みなさんこんにちは。
漫画も好き、ゲームも好きなマンガフルライターの神門です。
歴代の好きなゲームはこんな感じです!
- 『女神転生』シリーズ(真1初プレイ時は鳥肌が立ちました!)
- 『イースⅠ・Ⅱ』(PCエンジン:このためにDuo買いました!)
- 『ファイアーエムブレム トラキア776』(SFC:最高のマゾゲー!)
- 『Ever17』(PS2、DC、PC、Xbox360:ゲーム史上最も衝撃を受けた作品)
- 『不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参! for Windows』(PC:裏白蛇のあるPC版が最高! マジで何千時間プレイしたか)
選びきれませんけれどね!
日本で「スペースインベーダー」が大流行してから今日まで様々なテレビゲームが流行し、今やゲームは多くの人の日常に溶け込んでいるだけでなく、eスポーツとしてゲームをプレイすることが職業になるまでに至っています。
そこで今回は、コンピュータゲームを題材にした漫画についてご紹介致します。
なお、ここで言うコンピュータゲームを題材にした漫画とは、
- 実在するコンピュータゲームを
- プレイ、または紹介している
作品のことを示します。
即ち、
- ゲームのコミカライズ作品
- オリジナルなゲームを創作した作品
- 似ているけれどゲームの名前や内容が変わっている別物の作品
は対象外としています。
あくまで、実際に存在してプレイすることが可能なテレビゲームを題材とすることで、漫画だけではなくゲームも懐かしみながら楽しむことの出来る記事としています。
目次
- 1.スペースインベーダーからプレステ5まで!日本のコンピュータゲームの40年
- 2.コンピューターゲームを題材にした漫画7作品をエポックメイキングな作品から濃すぎる一作までご紹介
- 2-1 『ゲームセンターあらし』:スケールの大きなゲームバトルを描いた初の本格テレビゲーム漫画
- 2-2 『ファミコンロッキー』:存在しない裏技に熱くなる!熱狂的人気で盛り上がったファミコン時代を代表する一作
- 2-3 『Gセン場のアーミン』:漫画家と編集の仁義なき戦い? ゲーム大好き漫画家のゲームに賭ける日常を描いたゲームエッセイ漫画
- 2-4.『れとろげ』:ファミリートレーナーやゲームギアも!レトロゲームネタがコマの隅々まで満載な濃厚マニアック作
- 2-5.『進め!聖学電脳研究部』:プレステ雑誌に掲載されながらセ○ネタも辞さない!ヒラコー節炸裂の怪作
- 2-6 『ハイスコアガール』:ゲームを通して登場人物の感情表現を行ったゲームに詳しくない人でも楽しめるラブコメ
- 2-7 『16bitセンセーション』:90年代美少女ゲームというアングラをノスタルジーに浸りながら楽しめる作品
- 3.まとめ
1.スペースインベーダーからプレステ5まで!日本のコンピュータゲームの40年
作品の紹介に入る前に、日本におけるコンピュータゲームの歴史を表にして簡単に振り返ってみました。(2020年11月時点)
■ハード
時代 | 家庭用ゲーム機(据え置き機) | 携帯機 |
1980年代前半 | ぴゅう太(1982) ファミリーコンピュータ(1983) スーパーカセットビジョン(1984) |
ゲーム&ウオッチ(1980) |
1980年代後半 | セガ・マークⅢ(1985) PCエンジン(1987) メガドライブ(1988) |
ゲームボーイ(1989) |
1990年代前半 | スーパーファミコン(1990) 3DO/ネオジオCD/セガサターン/ PlayStation/PC-FX(1994) |
ゲームギア/PCエンジンGT(1990) |
1990年代後半 | バーチャルボーイ(1995) NINTENDO64(1996) ドリームキャスト(1998) |
ネオジオポケット(1998) ワンダースワン(1999) |
2000年代前半 | PlayStation 2(2000) ニンテンドーゲームキューブ/Xbox(2001) |
ゲームボーイアドバンス(2001) ニンテンドーDS(2004) PlayStation Portable(2004) |
2000年代後半 | Xbox 360(2005) PlayStation 3/Wii(2006) |
|
2010年代前半 | Wii U(2012) PlayStation 4/Xbox One(2013) |
ニンテンドー3DS(2011) PlayStation Vita(2011) |
2010年代後半~ | Nintendo Switch(2017) Xbox Series X、S/PlayStation 5(2020) |
Nintendo Switch(2017) |
■ゲーム(代表的と勝手に思った主な作品)
