みなさんこんにちは、電子化から漫画購入に躊躇いがなくなってきたマンガタリライター、神門です。
以前、私にとっての神マンガ、『はやて×ブレード』の記事を書いたところ、多くの方から反響(いいね、リツイート)をいただきました! ありがとうございます!
その『はやて×ブレード』が世に生み出されたのも、作者である林家志弦先生がいらしたからに他なりません。
そして林家先生の活動は『はやて×ブレード』だけに留まるわけでもありません。
林家先生から生み出される美しい絵と生命力に満ち溢れたキャラクター、キレのあるギャグとテンポの良い会話は、ゲーム、同人誌、商業誌にと広がっています。
そんな林家作品に私の人生は多大なる影響を受けています。
言うなれば、林家先生は私の人生を狂わせた魔性の女性なのです!
そこで今回は
- 林家先生の活動の略歴
- 林家先生の作品の魅力
- 林家先生の魅力が詰まった作品
- 林家先生の作品が与える影響
をガチンコに紹介したいと思います!
記事を開始するにあたり、ナンシーお姉たま(斗南柊)より一言いただきました。
※好きなキャラその1
「はやて×ブレード」 7巻 林家志弦/集英社より 引用
林家先生を以前からご存知の方も、『はやて×ブレード』などで知った方も、一緒に林家先生の魅力を改めて感じていただければと思います。
では、どうぞお楽しみください!
目次
1、「林家志弦」先生ってどんな漫画家さん?
名前 |
「ゆうわくオフィス恋愛課 攻略&設定資料集」 ソフトバンククリエイティブより 引用 |
性別 | 女性 |
同人活動 | 活動時期:1990年頃より活動~現在(2019年7月時点) |
商業誌 | 活動時期:1990年代中頃より活動~現在(2019年7月時点) 代表作:『はやて×ブレード』、『ストロベリーシェイク』等 |
趣味 | ■映画鑑賞(特にSFが好きなご様子で「エイリアン」の大ファン) ■好きな俳優(いずれも渋い!) ・シガニー・ウィーバー(エイリアン等) ・ルトガー・ハウアー(ブレードランナー等) ■バイク、歩くこと |
※趣味は各種媒体から仕入れた情報です。
林家先生の活動は主に1990年代から始まり、ゲームのキャラクターデザインや同人活動などを経て、商業誌に活躍の場を移していきました。
そんな林家先生は現在、同人誌でも商業誌でも「百合」作品を主として活動されています。
2、同人も商業も平行で注力している希有な漫画家さん!林家先生の活動をざっと紹介
前述したように、林家先生は同人活動と商業誌で活躍しています。
同人から商業誌に活動の場を移すと、なかなか同人活動は出来なくなると思います。ですが、林家先生は商業誌で活動を始めても、同人活動も同時並行で注力されています!
ということで、そんな林家先生の同人活動、および商業誌における活動についてもご紹介します。
2-1 【同人】オリジナルから自作品のスピンオフまで精力的に活動!
ゲームでのキャラクターデザインのお仕事と同時進行で(というより、おそらく先行して)、林家先生は同人活動を精力的に行っています。
その同人活動では「JESUS DRUG」というサークルを主催し多くの同人誌を発刊しています。
単行本未収録作品などを集めた同人誌、『カウント・1』(カウント・0、2、3もあります)
「カウント・1」 林家志弦/JESUS DRUG より 引用
林家先生は商業誌で多くの百合作品を手掛けていますが、百合への情熱は同人活動にも迸っています。
むしろ同人活動だからこそ好きなものを思い切り描くことが出来るわけで、百合に対する愛が溢れんばかりに感じ取れます。
これは最新作(2019年7月現在)、「サイレンとローズバッド」
「サイレンとローズバッド」 林家志弦/JESUS DRUG より 引用
また同人活動の内容は、オリジナルものから林家先生ご自身の作品まで、幅広く執筆して出版されています。
これはファンにもたまらないです!
