みなさんこんにちは、今日も今日とて漫画読んでますか!? マンガタリライターの神門です。
さて今回は、
「2019年5月にマンガタリのライターが読んだおすすめ漫画」
を紹介します!
5月といえば令和です! 新元号となった記念すべき月にマンガタリライターがおすすめする作品は果たして何か!
ぜひ、みなさんが次に読む漫画の参考にしてください!
目次
- 1、『デビルズライン』 / 吸血鬼とヒトの恋から吸血鬼とヒトの未来までを描くダークファンタジー
- 2、『虹色とうがらし』/ あだち充先生が描く、7人の異母兄妹が織り成すSF時代劇ラブコメ!
- 3、『映像研には手を出すな!』 / モノづくり関係者なら必ず頷ける熱いクリエイター漫画
- 4、『メイドインアビス』/ 甘い絵柄ながら辛口さも含んだストーリーが予想を上回る面白さの冒険ファンタジー
- 5、『その着せ替え人形は恋をする』/ オタクなギャルと冴えない服飾男子のコスプレを通したピュアなラブコメ
- 6、『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』/ 自虐モノから青春群像劇へ変貌を遂げる非モテコメディ
- 7、『フェルマーの料理』/数学の道に挫折した少年が料理の世界で躍動する、数学×料理の意欲作!
- まとめ
1、『デビルズライン』 / 吸血鬼とヒトの恋から吸血鬼とヒトの未来までを描くダークファンタジー
作者 | 花田陵 |
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出版社 | 講談社 |
掲載誌 | モーニング・ツー |
掲載期間 |
2013年3月~2018年12月
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巻数 | 既刊13巻(2019年5月現在) |
鬼×女子大生のダークファンタジーラブストーリー。
主人公の平つかさはひょんなことから吸血鬼の安斎環と恋に落ち、二人はヒトと鬼の境界を越えてゆっくりと恋を育んでいきます。
そう聞くとほのぼのラブストーリーのように思えますが、中身はかなりバイオレンス!
鬼による連続殺人事件が起こったと思えば、今度は鬼が標的となり、さらには鬼の存亡に絡む国家の陰謀にまで発展……!
物語は主役の二人を巻き込みながらどんどん社会派になっていきます。
鬼の未来、ヒトの未来、そしてつかさと安斎の恋の行く末に目が離せなくなる漫画です
2、『虹色とうがらし』/ あだち充先生が描く、7人の異母兄妹が織り成すSF時代劇ラブコメ!
作者 | あだち充 |
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出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週間少年サンデー |
掲載期間 | 1990〜1992年 |
巻数 | 11巻(完結) |
巨匠・あだち充先生が描く、未来の地球に似た星の「江戸」という名前の町が舞台のSF時代劇ラブコメです。
主人公は、町の火消し(今でいう消防士)の七味(しちみ)。
父親を知らず母親に育てられますが、その母も七味が15歳のときに亡くなります。
死の間際に母から「おまえには腹ちがいの兄弟がいる」ということを告げられた七味は、兄弟が暮らす「からくり長屋」を訪ねます。
そしたらなんと、、7人兄弟だったことが判明!?(6男1女)(しかも全員母親が違う) 突如あらわれた異母兄弟との賑やかな暮らしがはじまります。
気候が暖かくなってくると無性にラブコメが読みたくなる!っことないでしょうか? 僕はあります。特にあだち充作品が…。
そんなわけでこの作品を読み返したんですが、、テンポよく進んでくストーリー×いい具合に力の抜ける独特のユーモアセンス… やっぱり、安定の面白さでした!
「愛」と「笑い」があればなんとかなる。そんな気にさせてくれます。笑
本作は、SF時代劇というあだち充作品の中では珍しいストーリーで、序盤は「からくり長屋」でくり広げられるドタバタ日常劇が描かれます。
ところがその後、7人の母親のお墓参り旅にでることになり、その道中さまざまな事件に巻き込まれていく中で、
- 「謎の父親の正体」や「兄弟の秘密」が解き明かされていったり…
- 七味と2つ下の妹・菜種(なたね)との禁断の恋が発展していったり…!?
と展開されていくストーリーを、ドキドキしながら読み進められます。
あとは、時代劇『子連れ狼』で「ちゃーん!」と叫ぶ大五郎のような髪型をした一番下の弟・山椒(さんしょう)の姿と仕草が可愛いすぎです!
めちゃめちゃ癒されます。
心あたたまり笑える物語をぜひお楽しみください!
