みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『アマチュアビジランテ』
です。
主人公の尾城慎太郎は39歳。
低学歴、低収入、日雇い警備で日々を凌ぎ、勤め先と住居であるぼろい団地を往復するだけの日々。
社会から断絶した尾城は、世の中を良くするために政権与党の中心となる政治家を暗殺しようと日々トレーニングを続ける。
そしていざ、一週間後に決行を決意したところを隣家の子供・ヨツバに目撃されてしまう。
尾城の秘密を誰にも言わないかわりに、毎日おやつの賄賂を渡すことに。
「アマチュアビジランテ」 1巻 浅村 壮平 (原著), 内藤 光太郎 (著)/講談社より引用
思いがけない子供との交流がありつつも尾城の決意が揺らぐことはなく決行の当日、ヨツバが親の借金のカタとしてヤクザに攫われる。
本来なら政治家を殺すはずだったが見捨てることは出来ず、尾城は単身でヤクザの事務所に乗り込むことに。
そして、あっという間に事務所にいた8人を殺してしまう。
尾城は殺しの天才だったことを自覚します。
「アマチュアビジランテ」 1巻 浅村 壮平 (原著), 内藤 光太郎 (著)/講談社より引用
しかし、ヤクザを殺してしまいそのままでいられるはずもない。
メンツをつぶされたヤクザは尾城を標的に追いかけてくる。
尾城は追いかけてくるヤクザを迎え撃ちながら逃げる。
果たして尾城の行き着く先は?
といった作品です。
物語の初めを読んでどうしても思い起こしてしまうのは、”アノ事件”
でもちょっと進むと全く違ったモノであり、むしろ政治色は今のところ少ないアクションエンタメ作品です。
主人公の尾城は思い込みが強く、自分の今の境遇は政治が悪いせいだと確信し、本気で自分が世の中を良くしたいのだと思い、だからこそストイックに自分自身を鍛え上げている。
「アマチュアビジランテ」 1巻 浅村 壮平 (原著), 内藤 光太郎 (著)/講談社より引用
それは全て、きたるべき革命の日、決行の日に向けて。
ここまでは完全にイカれたテロリストの思考のようだけど、それを変えたのが隣家の少女、ヨツバ。
その家も大家族(母親は8人の子持ち)で、しかもシングル、まともな家族なわけもない。
だけど子供はあくまで子供であり、純粋。
ヨツバとわずか一週間の交流だったけれど、そんなヨツバたちもまたある意味で社会の犠牲者だと考えたのかもしれない。
本来なら放っておけばよいだけなのに、借金のカタにヤクザに攫われたヨツバを放っておけず助けにいくことに。
単なるヤバイやつと思いきや、結局その辺の甘さも残る行動原理があることで、考え方は極端かもだけどなんだかんだ普通の人間のところもあると思わせる。
まあ、そういう甘いところがあるからこそ、尾城の考えたストーリーも狂い始めるのですが。
「アマチュアビジランテ」 1巻 浅村 壮平 (原著), 内藤 光太郎 (著)/講談社より引用
そこからは、一気にアクションへと突き進む。
一般人のはずが殺しの天才!?
とは思ったりもするけれど、殺しの才能なんてのは日常生活ではわからないもの。
命を懸けるその場になって初めて明確になるものなのかもしれません。
相手を容赦なく殺すことができる。
もしかしたらそれが一番の才能なのかもしれませんけどね。
ヤクザの事務所を潰したことで、その上部組織である「黒布会」が尾城を追いかけ始めます。
相手はプロ、尾城は素人。
それでも目覚めた殺しの才能で迎え撃つ。
政治家ではなく、金の為なら殺しでもなんでもする悪の組織を潰すことこそ自分が討つべき敵だと信じて。
「アマチュアビジランテ」 1巻 浅村 壮平 (原著), 内藤 光太郎 (著)/講談社より引用
「ビジランテ」とは、自警団の意味。
権利の侵害が強く想定される場などにおいて、司法手続によらず自らの実力行使をもって自己および共同体の権利を維持確保するために結成される組織
と、Wikiで書かれている通り、あくまで尾城が自分を守るための活動として物語は展開するのか。
それはこれから先のお楽しみですね。
スピーディで分かり易いアクションはみせてくれます。
表紙にヨツバが描かれていたので、オッサン&少女といった鉄板モノ(「レオン」のような)かと思いきや、そうではないようで。
ま、母親もいるし少女連れて逃げきれるわけもないだろうから、そりゃそうだ、なのですが。
一人で戦い続けるのか、自警団というくらいですから仲間もできるのか?
そこも含めて注目していきたいです。
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