「はやて×ブレード」のおまけ漫画などを収録した「ハブコレ」
「ハブコレ」 林家志弦/JESUS DRUG より 引用
2-2 【商業】百合とハイテンション・ギャグを中心とした数々の作品を展開
ゲーム、同人誌と並行して、林家先生は商業誌でも活動を開始して現在にいたっています。
単行本として発売されているのは、以下の作品となります(※2019年7月現在。点数はライター独自のもの)
作品名 | 出版社 | 出版巻数 | 百合度 | バカ度 |
ひまわり地獄 | メディアワークス | 全1巻 | 0 | 10 |
演撃少女 命 | メディアワークス | 全1巻 | 3 | 10 |
シスターレッド | メディアワークス | 全2巻 | 6 | 1 |
おねがい☆ティーチャー | メディアワークス | 全2巻 | 0 | 2 |
ULTRA SWORD | コアマガジン | 全1巻 | 7 | 7 |
ストロベリーシェイク | 集英社 | 全1巻 | 10 | 10 |
はやて×ブレード | 集英社 | 全18巻 | 9 | 10 |
はやて×ブレード2 | 集英社 | 全6巻 | 9 | 10 |
ビージェネ! | アスキー・メディアワークス | 全1巻 | 3 | 4 |
地獄ニート | コアマガジン | 全1巻 | 7 | 8 |
思春期生命体ベガ | 白泉社 | 全1巻 | 10 | 8 |
※『ストロベリーシェイク』、『はやて×ブレード』は新装版のみ記載
代表作は『はやて×ブレード』かと思いますが、同じようにハイテンション・ギャグと百合をメインに押した作品もあれば、ラブコメやシリアスな伝奇もの、スポ根ものまで幅広く描かれています。
林家先生が出版された作品を「百合度」と「バカ度」で分類したのが以下の図です(同人誌は除きます)
横軸は右にいくほどギャグ度、バカ度が高く、縦軸は上にいくほど百合度が高くなります。
こうしてみると、殆どが「バカor百合方面」に集中しているのが分かります!
そして同人誌から商業誌に活動の場を移しても、作品からは熱さがビシバシと伝わってきます。
どのジャンルの作品を読んでも、とにかく自分の好きなものを描いている、描いてやるぜ! と、そういう思いが伝わってくる作品を作り出す漫画さんだと思います。
だからこそ、林家先生の作品に触れて好きになった人は、林家先生の作品を追いかけずにはいられなくなるはずです。
3、林家先生の作品にはなぜ惹きつけられるのか?魅力的な3つの要素を徹底紹介!
林家先生の作品に触れると、それはもう離れられなくなる魅力があります。。
ここでは読み手を捉えて離さない林家先生の作品の魅力を、漫画を構成する以下の3つの要素、
- 絵
- キャラクター
- 物語・世界観
それぞれの視点で紹介します!
3-1 吸い込まれそうな瞳の「目力」、「コマから飛び出すほどのキャラ達の動き」に魅せられる!
1つ目は、「絵」です。
なんといっても漫画は「絵」のメディアです。「絵」で読み手に何を伝えるかが決まってきますし、我々がまず目にするのは作品の「絵」ですから、非情に重要な要素です。
絵が上手い、綺麗だというのは言うまでもないのですが、その中でも特に私が魅力と感じるのは、「少年漫画と少女漫画の良いところ取りの絵」と「ダイナミック且つ細やかなキャラクターの動き」です。
1点目、「少年漫画と少女漫画の良いところ取りの絵」です。
これは、大きな瞳の可愛らしい女性キャラを、力強い線でしっかり描くことにより、少年漫画風でありながら、少女漫画の風味も入った絵になっているのです。
この瞳、言いかえるなら「目力」が林家先生の「絵」の大きな魅力の一つだと思います!
この「おめめクリクリ」感は少女漫画風なのに、全体で見ると少年漫画風にも。そしてどこか中性的。
「ビージェネ!」 1巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
「思春期生命体ベガ」 1巻 林家志弦/白泉社より 引用
それがゆえに、可愛らしい女の子だけでなく、男よりもイケメンな女の子を描くことが出来、男女を問わず読み手を惹きつける魅力的なキャラを描けているのです。
言うなれば非常に「中性的」なキャラがナチュラルに描かれており、「可愛い女の子が好きだ!」という人も、「イケメン(な女の子)が好きだ!」という人も取り込むことが出来ます。
イケメン女の子キャラ代表、雉宮乙葉。女の子です!
