みなさんこんにちは、神門です。
好きなアーティストであったり、野球やサッカーであったり、あるいは鉄道であったり、大好きなものを追いかける人たちの愛情・パワーは圧倒的なものがあります。
それは素晴らしいことだと思います。ちなみに私は野球と本が大好きで、推しは野球ならベイスターズ、漫画は林家志弦先生、小説はSF・ミステリー・ファンタジー!
ところがその対象が例えばアイドルやアニメキャラやゲームキャラなど、いわゆる“オタク”っぽいものになると、なかなか声高には言い辛かったりします。
あるいはマイナーであまり人に知られていないようなモノが好きだったり、趣味だったりすると、やはり公表しにくかったりします。
でも、誰でも自分の大好きなものを大好きだと、恥じること無く堂々と大声で言いたいと思っています。
そんな、誰にも負けないような“推し”を持っている人たちが共感せずにはいられない、背中を押してくれるような名言が、この『推しが武道館いってくれたら死ぬ』には沢山あります。
そこで今回は、「他の人に理解されなくても好きなものは好きと声を大にして言って良いのだ! と背中を押してくれる名言」のTOP7、即ち神7をご紹介します。
アイドルに限りません。
強い“推し”を持っている皆さん、是非、魂の叫びをあげましょう!
1、「推しが武道館いってくれたら死ぬ」ってどんな作品? 基本情報を紹介
著者 | 平尾アウリ |
出版社 | 徳間書店 |
掲載雑誌 | 月刊COMICリュウ |
掲載期間 | 2015年8月号~ |
単行本巻数 | 既刊6巻(2020年3月時点) |
ジャンル | アイドル百合コメディ |
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』は、平尾アウリさんによって月刊COMICリュウにて連載されている、アイドルを題材とした作品です。
作品はじわじわと人気を博し、2020年1月からはTVアニメ化もされました。
主人公であるえり(えりぴよ)は、岡山県で活動している7人組の地下アイドル、“ChamJam”のメンバー市井舞菜の熱狂的ファンです。
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 1巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
フリーターとして働いて稼いだお金は全て舞菜のために使う、ファンの誰もが認める舞菜のトップオタです。
舞菜もまた、自分のことを応援してくれるえりのことを想っているのですが、不器用なので上手く応じることが出来ず、結果的に「塩対応」と思われてしまいます。
舞菜を想いすぎるあまりのえりの奇行、二人のすれ違い、アイドルとファンの関係性、さらに百合といった要素を入れ込んだ高品質百合コメディ作品です。
主要登場人物にはChamJamのメンバーや、えりのオタク仲間もいたりしますが、2名だけ知っていれば大丈夫ですので、その2人をご紹介します。
- えり(えりぴよ)
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 1巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
本作の主人公です。
ある日偶然、ChamJamのライブを観てその時にメンバーの一人、市井舞菜に一目ぼれしてその日以降、収入の全てを舞菜を応援するために注ぎ込むようになります。
普段の服装は常に高校時代のジャージ、なぜなら服を買うくらいなら舞菜のためにお金を使うから。
- 市井舞菜
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 1巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
岡山の地下アイドルChamJamのメンバーで、7人いるメンバーの中で人気は最下位。メンバーカラーはサーモンピンク。
内気で人見知りですが、アイドルになって可愛い女の子に囲まれて幸せだと思っている百合属性の女の子。
舞菜もえりのことが好きなのですが、接し方に困っているため毎回、塩対応になっています。
2、本気で推すからこそ口に出る「推しが武道館いってくれたら死ぬ」の“名言・神7”
ではさっそく、「推しが武道館いってくれたら死ぬ」の中から、何かしら夢中になれる”推し”を持っている人に、「好きなものは好きだと胸を張って声を大にして言って良いんだ!」と思わせてくれる名言をご紹介します。
尚、名言の中に「舞菜」がある場合は、「舞菜」をあなたの”推し”に変換してみてください!
