みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『平成敗残兵すみれちゃん』
です。
「平成敗残兵」とはなんぞや!?
それは、平成の時代にアイドルとして売り出すも鳴かず飛ばずで終わった、元アイドルで現プータローのすみれちゃん(31)のこと。
かつてのアイドルも、今は親戚が経営するスナックでバイトをしているだけ。
家賃を滞納し、煙草と酒とパチンコで日々を怠惰に過ごすだけの生活をしている。
そんなすみれちゃんの元に毎日のように通い詰めているのがイトコの雄星。
一回り以上年下の高校生の雄星から提案されたのは、同人アイドルの頂点を目指そうというもの。
すみれちゃんは、そういうことはもう嫌だと拒否しますが、雄星は諦めません。
母親のスナックに置いてやっていて、更に家賃の支払いも待ってあげていることをネタにお願いをすれば、すみれちゃんも断りきることができず。
また実際問題、お金がなくて困っているという実情もあり。
すみれちゃんはコスプレ撮影することを許諾し、雄星とともに同人アイドルの頂点を目指し(?)活動をしていくことになりました。
「平成敗残兵すみれちゃん」 1巻 里見U/講談社 より引用
本作は、そんな平成敗残兵すみれちゃんの、なかなかにクズっぷりな同人アイドル活動を追いかける作品です。
「平成敗残兵」というネーミングがなかなかに酷いですね。
ですが、すみれちゃんに限らず同じような敗残兵はきっと世の中にごろごろしているんでしょうね。
夢を見て憧れの世界に足を踏み入れたものの、激しい生存競争の中で夢破れ現実世界に戻っていく。
そこからまた新たな人生に前向きに取り組んでいけているなら良いけれど、力尽きたのか気力がわかないのか、うまく生きていけない人達。
そんな人たちの再起モノ!?
というわけでもなく(笑)
すみれちゃんはあくまでお金のため、「カラダ」という唯一の武器で立ち上がる。
実際、元々アイドルやっていただけあって顔は良く(やや怖い系だが)、スタイルは抜群。
「平成敗残兵すみれちゃん」 1巻 里見U/講談社 より引用
これで露出度も高いコスプレの写真集を出せば、買う人は買う・・・のだろうか?
ちょっとその辺のことはよくわからない部分ですが、実際、今どきは商業よりも同人の方が儲かるという話は聞きますよね。
プロでも、商業の方が知名度とかは高まるのでそちらは継続しつつ、同人でって人もいたような。
しかしすみれちゃん、元アイドルとはいえ今はスナックでバイトしている31歳。
かなりの廃人が入っています。
- 常に煙草を吸いまくり(だからお金がないのでは?)
- せっかく同人で稼いだ売り上げはあっさりとパチンコですり(本来は家賃を払うためのはず)
- 売り子として参加したイベントでは衣装を忘れたり(仕方ないので下着姿で売り子!?)
だけど顔と体はホンモノで、そんなすみれちゃんに目を付ける人もいます。
芸能プロダクションであるファムプロダクションの社長、ファムファタ任三郎(女性)
「平成敗残兵すみれちゃん」 1巻 里見U/講談社 より引用
ファムファタにスカウトの声をかけられたすみれちゃんと雄星は、とりあえず合同写真集を企画することに。
ここからすみれちゃんは同人界のスター街道をはしっていけるのか?
なかなか先が読めない作品です。
すみれちゃん、ファムファタ以外にも、雄星のクラスメイトのひよりさん(雄星に気がありそう)やファムファタのカメラマンなど、登場人物は皆かなり癖が強い。
ある意味でオタクの世界でもありますから、そうなってしまうのでしょうか。
でもすみれちゃんみたいなのも私は好きですよ!?
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