「3度のメシより福本マンガ」マンガタリライター宮ざわっ…です。
「銀と金」は本当に名言が多い作品ですよね〜!
私自身もふとした時に「あの名言どんな感じだっけ?」と思い出したくて「銀と金 名言」と検索することが多いです(笑)
今回はそんな福本作品の名作「銀と金」について個人的に名言だと思うものをランキング形式で紹介していきます!
甘っちょろい青春マンガにはない、ダークでリアルなオトナの世界を表した銀と金の名言にどっぷり浸かっていきましょう!
目次
1.悪vs悪の究極マネーゲーム!「銀と金」とはどんなマンガ?
作者 | 福本伸行 |
出版社 | 双葉社 |
連載雑誌 | アクションピザッツ |
巻数 | 全11巻(連載終了) |
両親を早くに亡くし、日雇い仕事で生計を立てながらもギャンブルに興じていた典型的ダメ人間、森田鉄雄。
そんな森田はある日競馬場で出会った怪しい男:平井銀二のヤバい仕事を手伝ったことがキッカケで人生が激変。
平井銀二は「銀王」と呼ばれる裏社会のフィクサーで、闇の仕事で大金を稼ぐ大悪党だった。
そんな銀王の「悪」と「人生哲学」に魅せられた森田は、銀二とともに裏社会の魑魅魍魎たちと命がけのマネーゲームを繰り広げていく。
これはいつになるかわからねえが
オレは「金(キン)」と呼ばれたい
オレの知り合いで「銀」と呼ばれている人間がいる その人間を越えるのが望みだ
- 森田鉄雄 -
第31話「人生の明暗」より引用
2.この世の残酷な真実を教えてくれる銀と金!異端の名言ランキングTOP10
それでは早速、銀と金の名言をランキング形式でご紹介していきます。
- 「この名言いいな!」
- 「何であの名言が入ってないんだ!?」
など、楽しんでいただけたら幸いです!
2-1.第10位「無為に耐えられないものなんだ」
人はギリギリせっぱつまってくると
無為に耐えられないものなんだ
ここまで築いた手配を崩していく
その行為に耐えられない
そして勇気を出す
今までの人生でつかったことのない勇気をな…
(中略)
破滅を間近に感じている人間は一種の狂人
地獄を見つめて生きるよりも
希望を追って死にたい——
そう望む…
それが人間の末期…!
- 蔵前仁 -
第45話「爛れた欲望」より引用
どう考えても通らない超危険牌。
「99%上がられると分かっていても、せっかく積み上げた高めの手を台無しにしたくない」という場面は麻雀好きなら誰もが経験したことのあるものでしょう。
また、麻雀に限らずとも
- 楽に流されずに踏ん張っていれば逆転できていた
- 諦めずに粘り抜いた末にチャンスを掴めていた
などという場面は人生の中で意外に多くあるものです。
そんな時に
- 我慢できずに投げやりな手を打つのか
- 最後まで考え抜いた渾身の一撃を放つのか
その後の結果は大きく変わってくるのかもしれません。
2-2.第9位「あの低さはサギ…」
それほど銀行金利は低い…
あの低さはサギやからな
- 梅谷 -
第8話「銀王の秘策」より引用
大損か大勝利か。300億を投じた株の仕手戦に手こずり、平井銀二に後を託した梅谷。
その梅谷に対し、「それだけの大金があればリスクを背負わなくても銀行金利だけで一生生きていけるのに」と問いかけた森田。
その森田に対し、梅谷が言い放ったのがこの名言です。
この時は銀行金利が6%もあったんですね〜(遠い目)
銀行は私たちが預けた預金を別の人間や企業に貸し出し、利息を得ることで潤っています。
銀行に金を預けるということは、いわば銀行にお金を貸すという行為そのもの。
それなのに、
- 現在、銀行に預けてもらえる金利は0.001%程度
- コンビニATMから引き出す時には謎の手数料が徴収される
なんだか少し騙されている気分になりますね…。
2-3.第8位「オレは悪党になる……!」
薄いもんあんた………
見抜かれてんだよ
あんたの実力………
女はそのへん敏感さ……
その点悪党っていうのはたいてい愛人がいる……
そういう器量がごく自然に身についてる
ペラペラの善人の人生はあんたらやってくれ
それだけ数いりゃあ大丈夫だ………
オレは悪党になる……!
