当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

『青のフラッグ』トーマの好きな人が判明して解った2つの真意とは?序盤の行動・表情から徹底考察

こんにちは、マンガタリライターのいまいです。『青のフラッグ』が配信される月に一度の水曜日には、睡眠不足の予定が入っています。

私はひとに『青のフラッグ』を紹介する時は「大衆向け青春恋愛漫画のフリをした、人と違う人のための青春恋愛漫画」と言うのですが、それも序盤ストーリーからの一転の仕方が激しいため。

今回は『青のフラッグ』の転換点にいるキャラクター、トーマについて考察していきます!

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

トーマは、主人公の太一やヒロインの二葉以上に作中で特別なキャラクター。「彼の好きな人が誰か」という疑問の答えは読者が最も気にしていました。

作中序盤は太一視点で話が進んでおり、トーマの心情は詳しく描かれていませんでしたから、わかりにくくて歯がゆい思いをした人も多いのではないかと思います。

明白になった現在、これまでの彼の行動を振り返ると、いろいろな発見がたくさんありますよ!

  • そもそもトーマが二葉と仲良くなったのには目的があった!
  • 体育祭の応援団にトーマと二葉を巻き込んだのにも目的が!
  • トーマが言っていた「自由に生きたい」の意味とは……?

などなど、他にも細かな表情の描写にそれぞれ意図がかくされていたりと、振り返るだけでも面白さ満点でした。

それでは、『青のフラッグ』最重要人物のトーマについて見ていきましょう!

注意!

トーマは作中序盤では隠された部分が多いキャラクターです。この記事では作中序盤に伏せられていたことについても思い切り言及しているので、未読の方は注意が必要です。

1、 『青のフラッグ』ってどんな漫画?

青のフラッグ 1 (ジャンプコミックス)
作者 KAITO
出版社 集英社
掲載サイト 少年ジャンプ+
ジャンル 青春漫画

作者のKAITO先生は、『週刊少年ジャンプ』で『クロス・マネジ』と『バディストライク』を連載した経験を持ちます。どちらも連載期間は長くなかったものの、よく覚えているという人も多いでしょう。

掲載は『少年ジャンプ+』。集英社が管理するWeb漫画配信サイト・アプリです。

本作は電子書籍だけではなく、ジャンプ・コミックスとして単行本も販売されています。本屋で展示されているのを見たことがある人も多いでしょう。

第3回 次にくるマンガ大賞Webマンガ部門で3位を獲得しており、今、注目の作品です。

 

2、主要人物3人をさらっとおさらい

物語序盤の主要人物は3人です。トーマについて知るために重要なキャラクターたちなので、さらっとおさらいしましょう。

一ノ瀬 太一

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

主人公。空勢 二葉から相談を受け、彼女の願いを叶えるためにトーマと二葉を接触させます。

空勢 二葉

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

ヒロイン。太一いわく、「どんくさくて、いつも俯いている」女の子。

ふとしたきっかけで太一と話すようになり、太一にトーマとの接触を協力してもらうようになります。

三田 桃真

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

本記事の主役、トーマ。太一とは小学校からの幼馴染です。

野球部、運動神経抜群、何をしても平均以上。加えて身長189㎝、筋肉バキバキ、人当たりが良くユーモアもある……と、これ以上はないくらい優秀な人気者として描かれています。

『青のフラッグ』は、二葉のトーマへの恋愛に協力をする、という形で、主人公の太一視点で物語が始まります。

ですが、肝心のトーマにはすでに「好きな人がいる」というのが判明していました。

途中まで誰が好きなのかは明かされておらず、この疑問は作中でも重要な要素とされていましたね。

では、トーマの好きな人とは誰なのでしょうか。今では明確に描かれています。

 

3、 トーマの好きな人はあの人!