「はやて×ブレード」 6巻 林家志弦/集英社より 引用
くりっくりとした大きな瞳はまさに少女漫画のよう。
だけど、キャラクター全体としては力強い線。
これが絶妙なバランスで成り立っています。まずは目という個の部分に惹きつけられ、そして線という全体に引き寄せられる。
また女性作家さんらしく、キャラの髪形や衣装が色々と変化してお洒落なのも読んでいる身にはとても嬉しいです。
2点目は「ダイナミック且つ細やかなキャラクターの動き」で、言葉の通りではありますが、言葉だけでは伝えきれないほど、キャラクター達がページやコマの中を動いています。
アクションシーンが凄い作品は他にも多々ありますが、林家先生の凄さは、アクションではないシーンでここまでキャラクターを動かせるのか! というところです。
とにかく動きが豊かでコマから飛び出してくる勢いです!
「地獄ニート」 1巻 林家志弦/コアマガジンより 引用
正直、こんなにコマをはみ出してくるほどのキャラの動きを感じられる作品は、私は記憶にないくらいです。
また、大きな動きだけでなく、ページやコマの中で描かれているキャラクター達が細かな動きも見せており、作品を通してとにかく躍動感に溢れているのです!
アクションといえば『はやて×ブレード』。大小様々な動きが効果線や細かいセリフで表現されています。
「はやて×ブレード」 1巻 林家志弦/集英社より 引用
私はまさに「絵」で、まず林家先生作品の虜になりました!
3-2 作品内を縦横無尽に駆ける「ハイテンションでおバカなキャラ」に引きずり込まれる!
2点目は「キャラクター」です。
登場するキャラクターが魅力的でなければ、読んでいこう!って気にはあまりなりません。
ここが林家先生の作品の最大の魅力かもしれません。キャラクター達はとにかくおバカでハイテンション!
ちょっとおバカなキャラクターが、漫画から飛び出さんばかりの勢いで繰り出すギャグは、あまりのテンションの高さに、「毎回そんなことやっていると疲れるよ!?」と突っ込みを入れずにはいられません。
- 至る所で叫びます!
- 鼻血を噴出させます!
- 嘶(いなな)きます!
興奮して嘶く主人公かつアイドル! 嘶くヒロイン兼アイドルなんて初めて見ました!
「ストロベリーシェイク」 1巻 林家志弦/集英社より 引用
しかも、可愛い女の子キャラクター達ばかりです!
明らかに見た目がギャグなキャラではないのです。綺麗な絵で、可愛い女の子のキャラクターが、凄まじいバカさとハイテンションで突っ走る姿には、魅入らずにはいられません。
恥ずかしい妄想に興奮して鼻血を出す主人公かつヒロインかつアイドル!
「ストロベリーシェイク」 1巻 林家志弦/集英社より 引用
もちろん、ボケるだけではありません。
突っ込み役もまたハイテンションで突っ込みを入れるからこそボケが活きてきます。
ハイテンションでボケてハイテンションで突っ込む、そのぶっ飛んだキャラクター達によるギャグこそ、林家先生の作品の最大の魅力だと思います。
とにかくテンション高くボケて突っ込む!
「演撃少女命」 1巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
キャラクター達が次にどのような言動をするか気になって仕方なく、読めば笑わずにはいられません。
「はやて×ブレード」を電車で読んだときには私、後悔しました(笑)
3-3 王道を外れたおバカな百合、という「新たな世界」を作りあげた!
3つめは「物語・世界観」です。
林家先生の描く作品の世界といえば、「百合」が主となっています。
現在、世間において「百合」は一つのジャンルとして認められ、漫画に限らず小説やアニメでも様々な作品が世に出ています。
そんな百合作品のイメージといえば、「少女同士の精神的な結びつき」とか「乙女の花園」とか「お姉さま」とか「耽美で禁忌的」とかを抱き、またキラキラとして綺麗な世界もイメージします。
いうなればこのような世界です。
同性である女性を好きになってしまった秘めたる思い、それに対する葛藤や悩み、そういったことを乗り越えて結びつきを強くする二人。そういう作品が全てではありませんが多いことも事実で、王道だと思います。
ですが林家先生の描く百合は、そういった王道から外れています。
はっきりいえば振り切っています。林家先生の作品においては、むしろ女性が女性を愛することが普通であり、当たり前のこととして描かれています。それも、テンション高く。
女性が女性を好きなことも、このテンションです!
