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PSYCHO-PASS完全解説!世界観やキャラ、見どころを隅々まで語ってみた

マンガタリライターのペンタです。

今回紹介する漫画は「監視官 常守朱」という作品です。

「PSYCHO-PASS」という名前でアニメで放映された人気作品です。

これはオリジナルアニメで、そのコミック版として「監視官 常守朱」という形で発売されました。

PSYCHO-PASSはかなり人気作品で、アニメだけにとどまらず劇場版も放映されました。

人気はとどまることなく劇場版まで出て興行収入も8億を超えアニメとしても大変人気でした。

新シリーズも2019年の1月に公開予定で、再び注目を集めています。

今回はそんな人気作品「PSYCHO-PASS」「監視官 常守朱」を紹介していきます。

(この記事内では「PSYCHO-PASS(サイコパス)」という名前で紹介していきます。)

この作品は近未来設定の作品で、性格や心理までも数値化された世界での人間模様を描いた作品です。

  • アニメサイコパスを何話かちらっと見ただけであらすじがよくわかってないって人
  • 友達に勧められてこれから読もうかと思ってる人

という方から

  • 登場するドミネーターという武器を使いたくてたまらない
  • オープニングの「凛として時雨」の「abnormalize」を定期的に聴いちゃう
  • グロ表現が多くて観るのをやめてしまった

っていう人たちのために改めて「サイコパス」という作品のあらすじや楽しみ方を紹介していきます。

設定も面白い、メッセージ性もたっぷりあり、展開も面白いという個人的に超オススメな作品なので楽しんでもらいたいです。

では、まずあらすじから紹介していきます。

1  原作「監視官 常守朱」の基本あらすじ

基本的にあらすじは漫画もアニメもほぼ同じです。

人間のあらゆる心理状態や性格を数値化する「シビュラシステム」が導入され、人々はそのシビュラシステムに従い生きている2112年の話です。

人々は、AIによってはじき出され、あらかじめ設定された「理想の人生」に従い生きています。

人間の心理状態はすべて数値化され、常に管理されています。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

犯罪に関する数値は「犯罪係数」と呼ばれ、罪を犯しているかいないかに関わらず「犯罪係数」が高い人間は隔離されたり、セラピーに行くことを義務付けられます。

街中にスキャナーが置かれ、すべての人々は管理され、数値を計測され続けています。

そのようなAIに頼りきった監視社会で犯罪を未然に防ぐ為、公安局の刑事課の人たちは治安を維持しています。

これがざっくりとしたあらすじです。

主人公は公安局に勤める常守朱(つねもりあかね)で監視官という役職についています。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

治安を守る公安局刑事課では、監視官と執行官という立場の人がいます。

執行官は、犯罪係数が高く規定値を超えた人間がやっており、そんな執行官たちを率いて事件を解決するのが監視官の役割です。

犯罪係数の高い人間を処理するのは、同様に犯罪係数の高い人間が適しています。

だからこそ、犯罪係数の高い執行官は政府の為に働く代わりに隔離施設から解放されているのです。

監視官と執行官は、イメージでいうと猟犬と主人という関係性です。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

基本的に執行官が犯人を追い詰め、監視官は指揮をとり、犯人逮捕に向け執行官を管理します。

最近は、近未来もののストーリーが多いですが、「サイコパス」のこの世界観の設定を知った時かなり興奮しました。

人間の心理状態でさえも全てを数値化するシステムというのが斬新で魅力的でした。

今の時代では、絶対ありえないシステムが「サイコパス」の世界では実現しているのです。

自分の能力、社会的価値でさえもすべて数値化されてしまう。

決められた人生、決められた職業、決められた幸福

それが当たり前な世界で生きている人々の人間模様が楽しめます。

さらにはシビュラの目をかいくぐり犯罪に手を染める人間たちと公安局の戦いもあり、少しグロい描写もあります。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

  • シビュラの目を欺く犯人たちとの知恵比べ
  • 社会システムに依存した人々の人間模様
  • 自分の過去や今と迷いながらも向き合う公安の刑事たち

などなど楽しめる要素がふんだんにあるので、アニメでも単行本でもいいので手にしてみてください。

では、「サイコパス」の世界観の魅力をもう少し詳しく紹介していきます。

 

2  近未来設定?漫画サイコパスの「AIによって統治される管理社会」を徹底解説

先ほども言ったように、この世界ではすべては数値で管理されています。

心理状態、将来犯罪を犯すかどうか、職業適性、パートナーなどあらゆるものです。

街中に街頭スキャナーがあり、それによって人々は常に管理されています。

窮屈に感じるかもしれませんが、そこまで徹底された管理のおかげで人々の生活は保障されています。

適切な職業や人生の選択も自分で決めることなく、AIが自動的に理想へと導いてくれます。

そうやってAIが統治する世界で

  • 人の意志はどこにあるのか?
  • 幸せとは何か?

