みなさんこんにちは! 「マンガフル」ライターの神門です。
以前、「2020年はこの漫画がくる!5人のライターが2020年一押しの作品を熱く紹介!」の記事を公開しました。
今回は、2020年を終えて、
実際にライターが2020年に読んだ漫画の中でNo.1はコレだった!
と選んだ作品をご紹介します!
どの作品も当然ながら、絶対的にお薦め出来る作品ですので、是非、手にとって読んでみてください!
後悔はさせません!
目次
1、『ドロヘドロ』 / 脳内麻薬分泌不可避!スカッと爽快で愉しい超娯楽バイオレンス作品
作者 | 林田球 |
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出版社 | 小学館 |
掲載誌 | スピリッツ増刊IKKI、月刊IKKI、ヒバナ、ゲッサン |
掲載期間 |
2000年11月30日 – 2018年9月12日
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巻数 | 全23巻 |
魔法と人外が行き交うファンタジーであり、謎が謎を呼ぶスリラーであり、血と暴力に彩られたスプラッタアクションでもあるッ!
頭がワニで記憶喪失の男・カイマンと腕っぷしの強い中華料理屋の女店主・ニカイドウ。
二人はカイマンの記憶を取り戻すため、凶暴かつ強力な人種「魔法使い」狩りをしている。
いつしか二人は魔法使いの本拠地へと旅立ち、現れる強力な魔法使いをなぎ払いながらカイマンの謎を追っていく。
フラフラ旅して人がバンバン死に内臓がドンドン出る超娯楽バイオレンスアクション、それがドロヘドロ!!!
2、『ちかのこ』/ 作中に描かれる珠玉のエピソードから「家族」の情味を味わえる、日常系異種族同居コメディ
作者 | らぐほのえりか |
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出版社 | 廣済堂出版 |
掲載誌 | pixivコミック(MANGA pixiv)/『E☆2(えつ)』 |
掲載期間 | 2015年~ |
巻数 | 既刊5巻 |
『すくりぞ!』や『温泉むすめ』関連のお仕事など、「癒し」や「和」の表現には定評があるらぐほのえりか先生が贈る、ちょい百合ハートフル仲良し日常系コメディ漫画です。
「pixivコミック(MANGA pixiv)」で話の区切りごとのまとめを連載しつつ、ほぼ毎日(土日以外)1PずつTwitterで更新されていた漫画です。
2021年の現在は、雑誌『E☆2(えつ)』でまとまったエピソードが掲載されるように移行しておりますが、メインエピソードの雑誌連載にとどまらず、WEBやpixivFANBOXでのイラスト・漫画の公開、即売会イベントでの同人誌版の頒布などなど……といったカタチで展開されており、もはやその「自由」さにおいて、発表形式も天衣無縫(てんいむほう)になってきた、摩訶不思議作品です。
ちょっと内気だった主人公の千条ノコ(ちじょう・のこ)の日常は、ある日アパートの地下からおもむろに出てきた地底人の内野チカ(うちの・ちか)と出会ったのをきっかけに少しずつ変わりはじめて。
- 天上人の天使ポイ(あまつか・ぽい)
- 地上人(?)の都合マキナ(つごう・まきな)
- 悪魔の亡藤メア(ないとう・めあ)
……と、通称「ノコハウス」で一緒に暮らす、仲良しな友だちも増えていきます。
彼女たちと出会い、そして共に過ごしていく、ちょっと不思議で、ちょっと百合な、何気ないけどかけがえのない日々が描かれていく、異種族同居コメディです。
昨年2020年には5周年をむかえました。
第5巻も発売されて、気がつくと何だかそこにあるような謎の広がりをじわじわと見せている作品です。
(今回は2020年に発売された第5巻の話を中心に)
『ちかのこ』第5巻のテーマは「家族」です。
今巻の冒頭、新キャラの「クロ」――ノコが昔拾ってしばしの間共に過ごしたネコが人間化して(?)「ノコハウス」にやってきて、日常のような日常じゃないような、少し不思議ないつもの『ちかのこ』ワールドにあなたは誘われていきます。
昔、一緒にいたネコ?
そんな大切で、でも厳しい現実の流れの中で絶ち切られざるを得なかったような「家族」が、僕(読者)にもいたような、いなかったような?
