みなさんこんにちは! 「マンガフル」ライターの神門です。
むしむしと暑い時期になりました。
新型コロナウィルスの影響もあってなかなか外に出られない、そんなときは漫画を読んで夏の暑さを克服しましょう!
ということで今回は「夏に読みたいマンガ」をテーマとしました。
- 暑い夏だからこそ読みたくなる漫画
- 涼しさを感じさせてくれる漫画
- むしろもっと暑くなる漫画
各ライターのお薦め作品、ぜひ、手に取ってみてください!
目次
1、『水域』 / 気怠い夏の午後にこそまったり楽しみたい、現代の幻想物語
作者 | 漆原 友紀 |
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出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 月刊アフタヌーン |
掲載期間 |
2010年1月号〜2010年12月号
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巻数 | 上下巻 |
雨が降らずに渇水が続くある街の夏。
中学生・川村千波は夏休みの部活中に暑さのあまり倒れる。
意識を取り戻した時、千波はなぜか山奥の水したたる美しい村にいた。
現在と過去、現実と願いの世界を行き来する、現代の幻想物語です。
2、『H2』/ 熱い夏をより熱くさせてくれる、あだち作品の最高傑作ともいわれる名作!
作者 | あだち充 |
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出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
掲載期間 | 1992〜1999年 |
巻数 | 全34巻 |
あだち充先生の作品のなかで最も長編の野球マンガで、『タッチ』や『ラフ』と共にあだち作品の最高傑作によく挙げられる超名作です。
物語は
- 国見比呂と橘英雄(2人のヒーロー)
- 雨宮ひかりと古賀春華(2人のヒロイン)
を中心に進み、比呂と英雄は中学からの親友で、比呂とひかりは幼馴染で、英雄とひかりは付き合ってる。
けれども………という4角関係の恋愛ドラマ。
プラス…
親友でありライバルでもある千川高校エースピッチャー・比呂と明和一高校4番の天才スラッガー・英雄の名勝負が甲子園で繰り広げられます!
夏マンガと言えば、やっぱりあだち充作品は外せません!
個人的には思春期真っ只中の学生時代に連載していた作品ということもあって、思い入れの強い作品です。
- テンポのいいセリフ&ギャグ
- ひたむきに野球に打ち込む高校球児の姿
は、夏の蒸し暑さ、気だるさを吹き飛ばし…
それぞれの思いが交錯する白熱の対決は、熱い夏をさらに熱く!ちょっぴり切なくさせてくれます。
この作品が他のあだち作品と大きく違うのは“最後までどうなるかわんない”ところです。
『タッチ』しかり『ラフ』しかり…最終的には主人公がライバルとの勝負に勝って、主人公とヒロインが結ばれて、ハッピーエンドを迎える。
というのはわかった上で、それを楽しみに読み進めてく感じなんですけど、『H2』は、4人のヒーローとヒロインの関係が複雑に絡み合い、それぞれが相手のことを思い合うあまり、最後までどうなるかわからないドキドキを感じながら読むことができます!
(再読の場合、いろんな解釈ができるラストや、そのラストに至るまでの数々のセリフ、シーンを深読みして楽しめます!)
今年は残念ながら新型コロナウィルスの影響で甲子園が中止になってしまいましたが、そのぶんこの作品で甲子園、夏をご満喫ください!
現在、サンデーうぇぶりで無料で読むことが出来ますので、こちらで是非!
3、『Kanon&AIR スカイ』/ 「非日常」から「日常」への帰還が儚い夏の幻想を感じさせる、名作ゲームのアンソロジー
作者 | 依澄れい |
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出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | AIRコミックアンソロジー VOL.3 Kanonコミックアンソロジー VOL.5 こみっくかのうぉ AIR&KanonアンソロジーMIX Kanonビジュアル・コミック・アンソロジー ゲームコミックKanon Kanonコミックアンソロジー ゲームコミックKanon 6 ゲームコミックKanon 4 Kanonコミックアンソロジー VOL.4 AIRビジュアル・コミック・アンソロジー AIRコミックアンソロジー VOL.6 依澄れい同人誌 |
掲載期間 | 2000年~2001年 |
巻数 | 全1巻 |
ゲームブランド「KEY」の名作ゲーム、『Kanon』と『AIR』に関して、ご本人もこれらのゲームの大ファンであられる依澄れい先生が、2000年代初頭に様々なアンソロジー企画やご自身の同人誌で発表された作品が一冊にまとめられている書籍です。
一つ一つは短いエピソードであるのが逆にそれぞれがどこか非連続で「虚構」的である雰囲気を演出しているかのような本作は、『Kanon』と『AIR』の世界観を丁寧に解釈しつつ、依澄れい先生らしい「可愛さ」や「楽しさ」、そして一種の「物悲しさ」などが伝わってくる一冊です。
「あゆ」といえば「浜崎あゆみ」というよりは「月宮あゆ」じゃないですか!?