時代 | 家庭用ゲーム | アーケードゲーム/PCゲーム |
1970年代後半 | AC:スペースインベーダー(1978) | |
1980年代前半 | FC:ベースボール(1983) FC:ロードランナー(1984) |
PC:Rogue/Ultima(1980) PC:Wizardry(1981) AC:ゼビウス(1983) |
1980年代後半 | FC:スーパーマリオブラザーズ(1985) FC:プロ野球ファミリースタジアム(1986) FC:ドラゴンクエストIII そして伝説へ(1988) |
PC:ザナドゥ(1985) PC:イース(1987) AC:テトリス(1989) |
1990年代前半 | SFC:ゼルダの伝説 神々のトライフォース(1991) SFC:スーパーマリオカート(1992) |
AC:ストリートファイターII(1991) AC:バーチャファイター2(1994) PC:DOOM(1993) |
1990年代後半 | GB:ポケットモンスター赤・緑(1996) PS:ファイナルファンタジーVII(1997) |
PC:同級生2(1995) AC:beatmania(1997) |
2000年代前半 | PS:ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち(2000) PS2:ファイナルファンタジーX(2001) |
AC:太鼓の達人(2001) PC:Fate/stay night(2004) |
2000年代後半 | DS:大人の常識力トレーニングDS(2006) Wii:Wii Fit(2007) |
AC:THE IDOLM@STER(2005) PC:Minecraft(2009) |
2010年代前半 | 3DS:妖怪ウォッチ(2013) 3DS:モンスターハンター4(2013) |
PC:ドラゴンクエストX (2013) |
2010年代後半~ | Wii U:スプラトゥーン(2015) SW:あつまれ どうぶつの森(2020) |
AC:艦これアーケード(2016) |
1980年代から現在(2020年時点)まで実に40年に渡って様々なハード、ソフトが発売されて人気を博し、また今後も色々なゲームが発売されていくと思います。
世代によって思い入れのあるハード、ソフトも異なることでしょう。
媒体もROMカセットからCDに、そしてHDDなどなど変化、進化を遂げてきましたが、いつになっても変わらないのは、ゲームは娯楽であり楽しませてくれるものであること。
そんなゲームを題材にした漫画も、もちろん読み手を楽しませてくれます。
ゲームの楽しさ、そしてかつてプレイしたゲームの懐かしさやワクワクした感じをお届けできたら幸いです。
2.コンピューターゲームを題材にした漫画7作品をエポックメイキングな作品から濃すぎる一作までご紹介
それでは早速、コンピューターゲームを題材にしたお薦め漫画7作品をご紹介します。
ゲームがテーマならコレは抑えておかないと、というものから、今は電子でも販売されていない少し(かなり?)マニアックな作品まで取り揃えております。
「ゲームが好き」な方、ゲームにあまり詳しくない方、いずれにも少しでも魅力が伝わればと思います。
それでは、どうぞ!
2-1 『ゲームセンターあらし』:スケールの大きなゲームバトルを描いた初の本格テレビゲーム漫画
著者 | すがやみつる |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | コロコロコミック |
巻数 | 全17巻 |
■『ゲームセンターあらし』ってどんな漫画?
主にコロコロコミックに掲載されていた、すがやみつる先生によって描かれていた作品で、本格的にテレビゲームを題材にした初の漫画だと思います。
主人公の石野あらしは、勉強も運動もからっきしダメダメですが、ゲームの腕だけは凄まじいという小学生です。
そんなあらしが、世界中の(時には異世界や、人間以外の)様々なライバル達とテレビゲームで対決していく、ゲームバトル漫画です。
「ゲームセンターあらし」 3巻 すがやみつる/小学館より引用
あらしが繰り出す「炎のコマ」や「真空ハリケーン撃ち」など、超ド派手な必殺技はたちまちのうちに子供達を虜にして人気を博しました。
今のeスポーツにも通じる、エポックメイキング的な作品です。
後の作品に多大なる影響を与えた、コンピュータゲームを題材にした漫画を語るにあたって外すことのできない作品です!
■取り扱うゲーム類
アーケードゲーム
■おすすめポイント
なんといってもスケールの大きなバトルです!
色々なゲームの名人、達人と戦うわけですが、日本一や世界一を決めるゲーム大会は当然のことで、そんなものではすまされません。
- ゲーム世界一を決める戦い(敗者に待つのは死!)
