みなさんこんにちは、マンガフルライターの神門です。
2020年10月6日に漫画家のまつもと泉さんが逝去されました。
まつもと泉さんといえば80年代に著作である『きまぐれオレンジ☆ロード』で一世を風靡しました。
私も大好きな作品なだけに、この一報を受けた時は正直、物凄くショックを受けました。
世間でも多くの人が悲しみのコメントを残し、改めてまつもと泉さん、そして『きまぐれオレンジ☆ロード』が人々に与えた影響の大きさを実感しました。
そこでまつもと泉さんを偲び、『きまぐれオレンジ☆ロード』の記事を書くことにしました。
ただ作品のことを紹介するだけでは今さら感もあるので、今回は
ラブコメ漫画史上最強のヒロイン、鮎川まどかの魅力
を改めて追いかけていき、紹介したいと思います。
是非みなさんも『きまぐれオレンジ☆ロード』を、そして鮎川まどかを思い出し、青春時代に戻ってください!
目次
1.きまぐれオレンジ☆ロードってどんな漫画?
著者 | まつもと泉 |
出版社 | 集英社 |
掲載雑誌 | 週刊少年ジャンプ |
掲載期間 | 1984年~1987年 |
単行本巻数 | 全18巻(愛蔵版、文庫版 全10巻) |
ジャンル | ラブコメ |
『きまぐれオレンジ☆ロード』は1980年代に週刊少年ジャンプで連載されていたラブコメ作品です。
1980年代といえばラブコメ漫画が大人気となった時代でしたが、それは
- うる星やつら
- めぞん一刻
- みゆき
- タッチ
などなど、小学館系列(特にサンデー系)が非常に得意として人気を誇っていました。
そこに対抗してかどうか分かりませんが、ジャンプで連載が開始されたのがこの『きまぐれオレンジ☆ロード』でした。
まつもと泉さんによって描かれる、ライトでポップな絵柄、そしてコメディタッチの物語はたちまちのうちに人気を博しジャンプを代表する作品になりました。
物語は、主人公の春日恭介とヒロインの鮎川まどか、檜山ひかるの三角関係を描いたものです。
「きまぐれオレンジ☆ロード」 18巻 まつもと泉/集英社より引用
超能力一家の長男である恭介は中学三年の時、引っ越し先の街を散策している中でヒロインの鮎川まどかと出会って一目ぼれをします。
一方、新たな学園に入学すると、そこで後輩の檜山ひかるに好意を持たれ猛烈なアプローチを受けます。
ひかるはまどかを実の姉のように慕っていて、まどかを選べば二人の関係を壊してしまうこともあり、優柔不断な恭介は結論をずるずると引き延ばしてしまいます。
また、まどかも恭介に対しては好意を抱くのですが、ひかるのことも大事なため曖昧な態度を取り続けます。
そんな恭介、まどか、ひかるの三角関係を、超能力というアクセントとコメディタッチも交えて描き、たちまちのうちにジャンプにラブコメを確立させるほどの人気作となりました。
2.コミックスとアニメから見る『きまぐれオレンジ☆ロード』の人気と魅力
鮎川まどかの魅力を語る前に、まずは作品そのものの人気についてもご紹介します。
というか、語らずにはいられません!
