マンガタリライターじょにすけです。
「最高のラストが待っている読後感のいい漫画が読みたい!」
そんなときってありませんか?
今回ご紹介するのは「ラストが最高な漫画」です!
漫画好きなら、「あの漫画のラストはほんと良かった!」という作品の1つや2つ…といわず、いくつもあると思うんですが、今回は漫画大好きなライター1人1人が、その中から1つ…
最高のラストを味わえる作品をおすすめします!
きっと読みたい作品が見つかるはずです。中には「そうそう、このラスト最高だったよね〜!」という作品も出てくると思います。どうぞお楽しみください!
企画の特性上、ラストシーンに言及しているため多少のネタバレを含んでいます。ネタバレが気になる方はご注意ください。
目次
- 1、『とある飛空士への追憶』:一切の言葉を使わず、絵だけで語る別れのラスト!
- 2、『真空融接』:言葉では言い表せない2人の強い絆に感動するラスト!
- 3、『太陽が見ている(かもしれないから)』:ずっと素直になれなかった2人が最後の最後で素直になれたラスト!
- 4、『うる星やつら』:最後まで「好き」を言わないけど、そんなふたりが素敵なラスト!
- 5、『無限の住人』:数々の物語が遙かな時を隔てて1つに繋がるラスト!
- 6、『からくりサーカス』:守られる側から守る側へ成長を遂げた主人公に涙するラスト!
- 7、『ラフ』:漫画史と記憶に残る告白で締めくくられるラスト!
- 8、『大長編ドラえもん のび太の宇宙開拓史』:友だちや冒険との笑顔のお別れ。不思議な残留感があるラスト!
- 9、『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』:読み直し意欲と終わらない大議論を無限に広げるとんでもないラスト!
- 10、『ペット リマスター・エディション』:人間の儚さを感じると同時に強く生きる勇気をもらえるラスト!
- 11、『それでも町は廻っている』:終わりだけど終わりじゃないよ!楽しかったよ!そんな気持ちにさせてくれるラスト!
- まとめ
- あとがき:漫画好きの漫画を語りたい気持ちは終わらない!?
1、『とある飛空士への追憶』:一切の言葉を使わず、絵だけで語る別れのラスト!
原作 | 犬村 小六 |
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作画 | 小川 麻衣子 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | ゲッサン |
掲載期間 | 2009〜2011年 |
巻数 | 全4巻 |
2、『真空融接』:言葉では言い表せない2人の強い絆に感動するラスト!
作者 | びっけ |
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出版社 | KADOKAWA |
レーベル | B’s-LOVEY COMICS |
発行年 | 2007年 |
巻数 | 全3巻 |
言葉にはしていないけど、2人ともお互いを大切にしているんだと伝わってきます。
3、『太陽が見ている(かもしれないから)』:ずっと素直になれなかった2人が最後の最後で素直になれたラスト!
作者 | いくえみ綾 |
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出版社 | 集英社 |
掲載誌 | Cookie |
掲載期間 | 2014〜2018年 |
巻数 | 全8巻 |
愛情だと自分に言い聞かせて日帆と付き合い続けていた楡が、自分の本心に気付いて日帆にお別れをします。
日帆も楡に依存していましたが、その傍らで本心を支えてくれていたのは別の人でした。
日帆を支えていた男が楡に「岬のことはどう思っているのか」と問い詰めます。そこで、初めて楡は本心を吐き出しました。
「眩しすぎて目が眩む」 楡のことをずっと自分の太陽だと思ってきた岬にとって、こんなに嬉しい言葉はないと思います。
楡にとっても岬は太陽だった。お互い眩しくて、お互い愛しくて、大切にしすぎて一緒にいられなかったんですね。大切にする方法を間違えていたんです。
それに気付いて、一緒にいることで大切にする方向へ向かうラストは最高です。
楡と岬は高校生の時平屋でルームシェアをしていましたが、日帆が来たことでそれが崩れ、平屋にも住めなくなってしまいました。
最終話では、2人がその平屋に戻ってきます。床を張り替えたり、ペンキを塗り直したり、庭の手入れをしたり、少しずつ手を加えてその平屋で生活する2人は、やっぱりお似合いだなぁ、と胸が熱くなります。
4、『うる星やつら』:最後まで「好き」を言わないけど、そんなふたりが素敵なラスト!