- 弟を助けるため異世界でモンスターとゲーム対決!
- 人類の滅亡をかけて、知性を得た恐竜とゲームで対決!
ツッコミを入れるのは野暮というもの、よくもまあこれだけの内容を考えるものだと、ハリウッド映画もびっくりなスケールで展開されるゲーム対決は、有無を言わさず読み手を引き込む勢いがあります。
むしろ毎回、今度はどんな滅茶苦茶な物語を見せてくれるのだろうかと、そんな楽しみすら持つことが出来ます。
「ゲームセンターあらし」 4巻 すがやみつる/小学館より引用
ゲームというテーマを気宇壮大なストーリーで包み込み、盛大で破天荒な必殺技で味付けをした、今をもってこの作品を超えるほどの熱量をもったゲーム漫画は出ていないのではないか?
そう思わせてくれるほどの作品です。
また、あらしとそのライバルたちが繰り出すど派手な必殺技の数々も見所の一つです。
有名な「炎のコマ」や「真空ハリケーン撃ち」などはまだ技の意図が分かりますが、話が進むほどに、どのような原理の技か、なぜそれでゲームに勝てるのか不明な技が増えていきますが、そんなことすら気にならない勢いとパワーがあります。
全てのゲーム漫画はここから始まった、ゲーム好きを標榜するならば一度は目を通しておきたい作品です。
あらしの必殺技については別記事でまとめていますので、興味がありましたら是非ご覧ください。
2-2 『ファミコンロッキー』:存在しない裏技に熱くなる!熱狂的人気で盛り上がったファミコン時代を代表する一作
著者 | あさいもとゆき |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | コロコロコミック |
巻数 | 全8巻 |
■『ファミコンロッキー』ってどんな漫画?
アーケードゲームを題材にした『ゲームセンターあらし』が大ヒットした後、世にはファミコンブームが巻き起こります。
そのファミコンブームに後押しされてコロコロコミックに連載されたのが、あさいもとゆき先生の『ファミコンロッキー』です。
拳法道場の息子である轟勇気が、得意の拳法を活用した独自のゲーム拳を繰り出し、数々の強豪たちとファミコンゲームで対決する漫画です。
「ファミコンロッキー」 1巻 あさいもとゆき/小学館より引用
町のゲーム大会から、世界をまたにかけたゲーム対決まで様々な戦いが繰り広げられる中、ファミコンのゲームやテクニックも紹介されていた作品です。
■取り扱うゲーム類
ファミコン
■おすすめポイント
本作のおすすめポイントは、作中のゲームで繰り出される架空の裏技です。
この『ファミコンロッキー』でも、「ゲーム拳50連打」や「阿修羅乱れ打ち」などの必殺技はありますが、残念ながら前出の『ゲームセンターあらし』ほどの迫力やバリエーションには欠けています。
その代わりというわけではありませんが、数々のファミコンゲームで実際には発生することのない裏技を登場させて、当時のゲーム好きの子供達を狂乱の渦に落としました。
ウソ技なので、これを良いと捉えるかは人によるかもしれませんが、当時は「嘘だろう?」とは思いながらも、「もしかしたら・・・」と万が一のことを考えてその技に幾度となく挑戦した人も多いはず。
賛否はあれど、ウソ技が作品を盛り上げていたことは事実で、ここでは中から珠玉のウソ技をご紹介致します。
- F1レース:アクセルボタンを1秒間に50回を超えて連打することで、自機の速度がマッハを超える
- バンゲリングベイ:バミューダ海域の中心でヘリを高速回転させると海面からバンゲリング帝王が現れる
- スパルタンX:24周目(Xはアルファベットで24番目)で、本来は助けるはずのシルビアが襲ってくる!
「ファミコンロッキー」 1巻 あさいもとゆき/朝日ソノラマより引用
特に有名なのは3つめの「スパルタンX」でシルビアが襲ってくるウソ技ではないかと思います。
真偽を確かめるため、ひたすらにミスターXを倒しまくった人たちは数知れず・・・
他にも様々な実在しない裏技が描かれていますので、興味を持ったら読んでみてください。
もしかしたら、「え、アレって嘘だったの!?」なんて技があるかもしれません。
2-3 『Gセン場のアーミン』:漫画家と編集の仁義なき戦い? ゲーム大好き漫画家のゲームに賭ける日常を描いたゲームエッセイ漫画
著者 | 柴田亜美 |
出版社 | エンターブレイン |
掲載誌 | 別冊ファミコン通信・攻略スペシャル |
巻数 | 全1巻 |
■『Gセン場のアーミン』ってどんな漫画?
