みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『気になってる人が男じゃなかった』
です。
主人公の一人は今どきの女子高校生・あや。
髪を染め、ネイルを塗り、アクセサリーやおしゃれで自分自身を彩る、いわゆる陽キャでギャルです。
そんなあやですが、好みの音楽に関してだけは仲の良い友人とは話が合わないため、自分が好きな音楽については内緒にしています。
その好きなジャンルとは、ニルヴァーナやレッド・ホット・チリ・ペッパーズやフー・ファイターズといったアメリカのロックバンド系です。
好きなジャンルのこともあり、あやは音楽は一人で聴き、一人で楽しむタイプでした。
だけどそんなあやの前に現れたのが、たまたま見かけて入ったCDショップの店員さん。
いつも黒ずくめでミステリアスなそのおにいさんのことが気になっていて、あやは密かにそのおにいさんのことを推していました。
そんなある日、ヘッドフォンが髪にからまってしまったところをおにいさんにさらりと助けてもらったことで、あやはおにいさんに完全に恋に落ちてしまいました。
ところか、その恋したお兄さんというのが、実はクラスで隣の席に座っている眼鏡の冴えない女子高校生・みつきでした。
ギャルが苦手なみつきはいたたまれずに自分の正体をバラそうとしますが、なぜか無意識にあやを口説くイケメン属性を発揮してあやはさらに沼に!
と、二人の女子高校生みつきとあやを中心に描いた作品です。
「気になってる人が男じゃなかった」 1巻 新井すみこ/KADOKAWA より引用
ダウンロード全盛となりCDが売れなくなっている現在、CDショップというもの自体が激減していますよね。
そんなCDショップでバイトしている女子高校生と、CDショップに通う女子高校生、というのが渋いですね。
そして絵から、キャラから、良い雰囲気が伝わってくる作品です。
ギャル×地味女子 のカップリングな百合なわけですが、地味女子のみつきがバイト先ではガラっと変わってイケメンになる感じが良い。
女子でもメンズの格好をしてやたらイケメンになる人、いますよね。
学校でも、地味女子でありつつも、ふとした瞬間に生まれついての(?)イケメン属性を発揮したりもして。
音楽系の地味女子で、好きなのはニルヴァーナ。
同じくニルヴァーナ好きのギャルと仲良くなっていく段階とかこれ最高な感じです。
そして学校でも、少しずつあやとみつきの距離も近づいていきます。
「気になってる人が男じゃなかった」 1巻 新井すみこ/KADOKAWA より引用
序盤は、あやはみつきの正体を知らずにみつきだけが一方的にあやのことを知っているわけですが。
途中でみつきの正体にあやが気がつき、そこから二人の仲は微妙な感じに。
それまで友達のいなかったみつきにとって、あやという存在はいつの間にか大きくなっていて。
学校で喧嘩をして気まずくなってしまい、でもそのままにしておきたくない。
ちゃんと友達になりたいと、みつきは願うようになったのです。
みつきは学校ではボッチキャラですが、周囲に流されることなく自分自身を貫くタイプです。
ただそれ故に周囲とうまくいかないこともあり、人との関係を避けるようになった感じ。
下手くそな人との付き合いを、あやという存在で改めて始めていくところもまた良いですね。
「気になってる人が男じゃなかった」 1巻 新井すみこ/KADOKAWA より引用
ただ、ギャルが地味子と仲良くなると、今度はもともとあやと仲の良かったギャル友達にとっては気分のよいものではなく・・・
二人だけの関係性だけでなく、そういう周囲の世界についても描かれ、そんな中でどのような絆を作り上げていくのか。
そういうところもこの先楽しみにしたいと思います。
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