『きまぐれオレンジ☆ロード』はジャンプでラブコメを定着させた作品であり、ジャンプに掲載されたラブコメで最大のヒット作でもあります。
シリーズ累計発行部数は2,000万部を超えており、これはジャンプで発売されたラブコメ漫画の中では今でも最高の発行部数です。
- 電影少女 1,400万部
- ニセコイ 1,200万部
- I”s アイズ 1,000万部
- いちご100% 800万部
- To LOVEる 700万部
これ、見ていただければわかりますが、2番手である電影少女の1.5倍と、他の作品を圧倒しています。
ジャンプはバトルものやスポーツものの漫画は強かったのですが、ラブコメでは『うる星やつら』(高橋留美子先生)や『タッチ』(あだち充先生)を擁するサンデー系列の後塵を拝していました(他にも同じ小学館で『めぞん一刻』や『みゆき』も連載され人気でした)
当時、そんな大人気のラブコメと対等に並ぼうとしたのが、この『きまぐれオレンジロード』だったのではないかと思います。
そして、今をもってしても破られることのない記録を保持しているのです。
また『きまぐれオレンジ☆ロード』は1987年にアニメ化もされました。
きまぐれオレンジ☆ロード The Series テレビシリーズ DVD-BOX
アニメ版といえばなんといってもOP、EDをはじめとした主題歌です。
いわゆる“アニメソング”とは異なり、実力のあるシンガーの楽曲を主題歌としたのは『きまぐれオレンジロード』が始まりとも言われています(同時に『シティーハンター』もアニメ化されているので、この2作が始まり、といえるかもしれません)
第一期のOP「NIGHT OF SUMMERSIDE」では、アニメ初と思えるフラッシュカット(245カット!)を使用し見ている人に強い印象を与えました(1995年に『新世紀エヴァンゲリオン』のOPが話題を呼びましたが、個人的には『オレンジロード』が初のフラッシュカットの記憶です)
初めて見た時、「これがアニメのOPか!」と凄く衝撃を受けました。
※『きまぐれオレンジ☆ロード』のTVシリーズは、ツタヤ「宅配レンタル」で視聴できますので、是非どうぞ!
第一期が245カットも使用する一方で、第三期のOP「鏡の中のアクトレス」では1カットで初めから終わりまで数珠つなぎにする手法をとり、これまた衝撃でした。
- 第一期 OP:「NIGHT OF SUMMERSIDE」 ED:「夏のミラージュ」
- 第二期 OP:「オレンジ・ミステリー」 ED:「悲しいハートは燃えている」
- 第三期 OP:「鏡の中のアクトレス」 ED:「Dance in the memories」
アニメのOP・EDはどれも名曲ぞろいで80年代を代表するアニメ主題歌であり、CDアルバムは今聞いても色褪せることはなく、挿入歌の「ジェニーナ」、「サルビアの花のように」なども忘れられません(特に和田加奈子さんの歌唱力が光っています!)
アニメ『きまぐれオレンジ☆ロード』は映像も音楽も非常に実験的な野心作で、それがまた作品の魅力を高めていました。
「Singing Heart」/「Loving Heart」
3.鮎川まどかをラブコメ史上最高のヒロインにした魅力を6つの観点でご紹介
ここからが本番、ラブコメ史上最高にして最強のヒロイン・鮎川まどかの魅力をご紹介します。
本当に、そんなに人気があるのかと疑いの方もいるかと思いますが、これは間違いありません。
『アニメージュ』誌主催、1988年のアニメグランプリで女性キャラクター部門1位を獲得しています。
これは、『うる星やつら』のラムも、『タッチ』の浅倉南も、『めぞん一刻』の管理人さんもなしえていないことで、ラブコメ作品ヒロインとしては初受賞、その後を見てもラブコメでは『ああっ女神さまっ』のベルダンディーしか獲得していないタイトルなのです。
客観的事実として、ラブコメ史上最高のヒロインだというのが分かります。
では一体、鮎川まどかの何がそんなに魅力的なのか? 6つの観点で紹介します。
3-1 今までのラブコメヒロイン像と異なるクールでちょいワルな大人っぽい姿に惹きつけられる!
