みなさんこんにちは、百合作品も大好きなマンガフルライターの神門です。
百合作品といえば、マンガフルには百合ソムリエの異名を誇るライターの相羽さんがいらっしゃいます。どんな百合漫画がお薦めかは、こちらの記事をご覧ください!
かくいう私も、思えば『マリア様がみてる』に激ハマりして百合作品を読み始めてから、数々の作品を読んできました。
それで分かったのですが、私が好きな百合漫画は百合ギャグだったようです。
それも、ほんのりコメディとかじゃなく、過激だったりハイテンションだったりするもので。
作品で言うなら
- 『ストロベリーシェイク』
- 『明るい記憶喪失』
- 『将来的に死んでくれ』
とかですね。
あれ、『マリみて』が好きで入ったはずなのに、なぜ・・・まあ、それはそれとして。
そんな私が今イチオシの百合ギャグが『スクールゾーン』です。
この『スクールゾーン』、検索すると色々違うもの(普通に学校のスクールゾーンとか、お笑い芸人さん)が多く出てきてしまうのですが、埋もれさせるのは非常に勿体ない!
ということで今回はニンギヤウ先生に従い、あらゆる人間を“スクゾ沼”に引き込むべく、『スクールゾーン』の魅力をご紹介します!
目次
1、『スクールゾーン』ってどんな漫画?
著者 | ニンギヤウ |
出版社 | マッグガーデン |
掲載雑誌 | マグシブ |
掲載期間 | 1987年11月-1989年3月 |
単行本巻数 | 既刊3巻(2021年5月時点) |
ジャンル | 百合ギャグ |
『スクールゾーン』はニンギヤウ先生が無料WEBマガジン『MAGxiv』で掲載をしている、残念な女子高生達が戯れあう残念なスクール☆ライフを描いた、百合ギャグ漫画です。
黙っていれば美人だけど中身はあらゆる意味でアホで残念な横江礼(よこえ れい)と、不愛想で目つきの悪い杉浦契(すぎうら けい)の二人をメインに、色々な女の子達の残念な日常の様子がニンギヤウ先生の特異のセンスで展開されていきます。
ギャグ漫画としても面白いですし、それ以上に百合漫画として非常に尊さを感じさせてくれる、ライターが個人的に大好きな作品で是非多くの人に読んでもらいたいとも思う昨作品です。
公式ツイッターではスクールゾーンよもやま話として、ニンギヤウ先生が読者からの質問に対して回答してくれており、作品内では描かれないキャラクター達の裏設定なんかも分かったりして楽しめます。
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GW中は『スクールゾーン』を読もう!✨#スクゾよもやま話 再開決定!
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明日4月29日よりGWが終了するまで、
毎日 #スクゾよもやま話 をツイートする他、
本作に纏わるいろんな情報を告知します!連休中はよもやま話や『スクールゾーン』を
読んで楽しくお過ごしください😎 pic.twitter.com/s89S7zNgx4— スクールゾーン【公式】 (@sukuzon) April 28, 2021
2、『スクールゾーン』の魅力その1、キャラクター:これが残念すぎる女子高校生達だ!代表で5人をご紹介
本作のキーワード、それは
“残念”
なんといっても、一貫して「残念女子高生達が戯れあう、残念スクール☆ライフ」がテーマですから、残念を抜きには語れません。
何で残念が魅力!?
特別でない会話も、特別でない出来事も、特別でない一日も、残念な女子高校生が全力で行えば魅力になるんです!
いやいや、それじゃよくわからないよ、という方のために、実際に残念な女子高校生達と彼女たちのスクール☆ライフを具体的にご紹介します。
そうすれば、どれだけ魅力的かご理解いただけると思います!
