーアップの成果を見せます。

そしていよいよ秋大会のレギュラメンバーが発表されましたが、その中に雪光の名前はありませんでした。

17年間机にかじりついていた男が、過酷とはいえ40日間程度の特訓でレギュラーになれるほど生易しいものではないのです。

雪光は涙を流します。

それは落選したことに対してではなく、どうして、せめてあと一年早くアメフトを始めなかったのだろうか、という過去の自分自身に対しての涙でした。

やりきった上で落選したならまだ納得できたかもしれませんが、雪光はそれすらできなかったのです。

落選の挫折を味わった雪光ですが、それでもすぐに立ち上がり、練習を開始します。

秋大会が終わるその日までにもっと上手くなれば、まだチャンスはあるかもしれないと。

雪光の姿を陰から見ていたセナとモン太は雪光に聞こえるように大声で誓います。

泥門デビルバッツが全員揃うその日まで、デビルバッツは負けないと。

レギュラーに選ばれずとも一人残って練習を続ける雪光に聞こえるように・・・

泥門デビルバッツ全員が揃うその日まで

「アイシールド21」 11巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

落ち込むだけで終わらず、すぐ新たに挑戦を始める雪光。

そして雪光を信じ、全員が揃うまで絶対に負けないと誓うセナとモン太。

何回読んでも、このシーンは目頭が熱くなります。

 

2-6 一流の天才達に挑む、凡才達の決意を示したシーン

桜庭は自分自身の不甲斐なさを嘆き、先輩でありパスを出すクォーターバックである高見と喧嘩をしてしまいます。

しかし、桜庭は自分を卑下しますが、高見はずっと桜庭の成長を待っていました。

高見は過去の怪我が原因でアメフト選手としては致命的に足が遅く、ラッシュから逃げることも自分でタッチダウンもできない凡才と認識しています。

そんな高見でも他の一流選手に負けないものが、背の高さです。

一人では一流を相手に戦えないけれど、桜庭春人という高身長のレシーバーがいれば高さを武器に戦うことができる。

どんなキャッチの達人でも、物理的に届かない高さのパスは捕ることができないからです。

だから高見はずっと桜庭が相棒となることを待ち望んでいたのです。

凡才一人では敵わなくとも・・・

一流に挑むために6年間を待ち続けた

「アイシールド21」 11巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

高見の思いを知った桜庭は所属していた芸能事務所を退所し、改めてアメフトに専念します。

高見と桜庭、決して一流ではない二人が高さを武器にして天才達に挑むことを決意したシーンは、凡人であるの心にも凄く響きました。

 

2-7 もう一人ぽっちじゃない! テレビに込められた皆の思いが熱い

いよいよ秋大会を目前に控えた日、最後の秋大会にビビった栗田は体育倉庫の跳び箱の中に身を隠して震えていました。

どんなに練習したところで100%勝利するなんてことはなく初戦敗退するかもしれない、ここで負けてしまったらクリスマスボウルの夢は潰える、そう嫌なことばかりを考えてしまうからです。

蛭魔と武蔵とたった3人ぽっちのアメフト部を立ち上げ、クリスマスボウルに行こうと誓い合った夢が消えてしまうと考えてしまうからです。

もちろん、蛭魔は下手な慰めなどしてくれません。

そこで栗田は、1年2組のテレビを見て行こうと言います。

3人でクリスマスボウルに行くことを誓って書いた署名を見て、気合を入れなおそうというのです。

そうして見たテレビの側面には、蛭田、栗田、武蔵の名前だけでなく、泥門デビルバッツ全員の署名がありました。

セナ達はもちろん、まもりや鈴音や溝六、さらに助っ人の石丸と山岡と佐竹の名前まで記されています。

あれ、重佐竹くんの名前はないかな・・・?

