みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『君と悪いことがしたい』
です。
高校一年生の綿谷まもりは、自分に自信がなくて気が弱くて、人に何か頼まれても(おしつけられても)、「はい」としかいえず断れないような女の子。
背が高くて目立つけれど、自信がないから前髪で顔を隠してしまう、そんなステレオタイプのようなクラスでの陰キャ。
その日もプールの掃除を押し付けられ、一人で広いプールの掃除を行っていたまもり。
そこに登場したのが学校一の嫌われ者の悪役男子・藤。
藤は、まもりに指示して勝手にプールの水を抜いてしまいます。
理由は、プールなんて嫌いだから。
ただそれだけの、純粋にプールなんて授業が嫌だから水を抜いてしまうという藤の行動に、まもりの心は動かされます。
今まで、何もできずに従うだけだった自分。
まもりは本当は、どんなに虐げられても自分の信念を曲げずに立ち上がってやりたいことをやろうとする、テレビの悪役のようになりたかった。
相手が正しいのだとしても、嫌なことは嫌だと、自分のしたいことをするためには悪いというようなことでも出来るようになりたかった。
藤の行動や考え方に憧れたまもりは、自分も藤のようになりたいと行動をともにするように。
これは、誰からも見向きもされない脇役と、誰からも好かれない悪役の二人が織りなす青春恋愛劇なのです。
「君と悪いことがしたい」 1巻 由田果/小学館 より引用
という感じの作品でございます。
メインは二人、まもりと藤。
まもりは、それこそある意味でテンプレ的な女の子。
クラスでは目立たず、自信がないから背は高いけれどどこか猫背気味、やぼったい長い髪で表情を見えなくして、ダサい制服の着こなし。
でも実は凄くスタイルがよくて、髪の毛もきちんとまとめて顔を出せば美少女!
身だしなみを整えれば、同一人物だとは思われません。
一方で藤の方はまもりよりも小さい華奢な体で、実際に体も弱い。
だけど性格は強気で、自分が嫌なことは嫌だというし、嫌なことをしないために自分にできることをします。
だから悪目立ちして、学校内では優等生の弟との比較もあって悪役(ヒール)扱いです。
だけど、自分のしたことで他人に迷惑をかけたなら、それに対する罰も素直に受けます(プールの水を抜いたことに対する罰も素直に受ける)
そういう意味では、さっぱりしていて、いじいじと陰険な感じは受けません。
「君と悪いことがしたい」 1巻 由田果/小学館 より引用
さて、その藤が敵対視しているのが、藤の弟の晃一。
同学年の弟だけど、実は藤の方が体が弱くて休学などもあって今の状態に。
そして更に二人は腹違いの兄弟で、父親は身体に欠陥のある藤ではなく、跡を継がせるために外で作ってきた子供。
幼いころからなんでもこなす完璧な晃一に、藤は言いようのないコンプレックスを抱き、晃一に反発するようなことを繰り返していたのです。
実際には同学年の子より3つも年上だけど、小さくて体が弱くて弟に対する反発心で意地悪なことをしているとか、少し可愛いかも?
さてさて、そんな完璧人間で小さい頃から何人もの彼女を作っては捨ててきた晃一が、変身したまもりに興味を!?
これは活かせると悪だくみをする藤。
一方のまもりは、そんな藤にのせられつつも、藤のことが気になって意識しちゃってきて。
何より、今まで誰も見ていなかった、まもり自身ですら見ていなかったまもりを見て、見つけてくれたのは藤ですからね。
「君と悪いことがしたい」 1巻 由田果/小学館 より引用
という感じの1巻。
主人公とヒロインは明確、その間に割り込んでくる悪役も明確、と分かりやすい構図。
そこからどのような関係性を描き、二人を近づけていくかは今後の展開次第、でしょうか。
まもりの気持ちは分かっていますけれど、流されやすい性格だけにどうなるか。
そして恋愛には鈍そうな藤も、どうなっていくか。
先を楽しみに待ちたいと思います。
気になる方は是非、さんでーうぇぶりでも読めますので、どうぞ!
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