【横江 礼(よこえ れい)】顔面ハーバードの美少女、だけど作中随一の残念女子高校生
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
残念度:★★★★★
残念個所:顔以外全てが残念
主人公の一人である横江礼、この礼こそが作中で最も残念なキャラといって過言ではないでしょう。
黙って立っていれば美少女で男子からもモテる礼ですが、その中身はあらゆる意味でアホの塊です。
考えていることがアホすぎて、他の登場人物からもビビられているくらいです。
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
何も考えていないというか、先のことは考えておらず今が楽しければなんでもオーケイというノリで、その考えていることも殆どが契のことばかり。
契に対する溢れんばかりの思いは、というかときどき溢れて実際にはみ出てしまっていたりもしますが、ドン引きしかねない変態的なもの。
更に、作中随一の美少女設定の癖に、顔面を容赦なく破壊する顔芸をこれでもかと披露してくれます。
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
これを見せられたら百年の恋も冷めるだろうという、
「おいこの作品は百合なんだろう? 美少女なんだろう?」
という疑問を完膚なきまで吹き飛ばす顔を見せます。
「残念美人」という言葉以上の、作中随一の残念女子高校生。
『スクールゾーン』 2巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
【杉浦 契(すぎうら けい)】常に礼と一緒にいて振り回される、何かと裏目に出ちゃうのが残念可愛い女子高校生
『スクールゾーン』 2巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
残念度:★★★
残念個所:考えたことが色々裏目に出る残念さ
礼と並ぶ主人公の一人が杉浦契です。
ショートカットでボーイッシュでとにかく不愛想で目つきが悪く、言葉遣いも男っぽく乱雑な女の子です。
礼と一緒にいるとまともな常識人に見えますし、多分実際、それなりに常識人だと思いますが、礼に感化されて多分感覚は色々と残念になっています。
極度の恐がりで、
- 礼の家で恐いテレビを見てから帰る時、背後を気にしすぎて階段を踏み外して血まみれになったり、
- トイレの花子さんの話をした後に学校のトイレに一人でいけず礼についてきてもらったり、
- 挙句、ドアを開けて歌いながら用を足したり
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
てな感じで残念なところを見せてくれます。
契ちゃんの残念さは
- 恐いものが苦手
- 服のセンスが悪い
- 絵のセンスが壊滅的
といった可愛らしい感じのものばかりです。
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
ただ、それが礼や他の登場人物と交わることでパワーアップする、そういう性質を持った残念さなのです。
【根来 八手(ねごろ やつで)】糸目キャラは何考えているか分からない深慮遠謀タイプが多いが、実は何も考えていない女子高校生
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
残念度:★★★
残念個所:考えているように見えて何も考えていない残念さ
礼と契の友人で、糸目に泣き黒子、黒髪ストレートという、なかなか強力な特徴を保有しています。
登場人物の中では最もまともだと思いますが、部長になってみたかったから他に部員のいない映画研究部を続けていたりする側面も持っています。
ちなみに糸目は滅多に「開眼」することはありませんが、たまに「開眼」するとそこには美少女が……いるかと思いきや、周囲から恐れられるほどの目力を放っていました。
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
糸目のキャラって、何を考えているかよくわからない、策士的なイメージを持っています。
八手もそんな感じに思っていたのですが、基本的には深く考えているようで何も考えていなかったり、その場の勢いだったりして、見た目とのギャップがなかなか残念です。
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
期待していたキャラと違う!
って。
【日生 椿(ひなせ つばき)】重度のシスコンでコミュニケーションに難のある優等生な女子高校生
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
残念度:★★★★
残念個所:ヤバいくらいのシスコンとコミュニケーションの下手さ加減の残念さ
映画研究部に所属している八手の後輩の女の子です。
真面目な性格ですが周囲とのコミュニケーションが苦手で友人があまりいません。
椿には柊という双子の妹がいますが、柊の盗撮写真を財布にもっているほど重度のシスコンですが、肝心の柊との関係性は最悪(嫌われている)
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
顔も性格も良いのにマイナス思考で自分に自信がない、だけど意外と無神経にずかずかと人の懐に入っていっちゃったりもします(人との接触に慣れていないから距離感がつかめていないものと思います)
なんとか妹の柊と仲良くなろう、コミュニケーションを取ろうとしますが、その接し方も非常に残念。
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
だというのに、どんなに酷いことを言われても、酷い態度を取られても、それでもコミュニケーションを取れたぞ☆
と思っちゃったりする、勉強やスポーツ以外の言動では優等生とは思えない残念さを披露してくれます。
【藤 まつり(ふじ まつり)】真の善人になるべく日々奮闘する空回り女子高校生
『スクールゾーン』 2巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
残念度:★★★★
残念個所:色々と
八手のクラスメイトの女の子。
いつもおどおどしていて、真の善人になるべく日頃から一日一善を心がけています。
それだけ聞くと良い子だと思うかもしれませんが、自分の言動についていつも考えているためか不眠症で、常に目の下に大きな隈を作っているほどです。
無意味に生真面目で、UFOキャッチャーでぬいぐるみを取るため店員さんに調整してもらうのも良しとせず、8万円以上もつぎ込んでしまったりしてと、とにかく礼とは異なる方向で思考が変なのがこのまつりなのです。
そしてそのゲーセンで出会った店員の岸屋さんを尊敬し崇め奉っています。
『スクールゾーン』 2巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
素直というか純粋というか・・・
いや、真の善人ってなんやねん!?