そんなメッセージを投げかけてくる作品です。

ではサイコパスの世界観であるAIによって統治される管理社会について説明していきます。

2−1  人間の性格・心理まで数値化される世界

サイコパスの世界では、「シビュラシステム」(通称シビュラ)と呼ばれてるシステムがあります。

シビュラが市民の精神状態の分析、そしてそのデータを数値化し、その数値を元に職業適性や人生での理想的な選択を常に提供しています。

今までは曖昧であった人の心や魂までも数値化するに至っています。

人々の心の状態は常に計測されており、「完全管理社会」になっています。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

シビュラの管理下で国民の安全と幸福が保障されています。

そんな万能で完璧に見えるシステムを多くの国民は受け入れ、シビュラを信じて生きています。

なので、シビュラが下した判断は全て正しいとされていて、みなシビュラの意思に従い生きています。

(シビュラは万能に見えてるだけで実は結構甘い点とかたくさんあるんですけどね笑)

普通なら職業選択にも自由があり、職業を自分で決められる方が幸せだ。

と現代なら思うでしょうが、シビュラによって人生を決められてる時代では違います。

シビュラシステムが浸透する前の時代を「幸せを運任せに決める時代」と呼んでいます。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

幸せになるかどうかわからなくて、自分で人生の責任を負うなんて嫌だ。

そんなことせずシビュラによって得られる約束された幸せを享受した方がいい。そんな思考で人々は生きています。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

サイコパスはこういう面白い設定になっています。

「人の心は曖昧で一生読み解けないもの」のはずなのに、「人の心を数値化すること」に成功し、さらには理想的な人生までも機械が決めてしまっているのです。

「AIによって幸せな人生が保障されてる」

そんな世界で人々はどう生きているのか、その人間模様も描かれている作品です。

 

2−2  AIシステムの弊害?罪を犯さずとも裁かれる”潜在犯”

そしてシビュラが測定する数値の一つで犯罪係数というものがあります。

あらすじでも軽く説明はしましたが、この犯罪係数というのは犯罪者になる危険性の数値を示したものです。

この犯罪係数が100を超えると社会から隔離され、集中的なメンタルケアを行われる。

また300を超えると、「社会から不要な人材」としてシビュラに判断を下され、即殺されてしまいます。

この犯罪係数が高まることをサイコパスが濁る、色相が濁ると人々は表現したりします。

犯罪係数が高まると、クリアカラーから濁った色に変わることからそう言われています。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

そして犯罪係数が規定値を超えるものは、「潜在犯」と呼ばれます。

潜在犯とは、「未来の可能性を見た時にあなたは犯罪者になりうる人間だ」ということです。

現代の裁判で無罪か有罪か判断するのとは違い、シビュラが精神状態を見て処分すべきか、社会に必要な人間かを判断します。

正直かなりイカれたシステムだと思いませんか?笑

人間の行為そのものでなく、行為によって得られた数値だけで全て判断するわけですからね。

何をやったかではなく、どんな数値が出るか。が全てなわけです。

つまり幼少の頃に犯罪者と認定されることもあります。

(「監視官 常守朱」4巻より引用)

そんな中で朱たち公安は、犯罪者たちの制圧または排除につとめています。

当然このシビュラシステムには問題があります。

目の前の人間が犯罪者かどうかの判定をAIが下すわけで、そこに人間の意思は存在しません。

なのでやった行為は重要視されず、やった行為によって変化する精神状態が判断基準です。

つまり、犯罪を犯していなくとも裁かれてしまう可能性があるのです。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

  • 危険思想を持っていなくとも、危険思想を持っている人物と接触してしまったり、
  • 犯罪行為を目の当たりにしてしまったり
  • 危害を加えられる被害者側であっても、