ノンケの人の方が頭を抱える世界。
「ストロベリーシェイク」 1巻 林家志弦/集英社より 引用
女性同士の恋愛に疑問に持つ人の方が少ないくらいです。
そして、前述した二つの魅力、「ハイテンション」と「ダイナミックな動き」をふんだんに取り入れることで、「ハイテンション・バカ百合コメディ」という唯一無二の百合世界を作り出してくれました。
こんな百合の世界を創造してくれました!
「思春期生命体ベガ」 1巻 林家志弦/白泉社より 引用
私も色々な百合作品を読んでいますが、林家先生の描く百合の世界は明らかに他と一線を画しています。
同じような作品は見たことがなく、百合漫画の世界に大きな風穴をぶち開けたのです。
そんな百合漫画を読めるのは林家先生の作品だけだと思います。この唯一無二性もまた大きな魅力です!
4、林家先生の最大の魅力、ハイテンション&おバカ百合コメディが特に炸裂している4作品を紹介!
林家先生の漫画の魅力をご紹介してきましたので、ここでは、そんな林家先生の魅力である「ハイテンション」、「おバカ百合コメディ」が特に炸裂している4作品をご紹介します。
なお、『はやて×ブレード』は既に別記事で紹介していますので、あえて外していますのでご注意下さい。
4-1 「ストロベリーシェイク」アイドルとモデルのピュアでおバカなガールズ・ラブコメ
『ストロベリーシェイク』は、『はやて×ブレード』と並ぶ林家先生の代表作です。
2000年代前半、いわゆる百合ブームが世に発生しました。
その勢いで刊行された雑誌「百合姉妹」にて創刊号より連載が開始されたのが、この「ストロベリーシェイク」です(なお、「百合姉妹」連載時は「ストロベリーシェイク Sweet」で刊行され、後に新装版「ストロベリーシェイク」として刊行)
作品内容を簡単にご紹介しますと、タレント事務所に所属している橘樹里亜と、同じ事務所に所属する新人タレント浅川蘭の二人を中心とした、百合ラブコメです。
登場人物の殆どは女性で、その殆どが同性愛者であり、それが当たり前の世界として描かれます。
こんな感じの世界
「ストロベリーシェイク」 1巻 林家志弦/集英社より 引用
性的描写はなく、あくまで精神的でピュアなラブを、ハイテンションな笑いに昇華させています。
『はやて×ブレード』がアクションと物語の比重が強いのに対し、『ストロベリーシェイク』は百合の恋愛要素を強く押し出しており、樹里亜と蘭だけではなく、彼女たちを取り巻く女性達の恋愛模様(とギャグ)を楽しむことが出来ます。
主人公(アイドル)は同性の女の子を好きになりますが、その愛情表現が変態的!
「ストロベリーシェイク」 1巻 林家志弦/集英社より 引用
百合といえば、「女性同士の繊細な心模様」、「甘くもあり切なくもある関係」、「どことなく禁忌を感じさせる」、そんなイメージを抱いていましたが、それらを見事なまでに粉々にぶっ壊してくれたのは衝撃でした。
まさか、百合×ハイテンション・ギャグが、ここまで破壊力があるとは!
樹里亜は主人公でアイドルでありながらこんな!
ボケもツッコミもテンション高くいきます!
「ストロベリーシェイク」 1巻 林家志弦/集英社より 引用
本作は百合の新たな方向性を示してくれた、エポック・メイキング的な作品なのです!