- 森田鉄雄 -
第21話「修羅場からの生還」より引用
恐怖の殺人鬼:有賀との一戦で大ケガを負い、入院することになった森田。
森田を訪ねて多くの悪党が見舞いにくる中、森田の危険な道まっしぐらな将来を心配した同室の人たちは、森田に真っ当な仕事を紹介することに。
そんな好意を叩き潰し、森田が言い放ったのがこの名言です。
う〜ん….実にイタい!
マンガと分かっているのに読んでる方が恥ずかしくなるような中二病っぷりです(笑)
そこは「あの、ありがたい話ですが遠慮しておきます」とかでよかったんでは?^^;
知らない人に向かって
オレは悪党になる
と言い放つなんて、一生の黒歴史として刻まれた発言であることは間違いないでしょう(笑)
2-4.第7位「金とは実弾」
この世が戦場なら
金とは実弾
戦場でたいして多くもない弾を
バラバラバラまくバカはいない
- 森田鉄雄 -
第33話「男の財産」より引用
銀二に頼らず、一人で億という金を手に入れた森田。
それだけの大金を手にしても、高価なものを買ったり、豪遊する気は全く起きず。
金を増やすにも金が必要な現代社会で、なんの考えもなしに金を使うことが愚かであることを森田は知っていたからです。
自らの金の使い方も考えさせられる名言ですね〜。
2-5.第6位「いっそ駆け上がれ…」
結局……誰も悪党を倒せない
少なくともそれと相対する善なんてしろものが
悪を倒したりなんかしない
もし……悪党を葬るものがあるとすれば
それはつまりそれ以上の悪……
- 平井銀二 -
第89話「悪党の背中は孤独」より引用
救いたい人間を救えず、結局やっていることは悪党のお守り。
森田はそんな仕事に嫌気がさし、銀二のもとから去ることを決意します。
そんな森田を引き止めるために銀二が発したのがこの名言です。
「悪を倒すのは正義ではなく、それ以上の悪」
社会がこうして回っているなら、世の中が良くなるわけがないですね〜^^;
強い正義の味方がいることを信じたいですが、「正義」って結局、時代や地域、考え方で様々。
実は戦っているのが、己を正義と信じているもの同士だったりも。
その複雑さに比べれば、悪が悪を飲み込むシンプルさの方がまだ健全なのかもしれません。
2-6.第5位「正しさとはつごうや…」
教えたる
正しさとはつごうや…
ある者たちの都合にすぎへん…!
正しさをふりかざす奴は…
それはただ
おどれの都合を声高に主張してるだけや
- 川田光成 -
第33話「男の財産」より引用
株価の暴落を狙ってイトウ食品のうどんに毒物を混入させた川田。
その事実を知って激怒した森田に対し、川田が語ったのがこの名言です。
正しさ=真の正義とは限らず、その正しさを盾に甘い蜜を吸っている者もいる。
その正しさは誰かが得をするためにでっち上げられたものではないか?
そう疑う目を持つことも必要ということですね。
2-7.第4位「勝つということは相手の心臓をつかむこと」
そうだ
確率なんてクソくらえだ
あんなもの勝負の場じゃ
たいていずれた能書きなのさ
確率どおりにやって勝てるのなら
誰も苦労はしない
勝つということはそういうことじゃない
勝つということは
相手の心臓をつかむこと
つかんだらしぼること
そして………
つぶすこと…!