1980年代はラブコメブームが発生した時代でした。
その中で人気を博していたのが、『うる星やつら』、『めぞん一刻』、『みゆき』、『タッチ』などといった作品でした。
これらの作品には当然ながら魅力的なヒロインがいますが、彼女たちはいうなれば正統派のヒロインでした。
- 明るくて活動的で可愛い
- 美人で優しくて世話焼き
- 才色兼備でおしとやか
といった属性で、クラスの人気者だったり、学園の中でもアイドル的存在だったり、多くの男性から好意を寄せられていたり、誰が見ても“ヒロイン”という女の子でした。
ところが、鮎川まどかはそんなヒロイン像とは異なる女の子でした。
- 中学生なのにタバコを吸ったり、夜にはディスコやクラブに通ったりしている
- クラスでは不良少女といわれて避けられているはみ出し者
- 冷たい感じでちょっと怖い
明らかに他の作品とは異なるヒロイン像を描き出しています。
「きまぐれオレンジ☆ロード」 1巻 まつもと泉/集英社より引用
ラブコメのヒロインなのですから、主人公に、ひいては読者に好かれるような、好感度の高くなりそうな女の子にするのが王道であり、狙う方向だと思います。
ところが、まどかは真っ向から否定するというか、真逆をいくような女の子でした。
でも、だからこそ他のヒロインたちの中にあってひと際異なる輝きを放っていたことは間違いありません。
- 危険なものに惹かれる
- 他と違うものに惹かれる
これは人間なら誰しもが持つ欲求だと思います。
ましてや当時、周囲にはまどかのようなラブコメヒロインは存在していなかったと思います。
「きまぐれオレンジ☆ロード」 1巻 まつもと泉/集英社より引用
- 他のラブコメ作品にはない危険さや、甘さを感じられないクールさ
- 同年代ヒロインとちょっと違う大人っぽさ
そんなまどかだから、人は惹きつけられていったのです。
3-2 眉目秀麗、成績優秀、運動神経抜群、完全無欠に見えて弱味も持っているギャップに萌える!
まどかはちょっとワルな不良少女ということで、それ自体は間違っていないのですが、その一方でまどかは実に優秀な少女でもあります。
- 成績はトップクラスに優秀で、恭介の試験勉強を見てあげます
- 運動神経も抜群で、体育の授業はもちろん、それ以外の色々なシーンでも優れた身体能力をみせてくれます
- 美人でスタイルもよく、街に出れば男達からしょっちゅう声をかけられます
- さらに音楽の才能があって、バンドメンバーのヘルプをしたり、海外留学を薦められたりします
何その完璧超人!?
「きまぐれオレンジ☆ロード」 2巻 まつもと泉/集英社より引用
勉強はもちろんのこと、
「きまぐれオレンジ☆ロード」 17巻 まつもと泉/集英社より引用
音楽の才能も!
ここまでなんでも出来てしまうと、下手をしたら逆に呆れられてしまうかもしれません。
例えば、優等生のヒロインがまどかと同じスペックを持っていながら謙遜したりすれば、むしろ嫌味なキャラになりかねません。
しかし、まどかは前項3-1で紹介したように、ちょっと不良が入ったクラスのはみ出し者です。
そんな女の子が、実は頭が良くて運動神経も良くて、よく見れば美少女とか(実際にはよく見なくても美少女ですが、人は都合の良いように見ますから)、逆に魅力的だと感じちゃいます。
それも本人は特に誇るわけではなく、謙遜するわけでもなく、さりとて無理に隠しているわけでもなく、ごく自然なのがスマートで格好いい。
ここまでハイスペックだと男の方は引け目を覚えてしまうかもしれませんが、そんなまどかも弱点を抱えています。
それは
お化けとか、怖いのが苦手
って、
何その可愛い弱点!?
いやもちろん、他のヒロインだって怖いのが苦手とかよくある設定ですよ。
でも、クールでちょいワルで完璧超人に見えるまどかが怖いもの苦手って、もうズルいし、弱点というかむしろ武器です。
「きまぐれオレンジ☆ロード」 9巻 まつもと泉/集英社より引用
今でこそ、強いヒロインが実はお化けが苦手とかよくある話ですが、当時は稀少だったと思います。そう、ギャップ萌えです。
普段はリードされてしまうけれど、怖がるまどかなら守ってあげられるし良いところを見せられる。
男としたら、堪らないでしょう。
3-3 実は素直になれない焼きもち焼きの元祖“ツンデレ”っぷりが可愛すぎる!