というような昔からの鍵っ子(ゲームブランド「KEY」の熱心なファンの総称)の方はもちろん、そういえば『Kanon』とか『AIR』とか、そんな名作泣きゲーがあると聞いたことがある……くらいの方だったりでも、雰囲気をつかむための最初の入口として、様々に想いを馳せながら読んでみて頂きたい作品です。
夏。
入道雲、地上に出てからは一夏で死ぬセミの鳴き声、期間限定の「夏休み」という「非日常」の時間、この季節に「儚い幻めいた時間」を感じたりするのは僕だけでしょうか。
順番が前後しました。
僕が夏にこういった一種の「幻想」性を感じるのは、主に「KEY」の名作ゲーム『AIR』の影響ですね!
夏になると『AIR』の名曲、「夏影」を未だに毎年聴いております。
さて、主には『Kanon』と『AIR』を題材にしたアンソロジー企画に寄稿という形で発表された作品群で形成されている本書。
まず、冒頭の「夏」での『Kanon』のヒロインである月宮あゆ(つきみや・あゆ)と『AIR』のヒロインである神尾観鈴(かみお・みすず)との「ありえない」出会いで、読者は「非日常」へと誘(いざな)われていきます。
読者が本書の「非日常」で体験するのは、
●月宮あゆや沢渡真琴(さわたり・まこと)といった『Kanon』のキャラクターを通しての「居場所」に関する物語であったり
●『AIR』の遠野美凪(とおの・みなぎ)というキャラクターの「シャボン玉(やがて消えてしまうもの)」に象徴される「虚構性」にまつわる哲学的なエッジが心をくすぐる感覚であったり
●『Kanon』と『AIR』両作品に通底する「家族」というテーマについて、改めて自分なりに想いを巡らせる時間であったり
……といったことです。
そういった「虚構」的な「非日常」を経由してラスト、「冬」のあゆと観鈴との再会を誓いつつの別れで、読者は「現実/日常」へと帰還していきます。
キャラクターたちが可愛く、作品世界に清涼感があり、幻めいた不思議な感覚が残留する本作。
「非日常/虚構」があるからこその「日常」の強さや温かさを、一夏の糧として持ち帰って頂けたら幸いなのでした。
4、『ぐらんぶる』 / モザイクだらけのキャンパスライフを描いた馬鹿炸裂のダイビング漫画
作者 | 原作 井上堅二 作画 吉岡公威 |
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出版社 | 講談社 |
掲載誌 | good!アフタヌーン |
掲載期間 | 2014年5月号~ |
巻数 |
既刊15巻(2020年7月現在)
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海が近くにある大学。
そしてその近くで経営しているダイビングショップ「グランブルー」。
大学進学のタイミングで「グランブルー」に居候となった北原伊織の破天荒な大学生活を描いたコメディ作品です。
高校時代は男子校で、その男子校のノリが嫌で大学こそ彼女を作ってバラ色のキャンパスライフを満喫する気満々でしたが、出会ったのは酒と海と裸を愛する男たちの群れ!
夢は無残に散るも、元々馬鹿な伊織はあっさりとそのノリに溶け込み、酒と裸とそして時々スキューバダイビングにはまっていきます。
そんな伊織を中心とした、モザイクだらけの馬鹿な大学生活を楽しく明るく読ませてくれます。
夏といえば海!
ということで選んだのが本作です。
ただ、ダイビングをテーマとした漫画ですが、ダイビングシーンはなかなか出てきません(笑)!
殆どは、主人公の伊織と、その同級生である耕平を中心としたダイビングサークルのメンバー(野郎ども)が全裸で飲んでいるシーンばかりです。
とにかく大学生活を満喫しているのが分かり、こんな大学生活を送りたかった(!?) と思うこと間違いありません。
もちろん野郎ばかりではありません。
伊織と耕平の同級生であるヒロインの千紗、そして愛菜の同級生男女4人の恋愛模様も……ある……のかな……?
登場人物はイケメンだろうが美女だろうがみんなとにかく濃い!