- 平井銀二 -
第53話「勝利への命綱の張り方」より引用
「負ければ一生檻の中…」
蔵前の圧倒的な資金力と強力な脅しに勝ちへの方向性も見失ってしまった森田。
ツキにも見放された森田に対して、銀二は真剣勝負で勝つための大前提を再認識させます。
生身の人間が相手だからこそ生じる恐れや駆け引き。
相手を破滅させる勢いでなければ勝利は決してもぎ取れないこと。
- 相手をとにかく乱し、ミスを引き出す
- とにかくストレスを感じさせて普段通りのプレーを阻止する
この世のありとあらゆる真剣勝負に必要な極意がこの名言には凝縮されていますね。
2-8.第3位「どんなに真面目に働いても…」
この人達は羊だ…
処刑場へ連れて行かれる羊…
そして罪人のように頭を下げる
その理由はただ金を持っていないということなのだ…
どんなに真面目に働いても
金を持たなければ罪人!
- 森田鉄雄 -
第2話「運命は三つ!?」より引用
銀王が行う理不尽な貸付けにこうべを垂れてすがる人々。
森田はその様子を見て、この世の真理を理解します。
金を持っていない、払えないというだけで罪人になる
そこにはその人の人間性も人生の事情も一切入る余地はありません。
キレイごと抜きでいうなら、
金があるだけで人生の選択肢は広がり、自分や大切な人を守ることにもつながるのです。
そのことを今一度考えさせられる名言ですね。
2-9.第2位「オレが積もう…!」
オレが積もう…!
ヒジの高さまで
- 森田鉄雄 -
第34話「不良青年の履歴書」より引用
言葉だけだと全然意味が分からないのに、個人的に好きすぎて入れてしまった名言です(笑)
イカサマ青天井ポーカーで若い女の子たちを好き放題していた嫌味な御曹司:西条。
そんな西条が女の子相手にいきなり1000万で勝負するという卑劣さで優位に浸っていたところ、その場に居合わせた森田が言い放ったのがこの名言。
手持ちのバッグから次々札束を取り出し、あっという間に金のタワーを作り出した森田。
見た目だけで貧乏人と勘違いされていた森田が見せた会心の一撃。
スカッとジャ○ン以上にスカッとするこの展開は、マンガ史に残してもいいほどの名場面なのではないでしょうか?
いつか言ってみたいですね〜。
オレが積もう…!
ヒジの高さまで
2-10.第1位「灰になるまで……!」
「敗れ」は近い……!
おそらく次か…その次……
それが必然だ……
しかし……
オレはこれまで幾千という人間を
地獄へ突き落としてきた男…
今さら勝ち逃げなどできぬ…!
それだけはしちゃいけない……
オレに残された道は
壊滅的敗北を喫し去るか……
あるいは………
勝ち続ける………
灰になるまで……!
- 平井銀二 -
最終話「運命の明暗」より引用
劣勢の中、ギリギリで300億の裏競馬に勝利した平井銀二。
法外な勝ちを重ねながらも、有能な後継ぎになるはずだった森田が去り、自身が突き落として来た人々を振り返り始めた銀二は、自身に壊滅的な敗北が近づいていることを予感します。
この後の話は描かれることはありませんでしたが、作者の福本先生は去っていった森田と銀二の対決を描くことを考えていたそうです。
自身が育て上げ、後を継がせたかった弟子に倒される。
それこそが銀王自身が望んだ真のラストだったのかもしれません。
というか、1人のファンとしてもこのラストが見たかった…。
…黒沢みたいに今からでも続編やれませんかね?
3.まとめ
いかがだったでしょうか?
福本作品の中で最も大人びていて、ダーティーな名言が多い「銀と金」
読んでいると社会の裏側を垣間見ているような奇妙な感覚に襲われます。
すでに20年の月日が経ってしまいましたが、未だに続編を願っている人も多いはず!
銀王と森田の師弟対決、悪の世代交代を福本先生自身のストーリーで見てみたいですね!
宮ざわっ…
がんばってください