トーマの好きな人は太一です。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

トーマの恋愛対象は女性ではなく男性でした。昨今、日本だけでなく世界で権利が認められ始めている同性愛ですが、『青のフラッグ』はそれを大きく取り扱ったお話だったのです。

『青のフラッグ』最序盤は先述の通りに二葉のトーマへの恋愛を応援する形で話が進みます。

主人公の太一は二葉から相談を受け、幼馴染のトーマへの橋渡しをする……。その過程での細かな心情の描かれ方は素晴らしいと言う他ありません。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

応援しているはずの二葉への太一の気持ちを描いたワンシーンを見ると、切ない青春漫画だなあなんて思ったりもするのですが、ある時から話は大きく転換します。

トーマの好きな人は太一だった。この事実で、お話は根幹から揺らぎます。もはやただの切ない青春漫画ではありません。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

世界中で権利が認められ始めているとはいえ、それでも同性愛者は多数派ではありません。

トーマの恋愛対象の事実が学校で広まってしまった時は、学校はひどい噂で荒れました。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

トーマの恋愛対象が男性であることは作中でも早いうちから示唆されていましたが、ストーリーが「一般的な男女の恋愛漫画」であるかのように進んでいたので、理解が追い付かなかった人もいるかもしれませんね。

トーマは昔から太一のことを好いていましたが、中学の頃から太一がトーマの前で笑わなくなったことに気づきました。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

それは、太一がトーマと自身を比べ始めたからです。何をしても優秀なトーマと比較し、自分には取り柄もない。

やがて太一はトーマから離れた場所で笑顔を見せるようになりました。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

このことから、トーマの行動の目的は「太一を笑顔にさせること」になっていきます。

 

4、 トーマの真意その1:太一の幸せを願い二葉と付き合うようにしていた?それを表す3つの行動

さて、トーマの行動の目的がわかったところで、作中での描写を振り返っていきましょう。読み返せば、彼の行動が一貫して太一のためを思ってのことだったということが良くわかります。

また、今回紹介している以外にも、『青のフラッグ』にはトーマの微妙な心の揺らぎを描写しているシーンがたくさんあります。

ちょっとしたコマの表情やしぐさ、顔の向きなどに注目すると、さらに面白く読み返すことができますよ。

 

4-1 トーマが太一と二葉に話しかけたのは、2人を近づけさせたかったから!

「どうすればまた太一は笑顔になってくれるのか」を考えていたトーマ。ある時、太一と女の子(二葉)が話しているのを目にします。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

2人が持っていたのは小中学生が一度は遊ぶバトルエンピツです。トーマも遊んでいたのを思い出した太一の言葉に触発され、二葉が持ってきていたのでした。

太一は「(トーマへの話題作りとはいえ)今もってきてもどうするんだ……?」と困惑していましたが、彼らからすると驚いたことに、トーマから話しかける展開となります。

この時のトーマの心情は、「太一と二葉を仲良くさせたい」というもの。

実は、過去に太一が好きになった女性がトーマのことを好きになってしまったことがありました。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

知らないうちに太一の失恋のきっかけを作ってしまったことに、トーマは気づいていました。

トーマはずっと引け目を感じており、二葉と太一が近づき、太一の幸せにつながればいいな……と思っていたのです。

これ以降も、トーマは太一と二葉が付き合うことになるよう行動します。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

出会って間もないころのトーマと二葉のワンシーン。

一見屈託のなさそうな表情に流れる一筋の汗は、「自分の好きな人の幸せを願い、自分以外の人間を近づけさせる」という非常に切ない思いをよく表していますね。

 

4-2 体育祭の応援団に2人を引っ張りこんだのは太一のため。でも、トーマ自身の望みでもあった!

物語序盤に描かれた体育祭。これにより、太一、トーマ、二葉、そして二葉の親友の真澄たち4人の距離が縮まっていましたね。

太一、トーマ、二葉は体育祭の応援団として活動しました。それはトーマが2人にお願いしたため。

もちろんこれは太一と二葉を近づけるための行動だったと考えて良いでしょう。トーマには野球部の練習もあったため、太一と二葉が2人で練習する時間が多くなり、2人の距離は確実に縮まりました。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

このシーンのあと教室に入ろうとしたトーマは「邪魔じゃーん」と言って出ていこうとしましたね。

ただ、2人の距離が縮まることが目的だったとはいえ、「頼むよ」と言う表情から察するに、トーマ自身の望みでもあったのでしょう。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

トーマはこの体育祭に関して「最後」だと言っていました。

それは「大学に進学しないため、学校の各種イベントへの参加が最後になる」という意味ですが、「太一にこのようなことを望むのが最後」という捉え方もできるのではないでしょうか。

トーマは太一と二葉が付き合うように願っています。二人が恋人となったら自分はもうこの今のままではいられない、だから最後に三人で応援団を……という心理です。

 

4-3 太一の誕生日プレゼントを二葉に勧めた夏祭り。絶対に喜ぶものを教えたトーマ!

