【最近の新連載ショートレビュー】『スターリングラードの凶賊』速水螺旋人(楽園 Le Paradis)~独ソ戦時、口八丁の無精ひげアジア系と美青年ヒットマンが1万ポンドを目がけて暗躍す~

 

中山今

こんにちは、漫画の新連載を共有しまくりたい! マンガフルライター中山今です。

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この記事では最近始まった漫画新連載をショートレビューでご紹介します。

気に入る新連載を探すきっかけにしてみてくださいね。

 

  1. TOP絵
  2. 作品詳細
  3. 媒体記載あらすじ
  4. 一言レビュー

でご紹介します!

 

1、3月2週目の漫画新連載紹介~『スターリングラードの凶賊』~速水先生お得意のソ連もの。戦争の裏側でペテンと二丁拳銃が火を噴く歴史エンタメ活劇(いまのところ)~

 

『スターリングラードの凶賊』速水螺旋人 楽園 Le Paradis [ル パラディ]第38号 白泉社より引用

 

タイトル 『スターリングラードの凶賊』
作者 速水螺旋人
連載開始 2022年2月28日
掲載媒体 楽園 Le Paradis [ル パラディ]

 

【1話あらすじ】

1942年、夏。

ドイツとソ連は戦争2年目に入っている。

ある日、腹立たしいほど穏やかな晴天の荒野にて、ソ連兵がアジア系の囚人を処刑しようとしていた。

その囚人こそコミンテルン(国際共産主義運動指導組織)の殺し屋アンタレス。彼は突如現れた女装の二丁拳銃美青年に救われる。

青年はアンタレスに「スターリンがトルコへ持ち込む予定だった1万ポンド」の回収を依頼してきた。

青年とアンタレスは1万ポンドを求めてミゲルスクという田舎町に向かうが、そこにはドイツ軍が駐留していて・・・

 

 

中山今

【一言レビュー】

ソ連モノの大家、速水螺旋人先生の独ソ戦ものは二丁拳銃と口八丁が楽しいバディクライム!

 

速水螺旋人先生と言えば

  • ソ連史ムック『いまさらですがソ連邦』
  • ソ連(的なファンタジー国)のすちゃらか兵站サラリーマン漫画『大砲とスタンプ』
  • 独ソ戦を前線で戦った女性たちの聞き取り戦史漫画『戦争は女の顔をしていない』監修

といった作品が多数の、押しも押されぬ歴史漫画家。

 

今回の『スターリングラードの凶賊』も、史実上最大の市街戦に数えられる「スターリングラード攻防戦」をモチーフにした作品であると推測されます。

 

さすがその腕を存分に振るい、各種銃器や戦車、ドイツ軍とソ連軍(そしてその狭間の暗殺者)など歴史・ミリタリー好き熱狂の細やかなディテールが楽しい。

 

しかしアンタレスの鮮やかでハッタリの効いた口車や女装男子の二丁拳銃アクションなど、エンタメ仕上げの娯楽作品でもあると感じます。

 

丸メガネの無精ひげアジア系と美貌の金髪ロシア青年がバディでドイツとソ連の裏をかく・・・なんて楽しいじゃないっすか!

 

 

・・・と、言いつつ、速水先生は著作のまったり架空ソ連兵站物語『大砲とスタンプ』で楽しいお仕事モノ→壮大な戦争スペクタクルに鮮やかにジャンルを転換させたこともあります。

『スターリングラードの凶賊』は漫画的映えキャラが活躍しつつ、なにか印象的な広い空がピックアップされ、一抹のさみしさと不安を覚えたりも・・・

きっとなにか大展開があるに違いない!ひと時も気を緩めずに見守りたいと思います!

 

『スターリングラードの凶賊』掲載の楽園 Le Paradis 第38号はこちら

 

なお、速水螺旋人先生監修、独ソ戦前線女性兵士の聞き取りルポルタージュのコミカライズ『戦争は女の顔をしていない』も素晴らしいのでお勧めです。

原著のイメージを忠実に再現した、抑え目な表現が悲惨さを際立たせます。

 

※『スターリングラードの凶賊』、奇しくもこの2022年3月現在、現実に進行中の戦争と至近の距離の物語です。

しかしライターはエンターテインメントを自粛するのは良いことだとは思いません。

現実とはしっかり区分けをし、そのエモーションを楽しみ、そして悲劇に想像を馳せる助けとする、

それが文化であり、漫画だと思います。

 

 

 

 

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(中山 今)




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