「アイシールド21」 11巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

1人ぽっちでもなければ3人ぽっちでもない。

顔は見えなくても、言葉はなくても、本当に全員が一つの目標、絶対クリスマスボウルに行くことに向かい心を一つにしていると思える一コマでした。

 

2-8 クリスマスボウルの夢破れた葉柱が見せた真の姿

秋大会には泥門以外の様々な高校が出場しており、その中には練習試合で戦った葉柱ルイ率いる賊学カメレオンズもいました。

賊学は順調に初戦で勝利し、ベスト8をかけて巨深ポセイドンと戦いました。

練習試合で敗れた泥門、そしてアイシールド21に雪辱を期すため、何よりクリスマスボウル出場に向けて練習を積み重ねてきた賊学ですが、水町と筧の入ったポセイドンの圧倒的な力の前になすすべなく大差をつけられていきます。

それでも諦めずに戦おうとする葉柱でしたが、葉柱以外のメンバーはもう無理だと諦めてしまい、葉柱がどんなに声をかけても、叱咤しても、戦意を取り戻すことなくそのまま敗れてしまいました。

試合途中で、葉柱以外は皆、諦めてしまう

「アイシールド21」 13巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

試合後、失意の葉柱は蛭魔に激情をぶつけます。

本気でアメフトに打ち込まない部員を率いるために恐怖政治を行ってきたのは蛭魔も同じはずなのに、なぜ泥門のメンバーは蛭魔と一緒に本気でクリスマスボウルを目指しているのかと叫びます。

クリスマスボウル出場のためにやってきたことは同じはずなのに・・・

蛭魔の脳裏に浮かぶのは、同じクリスマスボウルを夢見た栗田、武蔵という仲間の存在

「アイシールド21」 13巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

アメフトは球技でありますが、実際は格闘技と思えるほど激しいスポーツで練習も試合も厳しく大変だと思います。それに加えて日本では野球やサッカーのようなメジャーな人気はありません。

それでもアメフトをするのはアメフトが好きであり、クリスマスボウルに出場するという夢を持っているからで、不良で不真面目に見える葉柱もそれは変わらないどころか、誰にも負けないくらい熱い気持ちを持っていたのだと知らされました。

それに実際、泥門だって同じことになっていた可能性はありました。

賊学との違いは、蛭魔だけでなく栗田や武蔵、溝六といった中学時代から蛭魔とともにアメフトに賭けてきた信頼できる仲間がいたことではないかと思います。

この話を機に、葉柱の人気が上がったように思えますし、この後も葉柱はちょいちょい良い姿を見せてくれたりもします。

桜庭や雪光のように、情熱はあれども天才ではない凡人だからこそ、共感させられる部分も大きいのかなと思いました。

 

2-9 人のために力を出せる水町の思い

秋大会のベスト4進出をかけての泥門の対戦相手は巨深ポセイドンとなりました。

実力的には五分と五分、お互いに一歩も引かない激しい試合となりました。

そのポセイドンは水町や筧が主力メンバーではありますが、彼らを率いている主将は三年生の小判鮫です。

小判鮫は見た目は頼りなく言動も筧や水町の後追いをするばかりで、本人も筧達の世代に頼り切りで情けないと思っていました。

だけど筧や水町が提案したことをやると決めたらなんだかんだ最後まで必ずやり切り、そんな姿をいつも見せることで後輩たちから慕われ信頼されていました。

後輩が凄いと、こういう風に思ってしまう気持ち、分かります・・・

「アイシールド21」 15巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

水町は頼られると本気でそれに応えたいと思い、常に全力で物事にぶつかってきた男です。その全力さが凄すぎて、かつて請われて所属した水泳部では先輩達から引かれてしまっていました。

しかし小判鮫は無茶を言う水町に引くことなく最後まで本気で取り組んでくれました。

一緒に本気でクリスマスボウルに行くため、小判鮫の最後の大会だから絶対に負けられないと言います。

自分よりも、小判鮫のために負けられないと叫ぶ水町

「アイシールド21」 14巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

自分自身のことよりも人のために力を出せる男、水町。

ふざけているように見えて、本気で勝ちたいという熱さを見せてくれた場面でした。

 