クラスメイトの八手も突っ込みまくりの残念さです。
『スクールゾーン』 2巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
もちろん他にも魅力的な登場人物が沢山いますが紹介しきれないので本記事ではここまで。
気になる方は是非、本作を手に取ってください!
3、『スクールゾーン』の魅力その2、群像劇:小さなエピソードを積み重ねて変化していく人間関係が秀逸
『スクールゾーン』はギャグ漫画ですが、一方で女子高校生達の群像劇でもあります。
そしてその群像劇としての見せ方がとても優れています。
『スクールゾーン』には物語を彩る登場人物が十人以上存在します。
それを一気に見せられると混乱しかねませんが、この作品では基本的に2~3人で構築された関係性を、数ページのショートストーリーの中で描く形にしています。
色々なショートストーリーが展開されていくのですが、それぞれの関係性は固定された少人数で構築されているので、複数が同時展開されても混乱をきたさずに読み進められます。
2~3人という少人数なので、わずか数ページのショートストーリーの中でも互いの関係性は確実に進んでいきます。
そしてショートストーリーだけにテンポよく幾つもストーリーが積み重なっていき、話が進んでいくごとに人間関係が変化していく様も良くわかります。
これは非常に上手い手法で、人間関係の閉じられた輪が複数存在して進んでいく感じです。
しかも、その輪はそれぞれ独立していながらも、完全に離れているわけではなく輪郭同士が接触していたり、僅かに重複していたりと、他の輪との関係性も感じさせてくれます。
- 礼と契
- 礼と契と八手
- 八手と椿
といった感じの関係の輪が複数作られ、並行してそれぞれのシナリオが進んでいく感じです。
たとえば、椿と要とひな子の関係性の変化を見ていきます。
- 椿:陰キャの優等生
- 要:”かわいいは正義”な明るく派手なギャル
- ひな子:要と一緒にいるギャル
もともと、小心で人とのコミュニケーションに難のある椿とギャルの二人では接点などありませんが、椿と要が日直でコンビを組むことになって関係性が始まります。
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
その時初めて要は椿の顔を良く見て、椿が「可愛い」と知ります。
可愛いは正義という要にとって、この瞬間から椿の存在が自分の輪の中に入ることになりました。
椿もまた要と接点が出来たことから、八手に映画研究部の新入部員勧誘を命じられると二人に声をかけたりするようになります。
要とひな子はギャルで今までなら理解不能な相手でしたが、話しかけることが出来るようになったのです。
『スクールゾーン』 2巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
一方で要のギャル友のひな子は、要が椿に興味を持ったことが面白くありません。
要のことが大好きで、要と一緒にいる時間を大切にしたいと思っているような女の子です。
ひな子の性格的にも、真面目で小心で常におどおどしている椿は苦手というか、嫌いと断言しています。
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
しかし要が椿のことを気にしているため、ついひな子も椿を目で追いかけてしまいます。
すると、トロくておどおどしている椿は、弟がいて世話焼き体質のひな子からしてみたら放っておけないのです。
気にしないようにしようとしても、自分の言動でもしかしたら椿が変な方向にいってしまうんではないかと気に病んでしまい、要と一緒にいるときまで椿のことを考えるようになってしまいます(この辺の流れがたまりません)
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
椿のことが心配になって電話をかけて、そのことを学校に行ったら要にからかわれて。
ちょっとずつ距離が近くなって、ついには一緒に遊びに約束をするようになって。
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
書いていくと決して特別なことなどないことですが、それらがショートストーリーとしてちょっとずつ描かれて積み重ねられていきます。
他のエピソードを間に挟んでいても、彼女たちの話は閉じているので混乱することなく、むしろ間に他のエピソードを挟むことで作品内でちょっと時間が経過し、その間にまた少し関係性が変化したんだなと想像しながら読むことが出来ます。