- 見た目はイケメン、中身は超がつくアニメオタクの変態な耕平
- 伊織をゴミや虫けらを見るような目で見ることもあるヒロインの千紗
- 極度のシスコンで千紗に対する思いはむしろ変態的な奈々華
等々、わき役に至るまでまともな人間はほぼいないと思っても良いです。
海にダイビングに全裸と、例え作中の季節が春だとしても夏を感じさせてくれる、笑えて時にはほんのりと心温まることのできる楽しい作品です!
5、『のんのんびより』/ 夏のイベントも疑似体験できちゃう!田舎暮らしを描いた日常コメディ
作者 | あっと |
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出版社 | KADOKAWA |
掲載誌 | 月刊コミックアライブ |
掲載期間 | 2009年11月号~ |
巻数 |
既刊15巻(2020年5月現在)
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全校生徒はたったの5人という田舎の学校。
そこに通う生徒たちの日常を描いたコメディです。
見渡す限り田んぼが広がり、道路には牛が歩き、バスは5時間に1本しか来ないというかなりのド田舎。
宮内れんげを始め、4人の個性豊かな女の子(+1人の男子)が豊かな自然に囲まれながら暮らす姿に、癒されながらも笑ってしまう1粒で2度美味しい漫画です。
れんげたちが暮らす田舎は、普段都会で暮らしていると想像もできないほどの不便さです。
だけど周りの自然は美しく、そこで暮らす彼女たちも生き生きとしていて、
「あ~・・・田舎に住みたい!!」
と思わずにはいられません。
また、自然がすぐそばにある田舎暮らしのため、四季折々の描写も豊かです。
皆で田植えをしたり、川で冷やしたスイカを食べたりと、「いいなぁ~」と思える季節イベントがたくさんあります。
疎遠になってしまったイベントごとも、のんのんびよりで疑似体験できちゃいます。
さらに、のんのんびよりはアニメもオススメです!
美しい自然がカラーで表現され、より癒し度が増しています。
「外に出れなくても、のんのんびより見れればいいや…」
なんて気分にさせてくれますよ。
6、『だがしかし』 / 小銭を握りしめて駄菓子屋に向かったあの頃の記憶を思い出す、駄菓子屋コメディ
作者 | コトヤマ |
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出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
掲載期間 | 2014年30号 – 2018年20号 |
巻数 |
全11巻
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とある田舎の駄菓子屋を舞台にしたゆるっとしたコメディです。
主人公の鹿田ココノツの実家は駄菓子屋。
駄菓子屋を継ぐのは嫌なココノツの前に登場したのがお菓子メーカーの社長令嬢・枝垂ほたるです。
ほたるはココノツの父親・ヨウを自社に引き抜くため、駄菓子の魅力を一生懸命にアピールしてココノツが駄菓子屋を引き継ぐよう奮闘する物語です。
なぜ、この作品を「夏に読みたい」作品として推したか。
それはもう、この作品で描かれている季節が「夏」だからです!(作品後半で唐突に「冬」に転換しますが)
- 田舎の町の夏休み
- いつもと変わらない毎日
- 駄菓子をつまんで友達とゆるく遊ぶ昼下がり
なんというか、滲み出ているそういう雰囲気が非常に良い作品です。
- 子供の頃、小銭を握りしめた駄菓子屋に向かった夏休み
- 少ないお小遣いで何を買おう、どれを買えばお得か迷ったり
- 味よりも見た目やインパクトに心奪われた駄菓子があったり
そんな懐かしいあの頃に還ることができる一作。
ホタル、サヤ、ハジメ という女の子達が魅力的な作品でもあります(ちなみに私はサヤ派ですが、ハジメも捨てがたい・・・!)
現在、サンデーうぇぶりで無料で読むことが出来ますので、こちらで是非!
まとめ
ということで、暑い夏にこそ読みたい作品をご紹介しました!
- 夏の午後にぴったりの作品
- 夏といえば野球!
そんな作品たちは、きっと皆さんの暑い夏を楽しく過ごすためのお供になってくれることと思います。
熱中症にならないよう、体調管理をして漫画を楽しみ夏を乗り切りましょう!
マンガフルライター 神門
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気怠い夏の午後、やるせなさをまったり味わうのに最適な漫画です。
『水域』は、懐かしいものを失っていくカタルシスに満ちています。
行ったこともないのにものすごーく懐かしい気持ちに浸れます。
どうしようもない諦めは、逆になんだか気持ちいい。
夏の気怠い午後、遠い目をして読むのがいい気分ですぞ。