2-10 武蔵が戻ってくる日を信じて待つ蛭魔、栗田と、武蔵の本心

秋大会の決勝進出をかけた泥門の対戦相手は、優勝候補の最右翼である西武ワイルドガンマンズでした。

攻撃こそ最大の防御と考えている両チームの試合は激しい点取り合戦が想定されました。

ただでさえ東京最強とも謳われる西武を相手に点取り合戦をしたとき、泥門にとってキックで点が取れないのは致命的でした。

泥門はなんとか蛭魔と栗田の中学時代からの友人でありキッカーの武蔵をチームに戻したいと考えますが、武蔵には倒れた父親のために家の仕事(工務店)をしなければならないという事情を抱えています。

蛭魔も栗田も当然ながら武蔵の事情を知りつつ、いつかは戻ってくると信じて何も言わずに待ち続けています。

武蔵だって中学時代から絶対に三人で出場すると誓ったクリスマスボウルを諦められるわけがありません。

今までは、弱いから蛭魔や栗田を見捨てたとうそぶいていた武蔵が、初めて本音を激情と共に吐露しました。

武蔵が初めて見せたアメフトへの、蛭魔、栗田への思い

「アイシールド21」 15巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

武蔵の気持ちを、そして武蔵を信じて待つ蛭魔と栗田の気持ちを知ったセナ達は、武蔵が戻ってこられるようになる、奇跡が起きるその日まで絶対に負けられないと気持ちを新たにします。

根拠は、武蔵のアメフトへの思い、クリスマスボウルへの思い、そして三人の誓い、それだけですが、それだけでも諦めずに信じ続けることができる絆を感じさせてくれました。

 

2-11 栗田と神龍寺の因縁、泥門を選んだ蛭魔と武蔵

東京大会の敗者復活戦を勝ち抜き関東大会に勝ち進んだ泥門ですが、その関東大会一回戦の相手は大会9連覇中の関東最強チーム、神龍寺ナーガでした。

栗田は中学時代に神龍寺の試合を見てアメフトに憧れ、神龍寺に憧れ、蛭魔と武蔵と三人で神龍寺に入ってクリスマスボウルに出場することを夢見ていました。

通常の入学試験で合格するのが難しい栗田はスポーツ推薦枠で入学する予定でしたが、直前になって阿含が推薦枠で入学すると言い出したことで推薦入学がなくなり泥門に入ることになったのです。

栗田を見下し、神龍寺から追い出した阿含

「アイシールド21」 20巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

栗田にとって神龍寺だけは特別な相手なのです。

その神龍寺戦を前にした練習で、栗田はまた姿を消してしまいます。

いつものように怯えているのかと思いきや、栗田はかつてのことを思い出しながら自力でその怯えを乗り越えます。

栗田の推薦がなくなっても、蛭魔と武蔵は神龍寺に行くこともできました。

それでも、蛭魔と武蔵は神龍寺には行かずに栗田とともに泥門に入学し、三人でゼロからアメフト部を作りクリスマスボウルに行く道を選んだのです。

泥門デビルバッツ結成のことを思い出し、栗田は弱気の虫から自力で立ち直る

「アイシールド21」 20巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

2023年に開催されたWBCの決勝戦の前、野球をしている人なら憧れるメジャーリーガーで構成されたアメリカ戦を前にして大谷選手もいいました。

「今日だけは憧れを捨てましょう」、と。

憧れだけでは相手を越えて勝利することはできません。

栗田もまた、憧れていた神龍寺に入学できなくとも、蛭魔、武蔵という仲間とともに神龍寺と戦うことができるところまでやってきたのだと、自分で理解したのだと思います。

 

栗田の思いだけでなく、なぜ蛭魔が神龍寺ではなく泥門を選んで0からアメフト部を作ったのか、そういうことも分かる場面だったと思います。

 

2-12 神龍寺戦の後半キックオフでの蛭魔の賭けと、言葉なくとも受け取る仲間達

いよいよ始まった神龍寺との一戦ですが、関東最強を誇る神龍寺の実力は生半可なモノではなく、泥門の攻撃も守備も全く通じず、0-32という圧倒的な差のまま前半を終了します。

