マンガタリライターのじょにすけです。
今回は、あだち充先生連載中の青春ラブコメ漫画「MIX」をご紹介します。
「MIX」は、不朽の名作「タッチ」の26年後の世界が舞台なんです。「タッチ」の続編ということで、連載が開始された漫画雑誌『ゲッサン』は増刷されるも追いつかないほど話題を集めました。
タッチの世界の延長線上の話と聞いて、気になってる人も多いんじゃないでしょうか?
名作の続編って、世界観がぶち壊されるかもしれないので、ちょっと不安もありますよね。
しかも、「タッチ」の続編ですからね。。
ただ、はじめに言っておきます。
これから「MIX」の魅力を詳しくご紹介しますが、まず、「タッチ」は読んだけど「MIX」はまだ読んでない。という人は、この機会にぜひ読みましょう。
そして、あの興奮、あの感動をもう一度味わってください。
「タッチ」を読んだことない人も、なんとなくストーリーは知っていると思います。ここでも「タッチ」のあらすじは簡単にご紹介します。
ここで確認してから「MIX」を読んで、どうぞ青春してください。
ということで、「タッチ」を読んだ人はもちろん、そうでない人にも、「MIX」おすすめしていきますねー。
目次
1. 「タッチ」「MIX」のあらすじ 〜物語の舞台“明青学園”の歴史〜
まずは、物語の舞台“明青学園”の歴史を振り返りつつ、「タッチ」と「MIX」のあらすじをご紹介します。
「タッチ」奇跡の甲子園初出場、初優勝!
著者 | あだち 充 |
---|---|
出版社 | 小学館 |
掲載雑誌 | 週刊サンデー |
巻数 | 単行本26巻(完結) |
ジャンル | 少年/野球/青春ラブコメ |
1981年〜1986年まで「週刊サンデー」で連載。第28回小学館漫画賞を受賞した、あだち充先生の代表作で、アニメ化や、実写のテレビドラマ化や映画化もされた国民的青春ラブコメ漫画です。
よく夏休みにテレビで放送されてたので、「タッチはアニメで観た」という人もいると思います。
あらすじは、ほとんどの方が知ってると思うので、ネタバレ全開でご紹介させていただきますね。
…
双子の兄上杉 達也(うえすぎ たつや)、弟和也(かずや)と幼なじみの朝倉 南(あさくら みなみ)が主人公の物語です。
3人は、お互いに異性として意識し合う複雑な3角関係の中、同じ明青学園高等部に入学しました。
野球無名校の明青学園で「南を甲子園に連れてって」のひとことをきっかけに、この南の夢を叶えるため、弟の和也が1年目から野球部のエースとして奮闘します。
しかし、あと1つ勝てば夢が叶う地区大会決勝戦当日、和也は交通事故で死んでしまいます。
「タッチ」単行本7巻より引用
「タッチ」名シーンの1つですね。
僕も、和也が死ぬことを知ってる前提で読み始めた1人なんですけど、わかっていてもこのセリフと、その後の達也と南の号泣シーンには胸が締め付けられました。というか、このシーンを観るたびに「今でも込み上げてくるものがある」という人は多いんじゃないでしょうか。
その後、和也の意志、南の夢を叶えることを引き継いだ達也が野球部に入部し、物語は進んでいきます。
ちなみに、漫画のタイトルの「タッチ」は、和也から達也へ「バトンタッチ」という意味が込められている。と、作者自身が後に語っています。
野球部に入った達也ですが、まっすぐで頑張り屋だった和也にくらべ、いい加減でだらしない性格の達也が気に入らないキャッチャー松平 孝太郎(まつだいら こうたろう)との衝突。ライバルの1人、西南高校エースの西村 勇(にしむら いさみ)との激闘。明青学園に恨みを持つ新監督の柏葉英二郎(かしわばえいじろう)の執拗な嫌がらせと鬼のしごき、などを経て成長を遂げていきます。
さまざまな人間ドラマと猛特訓の末、クライマックスは達也たちが高校3年生になった最後の夏に迎えました。
甲子園予選大会を決勝まで勝ち進み、相手は最大のライバル新田 明夫(にった あきお)擁する須見工です。
この白熱の決勝戦に勝利した達也は、遂に南の夢と明青学園甲子園初出場を果たします。
そして、夢を叶えた達也は南に告白。そう…
「タッチ」単行本26巻より引用
青春ですね!