3、『映像研には手を出すな!』 / モノづくり関係者なら必ず頷ける熱いクリエイター漫画
作者 | 大童 澄瞳 |
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出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 月刊!スピリッツ |
掲載期間 | 2016年09月~ |
巻数 |
既刊4巻(続刊中)
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映像研には手を出すな!は、素材だけで言うなら「女子高生たちがアニメーション制作をする日常漫画」です。
が、もう少し噛み砕くと
- 女子高生たちの意識は制作からプロモーションに至るまでガチのマジのプロ志向
- 制作アイディア出し中、自身の思い描くアニメの世界に「入る」という楽しさ!
- 創作にのめりこんだ不器用なキャラクターたちがお互いを認め、制作活動を高め合う
というド級のクリエイティブ制作記録です! 萌え要素ゼロ、創作意欲要素マックス。
すべてのモノづくりに関わった人に読んでもらいたい激熱クリエイター漫画です。
このマンガがすごい!オトコ編代5位入賞きっかけに読んでいましたが、令和はじめに4巻が出たのでホクホク購入しました。
中山が特に推したいのは「紙面のアニメ映像イメージ」!
- 「ゾウ チチチたしお~」など、リアルに近い擬音(これはカップ麺にお湯を注ぐ音)や、流れていいセリフは風景のように配置する吹き出しなど映像を喚起させる表現
- 自分たちのイメージした創作世界に説明なしで入り込み、飛行戦闘ロボットに乗ったり銭湯で川下り(!?)するシームレスでライブ感ある進行
- 大ゴマでドン!と出てくるアニメ設定舞台が夢あふれすぎてる。多島海国家群大アトランティス連合に個人潜水艦で迫るんだ!
とビジュアルについて推しまくりつつ、クリエィティブに関する名言にズガンズガンやられるメンタル作用もあります。
2巻水崎氏の名言、ぜひ見てください!
私も漫画ライターとして心に刻み込んでます!!
4、『メイドインアビス』/ 甘い絵柄ながら辛口さも含んだストーリーが予想を上回る面白さの冒険ファンタジー
作者 | つくしあきひと |
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出版社 | 竹書房 |
掲載誌 | コミックガンマ |
掲載期間 | 2012年から配信中 |
巻数 | 既刊8巻 |
「呪いの大穴」に冒険に入っていく、探屈家の少女・リコとロボット少年・レグの物語です。
世界のとある場所にある巨大な縦穴「アビス」の中には、恐ろしく危険な原生生物たちが住み、現在の文明や技術では製造困難な遺物が埋まっています。
「アビス」が探屈家たちを冒険に駆り立てるのですが、この大穴には「呪い」があるのです。
穴の中に冒険に降りていくことは可能ですが、縦穴を地上に向かって戻ってくる際に負荷がかかります。
頭痛や吐き気から始まり、深ければ深い程重く激しくなり、人の形を保てないほどの負荷になるため「アビス呪い」と呼ばれているのです。
主人公のリコは、偉大な探屈家だった母からの手紙に入っていた「奈落の底で待つ」という文字を見て、大穴の底に行く決意をし、彼女が以前の探屈の中で助けたロボットの少年・レグと一緒に穴の中に旅立ちます。
冒険ファンタジーであり、またとても絵が可愛らしいことが特徴の作品です。
5月30日に第8巻が出たばかりの「メイドインアビス」を読みました。
作品の紹介で「探屈家の少女・リコとロボット少年・レグの物語」と書きましたが、8巻では彼らはほとんど登場しません。
8巻はヴエロエルコという重要人物の回想が、ほぼ1冊を占めていましたが、これがまた暗くて、悲しくて、とても読んでいて辛かったです。
この先でリコ達が迎え撃つことになるだろう、ファプタという少女の生い立ちが分かる内容だったのですが、その裏に今までにも登場した人物達の過去が描かれていて、重く苦しい展開になっていました。
しかしファプタのことなどが明らかになることで、レグの生い立ちなどの背景や、アビスの秘密に繋がる展開がこの先にあるのではないか、と思うとまた続きが気になって気になって!!
8巻は物語が進むというよりも、この先の展開に納得するための情報提供、という印象だったので、この先に悲しい物語がまた待っているのだとしても、恐ろしいけれどワクワクしてしまいました。
さて、メイドインアビスは、絵がとても可愛らしく、言い換えればロリっぽい印象の絵柄です。
最初に目にした時は、その絵柄から手に取るかどうか悩んだのですが、読んでみて、面白い!!と感動し、そのまま読み続けている作品です。
絵柄だけで「読まない」と選択をしなくて、本当に良かったと思います。
設定がしっかり作り込まれていますので、冒険ファンタジー好きにはオススメの作品ですし、ストーリーにはハードな場面が何度も展開し、絵柄の甘さとは反対に少し辛口で、予想を上回る面白さを持っています。
主人公たちの可愛らしさとは対照的に、大人たちを欲望で真っ黒に染まった姿や、あきらめの境地に入った虚無な姿に描いている場面もあり、さらに人ではナイもの達も沢山登場するので、つくしあきひと先生の想像力の深さに感嘆してしまうでしょう。
丁寧に描かれているメイドインアビスの世界を、多くの人に読んでみてほしいです。
途中から読むことなんて全くできないので、ぜひ最初から読んでください!!