7位 周囲とかマイノリティとか関係ないといえる心の叫び:「わたしのなかでは最初から・・・」
アイドルグループであれば、人気のあるメンバーがいれば不人気のメンバーもいます。
アニメや漫画であれば、人気キャラや不人気キャラがいますし、スポーツの選手も同様ですし、お城だって電車だってなんだって人気と不人気、あるいは有名だったりいまいち知られていなかったりするものがあります。
作品内のChamJamでも人気投票イベントが開催されます。
そしてこの手の人気投票ではよくあることなのかもしれませんが、CD1枚につき投票券が1枚もらえます。
えりは当然、舞菜を人気トップにしてセンターにするべく、アルバイトを増やしてCDを買うためのお金を稼ぎます。
が、人気投票の最終日、働き過ぎての過労のため川に転落し、投票に間に合わなくなってしまいました。
結果、舞菜は安定の最下位に。
その後のイベントの握手会で舞菜は「1位になれなくてごめんなさい」と、えりに謝ります。
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 3巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
世の中は残酷なもので、人気投票やランキングはどこにでもあって順位づけられます。
そしてそれは内部の順位付けをするだけではなく、“推し”ているファンの気持ちにも影響を与えます。
推しが上位であれば単純に嬉しいですし、他の推しを持っているファンを見下すことはなくても、それでも気分は良いでしょう。
対して推しが下位であれば気は沈み、肩身が狭く感じてしまい、もしかしたら自分がおかしいのか、何か人と違う感覚を持つマイノリティなのかと不安にもなるかもしれません。
そんなときこそ、このセリフを思い出してください。
わたしの中では最初からずっと1位だよ
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 3巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
周囲が決めた順位など関係ありません。
舞菜に対しえりは断然と言い切ります。もちろんえりの本心でしょうし、聞いた舞菜にも届いたことは間違いありません。
自分の中で何が一番なのか、それを心の底から言いきれるのか。
それこそが大事なことなのだと思い出させてくれるえりの一言なのです。
6位 後悔する前に出来ることをしようと思わせてくれる一言:「過ぎた時間はどうにもならないけど・・・」
えりが推す舞菜が所属しているChamJamは岡山のローカルアイドルです。
そのChamJamが新曲のリリースイベントでなんと! 東京に行くことになりました。
しかしえりたち(岡山にいる)ファンにそのイベント告知がされたのは、まさかのイベント開始の2時間前!
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 5巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
当然、今から向かったところで間に合うはずもありません(岡山→東京まで新幹線で3時間半)が、イベントは一日で終わるわけではなく翌日も実施されます。
そこで、えりとドルオタ仲間のくまさ(ChamJamのリーダーで人気1位のれお推し)は翌日の東京でのイベントに向けて動き出すのですが、ファン歴の浅い基(空音推し)は東京への往復にかかる交通費の高さ(片道1万6千円!)を考えて二の足を踏みます。
そんなときにえりが放った一言がこれです。
生きてくうえで一番どうにかなるのはお金だから
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 5巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
大人を感じる発言ですね!
イベントなどは時間が決まっているから動かせないし、終わったイベントには参加できません。
でも、イベントに参加するためのお金はバイトするなり借りるなりすればどうにかなります!
時は過去に戻せませんが、お金は未来から引っ張ってくることだって出来ます。
なんてゆうかもう、この台詞を白昼の公園で堂々と大声で言ってしまうえりは、本当に凄いと思いましたが、まさに事実!
5位 推しのために、ただそれだけ:「舞菜ちゃんのためのお金・・・」
人気投票の最終日、えりは人気投票に必要なCDを購入するためバイトを増やしますが、働き過ぎによる過労で川に転落してしまいます。
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 3巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
えりが気が付いたのは夜ですが、それでもえりはイベント会場に向かい、残っていた舞菜のCDを全て買います。
今さら購入したところで既に人気投票の期限は過ぎていて間に合いません。
そのことをスタッフに言われたえりはこう答えました。
いいんです
舞菜ちゃんの為のお金
舞菜ちゃんの為に使いたいだけですから「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 3巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
- なぜ、骨身を削って働いているのか?
- なぜ、寝る時間も惜しみ、疲れた体に鞭を打ってお金を稼いでいるのか?
それは全て、自分の大好きなもののためです。だから頑張れているのです。
人気投票に間に合わない、だからどうだというのでしょう。
推しのために貯めたお金は推しのためだけに使いたい。
これ、出来そうでなかなか難しいと思います。
だって、お金があれば美味しものが食べられたり、他に欲しいものが買えたりするのですから。
本当に好きならば損得考えず、推しのためのお金は推し以外では使わない。
それくらい、強い気持ちをもって推せるものがあるのは幸せだと思う、そう感じさせてくれるセリフでした。
4位 諦めそうになったときはこの一言で!:「金持ちの道楽で・・・」
えりは、ChamJamのイベントにはどこであろうと馳せ参じて応援します。
それがたとえ、へきちのショッピングモールだとしても変わりません。
同じChamJamのファンであるドルオタ・くまさとともに前日からネカフェに泊まり、へきちのショッピングモール一番乗りを目指しますが、なんと予定を一週間勘違いしていたことに朝になって気付きます。
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 1巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
慌てて本来のイベント会場に向かう途中、肥満体系のくまさは心が折れて諦めてしまいます。
今からならゆっくり向かっても、ライブには間に合わなくても特典会には間に合うからと。
そんなくまさに向かってえりは叫びます。
金持ちの道楽でドルオタやってんじゃねーんだぞ!!