『別冊ファミコン通信・攻略スペシャル』『ファミ通ブロス』にて柴田亜美先生が連載していた、柴田亜美先生自身のゲームに賭けた生活を描いたゲームエッセイ漫画です。
ゲーム好きの漫画家さんといって思い浮かぶ人の一人、柴田亜美先生。
柴田先生の日常の生活の中での、ゲームに対する接し方を描いているといいますか。
大好きなゲームをプレイするために、いかに担当編集者を誤魔化したり、だましたり、やり過ごしたりするか。
「Gセン場のアーミン」 柴田亜美/エンターブレインより引用
ゲームに対する血のにじむような思い、努力を(別の意味で)感じ取ることのできる作品です。
なお、本作の流れを汲む作品に、『ジャングル少年ジャン番外編 ドッキンばぐばぐアニマル』、『ドキばぐ』もあります。
■取り扱うゲーム類
ゲーム全般(アーケード、SFC、プレステ、セガサターン 等々)
■おすすめポイント
仕事よりもゲームが大好きな柴田先生が、血反吐を吐き、血涙を流し、仕事の状況を確認に来る担当編集の目をかいくぐり、それでもゲームをしようとする姿にゲーマーの鑑を見る思いです。
いや、ゲームってここまでのことをしないとプレイできないものなの?
そう感じずにはいられない執念を見せてくれます(どこまでが実話なのか、大げさに書いているのかは分かりませんが)
どうにかしてゲームをプレイしようとする柴田先生、どうにかしてゲームよりも仕事をさせようとする編集さん、そのやり取りが多く書かれているのですが、それだけなのにバリエーションの豊富なこと。
「Gセン場のアーミン」 柴田亜美/エンターブレインより引用
ゲームそのものを触れている部分は実はあまり多くないのですが、柴田先生がどのようなゲームを好んでいるかが分かります。
「バーチャファイター」を筆頭としたセガ系および格闘ゲームやスクウェア系のネタが多いと思いますが、中にはメサイヤとかエルフとか少々マニアックどころも出てきます。
エッセイというのは日常を描くだけに、読者に面白いと思ってもらうのは非常に難しいと個人的には思っています。
ですが、さすが柴田先生はネタにする目の付け所と表現の仕方がずば抜けています。
- あ、柴田先生のその気持ちわかる!
というネタから、
- いやいや、そんなことするの柴田先生だけでしょ!
と突っ込みたくなるネタまで、要は読者を引き込む術に長けているのですが、それもこれも大元には柴田先生のゲーム大好きな気持ちがあるからこそ、ゲーム好きな読者の琴線に引っかかるのです。
ゲームに対する愛情を、熱情を、思い出したくなったときには是非、手に取っていただきたい作品です。
あるいは、ゲームにあまり興味がなかった人も興味をもつようになるのではないかと思います。
また本作の続きともいえる『ドキばぐ』では、ファミコン通信連載ということもあって様々なメーカーやイベントに体当たりでのリポートを慣行し、『ドキばぐ』でしか得られないような情報が満載のエッセイとなっています。
「Gセン場のアーミン」 柴田亜美/エンターブレインより引用
柴田先生のゲームな日常から業界の裏話まで知ることが出来る、一粒で二度美味しい。
そういう作品です。
2-4.『れとろげ』:ファミリートレーナーやゲームギアも!レトロゲームネタがコマの隅々まで満載な濃厚マニアック作
著者 | くさなぎゆうぎ (著), 白川嘘一郎 (著) |
出版社 | マイクロマガジン社 |
掲載誌 | GAME BRIDGE |
巻数 | 全2巻 |
■『れとろげ』ってどんな漫画?
『れとろげ』は、くさなぎゆうぎ先生によって描かれた、タイトル通りに“レトロゲーム”を題材にした漫画です。
主人公の小平あゆみは高校に入学したばかりの女の子。
高校ではどんな部活に入ろうか、なんて考えていたあゆみは、「レゲー部」を「レゲエをやる部活動」と思って足を踏み入れます。
ところがそこは、「レトロゲームを楽しむ部」な「レゲー部」でした。
「れとろげ」 1巻 くさなぎゆうぎ/マイクロマガジン社より引用
先輩達がプレイしているのは、ファミコンとかメガドライブとか、あゆみにとっては全く知らないものばかり。
それでもあゆみは、個性豊かな先輩達に誘われてなんとなく入部してしまいます。
マニアックな先輩達と、マニアックなゲームで遊び、マニアックな知識を楽しめる作品です。
■取り扱うゲーム類
ファミコン、メガドライブ、などなどレトロゲーム全般
■おすすめポイント
とにかく、マニアック!!