太一の誕生日は夏祭りと同日。誕生日プレゼントの話になるのは当然の流れですね。

ですが、二葉は「(誕生日プレゼントを)あげても困るかな……太一くん」と自信のない様子でした。その背中を押したのもトーマです。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

しかも、太一の好みを知っていたトーマは、絶対に喜ばれるという確信をもって、マドレーヌをあげるよう二葉に助言。

太一は一瞬喜びましたが、トーマの入れ知恵だということにはすぐ気づいていましたね。

また、プレゼント選びの際には、二葉が意識することをもくろんでか、確信に迫るような一言を放ちました。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

これらのトーマの行動が実を結び、2人が付き合うことになったと考えると……トーマが太一を好いている分、複雑な気分になりますね。

 

5、 トーマの真意その2:「周りと違う」ことを自覚するトーマの本当の願いは「自由に生きる」こと!

トーマの行動の真意のひとつは「太一と二葉が付き合うようにしていた」というものでした。

これは、かつて太一がトーマの前で笑顔を見せなくなったことから、「どうすればまた太一の笑顔を見られるだろうか」と考えた結果の結論です。

しかし、実はトーマの行動にはもう一つ真意があります。それは自由に生きたいという願いです。

 

5-1 「自由に生きたい」という願いの発端は、「周りと違う」という自覚!

「周りと違う」というのは本作で時折出てくるキーワード。最初にそのエピソードが語られるのは、二葉とトーマの出会いのシーンです。

彼らが出会ったきっかけは、二葉が育てるトマトの苗に野球部のボールがあたったことでした。

彼女の苗は育ちが悪く、二葉はそれを自分のせいにしていました。自分が育てるといつも育ちが悪い、と言います。

一方、トーマはそのトマトの苗に自分を重ねていました。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

「周りと違ってうまくいかない自分を、歯がゆく思ったりすんのかなぁ……」。

幼少から自分が周囲の人々と自分が違うことを理解していたトーマは、特に周囲を気にし、自分の本当の想いをさらけ出さないようにガッチリと隠していたのです。

 

5-2 隠せなかったトーマの想い! 骨折がきっかけでほころび始める

「周りと違う」ことを隠して生きてきたトーマ。その甲斐あってか、作中では友人が多い人気者として学園生活を送っています。

その隠していた態勢がほころび始めたきっかけは骨折です。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

甲子園を目指し勝ち進んでいたトーマと野球部。しかし、太一が自動車から猫をかばおうとしたことで様相は一変。

その太一をさらに庇ったトーマは骨折してしまい、試合出場が不可能になってしまいます。

太一がそれに責任を感じ、「オレなんてあのまま……」と言いかけた瞬間、トーマの本音が出ました。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

太一の目の前でトーマの本心が顔を出したのはこれが初めて。思いもよらない、というような太一の顔が印象的ですね。

その直後、トーマは「親友だろ?」ともう一度本心を隠そうとしました。

この「トーマの本心」については、夏祭りが近づくにつれ再び迫っていきます。

二葉と太一への誕生日プレゼントを選ぶ際、ふとしたことから、「二葉はトーマのようになりたかった」という事実が発覚。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

要約するとトーマに憧れていた、ということなのですが、トーマもまた「オレが二葉だったらなぁ」と思うことがある、と言いました。

それは恐らく「二葉だったなら、恐れることなく太一に本心を言える」ということなのでしょう。

ですが、それを知らない二葉はこう言います。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

「どんな自分になりたいの?」

そう聞かれたトーマは答えることができませんでした。具体的なイメージがないことに気づいたのです。

今まで本心を隠すことばかり気にして生きてきたトーマには、「自分はどんな人間になりたいのか」という指針がなかったのです。

 

5-3 「どんな自分になりたい」か、その答えのひとつが「自由に生きたい」

「周りと違う」ということにばかり囚われていたトーマ。しかしその悩みは根深く、それを共有する真澄がその気持ちを代弁します。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

