みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『成瀬は天下を取りにいく』
です。
2024年の本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』をコミカライズした一作。
原作は宮島未奈先生により書かれ、続編である『成瀬は信じた道をいく』も発売され好評を博しています。
もちろん私も読破済ですよ!(大賞受賞する前から購入して読んでます! と、一応主張しておく)
あれだけ人気が出ればコミカライズもされますよね、そりゃ。
ていうか、コミカライズされていることを知らず、本屋で売られているのを見つけて手に取りました。
果たして、どんな感じにコミカライズされているのか。
表紙の成瀬を見た時は、小説の方の成瀬よりも幼く可愛らしい感じに描かれているので、大丈夫かなともちょっと思いました。
『成瀬は天下を取りにいく』 1巻 原作:宮島未奈、構成:さかなこうじ、作画:小畠泪/新潮社 より引用
また、小説をうまいこと漫画で描けるのか、成瀬の魅力を表現しきれるのか、少し不安でもありました。
でも読んでみたら、絵がある漫画という媒体をうまいこと活かしてコミカライズできていると思いました。
小説とはまた違った味わいの作品となっています。
本作そのものを知らない方のために簡単に内容をご紹介。
主人公、成瀬あかりは中学二年生の女の子(この1巻においては)
成瀬は小さいころら成績優秀、運動神経も良く、その他のこともなんでもうまいことこなすことができる優秀な女の子。
だけど成瀬には愛嬌が欠けており、また周囲が自分をどう見ているかとか、協調性とか、そういうものが欠けておりいつしか周囲から浮くように。
そんな成瀬と今も一緒にいるのは幼馴染の島崎みゆき。
中二の夏休み、成瀬はこの夏休みをこの夏で閉店する西武大津店に捧げるという。
『成瀬は天下を取りにいく』 1巻 原作:宮島未奈、構成:さかなこうじ、作画:小畠泪/新潮社 より引用
成瀬は地元番組「ぐるりんワイド」で閉店まで毎日西武大津店から放送が行われることを知り、毎日その放送に映ると宣言。
西武だけに西武ライオンズのユニフォームを着て毎日放送に映る成瀬をチェックするうち、島崎もそれに巻き込まれて・・・?
原作でいう「ありがとう西武大津店」と、成瀬と島崎がコンビを組んでM-1に挑む「膳所から来ました」二話分を収録。
原作も主人公は成瀬だけど、語り手は基本的に島崎など他の人で、誰かから見た成瀬が描かれる。
コミックス一巻は当然、島崎の視点からになるけれど、コミックスの変化としては島崎の感情や思いがより描かれている。
コミカライズにあたって、成瀬と島崎の友情というところを少し強めに描いたのかもしれない。
それによって読みやすくなっているというか、感情移入しやすくなっているような気がする。
『成瀬は天下を取りにいく』 1巻 原作:宮島未奈、構成:さかなこうじ、作画:小畠泪/新潮社 より引用
読む前に気になっていた成瀬のビジュアルは、読んでいるとそんなに気にならなくなった。
ちょっと幼い印象は受けるが、中学二年生と言えばまあ、こんなもんかもと。
成瀬らしいかと言われると、愛嬌のなさ、無表情さは出せていた(でも感情がないわけではない)
個人的にも成瀬あかりという主人公は好きだし、優秀だけど万能ではない所も良い。
自分の思ったことは躊躇わずに挑戦し、失敗したならまた新たな道を行く。
成瀬なら本当に200歳まで生きることも出来るんじゃないか、そう思わせてくれるヒロインです(成瀬は200歳まで生きるのが将来の夢の一つ)
原作が物凄く起伏のあるものではなく、成瀬あかりという主人公・ヒロインの人間性が一番の魅力だけに、コミカライズでいかにそこを表現できるかが勝負でしょう。
成瀬は滋賀でも色々とグッズになったりしているようで。
成瀬の魅力が色々と広がっていくといいですね。
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