もう、この一言につきると思います。
ファミコン、メガドライブは当然ですが、バーチャルボーイからゲームギア、さらにハードだけでなくファミリートレーナーだとか周辺機器にまでネタは広げられます。
マニアックではありますが、有名なマニアックさ(?)も取り込んでいますので、ファミコンなどのゲームを楽しんだ人であれば、きっとわかるネタもあるはずです。
「れとろげ」 1巻 くさなぎゆうぎ/マイクロマガジン社より引用
これなんかは有名な、『ミシシッピ殺人事件』の初見殺しトラップ。
こういう、マニアックながらも有名な作品が登場し、色々なネタで懐かしさでいっぱいになります。
基本、4コマ漫画なのですが、そのたった4つのコマの中に「これでもか」とばかりにネタが詰め込まれています。
主人公たちが話の中で触れることのない、背景に描かれているポスターや掲示板といった様々な個所に散りばめられているマニアックなネタの数々。
知らない人なら単なる背景の一つで見逃してしまいますが、分かる人は見た瞬間に思わず「ぶふっ!?」と噴き出してしまうこと間違いなし。
「れとろげ」 1巻 くさなぎゆうぎ/マイクロマガジン社より引用
あまりにマニアック過ぎて分からないネタも多々ありますが、各話の終わりに「マル秘攻略ガイド」と称したネタバレ、というか解説が付いているのでご安心を。
- 可愛い絵柄なのに、とにかくディープで濃すぎるネタ
- ファミコン、メガドラ、PCエンジンに明け暮れたあの頃
そんな思い出を抱えているレゲー好きの人なら、是非、コマの隅々まで見て全てのネタを発見することに挑戦してみて下さい。
こちらで読むことも可能です!
2-5.『進め!聖学電脳研究部』:プレステ雑誌に掲載されながらセ○ネタも辞さない!ヒラコー節炸裂の怪作
著者 | 平野耕太 |
出版社 | 新声社/角川書店 |
掲載誌 | ファミ通PS |
巻数 | 全1巻 |
■『進め!聖学電脳研究部』ってどんな漫画?
ヒラコーこと平野耕太先生が描いたゲーム漫画です。
主人公の西新井はゲームセンターで異名を轟かせるほどの凄腕ゲーマーです。
聖学園高校に入学した西新井は、そのゲームの腕を見込まれて電脳研究部(ゲーム部)に勧誘されます。
元より入部する予定だった西新井は、電脳研究部の部長である変人・寺門によって様々なトラブルに巻き込まれていきます。
ヒラコー節の炸裂した、好きな人には堪らない一作です。
■取り扱うゲーム類
プレステ、他
■おすすめポイント
炸裂するヒラコー節。
むしろ、これがヒラコーだ。
平野耕太先生といえば、『ヘルシング』、『ドリフターズ』で人気を博しています。
でも平野先生の本領は、上記2作のおまけページで描かれているようなノリだと思います。
「進め!聖学電脳研究部」 平野耕太/新声社より引用
掲載されていたのが「ファミ通PS」というプレイステーションの雑誌にも関わらず、やたらマニアックなネタをぶち込んできたり、ファミコンネタを突っ込んできたりと、とにかくやりたい放題。
「ゲーム大好きな人を描いた漫画」になっているわけで、そこに掲載雑誌への忖度などあるようもなし、むしろあったら真のゲーム好きとは言えん! と主張するような内容を好き放題描いています。
でも、それこそが魅力で、だからこそゲーム大好きな人の心に響くわけです。
よくもまあ、編集部も許したものだと思います。
いや、許さなかったから連載終了したという噂もあるみたいですが。
作品の魅力は主人公の西新井よりも、むしろ電脳研究部の部長である寺門の言動にあるといっても過言ではないでしょう。
- クソゲーマニア
- ゲームキャラ以外の女に興味のない重度のオタクで不細工に厳しい
- 常識? 何それ?