そんな不思議気分に微睡んでいるうちに、エピソードはちょい百合風味な天使のポイと悪魔のメアの子供の頃のエピソードに。
天使のポイと悪魔のメアは、幼なじみです。
昔一緒にいたクロの存在と同様、幼かった頃のメアがポイに贈ったというポイの髪飾り(ポイは、今も身につけているのです)は、子供の頃から現在まで続いている二人の精神的な繋がりの象徴といえるかもしれません。
一方リアル読者の僕らは、
- 何だか最近、昔仲が良かった友人と連絡とか、取ってないような……。
- それどころか「家族」とも、リアルでは離れて暮らしているという人も多いような……。
当たり前過ぎるゆえに普段は忘れてしまっていた大事なもの。
なくしてしまった忘れ去られていた髪飾りを、クロ(――子供時間的「繋がり」の象徴でもある)が見つけるという物語構造になっているエピソードで、僕たちは幼なじみ百合の尊さ(え!?)を改めて確認します。
途切れないものもあるのかもしれない。
そんな想いを獲得したところで。
今巻前半のエピソードで紡がれた「繋がり」がホンモノなのかを確かめるように、この世界で生きる理由をノコに(そして読者にも)問う珠玉のエピソード、「寄せ鍋ダークネス」へと物語は流れ込んでいきます。
元は同人誌で発表されたこのエピソードはとにかく「すごい」ので、個人的にはこのエピソードを目撃するためにだけでも『ちかのこ』の第1巻から第5巻までを読む価値があると思います。
ラスト、試練を経過したノコに訪れるのは、家族のような存在――、チカ、ポイ、マキナ、メア、クロたちと一緒に過ごす、ある何気ない冬の「さむい日」。
おもむろに他の作品を引き合いに出すのは憚られる面もありつつあげてしまうと、『涼宮ハルヒ』シリーズ(作品への影響関係はさておき、らぐほのえりか先生も『ハルヒ』を好きな作品の一つにあげておられたりします)で何気ない雨の日の時間を描いた、名話「サムデイ イン ザ レイン」を眺めるような静かな心持ちで、ノコが過ごすある冬の寒い日を見守って……。
ノコのラストのセリフは。
「なんだ……今日はあったかいんじゃない」
ノコがどうして「あったかい」だったのかに想いを馳せながら、そっと本を閉じ、本巻の余韻、おそらくはあなた自身にも残留していたかもしれない「家族」の情味を味わいながら、あなたの日常へと帰還して頂けたらと思います。
『ちかのこ』は現在(2021年2月時点)、コミックス第4巻収録部分くらいまでは「pixivコミック(MANGA pixiv)」で無料で読むことができます(コミックス用の描き下ろし漫画やおまけページなどはコミックス版のみの収録となっております)
是非、この楽しくて自由で幸せな漫画に触れてみて頂けたらと思います。↓
3、『僕とロボコ』/ 往年のジャンプファン必読!爆笑必至!超濃度の新旧作品パロディギャグ漫画
作者 | 宮崎周平 |
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出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
掲載期間 | 2020年〜連載中 |
巻数 | 既刊2巻 |
西暦20XX年。
美少女メイドロボ「オーダーメイド」が普及した世界で、平凡な小学生の平凡人(たいら ぼんど:通称「ボンド」)とドジっ娘オーダーメイド・ロボコの可笑しすぎる日常を描いたギャグ漫画です。
設定は『ドラえもん』のパロディで、
- のび太風なボンド
- ドラえもん的ポジションのロボコ
- ジャイアン風なガチゴリラ
- スネ夫風な金尾モツオ
- しずかちゃん風な円(まどか)ちゃん
が登場。
おかしな言動や挙動をしまくるロボコ達にボンドがツッコミまくります!
2020年を振り返ると、
- 5月『鬼滅の刃』
- 6月『約束のネバーランド』『ゆらぎ荘の幽霊さん』
- 7月『ハイキュー!!』
と長く続いていた人気作が1月おきに完結していき、ジャンプ愛読家としては
「なんかどんどん寂しくなるな~。てか、ジャンプ大丈夫?」
なんてことを思ったりしたんですけど…
そんな心配はご無用でした。
「次にくる漫画大賞2020」にも選ばれた『アンデッドアンラック』や『マッシュル -MASHLE-』など話題の新連載作品が登場。
そしてなんと言っても今回おすすめする『僕とロボコ』の連載が始まったんです。
これぞギャグ漫画!