絶望的な状況で後半戦が始まりますが、蛭魔は後半のキックオフ直前に神龍寺の守備が前半と比べてわずかに後ろに下がっていることを知ります。

神龍寺は無意識のうちに武蔵の巨大キックを警戒していたのです。

蛭魔は、今ならばオンサイドキックで泥門がボールを獲れる可能性があると考えますが、神龍寺に気づかせずにオンサイドキックへ作戦変更することをメンバーに伝える方法がありません。

神龍寺の配置を見た後の今になって作戦変更するところを見せたら、必ず警戒されるからです。

そこで蛭魔は賭けに出ました。

プレー直前に蛭魔は、この試合をひっくり返すのはもう無理だから、他の皆は来年のために怪我をするような接触プレーをするなと言います。

蛭魔とも思えない発言に全員が驚きますが、蛭魔の次の言葉で皆は更に違和感を抱きます。

泥門の勝率はもう0コンマ数%しか残っていない状態なんだから、と。

蛭魔のこの発言に・・・

「アイシールド21」 21巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

セナ達泥門のメンバーは、蛭魔が常日頃から勝率が0%でなければ勝負を捨てるのはまだ早いと言い、常に勝つ方策を探して戦ってきたことを知っていますし、蛭魔がそんな殊勝なことを口にするようなキャラクターでもないと知っています。

そんな蛭魔が、まだ0コンマ数%の勝率が残っている状態で諦めるはずがない、ならば蛭魔が今口にしたことは嘘。

逆に、怪我するような、相手と接触するような、勝ちにいくプレーをしろと伝えてきたのだと理解します。

それでも神龍寺を警戒すれば皆と確認しあうことなどできません。

セナ達は他の全員を信じてオンサイドキックの方に走り出したのです。

気がつく。だけど、それを他の皆と確認する術はない

それでも、全員が同じく動くと信じて行く!

「アイシールド21」 21巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

絶望的に思える状況でも諦めずに勝利する方策を探して仲間達を信じてそれに賭けた蛭魔。

その蛭魔の思いを言葉なくとも汲み取って迷いなく行動した泥門のメンバー達。

泥門の逆襲が始まる一手であり、数多くある神龍寺戦の見所の中でも最初に盛り上がるシーンでした。

また、言葉にせずとも蛭魔や仲間達を信じて戦い結果を出した泥門の姿を見て、涙を流して試合会場に背を向ける葉柱の姿も印象に強いエピソードでもありました。

 

2-13 運動音痴の雪光が無敗の神龍寺に一撃を喰らわせる

オンサイドキックに成功してボールを確保したとはいえ、いまだ神龍寺相手に0-32の大差のビハインドであることに変わりはありません。

そんな状況下で、蛭魔はいよいよ雪光を攻撃に参加させます。

レギュラーに選ばれず涙を流した雪光ですが、その後も練習を積み重ね、更に雪光にしかできないことを身につけ、この神龍寺戦でデビューを果たすことになります。

実力が未知数の雪光に対して最初は一休がマークにつきますが、すぐに雪光の実力を見抜いてわざわざ一休がマークする必要もないと判断します。

しかし、それこそが蛭魔が待ち望んでいた瞬間でした。

ずっと勉強ばかりしてきた雪光の武器は、相手の守備の動きとパスパターンを覚え、試合の中で動きながら敵の動きを見抜いてパスのコースを変えるというものでした。

天才を出し抜け!

「アイシールド21」 21巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

蛭魔ならココに投げるはず、雪光だったら相手の動きを見抜いてあそこに走るはず、という信頼関係がないと出来ない技です。

それも人間性とかの信頼性ではなく、そのパスルートを見抜いてくれるという信頼、自分が走り込む先を見抜いてパスをしてくれるという信頼、互いの頭脳を信頼することで成り立つ技です。