4-2 「思春期生命体ベガ」今度の相手は異星人だ! な百合コメディ
『思春期生命体ベガ』は、これまた百合漫画ですが、今回のカップリングは人間の女子高校生×宇宙人の女子高校生、というものです。
空を飛び光線を放つ宇宙人女子高校生、ベガ
「思春期生命体ベガ」 1巻 林家志弦/白泉社より 引用
物語を簡単にご紹介しますと、宇宙人である琴平ベガは地球にやってくる宇宙怪物を倒す力である「巨大化」、「飛行」、「光線」の能力をなぜか失ってしまいました。
そんなベガが能力を取り戻すには高校三年生の女の子、鷲峰ありさとキスする必要があります。
キスするのは力をチャージするのに必要だから? そこにお互いの気持ちは必要ないの? といったベガとありさの気持ちと関係性を描いた百合コメディ作品となっています。
能力を取り戻すため、ありさにキスをせがむベガの図。
「思春期生命体ベガ」 1巻 林家志弦/白泉社より 引用
本作の百合コメディとしての魅力は、ベガとありさの恋愛模様です。
前述の『ストロベリーシェイク』のヒロイン二人が最初からほぼラブラブなのと異なり、宇宙人ゆえに少しズレているベガに対し、ありさが怒ったり嫉妬したり拗ねたりして、そういうのを経てお互いが近づいていく少女漫画的な恋愛の展開が良いです!
ベガが他の女性とキス(エネルギーチャージ)しているのを見て怒るありさ。
それは、ベガのことが誰よりも好きで、一番でいたいから!
「思春期生命体ベガ」 1巻 林家志弦/白泉社より 引用
ちょっとしたすれ違い、そしてそれを乗り越えて互いの気持ちを分かり合うっていうのはは恋愛漫画そのもの。
また宇宙人でズレていることで、テンポの良い掛け合いが自然に出来る展開も良いです。
4-3 「演撃少女命」『はやて×ブレード』の原型? ハイテンション学園演劇ギャグ
『演撃少女命』は百合作品ではなく、純粋なギャグ漫画です。
作品内容を簡単にご紹介します。主人公の神楽命(かぐらいのち)は母に先立たれ天涯孤独の身となった後、母の遺言に従い、役者を養成する専門の学校である星皇学園に入学します。
その星皇学園で、命は女優を目指すべく他の生徒達と演技の決闘、「演撃」で奮闘する物語です。
戦いといっても、あくまでギャグです!
「演撃少女命」 1巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
と書くと何やら重たげで真面目な雰囲気を感じさせますが、そんなものは全くありません。
本作はギャグ漫画であり、前述したストーリーとか別に知らなくても楽しめます。
戦いに賭けるのが、「命=退学」、「相手=ドリームキャスト」!
「演撃少女命」 1巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
「命」の魅力は学園を舞台に個性的でバカなキャラクター達が熱く激しいギャグを繰り広げるところにあります。
ギャグのキレ、集う変人、ハイテンションでテンポの良い応酬、「演撃」という戦いと、この後に連載される「はやて×ブレード」の原型を感じさせる作品です。
キャラクターも濃い人達ばかりです。
特に謎のアフロヘアの女子生徒、「アフロ夫人」は衝撃的です!
とにかく、アフロ夫人にいろいろと持っていかれる!
「演撃少女命」 1巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
あ、もちろん「演撃」と格好良い名前が付いていますが、戦いの内容はおバカそのものですからご安心を!
4-4 「ひまわり地獄」90年代ゲームファンに送るゲームネタギャグ
『ひまわり地獄』はゲーム誌に掲載されていた4コマを集めた単行本です。
1990年代、プレイステーションやセガサターンが人気だったころのゲームをネタにしたギャグで、だけどゲームの内容についてはあまり触れられていない作品です。
本作の魅力は、ゲームの本質的な内容には触れていない、なんとなくタイトルからしてこのゲームってこんなゲームじゃないかな? という雰囲気で描かれているところでしょうか(笑)
こんな4コマばかりです!
「ひまわり地獄」 1巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
いや、本当は物凄くやり込んだうえでそういう作風にしているのかもしれませんが、収録されている特別付録「ひまわり地獄のつくりかた」でも、ネタ作りのためにゲームを全て買うなんて出来ない、ネタはゲーム雑誌からと潔く描かれているので本当だと思います。
作品内で吐露しちゃっています!