また、閉じた関係性と説明しましたが、実際には椿が要やひな子と関係性を持つことで妹の柊に対する接し方に変化が出たり、要と八手の関係性を匂わせたりと、他の人間関係にも当然ながらちょっとずつ影響を与えたりもしていて、読んでいたキャラ達の輪だけでなく、他のキャラ同士の関係の輪もどう変化していくのかを楽しみにさせてくれます。
4、『スクールゾーン』の魅力その3、百合:ギャグの下に存在する真摯な百合! 描かれる様々なカップリングの関係性の変化に身悶えする
『スクールゾーン』は百合ギャグ漫画です。
ギャグの要素が結構強いのですが、読み進めると非常に真摯に百合を描いていることが分かります。
ギャグなんですが、百合をギャグで終わらせておらず、きっちりと女の子達の性格、思考、行動を踏まえて関係を作り上げています。
また、前項3でご紹介したように細かいストーリーを積み重ねていくことで1巻→2巻→3巻とどんどん加速する百合!
変化していく関係性は、読んでいるとそれはもう身悶えするほどです。
ここでは具体的に個人的お薦めカップリングを4組ご紹介します。
【礼と契】:繊細な関係性の上に築かれた現在。変態的な言動の裏に隠された礼の思いが切ない
メインカップリングは礼と契の二人です。
この二人の関係性は、鈍感すぎる主人公(契)と、主人公に対する好意だだ漏れのヒロイン(礼)で、周囲はバカップル、夫婦と思っているけれど本人たちだけそう考えていない、という王道に近いものです。
『スクールゾーン』 2巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
ただそう見えづらいのは、礼の変態性が強すぎるためでしょうか。
礼の契に対する愛情は非常に強烈なのですが、礼の奇行が凄まじいためになかなか王道カップルと見えないのですね。
この二人はもういつも一緒にいるのが当たり前、二人でセットみたいなところがありますので、お前らそれもう恋人ってゆうか夫婦だろ!
みたいに突っ込みたくなる普段の生活が一つのポイントです。
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
ただ、実は二人の関係性の真骨頂は別にあります。
礼の変態的な言動ばかりが目につきやすいですが、この二人の百合、実際には非常に繊細な関係性の上に成り立っています。
白眉だったのは、中学生時代の二人のことを描いていた#49の話です。
『スクールゾーン』 2巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
普段の礼の言葉や行動の裏に隠されているものが露わにされるのですが、ギャグで突き進んできた中でこういうシリアスな話を差し込まれると、それ以前のエピソードも見え方が変わってきます。
こうした、時に見せる礼からの契に対する思い。
そしてまた、時に契が礼のことを考えるシーン。
多くのギャグの間に挟みこまれるそれらのシナリオ、シーンが、二人の百合をより強いものに見せているのです。
『スクールゾーン』 2巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
【ひな子と椿】:陰キャとギャルが次第に仲良くなっていく姿が堪らない二人
現在イチオシのカップリングがこの二人!
ギャルと引っ込み思案の陰キャの優等生という、黄金カップリングです!
もともと、ひな子は同じギャル友達である要と仲良しカップルでいたのですが、要が椿に興味を持ったことから二人の関係が少しずつ変わっていきました。
最初は要が椿のことを気にするのが気に入らないひな子でしたが、要が椿と接することで必然的にひな子も椿と接する機会が多くなってきます。
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
すると、弟がいるお姉ちゃん気質のひな子は椿のことが徐々に放っとけなくなります。
そしてついには二人でデート!
本来は要と三人で約束していたのが、要が寝坊して約束をすっぽかしたことから二人で遊ぶことになり、そこから急接近!
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
ショッピングセンターで店員の声かけから逃げられない椿は、迷子にならなくて済むよう手を繋いで欲しいとお願いするのですが、ショッピングセンターを出ても当然のように手を繋ぎ続ける二人。
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
大好きな要のことも忘れて椿と遊びに夢中になり、絶対に合わないと思っていたはずの椿に、自分からまた今度二人で遊ぼうと誘っちゃうひな子。
ここまでの流れが堪りません・・・!