作中で、明青学園が甲子園大会を闘う場面は出てきませんでしたが、ラストシーンで甲子園優勝を告げる優勝記念の盾が描かれたところで物語は完結しました。
もっと詳しく『タッチ』を振り返りたい方はこちらもどうぞ。
アニメ番外編:達也と南のその後
明青学園とは関係ないですが、あだち充先生原案でテレビスペシャルとして2つ放送されました。
そこで達也と南のその後の様子が描かれているので簡単にご紹介しておきますね。※ネタバレあり
…
1つめは、1998年放送の『タッチ Miss Lonely Yesterday あれから君は…』
この作品の中で達也と南は、それぞれ違う大学に進学しています。
夢を叶え、完全燃焼した達也は、死んだ和也への遠慮もあり、野球を辞め、ガソリンスタンドでバイトしながら平凡な大学生活を。南は、大学に入っても期待の新体操選手として活躍し、合宿など毎日忙しい日々を送っています。
ちなみに、達也の最大のライバルだった新田は大学野球で活躍。もう1人のライバル西村は、高卒で横浜ベイスターズにプロ入りするも、肘の故障で引退を余儀なくされています。
この物語の中では、達也の告白で結ばれた2人のはずが…まだ付かず離れずの曖昧な関係が続きます。そんな中、達也の前に謎の美女あらわる!?南と新田の距離急接近!?など、紆余曲折あって、、
最終的に、達也は野球を再開すること決意。2人の関係は、原作「タッチ」の名場面の逆パターン、南から達也への愛の告白でめでたしめでたし。という内容になっています。
この作品は今でも、探せばネット上で観られるので、よかったら検索してみてください。
…
2つめは、2001年に放送された『タッチ CROSS ROAD〜風のゆくえ〜』
社会人になった2人の物語です。
達也は、野球を再開。高校時代のように和也の代わりに野球をやるのではなく、自分自身の野球をやる、という決意のもとアメリカのマイナーリーグに挑戦中です。
南は新体操を辞め、カメラアシスタントとして働いています。
弱小チーム、さらに経営難で入団1年目からチーム解散の危機のなか、45年ぶりの優勝目指して、達也たちが奮闘するようすが描かれています。
…
これらの内容が、現在連載中の「MIX」に影響してくるのか?は今の段階ではまだわかりませんが、予備知識として押さえておくといいかもしれませんね。
「MIX」伝説から26年後の明青学園
著者 | あだち充 |
---|---|
出版社 | 小学館 |
掲載雑誌 | ゲッサン |
巻数 | 16巻(2020年2月現在) |
ジャンル | 少年/野球/青春ラブコメ |
物語は、明青学園が上杉達也らの活躍で甲子園初出場、初優勝を飾ってから26年後の世界が舞台です。
伝説の甲子園優勝以降、低迷が続く明青学園に入部した(子連れ再婚で)血のつながらない立花兄弟のバッテリー。ピッチャー投馬(とうま)とキャッチャー走一郎(そういちろう)が中心となって明青学園の復活、甲子園出場を目指しています。
そこに2人の1学年下の妹音美(おとみ)。投馬の幼なじみ大山 春夏(おおやま はるか)の4角関係が絡まった青春ラブコメです。
…
あとは、よかったら次の動画をご覧ください。
秦 基博(はた もとひろ)さんの美声と共に、「タッチ」のあらすじ、名シーンを振り返り、「MIX」の魅力を感じられるミュージックビデオになっています。
YouTubeより引用:秦 基博 / 鱗(うろこ)×「タッチ」「MIX」スペシャルMV -あの夏から26年-
これを観ちゃったら、もう読まずにはいられませんね。笑
2. ネット上の評価、感想を集めました
さきほどの動画のコメント欄もかなり盛り上がっていましたが、ここでtwitter上の意見もご紹介しておきます。
こちらをご覧いただいて、テンションを上げて先へお進みください。
あだち充さんの「MIX」を最近母親に貸してて、
さっき語り合ってしまったw 親と漫画について語り合えるとはなw — 前川@Zeromus鯖 (@tailghost) 2017年8月8日
MIX最新刊まで買って読んだけどええっすね。野球マンガなんかわからんけどやっぱあだち充っすね。幼馴染みとか憧れたわ!
— ゴカセイジ (@ver_sion_2) 2017年8月22日
MIX11巻、読完
最近、とみに復活、続編とか多いけどMIXはありだな👍
読んでて、西村監督に共感してしまった
連載中の漫画を通してのこの懐かしさは不思議な感じ
同じように懐かしさを感じる人が五万といるんだろうなぁ
あと、すいすい読めちゃうのが、やっぱあだち先生すごいです✨— 青 (@aoaihanada17) 2017年9月5日
今日は大人買いした『MIX』を読んでいて遅刻し、『MIX』読みたさに早退してしまったところ、先ほど後輩の「何あだち充の漫画みたいなことやってるんすか!」とのLINE突っこみにより正気に戻りました。あだち充沼!!恐ろしい!!