「ひまわり地獄」 1巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
それでも、林家先生のハイテンションなギャグは本作でも健在です。
勢いとキレのあるボケ、つっぱしるキャラクター、そういったものを4コマの中できっちり入れてきているのはさすがです。
また、ゲームの内容に深く突っ込んでいないこともあり、ネタにされているゲームについてなんとなく程度の知識があれば楽しむことが出来ます。
むしろ、ゲーム知識がなくても面白い! と思います!
ゲームの内容には基本的に踏み込みません!
「ひまわり地獄」 1巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
5、ラブコメ、伝奇、成人向けから同人まで、まだまだある林家作品5本+αを紹介
林家作品の魅力はハイテンション・ギャグが大きいと思いますが、描かれているのはギャグだけではありません。
ラブコメやシリアスな伝奇モノから成人向けまで色々な題材で作品を作られています。
ここまできたらせっかくなので、他の作品もざっとご紹介しちゃいます!
5-1 ギャグ成分は少な目でもしっかりした構成と設定で読ませる、真面目系3作品。
林家先生としては珍しい(?)部類に入る、真面目な作品達です。
ラブコメ、伝奇バトル、スポ根と、ジャンルの異なる3作を紹介します。
■『おねがい☆ティーチャー』全2巻
林家先生の作品にしては珍しい、本当に真面目なラブコメ作品。
それもそのはず、もともと原作としてアニメがあり、そのアニメ作品のコミカライズを林家先生が担当されたからです。
SF作品でもあります。
「おねがい☆ティーチャー」 2巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
でもこのコミカライズは大正解だと思います!
アニメ作品のキャラデザを担当された合田浩章さんの絵柄と非常にマッチしており、アニメと違和感のない漫画になっています。
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なお、作品としては高校の教師として赴任した宇宙人の風見みずほと、みずほが担任として受け持つクラスの生徒・草薙桂との恋愛という、「女教師×男子生徒」、「宇宙人×地球人」、「恋愛+SF」と、魅力的なキーワードで彩られています。
美人な担任教師と同棲とか、羨まし過ぎる! ねえ、朝からこんなやり取りされたら!
「おねがい☆ティーチャー」 2巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
全2巻ながら、恋愛は主役の二人に加えて桂の同級生達も絡め、更に、桂の体の謎やみずほと桂の絆などが綺麗にまとまって描かれた良作です!
■『シスターレッド』全2巻
こちらは伝奇バトルもので、林家先生の作品としては珍しく猟奇的な描写もあります。
内容は、女子高校生の武田真人(まひと)が、永遠の命を求める「夜族」との戦いに巻き込まれていくという物語です。
林家先生としては珍しい(唯一の?)シリアス作品
「シスターレッド」 1巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
吸血鬼×バトルアクション×女子高校生という組み合わせで、物語展開も非常に分かりやすく、シリアス展開もいけるじゃない! と読ませてくれる作品です。
また、作品では百合の匂いも漂わせてくれているのがまた、伝奇×百合(耽美)と相性抜群の素晴らしさを誇っているのも、要注目です。
メインキャラは女性ばかり。百合を感じさせてくれます。
「シスターレッド」 2巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
■『ビージェネ!』全1巻
なんのやる気も起きずにだらだらと学園生活を続けていた女子高校生、来堂夏月が、「ビートファイト」という会員制のストリートボクシングに出会い、のめりこんでいくというスポ根作品です。
ボクシングが好きというより、倒したい相手がいて、そのためだけに頑張ってやろうというのがスポ根らしくて良いです。
倒したい相手だけを見つめて戦う夏月。
「ビージェネ!」 1巻 林家志弦/メディアワークスより 引用
もう少し続けば、おそらく百合的展開も期待できたと思うのですが(笑)!
5-2 好き放題にやっているからこそ林家先生らしらの真骨頂? 成人向け2作品+同人作品
林家先生は実は成人向けの漫画作品も出版されています。
が、大丈夫、エロくありません!(・・・・褒め言葉?)