犯罪係数が高まってしまい、シビュラによって「この世に必要のない人材」とされてしまうのです。

また、生まれながらにして犯罪係数が高い人も存在し、彼らは生まれてすぐに隔離されてしまいます。

つまり、生まれて赤ん坊として誕生した瞬間から犯罪者と認定されるということです。

何もやっていないにもかかわらず、です。

そして犯罪係数が下がらないまま、一生施設で過ごすこともあります。

つまりシビュラによる精神状態の数値化による社会の統制には、不具合な点も多く存在します。

(「監視官 常守朱」4巻より引用)

ですが、そういった人は珍しく、かなり少数なので人々はシビュラを受け入れています。

少数の人にとって不具合があろうと、大多数の人にとってはかなり安全で安心な人生を送れる。

それなら全然問題ないよ。と思わせてしまうのが群衆の心理ですね、、

サイコパスの世界ではこういった闇も存在します。

ですが、このシビュラに対して不満を持っていたり、疑問を持つ人物たちがやがてシビュラの根幹を揺るがすような事件を起こします。

それに対抗する公安刑事課たちとの戦いも見物です。

 

2−3  管理社会の中で活躍する「監視官」なる職業

そんな管理社会でAIが主権を握った世界ですが、人の手が必要です。

犯罪係数が300を越えた人たちの排除やシビュラの目を欺き、犯罪係数が高いのにコソコソ暮らす人たちも存在します。

AIは、犯罪係数の高い人を測定し、殺傷能力の高い武器を作りだすことはできますが、実際にAI自体が判断し、人を処分する。というわけにはいきませんからね。

それこそ,AIが乗っ取られでもしたら、大量に罪のない人が殺される事件になりかねません。

そうならないよう犯人の処分などは人の手に委ねられています。

主人公の常守朱は公安刑事課に所属し、犯罪を未然に防いだり、犯罪者の排除をしています。

(「監視官 常守朱」6巻より引用)

朱は、監視官という職業についており、執行官を部下に持ち捜査にあたります。

執行官というのがやっかいで、非常に優秀ではあるのですが、実は執行官は、犯罪係数が規定値を超えた潜在犯ばかりがやっているのです。

言うなれば「犯罪者予備軍が犯罪者を捕まえる行為をしてる」のです。

というのも、犯罪者に関わる仕事はかなり難しく、犯罪者の思考を追うわけですから、自然と犯罪係数も影響され、上がってしまうこともあります。

毒には毒を、じゃないですが、犯罪者を捕まえるには同じように犯罪係数が高い者の方が適しているのです。

また、監視官は異常犯罪や事件に関わりながらも、自分の犯罪係数も低い値で保たなければいけません。

衝撃的な事件もありますし、犯罪係数を上げずにキープしながら生活をすることが中々困難です。

こんなグロい事件もありますしね、、

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

犯罪係数が上がるリスクが伴うからこそ、この公安刑事課は人手不足でなれる人も少ないのです。

犯罪者を追う際の武器として刑事課では、ドミネーターという武器が配布されます。

これがかなりかっこよくて、見ていても「使いたい!!」って思うほどなんです。

僕以外にもそういう声が多数あったみたいで、実際に商品化され販売されています。

 

10万近くするそうです、とても買えないですね笑

ただ完成度の高さは異常です。

充電式になっててちゃんと変形もしますし、おもちゃとは呼べないくらいの一級品です。

ドミネーターは、画像で見るように銃型をしていて銃口を相手に向けることで犯罪係数を調べられます。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

アニメを見ている人なら憧れるほどかっこいい武器なので、ぜひ使ってみたいと思いますよね?