— るい (@sandalcc) 2017年8月17日
夏になったらH2読みたくなってその流れであだち充作品読みたくなってMIX読んで、MIX読んだらタッチ読みたくなるっていうね。甲子園大好きてす。
— kei (@kei51d) 2017年8月28日
みなさん、「MIX」、そして、あだち充作品にどっぷりハマっちゃってますね。笑
3. あだち充最新作「MIX」の見どころ
ここからは、僕なりの「MIX」の面白さ、楽しみ方を語っていきます。
軽快なテンポと絶妙な“間”で進む青春ラブコメ
これは「MIX」に限らず、あだち充作品すべてに言えることですが、、
とにかくテンポがいい。
大胆なコマ使い。だったり、
複雑な心理描写がたった1コマで表現されていたり。
青春。夢。友情。愛情。真剣勝負。コメディ。
さまざまな要素が絡み合ったストーリーが、テンポよく軽快に進んでいきます。
あだち充漫画のよくあるページの1シーンです。
「MIX」単行本3巻より引用
えっ!このページ、こんだけ!?
天候が変わったことを伝えるためだけに、まるまる2ページも。。
こういったページが、結構な頻度で登場します。
あきらかにコマの無駄遣いでしょ!とツッコミたくなるんですけど、作者自身もそのことをネタにしていたりします。作品を読みながら作者とやりとりができる。そんな点も、あだち充作品のいいところなのかもしれません。笑
とにかく、このページの無駄遣い、もとい、大胆なコマ使いも読んでいる最中は、、
絶妙な“間”となり、次の展開にすんなり入っていけたり。ページをめくるテンポも上がったり。と、リズムよく読み進めていける要因の1つとなっています。
現在、単行本で13巻まで出ていますが、一気にさくさく読めちゃうと思います。
これぞ高校野球!徐々に盛り上がりピークを迎えるここ一番での“熱いドラマ”
物語の最初のピークは10巻で迎えました。
主人公の立花兄弟バッテリー、高校1年の夏。立花兄弟は高校野球デビュー戦となる甲子園予選大会に挑みます。
伝説の甲子園初出場優勝から約30年の月日が流れ、明青学園野球部は低迷。負けることに慣れ、負けることが当たり前になっていました。
親も野球部OBも地元の人々も、さらに、新しく就任した監督でさえも、明青学園が勝ち進むこと、甲子園に再び出場する、なんてことは期待していません。
そんな完全ノーマークの中、立花兄弟が中心となって明青学園は激闘を勝ち進んでいきます。
1つ1つ勝ち進むに連れ、奇跡の甲子園出場の再来を期待しはじめ、徐々に盛り上がっていく人々。
明青学園は、まわりの人達を熱狂の渦に巻き込みながら、あと2つ勝てば甲子園出場というところまで勝ち進みます。
甲子園予選大会準決勝。舞台の神宮球場は超満員。
相手は、前年度の甲子園ベストエイトの強豪校で今大会もぶっちぎりの優勝候補、絶対的3年生エースの三田 浩樹(みた ひろき)擁する東秀高校です。
「MIX」単行本4巻より引用
東秀高校とは、この戦いの前に練習試合で対戦して好試合をした、という因縁もあります。
負け癖がついていた弱小野球部明青学園と、プロ注目のエースだけでなく、打線、守備力ともにトップレベルの東秀高校の戦力差は明らかでした。
しかし、立花兄弟バッテリーの活躍で、この試合も白熱した展開にもつれ込みます。
「MIX」単行本10巻より引用
限界を超える戦い。その中で進化を遂げていく主人公たちの姿は、もうね、、
最高です。
序盤は、コメディ要素満載で軽快に展開されてきた「MIX」でしたが、この1戦は、誰もが熱くなること間違いなしです。
軽快なテンポに乗せられて、気持ちよく読み進めていくと、徐々に熱くなっていて、ピークで感動させられる。
そして、もう続きを読まずにはいられなくなる。
あだち充先生のやりくちです。笑
蘇る!「タッチ」懐かしの名シーン&キャラクター
つづいて「MIX」の見どころ、3つ目をご紹介します。
「タッチ」を読んだ人にはたまらない名キャラクター&名シーンの数々です。※まだ読んでない人は飛ばしてください。
まず、「タッチ」で上杉達也のライバルの1人だった西南高校の西村が母校の監督として登場しています。
「MIX」単行本3巻より引用
ちなみに、紹介してる人物は、息子で現西南高校エースの西村 拓味(たくみ)です。