というキャラクター性で、これきっと平野先生のゲーム観なんじゃない? と思わせられます(本当かどうかは知りませんが、きっとそう!)
最終回ではとうとう、当時セガサターン版しか発売されていなかった『ギレンの野望』を出し、他のプレステソフトより『ギレン』を推してしまう!
「進め!聖学電脳研究部」 平野耕太/新声社より引用
2-4で紹介した『れとろげ』とはまた違った方向でマニアックなゲームネタが漫画内に散りばめられていて、しかも特に説明もされていないので、分かる人だけ楽しめるというのもマニア心をくすぐります。
この作品を読んで面白い! と思った人同士はきっと友人になれる。
そう思える作品です(笑)
2-6 『ハイスコアガール』:ゲームを通して登場人物の感情表現を行ったゲームに詳しくない人でも楽しめるラブコメ
著者 | 押切蓮介 |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載誌 | 月刊ビッグガンガン |
巻数 | 全10巻 |
■『ハイスコアガール』ってどんな漫画?
ゲーム大好きな漫画家さん、として思い浮かべるのは、
- 柴田亜美先生
- 平野耕太先生
そして、
- 押切蓮介先生
の三人です(個人的に)
その押切先生の代表作でもある一作です。
主人公の矢口春雄とヒロインの大野晶を中心に、もう一人のヒロイン日高小春も加えての、ゲーム(主としてストⅡ)を通して描かれたラブコメです。
春雄の成長を通してゲームや世の中の動きも追いかけることが出来、ストⅡが登場した時期に青春時代を過ごした人ならば当時のことを思い出しながら楽しむことも出来る作品となっています。
春雄の恋愛は完結しましたが、『ハイスコアガールDASH』が『月刊ビッグガンガン』2020年1月号より連載開始されて、再び盛り上がりを見せている一作です。
■取り扱うゲーム類
アーケードゲーム、PCエンジン等
■おすすめポイント
ゲームが好きな人はもちろん、ゲームにあまり詳しくない人でもラブコメとして誰でも楽しむことができます!
『ハイスコアガール』はゲーム漫画でありつつ、読んでいて胸がキュンとしてしまうような王道のラブコメとしての魅力が非常に大きい作品です。
主人公の春雄は、ゲームの腕は確かだけれど勉強も運動もからっきしという男の子。
そんな春雄がゲームを通して心を開かせていく、春雄を上回る剛腕ゲーマーヒロイン・大野晶。
さらに、ゲームに本気で心血を注いで熱中する春雄に惹かれていくもう一人のヒロイン・日高小春。
この黄金の三角関係は読んでいてどうなるのか気にならずにはいられません。
メインヒロインである大野さんの地位が揺るぐことはないだろうと思われながらも、日高さんにも報われて欲しいと思ってしまうようないじらしさ。
ファンの間では、大野-日高 論争が巻き起こるほど大野さんも日高さんも魅力的なキャラクターです。
「ハイスコアガール」 4巻 押切蓮介/スクウェア・エニックスより引用
ハルオ、大野さん、日高さんを繋げるのはもちろんゲームです。
物語はハルオ達が小学生の頃から始まり、高校生まで成長していきますので、その間に流行したゲームとあわせて同時代の出来事など背景も描かれるので、読み手もまた当時のことを思い出して楽しむことが出来ます。
ハルオ達の時代は押切先生の生年と重なり、1991年、アーケードで「ストリートファイターⅡ」が大流行した時代から始まり、90年代後半まで描かれます。
「ストⅡ」に始まり、「餓狼伝説」、「サムスピ」、「ヴァンパイアハンター」、「KOF」等々
同時期に青春時代を過ごした人は、ハルオとともに過去を追体験することが出来ます。
またアーケードの格闘ゲームだけでなく、PCエンジンのマニアックなゲームなども作中で色々出てくるので、琴線に響く人にはガンガンきます。
「ハイスコアガール」 2巻 押切蓮介/スクウェア・エニックスより引用
同時に、ゲームを通して登場人物達の心情が描かれるというのが非常に効果的です。
ラブコメですから、それぞれの思いは時々によって大きく揺れますが、キャラクター達は誰も皆口下手(大野さんなんか、そもそも喋らないキャラクター)
だからこそ、
- その時の気持ちをプレイで表現したり
- また時にはゲームキャラクターがハルオを励ましたり叱咤してくれたり
ともすればうじうじとした内面や感情吐露を、ユーモラスさも交えて表現することに成功しています。
「ハイスコアガール」 2巻 押切蓮介/スクウェア・エニックスより引用
内容的には、実はドロドロしたりモヤモヤしたりしている部分も多いのですが、ゲームを通じた表現をすることであまり感じさせないように出来ています。
押切先生の作品としては他にご本人の少年時代からの実体験を描いた『ピコピコ少年』シリーズも、常にゲームと共にあった少年時代を思い出させてくれてお薦めです!