運動能力が劣っていても、すぐにはレギュラーになれなくても、諦めることなく続けてきた雪光だからこそ会得することが出来た技でもあります。

雪光がそんな技を繰り出しても、運動能力で圧倒的に勝る一休と阿含はすぐに追いついてきます。

それでも雪光は諦めません。

かつては自分にはスポーツなんて向いていないから出来ないと思っていましたが、向いていないのではなく何もしなかったから何も出来なかったのです。

だけど今は違うと、阿含や一休が相手でも負けないと執念でキャッチして神龍寺を相手に初のタッチダウンを決めたのです。

雪光をみくびった阿含、一球を出し抜き、無敗の神龍寺から初タッチダウンを決める

「アイシールド21」 21巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

運動音痴でスポーツでは活躍できそうもない雪光が、泥門でどのような活躍を見せることが出来るのかと思っていましたが、まさに雪光の能力を活かした雪光にしかできない技で神龍寺に一泡吹かせたのです。

凡人が天才に一泡吹かせる。それも、決して奇跡のようなことではなく。

一芸に秀でたメンバーばかり集まった泥門らしい戦いであり、そしてまた泥門デビルバッツ全員が揃った瞬間でもありました。

 

2-14 基礎練習の積み重ねが生み出した蛭魔のタッチダウン

泥門の反撃により、いよいよ神龍寺に7点差にまで迫って残り時間4秒での泥門のラストプレーとなりました。

そこで泥門が選択したのは、セナの爆走を囮にした蛭魔へのパスでした。

阿含を含めセナに守備を集中させることで、蛭魔をフリーにしてタッチダウンを目指すという作戦でした。

マークもなくゴールラインまで一人走る蛭魔を追いかけるのは、やはり阿含でした。

阿含は、40ヤード走5秒2の蛭魔が相手ならゴールラインまでにギリギリに追いつけると判断します。

しかし阿含と違い、蛭魔はずっと基礎練習をサボることなく続け、40ヤード走で5秒1の自己ベストを出していました。

その0.1秒が明暗を分け、蛭魔は見事に阿含から逃げ切りタッチダウンを決めたのです。

地道な基礎練習の積み重ねが実を結ぶ

「アイシールド21」 23巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

奇作や珍作を練って繰り広げようとも、重要なのは基本であり基礎です。

泥門というアメフト部のない高校に入り、勝つために色々な策を考えてきた蛭魔ですが、アメフトの基礎練習を怠ることはありませんでした。

蛭魔の40ヤード走の話は物語も序盤に描かれており、それが因縁の神龍寺戦、そして阿含を相手に結果として出るのかと唸らされた一幕でもありました。

 

2-15 スピード0のデブなど不要と馬鹿にされていた栗田が、最後に神龍寺に立ちはだかる

蛭魔のタッチダウンでいよいよ神龍寺を相手に一点差まで詰め寄った泥門ですが、ボーナスゲームでキックを決めても同点になり延長戦に突入するだけです。

しかしセナの脚は既に限界を迎えておりとても延長戦ができる状況ではありません。

かといってセナ抜きで延長戦を勝てるはずもなく、泥門はサービスゲームで一か八かのタッチダウンでの逆転を狙うことにしました。

当然ながら神龍寺もそれを警戒していますし、何より神龍寺は創部以来タッチダウン後の2点狙いを許したことがないのです。

最後のプレー、泥門は栗田からのパスを蛭魔がキャッチすると、武蔵はキックするふりをしたまま壁の栗田の方にそのまま走り、その後に蛭魔が続きます。

神龍寺に因縁を持つ、元祖泥門デビルバッツのメンバー3人での中央突破を図ります。

デビルバッツを結成した3人で挑む

「アイシールド21」 23巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

それでも神龍寺の壁を破れないと、蛭魔はボールを上空に投げて空中でボールをキャッチしてのデビルバットダイブでそのままタッチダウンさせるギャンブルに出ます。

そんな状況にも関わらず、阿含と一休は超反応を見せてセナをブロックにきますが、それを防いだのは栗田のパワーでした。

阿含がスピード0の巨漢など不要だと言い捨て、阿含自身は推薦など必要なかったのに推薦枠を奪ってまで神龍寺から追い出した栗田。その栗田のパワーと巨体からくる下半身の安定感が、最後に神龍寺を打ち砕いたのです。

ただ巨体だからというだけではありません。そこには、神龍寺を追い出されても夢を諦めず、ずっと地道にアメフトのラインマンとして鍛え続けてきたからこそ、その巨体とパワーを活かすことが出来たのです。

スピード0と馬鹿にされて追い出された神龍寺にそのパワーで立ちはだかる

「アイシールド21」 23巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

馬鹿にされていた男が、夢を諦めることなく追い続け、そして最後に馬鹿にしていた相手にやり返す。

これまた胸熱展開ですよね!