5、『その着せ替え人形は恋をする』/ オタクなギャルと冴えない服飾男子のコスプレを通したピュアなラブコメ
作者 | 福田晋一 |
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出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載誌 | ヤングガンガン |
掲載期間 | 2018年1月~ |
巻数 | 既刊3巻 |
学校でも地味で目立たない五条新菜と、明るくて人気者のギャル・喜多川海夢、そんな二人がコスプレの衣装づくりを通して近づいていくくラブコメです。
そう書くと、どこにでもある?ラブコメに聞こえてしまいますが、そんなことはありません!
主人公の新菜の実家は人形作りを生業としており、新菜は将来、雛人形の顔を作る「頭師(かしらし)」になりたいという珍しい男子。
ヒロインの海夢はギャルだけどオタクでコスプレをしたいけど衣装が作れなくて困っているところ、新菜がミシンを使用しているところを目撃し、衣装づくりを半ば強引に依頼します。
コスプレ衣装作りを通しながら、明るく奔放な海夢に引かれていく新菜。
一方で海夢も、真摯にコスプレ衣装制作を進めてくれる新菜のことが気になっていきます。
コスプレ衣装制作の知識も学びつつ、初々しい二人のやり取りを楽しめる、今お薦めのラブコメです!
ギャルと冴えない男子の恋愛モノというのは、ここ数年で結構定着してきていると思います。
ただ本作の主人公新菜は冴えないといっても単に物静かで目立たず、人形作りが趣味のため同年代の子と話すのが苦手なだけで、真面目で真っ直ぐな好青年です。
そしてヒロイン海夢はギャルだけどオタクで純情で実に真っ直ぐな性格。
海夢が好きなキャラはハードな凌辱系エロゲ―のキャラクターですが、その魅力を嬉々として語り、コスプレしてキャラクターになりきります。
そして新菜はキャラの衣装を作るため、キャラのことをよく知るため、そのエロゲ―を真面目にプレイして本格的なコスプレ衣装制作を行います。
どちらも本当に真っ直ぐで、笑いつつも応援したくなってしまうのです。
さらに二人の関係を描きつつ、衣装制作についてサイズ測定から生地の選定など、順を追って作品内で説明される至れり尽くせり。
ラブコメを楽しみたい人に加え、コスプレ衣装制作に興味がある人にもお薦めの、今イチバンお薦めできるラブコメ作品です!
6、『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』/ 自虐モノから青春群像劇へ変貌を遂げる非モテコメディ
作者 | 谷川ニコ |
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出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載誌 | ガンガンONLINE |
掲載期間 | 2011年8月~ |
巻数 | 既刊15巻 |
谷川ニコ先生が描く、モテたい、でもモテない(と本人は思ってる)主人公の黒木智子(通称「もこっち」)が繰り広げる自虐的非モテコメディ漫画で、2013年にはアニメ化もされて既に人気作品だったのですが。
近年、作品に更なる地殻変動が起きて話題になっている漫画です。
第8巻での田村ゆり登場、読者の人気が非常に高い第13巻の「遠足」エピソードなどを通して、百合あり、繊細な人間関係劇ありの、瑞々しい傑作青春群像劇漫画へと覚醒を遂げております。
今、ライブ感覚での「共有体験」としてのボルテージが上がってる漫画だったりします。
最新話がWEBで発表なのがTwitterなどのSNSと相性が良いというのもあるかもしれませんが、何よりも最近の作品の内容です。
百合が唸りをあげ、巨大な感情、そして根底にある他者への優しいまなざしが行き交う、1ページ1ページの眩しさに読者は正気を失います(笑)。
先鋭化した『わたモテ』ガチ勢たちが、隔週木曜日のお昼に『ガンガンONLINE』で最新話が公開されるやいなや、己のコアから生まれる熱い言葉で感想をTwitterにつぶやきまくってたりします。
個人的に、もこっちから世界を見る視線と、世界がもこっちに向けてる視線にギャップ(ディスコミュニケーション)があるって作品だと思っていた本作。(物語の序盤ではもこっちは気づいてないのだけど、世界の方はもこっちにけっこう優しいまなざしも向けていたりする。)
最近のエピソードではその非対称性がだいぶほぐれていて、さらにもこっち自身の影響で他者が変わっていく……というフェーズまでがチラチラと見えてきていたりしています。
これからさらにもう何回かビッグウェーブがくるのではないかと。
最近読んでなかったというあなたも、コミックスで補完したりしつつ、隔週木曜日の最新話の更新祭りに合流してみて頂けたらと思います。
7、『フェルマーの料理』/数学の道に挫折した少年が料理の世界で躍動する、数学×料理の意欲作!