今でこそ“ツンデレ”なんてキャラクターは当たり前で、むしろもうそんなに流行っていないんじゃない? とも思えるほど世間に浸透しています。
実際に世間的に広く認知されて人気を博したのは『新世紀エヴァンゲリオン』のアスカなのではないかなと思いますが、実際の元祖“ツンデレ”ヒロインはまどかだと思っています。
ツンデレについては今さら説明不要かと思いますが、当時まだツンデレの言葉がなかった時代に鮎川まどかというキャラクターを創り上げたこと自体が凄いことだと思います。
まどかは恭介に対して好意を持っていますが、それを素直に表現することはありません。
妹のように大事に思っているひかるが恭介のことを好きだと分かっているからというのもありますが、それ以上に、まどか自身が生まれついてのツンデレ属性だからです。
「きまぐれオレンジ☆ロード」 8巻 まつもと泉/集英社より引用
普段、特に周囲に人がいるときは恭介に対してクールに、時には冷たく対しますが、二人きりの時は意外と優しくて甘えてきたり、甘えさせてくれたりします。
また、恭介がひかるちゃんなどの他の女の子にデレデレしていると、明らかに機嫌が悪くなります。
自分には関係ない、知らない、といった態度を見せるのですが、恭介はともかく読み手からすれば気になっているのは明白。
というか、明らかに焼きもちを焼いているのに、それを素直に表現することが出来ないまどか。
で、実際は誤解と分かって恭介が自分の所にもどってきて言い訳したりするのを見て安堵したり、余裕が出てきて逆に意地悪したりして。
「きまぐれオレンジ☆ロード」 14巻 まつもと泉/集英社より引用
素直になれないけれど、焼きもちやき。
・・・こんなの、ツンデレ以外の何物でもないじゃないですか!
3-4 年下に見せる大きく包み込む優しさ、そして恭介に対する一途さに惚れないわけがない!
一見、クールでツンとしているまどかですが、その芯は実に心優しい女の子です。
まどかのことを実の姉のように一途に慕うひかるのことを大切に思い、そしてそんなひかるが恭介のことを好きだと知っているからこそ、身を引こうとします。
もしかしたら、それは本当の優しさではないかもしれません。
でも、自分自身の恭介に対する好意をひたすらに隠して悟られないようにして、ひかるの背中を押してあげます。
ひかるが悩んでいる時は相談に乗り、落ちこんでいる時は励ましてと、本来なら恋敵のはずのひかるに対してそこまで出来るのかという姿を見せます。
それは間違いなく、まどかが優しいから。むしろ、優し過ぎるからそんなことが出来てしまうことです。
「きまぐれオレンジ☆ロード」 18巻 まつもと泉/集英社より引用
ひかるに対してだけではなく、基本的に年下に対してまどかは優しく、恭介の妹のまなみからも慕われています。
大人っぽいだけでなく、面倒見が良い姉御肌で頼りになる優しいお姉さんなのですから、好きにならないわけがありません。
優しさに加え、まどかはとても一途です。
まどかが恭介と初めて会ったのは小学生の時。高校生の恭介が過去にタイムスリップしてしまい、小学生のまどかと出会ったのです。
当時のまどかはショートカットで活発でまるで男の子のようで、そう、今のひかるちゃんのような子でした。
「きまぐれオレンジ☆ロード」 16巻 まつもと泉/集英社より引用
しかし、恭介の「女の子はもっとおしとやかで髪の毛も長くて・・・・」という言葉を受け、その日以来スカートを穿いて髪の毛を伸ばし始めるようになります。
そう、まどかの初恋の相手は恭介で、恭介に言われたから自分を変えたのです。
そして、出会った木の下で六年後にまた会おうと、その約束を信じて女の子らしく変身したのです。
「きまぐれオレンジ☆ロード」 16巻 まつもと泉/集英社より引用
なんとまあ、いじらしいじゃないですか。
不良っぽくて夜遊びして男の扱いも慣れていそうに見えて、実は初恋の相手をずっと一途に想っているとか。
優しさと一途さ。
そんなところもまどかの魅力を引き立たせているポイントです。
3-5 見せる姿がくるくると変わるミステリアスで気まぐれな姿に魅了される!