作者 | 高橋 留美子 |
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出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
掲載期間 | 1978〜1987年 |
巻数 | 全34巻 |
最後まで「好き」という言葉を言わずにラムちゃんを納得させたあたるですが、そんなあたるの姿を見ていてラムちゃんが「いじっぱり」と思うところが本当に大好きです。
最終ページの「一生かけていわせてみせるっちゃ」「いまわの際に言ってやる」このやり取りもきっと一生目に焼き付いたままだと思います。
「いまわの際」の意味を知ったのはこの時でした(笑)
5、『無限の住人』:数々の物語が遙かな時を隔てて1つに繋がるラスト!
作者 | 沙村 広明 |
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出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 月刊アフタヌーン |
掲載期間 | 1993〜2012年 |
巻数 | 全30巻 |
最高に面白い時代劇だった!
八尾比丘尼につれられた少女、布由が持っていた短剣は、凛が瞳阿に貰ったあの小刀でした。
瞳阿の故郷(アイヌ)の女達は年頃になると小刀に綺麗な模様を彫って好きな男に「身に着けて下さい」と贈るという。瞳阿が先に彫っていた模様は「ウヌカラカンナスイ(離れても再び会う)」 凛の子孫である布由の手を経て、本当に再び会ったのです!
あの小刀、このためにあったのか! と。
最後、布由と手を繋ぐ万次。その右手は小指が欠けている。それは、かつて倒した逸刀流の統主・天津影久の右腕を万次が付けていたから。
逸刀流の統主・天津影久の手と、逸刀流により両親を失い復讐に命を賭けていた凛の手が遥かな時を隔てて繋がれるということに痺れます。
万次と凛(布由)という結ばれなかった二人が繋がるという恋愛要素としても、復讐譚が終わるという物語要素としても、ここまで読んできて良かった!そう思わせてくれるラストでした
6、『からくりサーカス』:守られる側から守る側へ成長を遂げた主人公に涙するラスト!
作者 | 藤田 和日郎 |
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出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
掲載期間 | 1997〜2006年 |
巻数 | 全43巻 |
もともとマサルは財閥の遺産を狙われ、親族から狙われる「守られる子ども」でした。しかし憧れのアニキ鳴海に出会い、守りたい女性しろがねを得て、ひ弱な泣き虫は心身ともに成長していきます。
すべてのストーリーに決着がついた最終ページでは、大きく成長したマサルが登場。
その姿はアニキ・鳴海の登場シーンをほうふつとさせるもの。43巻という長尺で見てきたあのマサルが、アニキになった・・・いや超えたッ!
藤田先生のニクい演出に体の底からグッとアツくなる、超感動のラストシーンです!
私もラスト大好きです!!
7、『ラフ』:漫画史と記憶に残る告白で締めくくられるラスト!
作者 | あだち 充 |
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出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
掲載期間 | 1987〜1989年 |
巻数 | 全12巻 |
やられたー!感がすごいです。(まだ読んでない人にはぜひ味わってほしい)
ラストのセリフ「あなたが好きです。こちら二宮亜美。大和圭介 応答せよ。」はたぶん一生忘れないと思います。
ちなみに勝敗の結末は描かれていません。あとは、読者の想像・楽しみ方次第!というラストになっています。ぜひお楽しみください!
8、『大長編ドラえもん のび太の宇宙開拓史』:友だちや冒険との笑顔のお別れ。不思議な残留感があるラスト!