というコミカルタッチで描かれるキャラクターはみんな魅力的で、
- まるまるとした表情とは対照的なイカつすぎる膝をもち…破天荒な言動行動ばかりしてるのに、「誰もそんなとこ気にしてないわ!」というようなところを気にする繊細な面も持ち併せているロボコ。(そしてその繊細さがまた次のハチャメチャな行動につながっていく…)
- 一見ボンドに嫌がらせをしているようで、実は誰よりもボンドの成長を願う友達思いでいいヤツすぎるガチゴリラとモツオ。
個性の強い愛されキャラたちに初回から大いに笑わせていただきました。
そして毎週読み進めていくうちに確信しました。
『僕とロボコ』は、往年のジャンプファンが今一番笑えるパロディギャグ漫画だと。
『ドラゴンボール』〜『呪術廻戦』まで新旧ジャンプ人気作品のパロディネタを
「こんなに乱発して他の先生方に怒られないんですか?」
と心配になるぐらい連発。笑
そもそも設定が『ドラえもん』のパロディですし、この作品の一番の醍醐味はパロディと言っても過言ではありません。
- 山王戦での花道と流川のハイタッチ
- シャンクスがルフィーに麦わら帽子を託すシーン
ついつい作品を読み返したくなる伝説の名シーンが、ふんだんに面白おかしく織り交ぜられています。
往年のジャンプファンが思わずニヤニヤしたり、腹抱えて笑っちゃう作品です。
ぜひお楽しみください!
4、『2.5次元の誘惑』/ お色気だけじゃない!コスプレを舞台に努力・友情・勝利がぎっちり詰まった燃える熱血青春物語
作者 | 橋本悠 |
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出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 少年ジャンプ+ |
掲載期間 | 2019年~連載中 |
巻数 | 既刊8巻 |
コスプレを題材にした、とにかく読んでいて”熱く”なれる作品です!
主人公の奥村は、2次元のキャラクターであるリリエルだけを愛する生粋のオタク。
そんな奥村の前に現れたのは、リリエルになりたいというリリエルを愛する少女リリサ。
奥村は、リリエルになりたいからとリリエルのコスプレをするリリサ(ややこしいな!)のカメラマンとなり、二人でコスプレの世界に足を踏み入れていきます。
二人とも完全なるオタクだけど、コスプレについては初心者で、分からないことやアクシデントがありながらもコスプレの世界にどっぷりとはまっていきます。
奥村とリリサを中心に繰り広げられていく、コスプレを介した成長ものであり、熱血青春物語です!
2020年のNo.1と選んだのは『2.5次元の誘惑』です。
- コスプレ
- 美少女
ときたら
- お色気がメインのエロ作品じゃないの?
- どうせハーレムラブコメでしょ?
なんて思う方も多いかもしれませんが、ちょっとそれは早計。
確かにお色気シーンも一つの魅力ではありますが、この作品の持つ最大の魅力は、
王道の少年漫画らしい熱く燃える青春モノ
だということです。
オタクだけどコスプレ初心者である奥村とリリサの二人は、撮影会やイベントに参加するたびに、様々な問題に直面します。
それは、
- 撮影の仕方であったり
- 衣装のトラブルであったり
- 人間関係や、自分自身の気持ちの問題であったり
数々の問題にぶち当たりながらも、時に励まし、時に叱咤を受け、傷ついても立ち上がって壁を乗り越えていく姿は本当に熱血です。
特に主人公の奥村はオタクだけど熱く真っ直ぐ、現実の女の子には興味がないけれどリリエルのためなら何でもやってやるという、一つの方向に真面目でこの手の作品の主人公としても非常に好感が持てるのが良いです。
またコスプレ仲間と出会い、仲間とともに協力し合い、時にはぶつかりあいながらテーマを持ってコスプレイベントに臨みクリアしていく。
まさにジャンプらしい
- 努力
- 友情
- 勝利
の王道がみっちり詰まった、熱いバトル漫画のような熱さと勢いをもって2020年を駆け抜けた漫画です。
2021年も熱い展開を期待したい一作です!