『きまぐれオレンジ☆ロード』の“気まぐれ”とは、まさにまどかを言い表したことだと思います。
教室の中、皆がいる中では物静かでクールで気のない振りを見せているかと思いきや
二人だけの時は笑顔を見せたり、意味深なことを言ってきたり態度をとったり
近づいたかと思えば遠ざかり
自ら触れてきたかと思ったら突き放してきて
恭介だけではなく、まどかのふるまいにどぎまぎしてしまった人も多いかと思います
「きまぐれオレンジ☆ロード」 6巻 まつもと泉/集英社より引用
接している身としては、好かれているのか嫌われているのか分からない。
いや、嫌われているわけではなさそうだけど、かといって好かれているのかと問えばクエスチョン・マークが浮かぶ。
まどかが醸し出すそういう空気は、連載開始直後の恭介と出会った時から持っているものです。
そんなまどかの空気感というのは非常に独特なもので、単に気が強くて素直になれないツンデレだけではなく、同時にミステリアスな雰囲気をまとわせていてそれがまたまどかを魅力的にしていると思います。
「きまぐれオレンジ☆ロード」 6巻 まつもと泉/集英社より引用
それはアニメのOP曲、「オレンジ・ミステリー」の歌詞にも表現されています。
分からないね 君って娘は
優しさだけじゃ縛れない
(作詞: 売野雅勇、作曲: NOBODY、編曲: 鷺巣詩郎/1987年/「オレンジ・ミステリー」FUTURE LANDレーベル からの引用)
つづいて、
Oh Baby、Tell Me Tell Me 近づくほど
Oh Baby、Tell Me Tell Me 君はミステリー
(作詞: 売野雅勇、作曲: NOBODY、編曲: 鷺巣詩郎/1987年/「オレンジ・ミステリー」FUTURE LANDレーベル からの引用)
まさに、という感じ。
親しくなって近づいていくのに、そうするほどに君のことが分からなくなる。
これって、物凄く魅力的だと思いませんか?
知れば知るほど、近づけば近づくほど分かってくることがあるけれど、それ以上に分からない。
もっと知りたく、もっと近づきたくなる。
まだ見せていない表情が、感情が、思いがあるのではないか。
今よりもずっと、魅力的な姿かもしれない。
「きまぐれオレンジ☆ロード」 11巻 まつもと泉/集英社より引用
実際に連載が続いていくに従って、まどかは今まで見せていないような姿を次々と見せてくれました。
まどかが見せるその変化に、多くの読者が惑わされ、魅了され、今まで以上にまどかのことを好きになったのではないかと思います
3-6 バーチャルアイドル性の高まり、新たな魅力を見せてくれたアニメのまどか!
最後に、アニメにも触れておきます。
『きまぐれオレンジ☆ロード』は1987年にアニメ化されましたが、そのアニメ化による影響も大きいと思っています。
なんといっても、
- キャラクターデザイン:高田明美さん
- 声:鶴ひろみさん
というスタッフィングで作り出された鮎川まどかの素晴らしいこと!
高田明美さんといえば日本を代表するアニメのキャラクターデザイナーで、アニメ作品では『うる星やつら』や『魔法の天使クリーミーマミ』などのデザインでもお馴染みです。
その高田明美さんによって描かれるまどかのイラストに魅入られる人続出!