ドミネーターは基本はロックがかかっていて、対象者の犯罪係数が100を越えれば相手を無力化する電磁波が発車されます。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

ですが、対象の犯罪係数が300を超えると銃が変形し執行モードに移ります。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

執行モードでは、相手を殺傷する機能を持っており、撃たれた相手は内部から破裂するように木っ端微塵になります。

これはかなりエグいですが、ドミネーターを使用する刑事たちの姿はどう見てもかっこよく見えてしまいます。

このドミネーターは特にアニメで見て欲しいです。

ドミネーターは、音声がついてて日高のり子さんという方が担当しているんですが、淡々と読み上げる感じもたまらないです。

「犯罪係数オーバー300、執行モード、リーサル、エリミネーター、慎重に照準を定め 対象を排除して下さい」

こんな文章が読み上げられ、銃がガチャガチャと変形する様子は見てて「おぉー」と声がもれるほどかっこいいです。

ぜひアニメでもお楽しみください。

犯罪者も最初は犯罪係数が200ほどで確保される予定だったはずが、公安に追いかけられ逃げながら犯罪を犯すうちに犯罪係数がぐんぐん上がったりします。

300という数値を超えた瞬間に、シビュラは「要らない人間」と判定してしまうのも非情な部分ですね。

でもその非情で合理的すぎるシステムを信じ、生きている人々がいるのも事実なのです。

漫画やアニメという非現実な作品ではありますが、幸せな社会ってこういう形なんだろうか?

科学技術が発達する世界で、人々はどう生きていくべきかを考えてしまう描写が多いです。

 

3  AIに頼りきり思考停止した人間たちの末路がトラウマになるほど怖い

シビュラに頼りきった人々は、人生でのあらゆる選択や判断をシビュラに任せ、シビュラによって敷かれたレールの上を歩いています

自分の人生について考えることなく、完全に思考停止した状態で生きています。

「サイコパス」ではシビュラを信じきってる人々が多くいますが、もしシビュラが崩壊すればどうなるでしょうか?

頼りきってるものが崩れ去ってしまった途端、人々は何もできなくなります。

そんなシーンがあるのですが、トラウマになるくらい怖くなります。

ネタバレも含むのでご容赦ください。

まだ見てない方は、先にアニメか漫画で読むことをオススメします。

 

3−1  AI(シビュラ)が人間たちの日常であり常識

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

シビュラに頼って生きる人たちにとっては、シビュラは何一つ疑問を持つことのない存在です。

社会すべてがシビュラによってつくられてるわけですから、あって当たり前のものです。

  • シビュラがなければどうなってしまうのか?
  • シビュラに頼りきってていいのか?

そんな疑問さえ持ちません。なにせシビュラは日常であり、人々にとっては正義ですから。

当たり前のようにあって、当たり前のように自分に幸福をもたらしてくれる。

それをどうして人がなくなったら?なんて考えるでしょうか。

でもこの完全思考停止状態は恐ろしい事態を生みます

人々にとって理想で万能なシステム、シビュラシステム。

ですが、槙島聖護(まきしま しょうご)という男によってこの国の正義であるシビュラが崩れ去る瞬間があります。

 

3−2  目の前で人が殺されても傍観しかできない人々

街の人々は街頭スキャナーによって常に測定されています。

犯罪を起こさなくても、起こそうという気持ちを持った時点で街頭スキャナーが検知し、通報してしまいます。

そこで槙島は特殊な防護ヘルメットを作り出します。

詳しい説明は省きますが、この防護ヘルメットを着用することによって犯罪を行っても犯罪係数に変化はなく、正常な人間として判定されます。

この防護ヘルメットのおかげでとんでもない事件が起こってしまいます。

このヘルメット男が大勢人がいるところで、いきなり女性をなぐりつけます。

(「監視官 常守朱」4巻より引用)

本来なら殴ろうという意思を持った時点で犯罪係数が上昇し、スキャナーによって感知され通報されます。

ですが、スキャナーは男の数値を正常値と認識していて犯罪を堂々と犯す男に対し、何もアクションを起こしません。

そんな中で男は女性を堂々と殴り続けます。

そこに警備ドローンが駆けつけます。

女勢は助かると思いきや、警備ドローンは、男には反応することなく女性に対し「セラピーが必要ですね」と訴え続けます。

(「監視官 常守朱」4巻より引用)

今で言うならば、警察官が殴られてる男の人を捕まえることなく、女性に「大丈夫ですか?病院まで行きましょうか」と言ってるような状態です。

「いやまず先に犯人止めて捕まえろよ!」って話ですよね。

でもそんなおかしな状態が起こってしまったのです。

(「監視官 常守朱」4巻より引用)

殴り続ける男、助けを求める女、何もせず女性に警告し続ける警備ドローン

かなり異様な光景ですよね?