前項、3.群像劇 で椿と要とひな子の関係性の深化を説明しましたが、複数のエピソードを積み重ねて関係性を深めていくからこそ、デートのエピソードは思わず身悶えしてしまうほどに感じます。
世間知らずでコミュ障気味でおどおどしている優等生の椿を、ギャルのひな子がぐいぐい引っ張っていくけれど、いつの間にかひな子の方が椿を強く意識し始めていたりして。
無意識にギャルを魅了する椿も可愛ければ、なんだかんだ世話を焼くひな子も可愛い!
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
今、最も尊みを感じるカップルです!
【柊とれん】:能天気な女子に、自分が周囲に作っていた壁を壊されていくクール女子という関係性がGood!
椿の双子の妹である柊は、椿の通う高校とは違う立陵東女子高校に通っています。
クールな容姿をしているため女子校では王子様的なポジションになっていますが、近づきがたい雰囲気を放っているので友人と呼べる人はいなくて孤高の存在になっています。
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
そんな柊の放つ人を寄せ付けないオーラを軽々と突き破ってくるのが、転入生の空木れんです。
クール女子×能天気女子
これまた鉄板です!
クールで人を寄せ付けない子には、空気を読まないでどんどん懐に入り込んでいって、最初はウザがられながらもいつしかそれが心地よくなってくるという、鉄板の流れを楽しめます。
『スクールゾーン』 1巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
また柊は姉の椿のことは毛嫌いして酷い対応をしますが、だからといって他人の気持ちを思いやれない子ではありません。
れんのことを思い、自分の行動がれんをどのような気持ちにしているかを考えたりもして、なんだかんだとれんのことが気になる存在なのです。
二人の関係はまだこれからかもしれませんが、クール女子が更にどう変わっていくのかも楽しみなカップリングです。
【まつりと岸屋】:年上の綺麗で優しいお姉さんに憧れつつ、お姉さんの方も少しずつ影響を受けていくのが良い
真の善人になることを目指し、一日一善を心がけている藤まつり。
そんなまつりが尊敬してやまないのが、ゲームセンターでバイトしている岸屋さんです。
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
高校生×大学生!
学校を舞台にしている中で、学校の外で働いている年上のお姉さんとのカップリングというのもまた良いものです。
二人の関係はまだまだこれからといったところですが、バイトに嫌気がさしていたところ、まつりの意味不明な言動がツボにはまり、次第にまつりと深くかかわり出す岸屋さん、というところがなんとも堪りません。
最初は学生のまつりの方が岸屋さんに熱を上げ、最初は変な子だなぁと思って鬱陶しいような感じていた岸屋さんが徐々にまつりに惹かれていく、その流れが良いですね!
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
岸屋さんに対して一方的に憧れ、自分のイメージを押し付けているまつり。
一方で岸屋さんは、そんな人間ではないと言いつつも、まつりの存在になぜか元気づけられ、嫌だったバイトもしばらく続けようと思います。
今はまだ、まつりからの一方通行かもしれませんが、もしかしたらやがて岸屋さんの方がまつりに依存するようになるかもしれない、そんなことも思わせる二人です。
『スクールゾーン』 3巻 ニンギヤウ/マッグガーデンより引用
もちろん、他にも気になるカップリングは存在します。
立陵東女子高校の柊と芥見先生の生徒×教師であったり、賢木生徒会長とれん、あるいは賢木生徒会長と芥見先生とか。
この辺も本来は目が離せないのですが、まだ描写がそこまで多くないのでこれからに期待です!
5、まとめ
世間にはまだまだ面白い作品があることを知ってもらいたく、『スクールゾーン』をご紹介しました。
少しでも魅力が伝わったなら嬉しいです。
何か特別なことがなくても、残念な女子高生達が全力で戯れる残念スクール☆ライフは、それだけで輝いて見えます!
ニンギヤウ先生の提唱する、“人類総スクゾ沼計画”(提唱していない)に少しでも貢献出来たら嬉しいマンガフルライターの神門でした。
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