作者 | 藤子・F・不二雄 |
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出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 月刊コロコロコミック |
掲載期間 | 1980〜1981年 |
巻数 | 全1巻 |
ラストシーン。畳の下の異世界(コーヤコーヤ星)との経路が閉じてしまった後に、ドラえもんとのび太がめっちゃイイ笑顔で空(宇宙)を見あげて笑ってるんです。友だちとも、冒険ともお別れしたのに。
子供の頃に見えていた異界と繋がるドアが閉まっても、繋がっていた頃の時間は――空想的な世界での冒険の時間は、当人のその後の人生を祝福してくれる。
あるいは我々の人生そのものも、万人にやがては死が待っているという点で虚構的であるのかもしれない。
僕らは本当の世界(?)的な場所から、のび太が「コーヤコーヤ星」に来ていたように、この世界に一時やってきているだけで、死んだらどこかに戻っていくのかもしれない(死生観とか、宗教観などが関わる話ではありますが)。
だとしたら、この生が終わった時に、それが虚構だったにしろ、異界での出来事だったにしろ、「楽しかったな」と笑いたい。
いずれ、何らかのカタチで生きてる僕らの異界への扉も閉じる。
でも、きっとドアが閉った後も、僕らの旅には何らかの意味があったのだと笑顔を浮かべることはできる。
そんな不思議な残留感があるラスト一コマで締めくくられる、『大長編ドラえもん のび太の宇宙開拓史』を、「ラストが最高な漫画」に選びたいと思います。
9、『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』:読み直し意欲と終わらない大議論を無限に広げるとんでもないラスト!
作者 | 荒木 飛呂彦 |
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出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
掲載期間 | 1999〜2003年 |
巻数 | 全17巻(64〜80巻) |
第三部以降、「時間を止める」「時間を戻す」「時間をスキップする」といったチート能力のラスボスが出てくるのですが、「こいつをどうやって倒すのだろう?」と思っていたら、まさかこんな大団円になるとは!
少年漫画で超能力の設定がインフレを起こすのはよくあることですが、その解決として「長期連載してきた物語の時間軸そのものをいじる」という大胆な展開に持ち込むとは!
荒木飛呂彦先生にしかできない、というか、荒木飛呂彦先生にしか思いつかないオオワザと言えるでしょう!
『ジョジョの奇妙な冒険』は各部がいちおう独立しているのですが、この第六部『ストーンオーシャン』を読み終えると、各部の意味合いがガラリと変わってしまいます。また各部を(特に第三部以降を)読み直したくなってくる趣向です。
この第六部の終わり方の粋なところは、良い意味で「もはやスケールがデカすぎて細かいところは読者ひとりひとりが頭の中で補填しなくちゃいけない」ところでしょうか?
「えー!第六部のラスボスとのスタンドバトルで、すべての歴史の時間軸がこうなった、、、ということは、第三部のあいつはどうなったんだ?第四部のあいつは?」と気になって、長大な『ジョジョの奇妙な冒険』世界をまた、たどり直したくなってくる。
物語は大団円したのに、読者の「読み直し意欲」を無限に広げてしまうという、とんでもない終わらせ方です。未読の方は是非読んでください!
そして「この第六部の最終コマの意味するところはいったい!」の、終わりのない大議論に、ぜひ、ご参加くださいませ!
10、『ペット リマスター・エディション』:人間の儚さを感じると同時に強く生きる勇気をもらえるラスト!
作者 | 三宅 乱丈 |
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出版社 | 小学館・KADOKAWA |
掲載誌 | ビッグコミック スピリッツ |
掲載年 | 2003年 |
巻数 | 全5巻 |
ラストの展開が切ない!人間は本当に複雑な生き物で、1つのすれ違いからこうも悲劇が生まれてしまうのか。という人間の儚さを感じました。
同時に、「人間は悲しいことがあっても、それを受けとめ前を向いて強く生きていかなくてはいけない」と勇気をもらえる作品でした。
読み終わった後も、思わず考えにふけってしまうラストで、読者によって様々な解釈ができる再読必須な作品です。最高でした!
11、『それでも町は廻っている』:終わりだけど終わりじゃないよ!楽しかったよ!そんな気持ちにさせてくれるラスト!