5、『大奥』/ 歴史改変SFかつ濃厚なヒューマンドラマが描かれた男女逆転パラレル時代劇
作者 | よしながふみ |
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出版社 | 白泉社 |
掲載誌 | メロディ |
掲載期間 | 2004年~ |
巻数 | 既刊18巻 |
舞台は謎の疫病で男子の人口が極端に減少した江戸時代。
病の脅威は貧富も身分も問わず、農民から大名、公家にまで襲いかかり、あらゆる家業・家督を女子が継ぐことになりました。
当然将軍家も例に漏れず、三代徳川家光以降は女子が将軍職を担うことに。
そして、将軍のためのいわゆるハレムだった大奥には、もはや存在そのものが貴重となった美男ばかりが集められます。
唯一の天下人のみに許された至上の贅沢、それが男女逆転の大奥。
物語はそんな大奥を中心にして、めまぐるしく変化していく社会と、歴史と政治に翻弄される男女の姿を描いていきます。
ドラマ化や映画化もされた大人気の男女逆転パラレル時代劇の『大奥』は、歴史SFでありながらむせ返るほど濃厚なヒューマンドラマです。
2020年にはついに18巻が発売され、ラストまであと2巻。物語も佳境に迫っています。
とりあえず最初に叫びたい!
18巻、
泣きました!
号泣しました!
2020年イチ泣きました!!
『大奥』の魅力を一言で表わすのはとても難しいですが、まず挙げたいのは設定の妙。
奇病がきっかけとなり男子が減少して、社会の仕組みがそっくりそのまま男女ひっくり返ってしまうわけです。
普通に考えたらどっか無理が出そうですよね?
それが、見事にひっくり返ってるんですよ!
家長は女が務め、女が稼ぎ、男を買って抱く。
男は貴重な種馬となって大事に育てられるか、嫁いだ家が厳しければいびられ、貧しければ売られる。
この漫画の男は「力があっても体は弱い」ため、こんなスタイルが成り立つわけです。
うーん、見事な設定。あっぱれです。
加えて、よしなが先生の描く繊細なラインの美麗キャラクターから吐き出される、深く暗く、切ない愛憎の数々。
明るく爽やかなキャラクターでさえもどこか必ず暗澹たる闇のようなものを抱えていて、それが漏れ出てくる瞬間の描写には背中がゾクリとします。
そして冒頭で叫ばせていただいた18巻。
14代将軍家茂と和宮の物語は、家茂の死をもって区切りを迎えます。
家茂と和宮の関係は、『大奥』の歴史のなかでも異質なものでした。
二人の間に恋愛感情はありませんでしたが、恋愛に依らない関係だからこそ、二人の絆はより強くなったのではないでしょうか。
胸をかきむしり和宮の名前を叫びながら遠い京の地で臨終の時を迎えた家茂。
江戸城の大奥で
「生きて私の側におってよ…!」
と涙を流す和宮。
あまりにも悲しくつらい別れに、涙が止まりません(あ、書きながら涙が…)。
『大奥』にはこれまでにもたくさんの泣けるポイントがありましたが、個人的には作中1,2を争う号泣ポイントとなりました。
物語のラストまであともう少し。
大きく動く社会と、崩壊しつつある徳川家と大奥……。
いったい江戸は、大奥はどうなってしまうのか?
最後まで見届けたいと思います。
まとめ
各ライターが選んだ2020年で最も面白かったと思う作品をご紹介しました!
- バイオレンス
- 日常系
- ギャグ
等々、ジャンル的にもバラエティに富んだ作品の数々、どれもライターの熱のこもった紹介だったと思います。
これらを読まなきゃ損!
という作品ばかりですよ。
是非、読んでみてください!
マンガフルライター 神門
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愉快痛快!
愉しいバイオレンス!!
連載は終了しているものの、2020年1月よりアニメが開始。
制作MAPPAということでワクワク見てみたら「これ自分好きなやつだ!」と確信、原作全巻購入。
以後23巻を何回通しで読んだか・・・
・・・など好きなところは多々あれど、何よりズガンとくるのが
「スカッと爽快バイオレンス」!!
バイオレンス漫画って多種多様で、イテテテテ・・・と暴力の痛みを味わう作品や心にグサッときて読後も引きずる作品など「暴力のしんどさ」がウリのものもある。
でもドロヘドロのバイオレンスは軽快!
絵は黒く重く暗くてもキャラはニコニコ明るく、血も内臓も大盤振る舞いでゲーム感覚。̪
あまりの非日常に脳が痺れてハイになる!
ホラースプラッタ映画、あるいはホラーアクションゲームが好きな人に激しくオススメ!
脳内麻薬、多分出ます。