この息子のように「タッチ」のときは、お調子者のいいやつだった(親)西村ですが、「MIX」では観察眼にすぐれ頭のキレる名監督オーラが漂っています。
きっと、この30年の間にいろいろあったんでしょうね。
そして、西村といえば、この名ゼリフ…
「MIX」単行本10巻より引用
あだち充作品を観るたびに「かわいい幼なじみ」というシチュエーションに憧れる。
あだち充ファンあるあるですよね。笑
…
次に、「タッチ」ではないですが、同じくあだち充先生の代表作「みゆき」に出ていた間崎 竜一(まさき りゅういち)が、ラーメン屋ドラゴンの店主として登場しています。
作者自身の口からはまだ語られていませんが、ネット上では、今までのあだち充作品のキャラクターや設定(高校野球、幼なじみ、血のつながらない兄妹、など)をごちゃまぜにした漫画だから「MIX」というタイトルなんじゃないか?という声もあります。
真相はまだわかりません。
…
あと、テレビやネットでも話題になりましたが「タッチ」では描かれなかかった達也が甲子園で投げているシーンも登場します。
YOU TUBEより引用:動画『あだち充『MIX』11巻TVCM-30年ぶりに上杉達也の登場編/出演:日髙のり子(浅倉南役声優)』
この登場シーンでは、投馬は小さい頃から上杉達也のピッチングをビデオで繰り返し見て育った。というエピソードがでてきますが、これも「タッチ」ファンにはたまらないです。
「MIX」の中で、おじさん、おばさんになった達也や南の姿はまだ登場していませんが、この2人も含めて、今後、どんな姿で、どの名キャラクターたちが登場するのか?
この先の展開が楽しみですね。
年々成長していくキャラクターとチーム
選手にとって高校野球は3年間です。つまり、夏の甲子園に出場するチャンスは3回しかありません。
その間に、限界を越える戦いの中、日々成長を遂げていく主人公たちとライバル。
上級生が抜けた穴や敗戦で浮きぼりになったチームの欠点を補うために、新入生や、訳あり同級生が加入し、年々、戦力アップしていくチーム。
現在、連載の中で、立花バッテリーは1年の夏を終え、次の夏に向け、着々と準備している最中です。
さきほどご紹介したとおり、主人公、各キャラクター、チームが成長、進化を遂げていく姿は見ていて、興奮するし、面白いですよね。
これから、立花兄弟、明青学園はどんな成長をしながら物語は進んでいくのか?
物語は、1回目のピークを終えましたが、たぶん、おそらく、、ピークはあと2回くると思われます。
一緒に楽しみましょう。笑
…
最後に、僕が「MIX」の中で感動したエピソードを1つ紹介します。
小さい頃から投馬と走一郎は、キャッチボールをしても投馬のコントロールが悪いことが原因で喧嘩ばかりしていました。
そんなわけで喧嘩中は、代わりに妹の音美とキャッチボールをすることになります。
ただ、コントロールが悪いことが原因で、何度もボールを拾いにいかせ、音美はいつもボロボロになっていました。越えていくボールをひたむきに何度も追いかけ、投げ返してくれる音美。
「MIX」単行本9巻より引用
妹思いの投馬は、その姿を見て心をあらため、ちゃんと相手の胸めがけて、相手が受けとりやすいボールを投げるようになります。
そんな相手を思いやる気持ちがきっかけで、コントロールを身につけ、人としても野球選手としても成長していくのでした。
4. まとめ
本当は、紹介したいシーンやエピソードがまだまだあって語り足りないくらいなんですが、ネタバレが過ぎてしまいそうなので、ここまでにしておきます。
いかがだったでしょうか?
「MIX」は、
軽快なテンポで気持ちよく読み進められて、ピークで熱くなれる。
そんな青春ラブコメ漫画です。
笑いあり。感動あり。
緩急の差がヤバいです。感情の波をぐわんぐわん揺さぶられます。笑
過去に「タッチ」、あだち充作品を読んだ人にとっては、懐かしさ、色褪せない青春も感じられるはず。
「MIX」というタイトルどおり、まさにあだち充先生の集大成と言える作品です!
現在、絶賛青春中の「MIX」
「タッチ」、あだち充ファンだけど、まだ読んでなかった。という人は絶対読みましょう。
そうじゃなかった人も、まずは10巻まで、この機会にぜひ読んでみてください。
じょにすけ
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