機械に頼り続けた社会システムが生んだ悲惨な事件です。

で、何よりやばいのが周りの人が何もできなかったってことです。

ここが読んでいて、一番怖くなりました。

目の前で一人の女性が殴られ続けているのに、周りの群衆は何もできず、かかしのように突っ立ってる

これが一番やばいですよね。

今まで選択はすべてAIによって決められてきた。

職業も人生もパートナーでさえも。

そして犯罪さえも勝手に解決してもらえるので、何一つ自分から動く必要もなかったし、思考する必要もなかった。

そうやってこの社会に「思考停止人間」が量産されてしまいました。

(「監視官 常守朱」4巻より引用)

そんな社会が生んだ異様な光景は、見ていて胸糞が悪くなりましたし、思考をやめた人間はこうなるのかと怖くなりました。

将来こうなることもあるかもしれないとゾッとさせられたシーンでした。

なんかどうも他人事と思えなくて、リアルに感じたシーンです。

そういうシビュラによって生まれた弊害もキッチリ描かれているので、かなり印象に残っています。

思考停止、選択をし続けていないとこうなるぞ。

という警告をされた衝撃のワンシーンでした。

 

3−3  システムが崩壊すると罪のない者同士で殺し合う地獄絵図へ、、、

先ほど起こった事件の様子が世の中に出回り、人々はさらに混乱に陥ります。

防護ヘルメットをかぶることで「どんな犯罪をおかしても大丈夫」

つまり犯罪者が完全に世に放たれたままほったらかしにされてる状態です・

ということは、シビュラに頼りきったこの社会に安全な場所なんてない。

人々は完全に混乱状態に陥ります。

防護ヘルメットを手に入れた人々はたがが外れたように犯罪に手を染めまくります。

(「監視官 常守朱」4巻より引用)

そうして、あちこちで犯罪が起こるようになります。

でもヘルメットを持ってない人間からすれば、ヘルメットの存在は恐怖でしかありません。

「ヘルメット=悪」という認識に変わり、ヘルメットを被る人間を見たら「殺される前に殺さなきゃ」という思考になり攻撃します。

(「監視官 常守朱」4巻より引用)

結果的にヘルメットを被る人間も、ヘルメットを持っていない人間も互いに互いを攻撃し合い、殺しあうようになります。

システムに頼りきった結果、そのシステムが崩壊すると誰も信用できなくなりました。

各地で犯罪が落ち、街が地獄絵図と化します。

(「監視官 常守朱」4巻より引用)

「漫画だからそんなことになるんだろう」

「そんな大げさな展開にはならないだろう」

僕はこのシーンを見たときにこんな風には思えませんでした。

社会のシステムに頼りきり、自ら考えることをやめた人間ならこうなりかねない

そうリアルに思ってしまいました。

確かに現実の僕らは人生の選択も自分ですることができるし、自分の人生は自分自身で責任を取らなくてはいけません。

ですが、このサイコパスの世界のように

  • 自分の人生は生まれた時点ですでに決められてる
  • 自分にあった幸せな人生がすでに用意され続けている。

そんな状況であればどうでしょう?

何も考えなくなりますよね?

何も考えなくなればどうなるでしょうか?

思考することをやめますよね、そうなれば自然と短絡的な思考回路になります。

そうなれば、ヘルメットを被った人たちによって命を脅かされれば、この登場した人々と同じように人を殺してしまうのではないでしょうか?

それくらいリアルに感じてしまう怖いシーンでした。

アニメを見ている感覚ではなく、一歩間違えれば人類もこうなってしまうんじゃないのか。

それくらいめちゃくちゃ身近に感じるほどのめり込んで観てしまいました。

 

4  自分の信じる正義を信じ抜いていてかっこいい!メインキャラクターの紹介

サイコパスに登場するキャラクターはかっこいいのももちろんですが、みな自分なりの正義があるんです。

敵であっても、味方であっても、みんな信念があり、それに従って生きています。

迷いながらも自分の中の正義に素直に従い、突っ走る姿が素敵でなりません。

そして僕自身もそんな風に生きたいなと心底思いました。

そんなキャラクターの魅力を知ってもらいます。

 

4−1  身体能力・推理力を兼ね備えた頼れる執行官・狡噛慎也が魅力的すぎる

(「監視官 常守朱」2巻より引用)