作者 | 小林有吾 |
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出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 月刊少年マガジン |
掲載期間 | 2018年9月6日〜 |
巻数 | 1巻(2019/06/28) |
偉大な数学者を目指して数学オリンピックに挑む高校生が競技数学の高い壁に挫折するも、天才料理人との出会いをきっかけに料理の世界に踏み入れます。
そこで数学的な思考で料理と向き合っていくというあらすじの料理漫画です。
世の真理を数式で紐解いていく数学と料理というジャンルを組み合わせた漫画です。
ビックスピリッツで「アオアシ」(サッカー漫画)を連載中の小林有吾さんの別の作品です。
アオアシの連載の合間に書いているそうですが、この作品もまた惹きつけられる力強い作品!
数学的思考を持って、料理と向き合っていくので数学の偉大さと料理の奥深さを同時に体感できます。
アオアシで描く独特の躍動感はこの漫画でも健在!
読んだ後はめちゃくちゃお腹が減るので要注意(笑)
主人公である北田岳(きただがく)は、小さい頃から数字にしか興味のない高校生で、「料理」なんて世界は完全に無知の状態です。
でも大好きな数学者の道を諦めた彼にとっては、料理こそが自分の残された唯一の居場所なんです。
自分の居場所を守るために、持ち前の数学的思考をフルに生かし、料理に向かっていく姿勢がかなりパワフルで、料理に対するアプローチも斬新で面白いです。
そして岳を料理の世界へ導いた天才料理人・朝倉海。個人的にこのキャラが一押しです。
23歳でミシュラン一つ星を獲得しただけあって料理に対して貪欲さが尋常じゃありません!
岳がバイトで作った料理を目にしたときも鬼気迫る表情で岳に迫ってきます。
成長意欲が高すぎて怖さすら感じるキャラで、ネジの外れた天才って感じがひしひし伝わってきます。
そんな2人が料理の世界でどう戦っていくのか?
数学×料理を組み合わせた新ジャンルの漫画です。
まだ一巻ですが、これから繰り広げられる熱い展開にワクワクが止まりません!
高校生にとって自分の大好きな物が奪われたことって人生終わるくらい衝撃です。
だからこそ目の前に現れたチャンスにビビりながらも、強みを生かして模索しながら進んでいく姿をぜひ見て欲しい!
まとめ
今回はマンガタリライターが2019年5月に読んだ漫画をご紹介させて頂きました!
皆さん、気になる漫画はありましたか?
個人的には『映像研には手を出すな!』は以前から気になっていたので、紹介されて嬉しかったりします。
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』は1巻当時から読んでいますが、進んできてこんなに面白くなるとは思いませんでした! 記事にもあります通り、8巻以降からの上昇カーブは読んでみれば分かります!
皆さんも気になった作品がありましたら是非、手に取ってみてください!
マンガタリライター 神門
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鬼の性欲が吸血欲と結びついているため、主役2人の恋はなかなか発展せず、そこがもどかしくも甘酸っぱい。
正直「いいからさっさとヤッてしまえ!話はそれからだ!」と何度思ったか知れませんが、二人を巻き込みながら大事件が起こるので、読んでる方もそれどころじゃなくなります(笑)
作中で描かれる、ヒトという【非力な圧倒的多数】が、鬼という【特殊な少数派】を社会から排斥しようとする構図。
これは歴史の中で形を変えて何度も繰り返されてきたものであり、多様性が重要視される現代だからこそ、あらためて心に刺さるものでした。
ゲイやノンセクシュアルのキャラクターも、それを意識したものなのかな?と思ったり。
きっと読者によって思うことは様々で、だからこそ多くの人に読んで欲しい作品です。
また、ストーリー途中でいくつもの恋が生まれ、キャラの関係性が変わっていくのも面白いポイント。
13巻で最終巻ですが、個人的には読者の心に適度に余韻を残してくれる、とてもいい終わり方だったと思います。
まだ番外編もあるので、あのキャラがどうなったのかとか、あの二人の今後とか、とても楽しみです!