みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『オタクに優しいギャルはいない!?』
です。
著者 | 原作:のりしろちゃん、漫画:魚住さかな |
出版社 | コアコミックス |
掲載雑誌 | 月刊コミックゼノン |
掲載期間 | 2021年~ |
単行本巻数 | 既刊1巻 |
ジャンル | ラブコメ |
もはや、ラブコメの中の1つのサブジャンルとして定着した感のある、「オタクに優しいギャルとのラブコメ」
マンガフル内でも、「その着せ替え人形は恋をする」を紹介したりもしました。
ここでまた一つ、新たな期待の一作が出てきました。
といいますか、個人的にはこの2022年、密かにダークホース的な一冊ではないかと捉えたくらい、とても良い!
タイトルに惹かれただけで前知識なしに購入したのですが、これが大正解!
既に何回も何回も読み直しているくらい気に入っており、購入直後にこれだけ読み返した作品は実に久しぶりです。
「オタクに優しいギャルはいない!?」 1巻 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな/コアコミックスより 引用
本作の主人公は高校一年生の瀬尾卓也。
名前が指し示す通りのオタクであり、しかも好きなジャンルというのが女児向けアニメ!
それが災いしているのか、中学時代はいじめられる日々を過ごしていたようで、高校に入学した今も親しい友達はいません。
そんな卓也の前に現れたのが、二人のギャル。
卓也の前の席に座っている伊地知さんと、伊地知さんと仲の良い天音さん。
クラスカーストの上位に存在していてなおかつギャルという二人。
普通なら卓也と接点もありませんし、そもそも親しい友人すらいない卓也が、苦手なギャルと仲良くできるはずもありません。
そんな状況を変えたのが、卓也がハマっている女児向けアニメ、「キラモン」です。
伊地知さんに、大事な「キラモン」の限定消しゴムを貸してほしいと言われて焦るあまり「キラモン」の情報を卓也は口走ります。
すると!
天音さんがその情報を素早く訂正!
それも、よほどハマっていないと分からないようなツッコミ。
・・・え、もしかして天音さんって・・・オタク!?
「妹が好きだから」と言い張る天音さんだけど、話せば話すほどオタクとしか思えなくて。。。
と、マイナーな女児アニメをきっかけにして、天音さん、伊地知さんという二人のギャルと仲良くなっていく姿を描いたラブコメです。
「オタクに優しいギャルはいない!?」 1巻 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな/コアコミックスより 引用
まず良い意味で期待を裏切られたのが、対象のギャルが二人いること!
表紙を見た時に、髪の長いギャル=天音さんがヒロインと思いきや。
まさかの、天音さん、伊地知さんという、白ギャル・黒ギャルのダブルヒロイン!
しかも、二人とも揃いも揃って可愛いのですよこれが。
まず天音さん。
こちらは美形のクール系ギャル。
男子からもモテモテだし、女子からも羨ましがられる美貌でクラスカーストの頂点に位置しています。
しかして天音さん、実は隠れオタクのギャルです。
ギャルでオタクといえば「その着せ替え人形は恋をする」の喜多川海夢がいますが、海夢はオープンオタク。
対して天音さんはオタクであることを隠していて、何かと「妹が好きだから」というのですが。
あらゆるところで、天音さん自身が「キラモン」を好きだということが漏れ出ていて、卓也の繰り出すトラップにことごとくひっかかります。
「オタクに優しいギャルはいない!?」 1巻 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな/コアコミックスより 引用
ひっかかってオタクらしさを見せた後、私はオタクじゃないからと隠そうとするところとか可愛いし。
隠そうとして結局隠せないところも可愛いし。
最初は隠していたのに、段々と卓也に対してはオープンになっていき、隠すよりも自分の楽しさを優先し始めるところとか可愛いし。
好きだけれど人にはバレたくない。
でも好きなことは語りたい。
そんな状況で趣味の一致する相手と出会ったのです、オタクならば好きなものを語らずにはいられないじゃないですかねえ。
- 卓也の家でうちわやライトを使ってアニメ鑑賞会で盛り上がったり
- オタアカでインスタで繋がりあったり
- 一緒にアニメグッズを買いに行ったり
- アニメのリアタイ実況をしあったり
今まで出来なかったオタク仲間とのオタク活動をこれでもかと満喫する天音さんの可愛い事よ・・・!
「オタクに優しいギャルはいない!?」 1巻 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな/コアコミックスより 引用
一方で伊地知さん。
こちらは天音さんとは対照的に、オープンでフレンドリーで人との距離感の近いギャル。
伊地知さんはオタクではありませんが、卓也の前の席で距離感が近いことから卓也と接するようになります。
そしてオタクではないけれど、オタクに対する偏見は持っておらず、むしろ「キラモン」に夢中になっている卓也を面白がり、そこまで熱中できるのは凄いとリスペクトしてくれます。
「オタクに優しいギャルはいない!?」 1巻 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな/コアコミックスより 引用
更に明るくて軽く見えますが、家では小さい弟たちのお姉ちゃんとして実に家庭的な女の子であったり。
頭もよくてテストの点数も良くて、卓也や天音さんに勉強を教えてくれたり。
フレンドリーだけど恋愛には興味がなかったので実は純情だったり。
天音さんとは違った意味でギャップの可愛いギャルです。
伊地知さんの距離感は男を勘違いさせるに十分ですが、天音と仲が良いこともあって卓也と接する機会も増えて。
そんな中で卓也をからかっているうちに伊地知さんも少し変わっていきます。
「キラモン」に興味を持つようになってきたり、他の男子とちょっと違う卓也に興味を覚えてきたり。
二人のギャルがヒロインで、どちらとも可愛いというのはなかなか難しいと思いますが、実に見事に実現しています。
見た目だけじゃなくて、中身が可愛いというのがとても大きいですね。
「オタクに優しいギャルはいない!?」 1巻 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな/コアコミックスより 引用
こうして、二人の異なるタイプのギャルと仲良くなっていくようなオタクに優しいギャル作品は珍しいように思いました。
でも、それを実にうまく描いています。
特に、二人との距離感の詰め方の見せ方が上手いなと思いました。
- クールだけど隠れオタクの天音さん ⇒ 自分の「好き」を一緒に楽しむことが出来るギャル
- 非オタクだけどフレンドリーな伊地知さん ⇒ 自分の「好き」を否定せず受け入れてくれるギャル
異なる方向性を持っている二人が、それぞれの性格にあわせて卓也と距離を縮めていきます。
恐らく天音さんだけ、伊地知さんだけ、だったらこんなふうにうまく卓也と距離は縮まなかったのではないかと思います。
そういう意味でも、二人のギャルのダブルヒロインという点でも成功しています。
「オタクに優しいギャルはいない!?」 1巻 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな/コアコミックスより 引用
仲良くなっていくなかで、天音さん、伊地知さん、二人とも卓也に対して少しずつ好意を抱いていきます。
卓也は、生まれて初めての事態に戸惑いつつ、二人の魅力に惹かれていきます。
果たして三人の関係がこれからどうなっていくのか、非常に楽しみです。
現実にこんなギャルが存在するはずがない、とか言ってはいけません。これはエンタメですからね!
この先もうまく展開していけば、これは今後、覇権とれますぞ!
そう思っちゃうくらい、気に入った作品でした!
気になった皆さんも是非、手に取ってみてください。
『オタクに優しいギャルはいない』は↓マンガBANGでも読むことが出来ます!
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