何しろ成人向けでも、「18禁」の印がついていません。むしろギャグです。
一般紙では描くことが出来ない内容だからこそ、好きなことが描けているように思えます。それは成人向け作品だけでなく、同人誌も同じかと思います。
ここでは成人向け作品&同人作品をご紹介します。
■『ULTRA SWORD』全1巻
ストーリーは、封印から解放された淫魔を倒すため「剣の巫女」と呼ばれる四人の少女が戦いに挑む物語、とこれだけを聞いたら伝奇バトルものと思いますが、基本はエロとギャグです。
比率的にはむしろギャグとエロ、かもしれません。
エロ作品でも、ギャグでぶっこんでくる姿勢は変わりません。
作中の名台詞に、林家先生の(百合への)思いが込められている。
「ULTRA-SWORD」 1巻 林家志弦/コアマガジンより 引用
むしろ、成人向け雑誌に連載されていたから、仕方なくエロシーンを挟んでいる、といった感じが強いです。
そのエロも、百合嗜好を加味して女性同士の絡みが多いのも特徴です。
が、トータルで見ると、エロと笑いと百合とバトルと様々な要素がコンパクトにまとまった、お得感のある作品です!
■『地獄ニート』全1巻
タイトルだけでおバカなギャグ漫画臭が漂っていますが、なんと成人向け雑誌で掲載されていた作品です!
しかし本作は前述の「ULTRA SWORD」以上にエロ要素はうっすいです!
内容は、地獄に住む悪魔のサンゲリアとゾンゲリアの姉妹は、あまりに働かないので人間界に落とされてしまうのですが、人間界でも働かずニートな生活を過ごすというお話し。
って、どんな話やねん! と突っ込みたくなりますが、基本ギャグなので。
裸のコマが多かったので、これで(笑)
「地獄ニート」 1巻 林家志弦/コアマガジンより 引用
また、表題作以外にも色々と読み切り短編が収録されているのも、お得感があります!
■同人誌
林家先生といえば同人活動も積極的に行われています。
同人誌では商業誌以上に、好きなように描かれているのが紙面をやキャラクターを通して伝わってきます。
衝撃の一言!
「サイレンとローズバッド」 林家志弦/JESUS DRUG より 引用
また、商業誌で発売された「ストロベリーシェイク」は同人誌でその続き(スピンオフ)『BERRY STRAWBERRY SHAKE』を描かれています。
連載が終了しても、こうして同人誌で続きが読めるのはファンとしても嬉しい限りです!何せ、同人誌と言いつつ作者ご本人が描かれており、公式な続編とも言えるのですから。
本編では描かれなかったサイドストーリーを読むことのできる嬉しさ!
これは作中に登場するビジュアル系バンド、『ZLAY』の結成秘話!「BERRY STRAWBERRY SHAKE」3 林家志弦/JESUS DRUG より 引用
6、林家先生の作品は辛さを吹き飛ばし、やりたいことをやろう!と強く思わせてくれる
ここまで林家先生の魅力と、魅力のぎっしり詰まった作品を紹介してきました!
中性的で美しく目を奪われてしまうキャラクター達のエネルギーに満ち溢れた作品群は、日常生活を豊かにしてくれるのです。
かくいう私も影響を受けた一人です。
その1 笑いとエネルギーを分け与えてもらえ、日々の行動の活力となる!
林家先生の作品は、とにかくパワフルでエネルギッシュなキャラクターと展開で、読み手に活力を与えてくれます。
キャラクター達の根拠なしの自信、前向きさ、バカさは、現実世界の日常で起きたことなど些細なことのように感じさせてくれ、現実の辛い日々(笑)を乗り越える力になっています。
とにかく何でも前向きにとらえるキャラクター!
そう、何事も考え方次第なのです!「はやて×ブレード」 1巻 林家志弦/集英社より 引用
そう、現実って楽しいことばかりではありません、辛いことも多いです! 仕事や人間関係で悩んだり苦しんだり、もう明日は仕事や勉強なんかしたくない、そう思うことだってありました。
そういう時に林家先生の作品群からは、大きな力を貰いました。
ハイテンション・ギャグに声をあげて笑い、魅力的なキャラクターに魅せられ元気をもらい、つられて自分のテンションも上がって辛いこともその勢いで吹き飛ばしちゃうのです。あんなバカみたいに生きられたら、と思っちゃいます(笑)
キャラクターはとにかくテンションが高くてパワフルで生命力に満ち溢れています!