 

2-16 蛭魔、栗田、武蔵の出会いとアメフト部結成の瞬間

クリスマスボウルを賭けた関東大会決勝を前にして、蛭魔、栗田、武蔵の出会いとアメフト部結成に至るまでの過去が明らかにされました。

元々、神龍寺の試合を見てアメフトを好きになった栗田でしたが、中学にはアメフト部などなく一人きりで活動をしていました。

そんな栗田がある日見つけたのが、米軍基地に入り浸って賭けアメフトに興じている蛭魔でした。

相手が蛭魔だろうと恐れず怯まず正面からぶつけるのが栗田の凄さ

「アイシールド21」 28巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

蛭魔がアメフトに興味があると思った栗田は蛭魔をアメフトに誘いますが、蛭魔は自分でアメフトをする気などありませんでした。

そんな蛭魔の気持ちを変えたのは、栗田のアメフトに関する本気の思い、栗田が蛭魔の大切なものを守ろうとする思い、そして何より面白いことをやりたいという蛭魔の思いを動かしたことです。

アメフトは攻撃チームと守備チームがきっちりと分かれるほど専門職が集まって行うスポーツです。

例え運動能力や総合力で劣っていても、何か一つ長所があれば活かすことができるスポーツです。

守備、攻撃の様々なフォーメーションや作戦、プレー開始前に行われるハドル(作戦会議)と、個性的な選手をいかに活かして攻撃しそして守るかが問われる頭脳戦でもあります。

だからこそ面白いし、それで勝てばなお面白い。

栗田の情熱と蛭魔の思いが重なり、それに武蔵が呼応して結成したアメフト部が泥門デビルバッツへと繋がっていきます。

ここから始まる・・・!

「アイシールド21」 28巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

初めは一人きりで何もできなかったけれど、蛭魔や武蔵や皆がいたからここまでこられたのだと、栗田は皆を白秋ダイナソーの我王から護ると誓いました。

名場面というよりエピソードでしたが、好きなエピソードなんですよね。

 

2-17 約束を守るため骨折した腕を抱えながら強行出場する蛭魔

関東大会の決勝戦で、蛭魔はダイナソーの我王のチャージを受けて右腕を骨折してしまいます。

蛭魔の後を継いだセナがクォーターバックとなりなんとか凌いできましたが、急造のクォーターバックでは限界があります。

もう無理かというところで、蛭魔はフィールドに戻ってきました。

勿論、右腕は骨折したままであり、無理矢理に戻ってきたに過ぎません。

本来ならそんな状態で試合に出場することなどできるはずありませんが、それでも蛭魔は試合に出ます。

それは、約束をしているからです。

全員でクリスマスボウルに行くという約束を果たすために蛭魔は試合に出ると言います。

自分が言っているのに、ここで出ないわけにはいかない

「アイシールド21」 30巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

前項の1-18で栗田と蛭魔が出会ってアメフト部を作ると決めた時、蛭魔は栗田に対して「死んでもクリスマスボウルに行く。半端な真似しやがったらブチ殺すぞ」と言いました。

それは栗田に対して覚悟を求めるだけではなく、自分自身でも同様の覚悟を決めたということでもあると思います。

その誓いを、約束を蛭魔が破るわけにはいかないからこそ、骨折した腕を抱えたまま試合に出ると言い切ったのだと思います。

他人に厳しい蛭魔ですが、他人以上に自分自身に厳しい蛭魔というのは前からも描かれていましたが、この場面もまた蛭魔のそういう面を見せたところだったと思います。

 

2-18 帝黒戦、蛭魔が勝利のために決断を下した瞬間

クリスマスボウルの対戦相手、関西代表で日本でも最強ともいわれる帝黒アレキサンダーズの前に、最終クォーターに突入し残り時間9分54秒で0-35と圧倒されていました。