この作品は、特に男の人がかなりかっこよく描かれています。

その中でもナンバーワンなのが狡噛慎也(こうがみ しんや)です。

ずるがしこいの意味を持つ「狡」猟犬のように危なっかしい「噛」をまさに体現したような人物です。

同僚からは「コウちゃん」や「コウ」と呼ばれ親しまれる存在です。

高い観察眼を持っており、推理力に優れており、非常に思考力の高い持ち主です。

(「監視官 常守朱」2巻より引用)

また戦闘能力も高く、訓練用のドローンをぶっ壊すほどです。

あまり感情的になったりせず、自分の行動に対しても真摯に反省することができます。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

ただ、本人の言うように猟犬の習性が垣間見えるシーンもあります。。

彼は同僚を失った過去から、同僚を殺した犯人を追い続けています。

そのときから犯人を憎み、自分の手を始末したいと願っています。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

刑事なのに殺したい奴がいて、その殺しを実現しようとしている。

狡噛は、当然それが刑事としても人間としても間違ってることはわかっています

何度も常守に止められ、真っ当に生きることを勧められました。

本人自身が誰よりも正しくないことを理解しているし、してはいけないことだと自分に言い聞かせてるはずです。

でもそれでも結局狡噛は自分の決めたことを曲げることができませんでした。

「自分はこうすべきだ」といくら理性で思おうと、奥底にある自分の本能には逆らえなかったのです

(「監視官 常守朱」5巻より引用)

それがどんなに苦しい選択だとわかっていても、自分の気持ちは曲げられない

めちゃくちゃ賢いはずなのに、賢い選択ができない。

そんな不器用ながらも自分を貫く姿がかっこいいんです。

それが良いか悪いかは置いといて、そんな素直な姿勢にかっこよく思ってしまいます。

自ら間違った選択を取った狡噛の気持ちを汲み取れるからこそ、誰も狡噛を責めることができないし、止めることができませんでした。

切ないけど、かっこよくて憧れてしまうそんな魅力的なキャラクターです。

槙島とのやりとりもかなり盛り上がるので楽しんでみてください。

(「監視官 常守朱」6巻より引用)

 

4−2  警察にとって危険な思想を持ち、大衆を扇動する槙島聖護がミステリアスでかっこいい

(「監視官 常守朱」2巻より引用)

次は狡噛のライバルであり、シビュラに警鐘を鳴らす人物、槙島聖護(まきしま しょうご)です。

彼はやってる行為自体は「悪」なんですが、彼の思想や言葉を聞いているとどうも悪人に思えません

むしろ人間に対して愛さえ感じるような発言もあり、好きになってしまうんですよね。

(「監視官 常守朱」4巻より引用)

愛するがゆえに、シビュラに頼りきり思考停止した人間が許せない。

そんな危険思想を持った男です。

彼は何をしようと、シビュラに危険人物と判定されない特異な体質を持っています。

(これを免罪体質(めんざいたいしつ)と呼びます。)

ナイフを突きたてようと、人を殺そうと犯罪係数が一向に上がりません。

(「監視官 常守朱」3巻より引用)

つまりドミネーターによって、シビュラによって裁くことのできない人間なんです。

ここが物語の肝にもなってきます。

シビュラが善や正義とされている。

シビュラが常識である世界でシビュラによって裁けない人間はどうすべきなのか?

そんな問いを立てられます。

狡噛が察するに、槙島はシビュラによって判定されないことにある種の寂しさを感じていました。

自分が判定されない=自分は社会に認められない存在じゃないのか?

そんな疑問を抱いたのかもしれません。

彼は、シビュラに依存することで市民が思考停止してしまう状況を悪と捉えていて、シビュラシステムに疑問を持っています。

さらに槙島の言葉はかなり的を得ているし、ルックスもあいまってかなり引き込まれてしまいます。

(「監視官 常守朱」5巻より引用)

槙島は同じようにシビュラに疑問を持つ狡噛になぜか自分と似た部分を感じています。

そして自分を認識しなかったシビュラとは違い、自分を強く憎む狡噛の存在は彼にとってうれしかったのでしょう。

憎まれても自分に対して興味を持ってくれる存在は槙島にとって貴重な存在ですから。

そんな二人の因縁も面白いですし、彼らの互いの考えをぶつけあうシーンも見所です。

(「監視官 常守朱」6巻より引用)