その勢いは読み手にも活力を与えてくれます!「ストロベリーシェイク」 1巻 林家志弦/集英社より 引用
また、この作品の続きを読むために、キャラクター達に会うために、先生の次の作品を読むために、もうちょっと頑張ってみようかと思わせてくれるのです。
更に、作品を待つだけでは物足りず、二次創作活動であったり、こうした記事のライティング活動であったり、足りない分は自分が生み出してやる! 他の人にも届けたい! という方向に伸びてゆきました。
考えや妄想は果てしなく広がり、今ではそれ自体が日々の活力となっています。
その2 好きなことをやりたい!という情熱を燃え上がらせてくれる!
林家先生の作品からもらったエネルギーは、日々の活力となるだけに留まりません!
年齢を重ねてくると、日々の疲れや体力的な問題、時間がない、等々の理由でかつて情熱を注いでいたことからも一歩引いたりしていましたが、林家先生の作品を読むことで変わりました。
作品からは、キャラクターもそうですが、描かれている先生も、好きなことをやり、好きなことに情熱を注いでいると感じ取れ、自分の中で下火になっていた情熱が再び燃え上がってきたのです。
好きなことに情熱を注いでいることが分かる一日のスケジュール!
自信満々に言えるのもそれだけ好きであり、(バカだけど)情熱を燃やしているから!
「はやて×ブレード」 11巻 林家志弦/集英社より 引用
例えば私は幼少時より「NO BOOK NO LIFE」な人間だったのですが、いつからか仕事が忙しく本から離れていました。
それが『ストロベリーシェイク』や『はやて×ブレード』などを読み、活力をもらい、更に、
もっと好きなことを好きなようにやらなきゃ人生損じゃない?
と思うと読書熱がぶわっと一気に再燃し、改めてどんどん漫画や本をインプットするようになりました。忙しいとかを、情熱が凌駕するようになったわけです。
もちろんその熱には林家先生の作品も含まれ、もっと林家先生の他の作品が読みたい、関連作品を手に取りたい、関与しているならなんでも手に取ってみてみたい、と色々と集めました!
昔から林家先生のキャラクター達の「目」、「瞳」に惚れていて、収集は商業誌だけに留まらず。
インプットが増えるとアウトプットできることも増えますから、こうしてマンガタリでライター活動し、色々と発信することにも繋がっていると思います。
林家先生の作品からは、インプットとアウトプットのどちらにも多大な影響を受けたのです。
更にアウトプットを皆さんにも伝播することが出来れば、影響は自分だけに留まらないということにもなっています!
皆さんも手にとってみてくだされば、私と同じような影響を受けるかもしれませんし、あるいはまったく違う方向でインスパイアされるかもしれません。
いずれにしても、林家先生の作品は必ず読み手に影響を与える、それほどエネルギーに満ち溢れているということです。
7、まとめ
ということで今回は林家志弦先生について、
- 同人と商業誌を平行で活躍されている漫画家さんであること
- 林家先生の作品が持つ3つの大きな魅力
- 百合&ハイテンションを中心とした林家先生の9作品+同人作品
- エネルギーに満ち溢れた林家先生の作品が読み手に与える影響
をご紹介し、そして一ファンとして語らせていただきました。
私自身、幼少時より色々な漫画を読んできましたが、ここまでのめり込んだ漫画家さんは他に思い浮かびません。それくらい、パワーと魅力に溢れた漫画家さんだと思います。
とはいってもまだまだ語れていないことも多いですが、林家先生の魅力、作品の魅力が少しでも伝わったなら嬉しいです!
そして、手に取っていただけるともっと嬉しいです!
引き込まれること間違いなしなのは、経験者が語るから間違いありません!
以上、これほど「林家志弦」という固有名詞を使用した記事は他にないだろうと思うマンガタリライター神門でした。
記事の最後にじゅんじゅん(久我順)より一言をいただきました。
※好きなキャラその2
「はやて×ブレード」 3巻 林家志弦/集英社より 引用
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