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『喫茶牢獄』感想。日本橋ヨヲコがお届けする、心の牢獄に囚われた人の解放の物語

 

みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。

皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。

今回ご紹介するのは

『喫茶牢獄』

です。

 

 

『G戦場ヘヴンズドア』、『少女ファイト』でおなじみ、日本橋ヨヲコ先生の新作です!

小説家の黒岩小森はメンタルを病んで引きこもり気味。

仕事の方も休業状態のため兄のいる実家に戻って引きこもっていたけれど、二か月ぶりに外出することを決意。

そんなコモリがたどり着いた先は「喫茶牢獄」

出会った二人

『喫茶牢獄』 1巻 日本橋ヨヲコ/集英社 より引用

 

そこは反逆罪によって人間に転生させられた悪魔のダンタリオンが囚われている場所。

入ってこられるのは特異な人間だけという特殊な喫茶店で、ダンやコモリなど、何かしらの牢獄に囚われている人たちが邂逅する。

日本橋ヨヲコがお届けする、何かに囚われた人々の心を解放していく物語。

 

ということで。

日本橋ヨヲコ先生らしい、人の心というか、愛憎、欺瞞、依存、そういったものに切り込んでいきます。

人の心というのは繊細なものだし、人間は弱いというか楽な方向に流れやすい生き物であると思います。

心が正常な時、健康な時だったら絶対にそんなことは思わなかったり、そんな行動はとらなかったり。

自分ではなく他の人を客観的に見ているときは分かっているのに、自分自身のことになると途端に正常に判断できなくなったり。

そういう思いを抱く方も多いのではないかと思います。

自分でもわかっている、理解しているのにやめられない、そういう経験がある人もいるかと思います

『喫茶牢獄』 1巻 日本橋ヨヲコ/集英社 より引用

 

特に近年の世界ではそういうのも顕著になっているし、昔は隠していたけれど今はそういうのもオープンになってきている。

それを漫画のエンタメとして落としていく日本橋ヨヲコ。

『G戦場ヘヴンズドア』、『少女ファイト』などでは、漫画であったりバレーボールであったり、他の要素がある中で心のことを描いていたけれど。

本作はどストレートに切り込んでいます。

それだけに重く感じる人もいるでしょうし、もしかしたらパワーを使うかもしれません。

読むときの精神状態には気を付けた方が良いかも?

 

コモリ自身がヤバい元彼に依存して酷い目にあったという過去を持ち。

他にも共依存のカップルが出てきて、共依存のシステムというか仕組みというかを説明してくれたり。

同じような経験があったり、近くにそういう知り合いがいたりすると、より説得力があるかもしれない。

もしかしたら頷いてしまう人もいるかもしれませんね

『喫茶牢獄』 1巻 日本橋ヨヲコ/集英社 より引用

 

でも、テーマは重いけれど、人間界に転生したダンの世間ずれしたところや、それによるコモリとの微妙なボタンの掛け違いとか。

重いだけではなく、くすりとするようなところもちゃんと描いてくれているので、重いだけでは終わらないようになっています。

ダンやコモリだけではなく、脳筋の天使であったり、ダンの手下であったり、そういったキャラたちも出てきてまた少し物語も広がっていきそう。

とはいえ、日本橋ヨヲコ先生の作品は大きく広がるというより、登場人物たちの箱庭世界で濃厚な物語が紡がれていくイメージなので。

どこまで深く描かれていくのかに注目したい感じです。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

社畜として働きつつ、漫画と小説と野球に癒される日々。人生を変えた作品は「女神転生」。プロ野球を愛しベイスターズを愛する。 熱血王道もの、血飛沫舞うバトルものから美少女百合ものまでなんでも好む。特に「無限の住人」の美しい殺し合い、「はやて×ブレード」のバカバトルが好きです。