  • シビュラが悪と判定できない
  • やってる行為は犯罪者そのもの
  • 考え方はかなり的を得ている
  • 正しいことを言っていて否定できない

槙島はこういう男なんです。

シビュラシステムは正直欠陥だらけです。

数値のみで判断するから、おかしな判定をすることもあります。

生まれながらにして、犯罪係数が高い子供もいますから、そんな人物はどうやったって社会復帰できません。

そんなおかしなシステムのはずなのに、幸せを享受できている人が多いために、シビュラの闇からみな目を背けています

でも槙島の行為によって、この闇が浮き彫りになり、自然とシビュラに目が向いてしまいます。

槙島はこの物語の大事なキーパーソンでもあるのです。

  • 本当の幸せはシビュラによって本当に得られているのか?
  • シビュラに頼りきり人間生活を送ることは人間として正しいことなのか?

常に問いを投げかけてくきます。

彼もまた彼なりの正義があって、その正義を執行してるだけでただ犯罪を犯してるわけではない。

サイコパスの面白さを作っている中心人物の一人で、人気の高いキャラなので、改めて槙島聖護というキャラクターにも注目してください。

 

4−3  主人公・常守朱が小柄で正義感が強く見てて応援したくなる

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

最後になりましたが、主人公である常守朱(つねもり あかね)です。

「常」に「守」るの漢字から取って常守という名前になってますね。

名前の通り、この物語の中の一番正義に近い存在です。

この作品の中で一番正しさに近い考えを持っています。

  • シビュラを正義と信じて疑わない人々
  • シビュラで裁けない人間を自分の手で抹殺すべきだと悟った狡噛
  • シビュラに疑問を持ち、そのシステムを覆そうと考えた槙島

それぞれの考えはあるものの、彼らはみんなどこか屈折した考えになってしまっています。

常守が100%正しいとは言えないですが、「正しくあろうとする姿勢」を常に崩さないのが彼女の魅力です。

(「監視官 常守朱」2巻より引用)

シビュラはおかしい部分があるのはわかってる。

でもシビュラによってこの社会が成り立っているのも事実です。

だからこそ、シビュラに依存するだけでなく、シビュラと人の判断によって社会は作られるべきだ。

そういう冷静で、思慮深い面を持っています。

彼女は職業適性も高く、犯罪係数も常に低く、どんな出来事に遭遇してもサイコパスをクリアカラーに保つことができます

友達にも「メンタル美人」と呼ばれるほどです。

 

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

メンタル美人なんて言葉には違和感しかありませんが笑

彼女の犯罪係数が低いのは、間違ったことに対しても偏見を持たず冷静に物事を見つめることができることも一つの要因でしょう。

何に対しても、排除すべきだという思想を持たないんです。

ココが彼女にしか持ち得ない最大の長所です。

これすごいことですよね?

生きていると、どうしても嫌いな人物に出会ったり、自分とは合わない人間と出会います。

そのとき、辞めてくれたらいいのになと僕自身も思ってしまいます。

「自分に害を及ぼす人間は排除できるなら排除したい」

これが多くの人間が陥りやすい思考です。

現に狡噛も槙島を排除する方向に動いてしまいました。

でも常守はその辺の分別が驚くほどできていて、決して排除の方向にいかないんです。

さらには、自分なりの正義も持っていて、シビュラが良い悪いのではなく、シビュラに頼って人間で管理しようとしない社会が間違っていたんだという答えにもたどりつきます。

彼女の性格を表したこのシーンも印象的でした。

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

もう止めて。そのライターを捨てて。でないと、この銃があなたを殺しちゃう。

私は排除すべきだと思ってない。

でも今のままじゃあなたがシビュラから犯罪者と判定されてしまう。

「この銃があなたを殺しちゃう」

この言葉から彼女の意志が伝わってきますね。

ライターを捨てないと、私が殺さなきゃいけない。

そう言わないのが彼女の性格を如実に表していますね。

背が低く、頼りなさそうな見た目でありながら、強い精神力を持ち立ち向かう姿は好きになってしまいますね

 

5  AIが浸透した社会での本当の正義とは?

僕なりの考察をしていきます。

正しいか正しくないかはわからないですが、この作品で素直に感じたことを書いていきます。

これから社会にはあらゆるものが機械化されて、人間は不要になってしまいます。

不正確で曖昧な人間よりもいわれたことを愚直に実行し、正確に動く機械のほうが必要になってきます

悲しいですが、これが現実と受け止めなくてはいけません。

これは避けようのない事態です。

サイコパスの世界のようにすべてを数値化し、AIが社会を管理する。

とまではいかないでしょうが、人間ではなくAIが人類の知能を超えてしまう日は近いうちに来てしまいます。

そのときに、AIが出した答えこそが正しい答えになるのでしょうか?

