みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『僕だけが知ってるんだぜ』
です。

主人公の平家和玖は中学生までは神童と呼ばれるほどでしたが高校に進学すると勉強についていけなくなって一年引きこもりに。
だけど、そんな自分から生まれ変わるため新しい学校へと転校することに。
その転校先の学校で出会ったのが、クラスメイトの小裏さん。
彼女は有名なモデル・あかりんの妹で、姉のあかりんと同じくクールで同級生達からも一目おかれているような存在。
・・・なのだけど。
転校先での最初の挨拶で失敗した和玖が一人、体育倉庫でカップラーメンを食べていると、なぜかそこに小裏さんが!?
カップラーメンを食べたことがないという小裏さんにラーメンを譲ることから始まる二人の関係。
そこで知る小裏さんは皆が言うようにクールで孤高な存在ではなく、笑顔が下手で笑う練習をしていたりするちょっと変な女の子。
そして、小裏さんも二カ月前に転校してきたばかりで、友達作りを頑張ろうとしている普通の女の子。
小裏さんのことを知った和玖は、いつしか小裏さんのために何かをしたい、頑張りたいと思うように。
ちょっと不器用だけど、変わりたい、自分を変えたいと思う二人が少しずつ変わっていく姿を描いた青春ラブコメ作品です。
二人とも、自分を変えたい、変わりたいと思って・・・
「僕だけが知ってるんだぜ」 タアモ 1巻/講談社 より引用
ラブコメ作品としては、ごく普通の主人公の前に都合よく可愛いヒロインが!
的な話ではあると思うのですが、だがそれが良い。
主人公の和玖は確かに、今のところこれといって何か凄いものを持っているわけではない。
外見だって特別にイケメンではなく普通、勉強では前の学校で落ちこぼれ、運動も出来そうでもない。
だけど、自分を変えるために、そして小裏さんのために頑張ろうと思ってそれをすぐに実践する勇気と行動力を持っています。
- 最初の挨拶で失敗したけれど、小裏さんとクラスメイトの距離を縮めようと自ら声をかけて親睦会を開催したり
- 皆の前で、小裏さんが笑うことを肯定したり
- クールでいる姿よりも、笑っている時の方が良いと伝えたり
ひとつひとつはそれほど大きな事ではないかもしれないけれど、どれも実際にやろうとすると物凄く勇気のいること。
特に、かつて失敗して引きこもり経験のある和玖が新たな地で行動するというのはかなりのことだと思います。
その行動にはもちろん、少しは下心はあるかもしれない(小裏さんは可愛いから)
でもそれ以上に和玖の純朴さ、真っすぐさがとてもよく応援したくなります。
これを言えるなんてたいしたもの! 頑張っている和玖
「僕だけが知ってるんだぜ」 タアモ 1巻/講談社 より引用
ヒロインの小裏さんにかんしても、なんでこんな可愛い子が主人公のことを!?
と思わせない描き方をしてくれています。
小裏さんの心情であったり、家庭環境であったり、学校以外でのことであったり。
そういったものが描かれるから、和玖の言葉や行動が小裏さんに刺さり、小裏さんの心を動かしているのだということが分かります。
だから小裏さんも和玖の傍に自然といられるのではないかと思います。
まだ恋愛感情というよりは、初めて出来た友達、といった感情の方が強いと思いますが。
小裏さんの中で和玖の存在が他の皆とは違う枠にいることは確実。
他の皆の前では見せることのない姿を和玖にだけ見せているというのが、その証。
こんな笑顔向けられたら、「ぐわあああ」ともなりますわ!
「僕だけが知ってるんだぜ」 タアモ 1巻/講談社 より引用
連絡先を交換したり。
二人で買い物に出かけたり。
ちょっとずつ変わり、ちょっとずつ近づいていく二人。
なんというかもう、ずっと見守っていたくなります!!
今どきなかなかピュアすぎる二人に思えますが、うん、やっぱりそれが良い!
ということで、是非、おすすめです!
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