押切先生が『ハイスコアガール』や『ピコピコ少年』で描かれている先生が過ごした地元を実はよく知っているので、風景や建物や景色といったものが滅茶苦茶に分かる、というのも個人的には非常に大きいです。
『ハイスコアガール』は、こちらで読むことも可能です!
2-7 『16bitセンセーション』:90年代美少女ゲームというアングラをノスタルジーに浸りながら楽しめる作品
著者 | 若木民喜,みつみ美里,甘露樹 |
出版社 | KADOKAWA |
掲載誌 | - |
巻数 | 既刊1巻(2020年11月現在) |
■『16bitセンセーション』ってどんな漫画?
最後の一冊はこれまでに紹介した作品とちょっと毛色が異なり、PCゲームを取り扱ったものとなります。
いえ、取り繕うこともありません、PCの90年代美少女ゲーム(アダルトゲーム)を題材とした漫画です。
「16bitセンセーション」 1巻 若木民喜/KADOKAWAより引用
作品の主人公はPCも美少女ゲームも知らない大学生の上原メイ子。
メイ子がバイト先のPCショップで美少女ゲームを知り、ゲーム開発も行っていたそのお店で一緒に美少女ゲーム開発をすることになり、その中で美少女ゲームについて知っていく漫画となっています。
描いているのは、ギャルゲーをモチーフとした『神のみぞ知るセカイ』を描いた若木民喜先生で、もとは同人誌で発表していた作品を商業単行本化したものということです。
■取り扱うゲーム類
PCゲーム(美少女ゲーム)
■おすすめポイント
90年代の美少女ゲームの歴史が分かってノスタルジーに浸れます!
90年代、パソコンは16ビットが主流となり始めていましたが、一般の人にはまだ近しい存在のものではありませんでした。
そんなパソコンを広げる一因には間違いなく美少女ゲーム(エロゲー)があったと思います。
主人公のメイ子がひょんなことから美少女ゲームを制作する一員となり、当時のゲーム製作の事情やPCゲーム事情を思い出すことが出来ます。
『ハイスコアガール』が90年代のテレビゲームの思い出を呼び覚ましてくれるだとしたら、本作は90年代PCゲームに関する懐かしさに浸れる作品といえます。
- 今では信じられないような、CGに16色しか使えなかったこととか
- そのCGをペンタブレットではなくマウスでカチカチと描いていたこととか
- 大量のフロッピーディスクを何度も入れ替えながらプレイしたこととか
「16bitセンセーション」 1巻 若木民喜/KADOKAWAより引用
泣ける・・・・!
また当然ながら、当時発売されていた有名どころの美少女ゲームについても語られています。
- 美少女ゲームをメジャーにした『同級生』
- 『同級生』の続編にしてモンスターソフトとなった『同級生2』
「16bitセンセーション」 1巻 若木民喜/KADOKAWAより引用
ただエロを強く求めていた作品から、シナリオに重きを置いてそれがユーザーに支持されて美少女ゲームの方向性を変えたこととか描かれており、90年代美少女ゲームの流れを追うことが出来ます。
18禁の漫画ではありませんし、エロを推している漫画でもありません。
- 90年代に青春を送った方は思い出しながら
- 当時、触れることが出来なかった方も追体験ができる
そんな、美少女ゲームグラフィティです。
3.まとめ
ということで
- 現代のeスポーツに先駆けたゲームバトル漫画
- ゲーム大好き漫画さんが描いたエッセイ
- 昔懐かしいレトロなネタを描いた作品
などなど、ゲームを題材にした7作品をご紹介しました。
もちろん他にも大島永遠先生の「四姉妹エンカウント」や、金田一蓮十郎先生の「ゆうべはお楽しみでしたね」などなど沢山あるのですが、よりゲーム色が強い作品を選ばせていただきました。
興味を惹かれた作品があれば是非、手に取ってみてください。
めくるめくゲームの世界に、たちまちのうちに夢中になれること間違いありませんから!
以上、神門でした。
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