(「監視官 常守朱」1巻より引用)

単純思考で考えれば、人類より賢いAIが導き出した答えのほうが人間同士で生み出した答えよりも正しいと思ってしまいます。

サイコパスのシビュラシステムと同じように、AIの下す判断は正義になるでしょう。

人間が下した判断とAIが下した判断どちらが正しいのか、、、

サイコパスを見るたびにこの問いをしてしまいます。

現時点での僕の答えは、「どっちも正しくない」です。

というより正しい答えなんてそもそもないと考えています。

何事もそうですが、常に正しい答えなんてありません。

(「監視官 常守朱」6巻より引用)

地球が丸いとわからなかった時代では、地球が丸いと主張しても頭がおかしい、狂ってると揶揄されました

でも今では地球が丸いことは明らかになっています。

今の常識は未来にとっては非常識であることも多々あります。

昔は男性が働き、女性が家事をすることがその時代の正義でした。

でも今では、共働きが当たり前の時代ですし、むしろ主夫なんてのも存在します。

女性がするはずの化粧男子なんてのも存在しますし、昔は2人組のアイドルがいるくらいだったのに、今では100人を超えるアイドルグループもいます。

どれも不正解ではないけど、正解でもないんです。

人間が下した判断も、AIが下した判断もどちらも正解ではないと思うんです。

だからこそ、人間が下した判断とAIが下した判断両方とも踏まえた上で出した答え。

それこそが現時点でのベストな答えだと思います。

サイコパスでも実際に、シビュラシステムを踏まえた上で、法を人が守るべきだという結論になってました。

(「監視官 常守朱」6巻より引用)

これは、シビュラ(AI)が出した結論がすべて正義でもなく、人間が下した判断がすべてでもなく、両方支え合って答えを出すべきだということです。

(少し安直すぎる考え方になってはいるでしょうが)

本当の正義はそもそも存在しない。

ただ常守朱のように正しくあろうとする姿勢がとても大事で、その姿勢を持ち続けること。

これがある種の正解なのかなと感じました。

チープな考察にはなったかもしれませんが、これが僕の答えです。

6  まとめ

このようにPSYCHO-PASSの魅力は

  • AIに依存した完全監視社会
  • 人生の選択権までもゆだねて思考停止した人間たち
  • 信念を貫き、自分を曲げないかっこいいキャラクター

などなど楽しめる要素がふんだんに盛り込まれています。

他にも人間はどう生きるべきか、幸せとは何かなどの人間の根源的な部分にも触れる作品です。

もちろんドミネーターを扱う刑事たちのかっこよさも、キャラクターたちが生み出す人間模様も面白いところです。

シビュラという社会を支えている絶対的存在でありながら、ある種の悪に見えるような描写も楽しめるはずです。

誰が見ても絶対後悔しない作品だと胸張って言えるので試しに読んでみてください。

一度観たという方もこの記事を読んだ後、改めて見てみると新しい発見もあるでしょうからぜひ読み返してみてください。

アニメも、劇場版も十二分に楽しめますので、ぜひとも「監視官 常守朱」やアニメの「PSYCHO-PASS」もみてください。

また感想があれば、コメント欄からよろしくお願いします。

マンガタリライター ペンタ



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PSYCHO-PASS

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    兵庫に住む少年漫画とお笑い大好きな20代のサラリーマン! キングダムとワールドトリガーが読めるこの時代に生まれて良かった笑 漫画のことなら1日中語れるほどのおしゃべり漫画中毒者! 漫画ばかりある部屋で、カフェオレ読みながらふかふかの椅子で漫画を読み続けるのが夢です。気軽にコメントください。 ツイッターもやってます↓↓↓