セナのランも、モン太のキャッチも通用せず、泥門が勝利するためのタイムリミットを切ります。

それでも、泥門デビルバッツには諦めている選手など一人もいません。

クリスマスボウルの出場記念にせめて1トライだけでも、なんてセコイことは考えず最後まで逆転勝を目指し気合を入れます。

しかし、気合だけで得点できるわけでもなければ逆転できるわけでもありません。

そこで蛭魔は決断します。

最終クォーターの残りプレー全部をノーハドル(作戦会議0秒)でいくと。

暗号のみで繋がることを選択する

「アイシールド21」 33巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

作戦名を伝える暗号だけのやり取りで11人と連携し、タイムロス0秒で最後の最後まで攻めまくるというのです。

もちろん勝つために決断した選択ですが、やけくそになったわけではありません。

蛭魔はこの決勝の舞台で、暗号だけのやり取りでもメンバー達は動いてくれると信じることにしたのです。

様々なシーンで泥門のメンバーの繋がりを見せてくれますが、ここでもまた全員が諦めることなく勝利を目指して繋がったシーンだと思います。

 

2-19 蛭魔が初めて口にした「信じる」という言葉の重さ

泥門はモン太のキャッチ、セナのランで帝黒に対し24-41と17点差まで詰め寄ります。

その次の泥門のキックで、蛭魔は武蔵に対してリミッターを外して思い切り蹴るよう指示します。

この試合の泥門のキックオフでは、その後の帝黒の攻撃で大和に50ヤード近く持っていかれており、キックで押し戻せていなかったのです。

それならばまだ、敵陣のゴールラインを越させてしまった方がましだと考えたからです(敵陣を越えるキックをするとペナルティで20ヤード地点まで戻されてしまいますが、大和に持っていかれるよりはマシとの判断)

この時、蛭魔は初めて武蔵に対して「テメーのキック力だけを信じる」と言いました。

中学時代から5年間、初めて蛭魔が「信じる」と口にした

「アイシールド21」 34巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

それまで蛭魔はチームの司令塔として仲間に「死んでもやれ」、「絶対に決めろ」というような指示をしていました。

しかし今回、言葉に出して「信じる」と言ったのです。

「信じる」とは、仲間に背中を預けるということです。

もちろん、それまでも蛭魔は仲間の力を信じた戦略をたてて行動してきましたが、改めて言葉に出して伝えるのではまた意味が違います。

武蔵も、蛭魔と出会ってから初めて聞くその言葉に強い思いを受け、キックを放ったのでした。

 

2-20 帝黒戦ラストプレー、60ヤードマグナムが帝王の腹を撃ち抜く!

帝黒に42-44と2点差まで迫った泥門は、残り1秒でラスト1プレーを迎えます。

この攻撃でタッチダウンを奪えば当然逆転ですが、ゴールラインまではまだフィールドの半分残っています。帝黒も泥門の攻撃を理解して守備をしてくるので、タッチダウンを狙っての逆転は現実的ではありません。

ゴールまで残り60ヤード。

そこで泥門は最後に武蔵の伝説のキック「60ヤードマグナム」での一発逆転を選択したのです。

60ヤードなんて距離をキックで決めるなど不可能に思えますが、泥門が勝つにはこれしかないのです。

帝黒戦もラストということでここからの流れは全て熱いです!

蛭魔は武蔵に必ず決めろと発破をかけます。

蛭魔、栗田、武蔵のたった3人で作ったデビルバッツ。

栗田は武蔵が抜けた後も、絶望しながらもクリスマスボウルに行くことを、武蔵が戻ることを信じてアメフトを続けてきました。

蛭魔は初めて、そんな栗田の思いを武蔵にぶつけます。そして、栗田と言いつつ蛭魔自身の思いの丈も込められていました。

無理とかではなく、勝つには決めるしかない

「アイシールド21」 34巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

栗田のパス、蛭魔のセット、武蔵のキックという、泥門デビルバッツを創った3人で行う最後の攻撃ですが、それをサポートするのは今の泥門の仲間達です。

帝黒だって黙ってキックを見ているわけではなく、キックを潰すべく守備で圧力をかけてきて、特に大和は巨大な壁として立ちはだかります。

そんな大和に立ちふさがったのが、小結や黒木や戸叶といった決して一流とはいえないライン陣。

帝王・大和を止めたのはセナでも一流の天才でもない、泥門のメンバー達

「アイシールド21」 34巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

そして、帝王のドテッ腹をぶち破る武蔵のキック。

帝王を撃ち抜く、60ヤードマグナム!