自分は「周りと違う」。そのことに悩み苦しむ彼らは、自身の本心を隠して生き続けていました。

「どのように生きれば良いのか」という問いと直面した時、彼らは思いをさらけ出して生きるという選択肢をとることができません。

だからこそ、太一から「やりたいことねえの?」と聞かれた時、トーマの口をついて「自由に生きたい」という願いが出たのです。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

好きなことを好きなだけ好きと言えて、誰からも否定されないで……という願いですが、「周りと違う」と自覚しているトーマは、それが難しいことだと考えていたのでしょう。

「どんな自分になりたいか?」という問いに対し、トーマはまだ明確な答えを出せてはいません。

ただ、「自由に生きたい」というのが彼の願いです。本作ではキャラクターの進路もひとつのテーマとして取り扱っていますから、トーマの今後に注目ですね。

 

6、 学校中に知られてしまったトーマはこれからどうするのか?

さて、このように「周りと違う」という自覚を持ち、「太一が好き」という事実をひたすら隠して生きてきたトーマ。

太一が二葉と付き合ったのを最後に、自身の気持ちには蓋をするつもりだったのだと思います。

ですが、トーマの気持ちは思いもよらないタイミングで知られることになりました。

きっかけになったのはクラスメートのマミです。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

彼女はトーマに告白して振られてしまっていました。ですが、諦めきれずに再度アタックを敢行します。

それでも振られてしまったものの、「それならせめて親友に」と誠実に伝えるマミに、ついにトーマは隠し続けてきたことを告白しました。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

ですが、教室の外に友人たちがいたことから、それが学校中に広まってしまいます。

学校は心無い噂で持ちきりになり、その影響は二葉にまで及んでしまうほど。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

この時、トーマは友人らに暴力を振るってしまったことから、一週間の自宅謹慎処分となっていました。

そこに「ちょっと話そう」とやってきたのは兄の誠也です。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

トーマと誠也の両親は交通事故で無くなっており、年の離れた兄である誠也は、トーマの親代わりも務めていました。

そんな彼がもちかけた話は、トーマの幸せについてです。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

「社会のルール上、トーマが生きづらい道を進むなら……」という前置きで、誠也は「トーマを止める」と言いました。

それもあくまでトーマの幸せを願ってのことです。

トーマは、自身の望みが社会に受け入れられやすいものではないと知っています。

だからこそ、「トーマを止める」と言った誠也に対し、一瞬だけ悲しみの表情を浮かべるのですが、誠也の言葉には続きがありました。

青のフラッグ / 少年ジャンプ+より引用

あくまでトーマの幸せはトーマが決めるもの。「止めるし忠告もするが、否定しないし応援する」、そして「自由に生きろ」と言いました。

「自由に生きる」ということは、「周りと違う」トーマにとっては難しいことですが、誠也はそれを応援してくれます。

一週間の謹慎がとけたあと、トーマはどのように太一たちと接するのか、注目ですね。

7、 まとめ

以上、『青のフラッグ』の重要人物、トーマについてでした。

物語序盤は太一視点のため、トーマが何を考えていたのか分かりにくかったと思います。トーマについて重要なのは以下のポイント!

  • 好きな人は太一!
  • 真意1:行動の目的は太一と二葉を近づけること(太一の幸せのため)。
  • 真意2:「周りと違う」ことを自覚しており、そうしたことを気にせず「自由に生きたい」と願っている。

2019年11月現在、『青のフラッグ』の物語は佳境の真っただ中です。

トーマだけではなく、同様の悩みを抱える真澄、女性特有の苦い経験を持つマミ、そして太一や二葉の進路など、まだまだ目が離せませんね。

トーマが何か行動をするときには、必ず上記の3点のいずれかが関係します。ぜひ、注目して読んでみてください。

いまい

 

 

Visited 1,099 times, 1 visit(s) today




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

漫画アプリに余暇の全てを吸い込まれる20代フリーライター。古本屋で「ヴィンランド・サガ」を立ち読みして人目もはばからず号泣した経験を持ちます。 中学生の頃には「テガミバチ」に登場する住所の番地を暗記してました。期末テストの範囲だと思っていましたが結果は赤点でした。