高田明美画集「LA MADONNA」/ホビージャパン より引用
そしてその絵に加えて付いたのが鶴ひろみさんの声です。
鶴ひろみさんといえば、『ドラゴンボール』のブルマ、『GS美神』の美神令子の声などでお馴染みですが、このまどかが一番のハマり役であったと個人的には思っています。
ややハスキーの入った、でも低すぎない声は、大人っぽいまどかに完全にマッチしていました。
『オレンジ☆ロード』は多くの関連商品が発売され、その度に高田さんの描く様々な表情、姿、ポーズをしたまどかが世に送り出されました。
CDのジャケット、ビデオのジャケット、ポスター、特典イラスト、などなど。
その殆どの作品をまどかが飾っており、さながらそれは鮎川まどかのブロマイドのようで、多くのファンが魅了され、手元に置いておきたくて収集していました。
高田明美画集「LA MADONNA」/ホビージャパン より引用
高田明美さんも、まどかのことを「バーチャルアイドルだった」と言われていますが、実際にアニメの曲なども多くにまどかのイメージが浮かびますし、意図的ではなくとも自然とバーチャルアイドルに押し上げられていったのです。
それらに描かれたまどかも、水彩画のようであったり、砂絵のようにぼやかしてあったり、当時のアニメの絵とは思えないものも多くありました。
それがまた、
- 追えば逃げていくような
- ミステリアスで掴みどころのないような
- 存在と非存在の間にいるような
そんな思いを抱かせてくれました。
高田明美画集「LA MADONNA」/ホビージャパン より引用
狙ったものではなく結果論なのかもしれません。
ですが、アニメ化されたオレンジロードが、鮎川まどかを一人のアイドルに育て上げたことに間違いはないはずです。
こうした様々な掛け合わせによって、漫画の鮎川まどかとアニメの鮎川まどかが融合し、まどかがどのような声でどのような仕草をするのかを皆が共通認識を持ち、ラブコメ史上最高のヒロインが誕生したのです。
4.まとめ
長々と鮎川まどかの魅力をご紹介、というか、ただ語ってきました。
- クールで大人っぽい姿に憧れる
- 実は怖がりというギャップが可愛い
- ツンデレの元祖な焼きもちやきさん
などなどをご紹介しましたが、人の魅力を文章で語るのは難しく、ましてや鮎川まどかの魅力を語るに私の文章力、語彙では不足している部分もあるかもしれませんが、熱は込めました。
また、画像に関しても、もっともっと多くの魅力的なまどかが存在しているのですが、紹介しきれませんでした。
作者のまつもと泉さんは残念ながら亡くなられましたが、『きまぐれオレンジ☆ロード』は、そして鮎川まどかはいつまでも残ります。
読めば青春時代に戻れて、また、まどかに会うことができます。
あの頃、みんなが恋した“鮎川まどか”に。
そしてそう、それはまさに
夢のような80’s
このときめきは……忘れない
「きまぐれオレンジ☆ロード」 18巻 まつもと泉/集英社より引用
『オレンジ☆ロード』が持っているものは、全てこのラスト2行に凝縮されているように思えます。
まどかに恋していたあなたも
これからまどかに恋するあなたも
また『きまぐれオレンジ☆ロード』を読んで、あのときめきを、「永遠の夏」の時代を、思い出してみませんか。
マンガフルライターの神門でした。
↓ebookjapanで購読可能です! まどかに会いたくなった方は是非!
おまけ:まつもと泉先生を追悼した作品『金色のミラージュ』の参加執筆陣が豪華すぎる!
まつもと泉先生を追悼した作品(同人誌)が2021年1月22日に発売されました!
その名も、『金色のミラージュ』(まつもと泉 追悼イラスト集 【金色のミラージュ】)
「金色のミラージュ」 岡崎武士/萩原一至
参加されている作家陣が凄まじく豪華で、まつもと先生のアシスタントをされていた
- 岡崎武士先生
- 萩原一至先生
そしてアニメのキャラクターデザインをされていた
- 高田明美さん
は当然のことながら、さらに
- いのまたむつみ先生
- 高河ゆん先生
- 麻宮騎亜先生
- 士貴智志先生
- 江口寿史先生
等々、錚々たる面々が参加されていてファンなら必携の一冊となっています!
そしてなんといっても、掲載イラストにおける、圧倒的な鮎川まどか率!!
様々な先生方の美麗なキャラクター達、そしてコメント等々、是非こちらも見てみてください!!
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