作者 | 石黒 正数 |
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出版社 | 少年画報社 |
掲載誌 | ヤングキングアワーズ |
掲載期間 | 2005〜2016年 |
巻数 | 全16巻 |
見た目通りの最終巻最終話が本当のラストというわけではありません。それを踏まえた上で、数あるストーリーラインの中で、私が一番お気に入りのものをラストと捉えて書かせていただきます!
それは『16巻 第127話 至福の店フォーエバー』です。タッツンと歩鳥が看板を磨いているシーンが本当に感慨深かった!
タッツン「ねぇ 楽しかったね」
歩鳥「うん 楽しかった」
このセリフに私も思わず心の中で「楽しかった!」と返事をしてしまったくらい楽しい漫画でした。ずっとずーっと読んでいたかった。
ここで一つの物語は終わりを迎えるのですが、次の日はいつものように客が訪れていて。物語は終わっても、日常はまだまだ続いていくことが描かれています。
終わりだけど終わりじゃないよ!寂しくないよ!そんな気持ちにさせてくれる、私の中の『それ町』の最高のラストでした。
まとめ
数ある素晴らしい作品の中から、漫画ライターが悩み抜いて選んだ作品たち。
- 多くのことを語り合うラスト
- 強い絆で繋がるラスト
- 主人公たちの成長にアツくなるラスト
- 不思議な余韻を残して笑顔でお別れするラスト
- 新たな波紋を広げるとんでもないラスト
- 切ない展開で人間の儚さや強さを感じさせてくれるラスト
- 終わりだけど寂しくないよ!そんな気持ちにしてくれるラスト
ほんとに人それぞれ、思い思いの最高のラストがありますね。
そんな作品たちのラストを見てきたわけですが…
漫画家さんにとっても、1つの作品の終わりって感慨深いものだと思います。
どう終わらせるか?考えに考えた末に、いろんな思いを込めて描かれていると思うんです。
僕らに最高な結末を見せてくれて、最高に感動させてくれてありがとう!
…ですね!
ということで、今回は11作。各ライターおすすめの「ラストが最高な漫画」を紹介させていただきました。
僕もまだ読んでない作品がいくつもあるので、これから読んで、思い思いの最高のラストを味わいたいと思います。笑
ぜひあなたも最高のラストを味わってくださいね!
あとがき:漫画好きの漫画を語りたい気持ちは終わらない!?
最後に、企画進行中に出てきたマンガタリメンバーのコメントの一部もご紹介します。
まだ読む漫画を決めかねてるという方の参考になれば幸いです。
また、好きな漫画の話で盛り上がる漫画好きの様子をお楽しみください。笑
…
…
「いまわのきわ」の意味を知ったのはこの時でした(笑)
『寄生獣』のラストも好きですよ!!
そうだ『寄生獣』もあった・・・!!最高だった・・・
「終わり、、、なのに、エー!この終わり方をしたということは、これまでのストーリーはどうなっちゃうの?」という良い意味の混乱をもたらし、時間軸を無限ループにしてしまったという点で、こんなに(楽しい意味での)議論を振りまいた作品はなかなかないでしょう。
『ストーンオーシャン』は近々アニメ化されるという予測も込めて投稿させていただきました!
ただ今回はちょっと変則的にメイド喫茶終了のお話をラストとして書かせていただきました…!
なので好きな人から反論が来るかもですね・・・来たら嬉しいなあ。
漫画の捉え方って人それぞれだから、反論がきたらきたで議論できて嬉しいものがありますね!
…
…
やっぱり、好きな漫画の話題で盛り上がれたり、漫画あるあるで共感できたら楽しいですね。反論があっても議論できるから嬉しい。笑
漫画の話題1つで、漫画好きの漫画熱はいつでも再燃可能です!
好きな漫画を好きだと叫びたい。語りたい。議論したい気持ちに終わりはありません。笑
その中で一度は臨まない無理矢理な形での別れとなったが、「きちんとしたお別れを」という飛空士の決意から、彼らは言葉すら交わさないものの、しかしとても多くのことを語り合う別れを経る。
やがて姫は名君として歴史に名を残したたものの、飛空士は誰にも知られることはなかった。しかし……。