「アイシールド21」 34巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

まさにクリスマスボウルという決戦の最後を飾るのにふさわしい一幕だったと思います。

 

2-21 葉柱と雲水。自分が凡人だと認めたうえでのそれぞれの選択

ワールドカップユースの決勝戦の相手は最強王者の米国です。

今までの相手とは次元の異なる強さに、オールスターを集めた日本も苦戦を強いられ前半から大差をつけられます。

しかし負けられない日本も、勝つために阿含がやや協力的になったことで上手く回り始めてアメリカと徐々に点差を詰めていきます。

そうして15点差で迎えた最終クォーター、守備の要の進が負傷のため一時的にベンチに下がることになりました。

日本の守備の支柱である進の代わりに試合に出場することになったのは、トライアウトで唯一合格した謎のミイラ男であり、それは正体を隠していた葉柱でした。

葉柱も、アメフトに賭ける思いは本物

「アイシールド21」 37巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

葉柱のクリスマスボウルの夢は消えましたが、ワールドカップなんて大会を突きつけられれば死んでも出たいと疼かないわけがありません。

ですが葉柱がワールドカップに出れば、次の大会に向け一分一秒も惜しむなと叱咤していたチームメイトに顔向けが出来ないため、正体を隠していたのです。

葉柱は自分の実力が進に大きく劣ること、世界を相手に戦うレベルでないことを理解していますが、だからといってこの大舞台で試合に出場せずに黙って見ていられるほど賢い男ではありません。

アメリカの選手を相手に弾き飛ばされ、みっともない姿を晒そうとも必死で戦い続けます。

賊学のマネージャーは露峰メグさんです。スケバンです。

「アイシールド21」 37巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

そして、そんな葉柱の姿をスタンドから見守っているのは、阿含という天才の弟を持った凡人の雲水でした。

自分は凡人だと同じように認めながらも、必死に鍛錬を重ねて恥を晒してでもしがみついた葉柱と、みっともない真似はするべきではないと諦めてしまった雲水。

同じ凡人でありながら、ワールドカップという夢のような大会で対照的な場所に位置することになった二人の対比が実に熱くもあり残酷でもありました。

同じ凡才でも葉柱はフィールドで戦い、雲水はスタンドで・・・

「アイシールド21」 37巻 稲垣理一郎、村田雄介/集英社 より引用

 

アイシールド21は、凡人が諦めずに挑み続ける姿を描いた物語でもあります。

最後にこの葉柱と雲水の両者の姿を描いたのは、これまたこの作品らしい名場面だったと思います。

 

3、まとめ

ということで「アイシールド21」の名場面をお届けしました。

  • そうそう、確かにここは熱かった!
  • いつ読んでも泣ける!
  • え、あの場面が入っていないじゃない!

 

等々、皆さんも思うところがあるかと思います。個人的ベストバウトである神龍寺戦が多くなってしまったのはご容赦ください。

今読んでなお、色あせない面白さと熱さを持った作品です。

かつて読んでいた方は改めて、読んだことなかったけれど興味を持った方はこれを機会に読んでみてはいかがでしょうか!?

 

以上、マンガフルライターの神門でした。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

社畜として働きつつ、漫画と小説と野球に癒される日々。人生を変えた作品は「女神転生」。プロ野球を愛しベイスターズを愛する。 熱血王道もの、血飛沫舞うバトルものから美少女百合ものまでなんでも好む。特に「無限の住人」の美しい殺し合い、「はやて×ブレード」のバカバトルが好きです。