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 1巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
まさに言葉通り。
裕福な金持ちが暇を持て余して手を出しているのとは違うのです。
多くのオタク達は自分自身の心血と身銭と時間を注ぎ込み、1回のライブ、1回の握手会のために全力を尽くしているのです。
特典会に間に合うから良い?
良いわけがない!
皆さんも、推しに関するイベントや何かで、「とても無理だぁ!」なんて諦めそうになった時はこの言葉を思い出してください。
3位 ただ自分が好きだから。ピュアな思いをのせた一言:「わたしは見に来てるから・・・」
ChamJamで人気最下位の舞菜ですが、えり以外にも舞菜を推してくれるファンはいます。
それが、れな(空音を推している基の妹)です。
れなは、えりみたくディープなアイドルオタクではなく、時間があればライブを観に来るようなややライトなファンですが、舞菜を好きなことに変わりはありません。
そんなれなが、ライブにキンブレ(ファン御用達、電池式ペンライト『キングブレード』のこと。ファンは推しメンバーのイメージカラーのキンブレを持って応援してアピールします)を持っていないことにえりは疑問を持ちます。
だけど、れなの答えはこうでした。
わたしは見に来てるから・・・
わたしのことは見てもらわなくていい「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 5巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
この気持ち、よくわかるんです!
これはファンの立ち位置によって違うので全員がそうとは思いませんが、本当、別に自分のことを見て欲しい、知って欲しいとかは思わないのです。
もちろん好きな歌手と目が合い、自分に向けてアクションをしてくれたら嬉しいでしょうが、それが一番ではないのです。
むしろ、
「私のことなどどうでもいいから頑張ってください! 全力で格好いい/可愛い姿を見せて下さい!」
という気持ちの方が強いです。
えりも似たようなことを言ったりしています。
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 3巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
ファンはあくまでも単に好きだから推すのです。
向こうに推されたいわけではありません。
一方通行上等、それを分かっていて好きなんです。
見たいんです。
応援したいのです。
そんな気持ちを素直に表現してくれた一言だと思います。
2位 なぜそこまで全力で頑張れるのか? その答えはここにある:「あなたのことが好きだから・・・」
ChamJamのライバル(?)である香川県のアイドルグループ、ステライツに女の子のファンが多いことから、女の子の友人を連れてきて欲しいと舞菜に頼まれます。
えりは舞菜の願いを叶えるため、唯一の女友達である美結に土下座してイベントに一緒に来てもらい、握手券も渡します。
その握手会で美結と握手をしながら舞菜は、えりについて「わたしの言ったこと全部叶えてくれて、魔法みたい」だと言います。
そんな舞菜に向けて、美結はこう言ったのです。
あなたのことが好きだからでしょ
オタクってそれだけだから「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 6巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
これまた端的に表現してくれた一言です。
そう、それだけなんですよ!!
別に推しからの見返りを求めているわけではない。
ただ好きだから、望むことがあれば叶えてあげたいと思うのです。
美結はアイドルオタクではありませんが、アニメのキャラクターにはまってそのキャラクターを心から愛しています。
だからこそえりの気持ちも理解が出来て、この台詞が出て来たのだと思います。
皆さん、
- 推しが自分に冷たいとか
- これだけ応援しているのに何もレスがなくて寂しいとか
- 見返りをもとめてしまいそうになったときとか
この台詞をみて初心に帰りましょう。
あなたは何故、推しているのか?
それを思い出してください!
1位 本当に伝えたい、心の底からのセリフ:「私はずっと舞菜ちゃんを応援したいし・・・」
人気投票で舞菜を一位にするためバイトを入れまくったえりは、疲労による不注意から事故に遭い、全身怪我だらけになってしまいます。
それでもイベントには当然の如く駆けつけますが、怪我でバイトが出来ないので、今までみたいに舞菜のCDを大量に買うことが出来ません。
えりが買うことが出来るのはたったの1枚。
1枚で舞菜と話すことが出来る時間はわずか5秒だけしかありません。
その5秒の間に、えりが舞菜に思いを伝えたセリフがこちらです。
私は舞菜ちゃんをずっと応援したいし応援できることが幸せ
舞菜ちゃんが存在してくれることが幸せ同じ世界に生きてることが幸せ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 2巻 平尾アウリ/徳間書店より引用
これはね、真理です。5秒の中に詰め込まれた思いは、多くの人達の思いそのものだと思います。
私達は、私達が大好きな“推し”が「存在してくれていること」そのものが嬉しいのです。
相手に何かしてもらいたいわけではなくて、ただ自分が応援したり、写真を撮ったり、語ったり、妄想したり、そういうことが出来るということが何より嬉しいのです。
そしてそれが出来るのは、そういうことを思う対象が存在してこそのこと。
応援したい、推したい相手がいなければ、そういった思いが生まれることもありません。
だから私達は、大好きな推しが存在してくれていることこそが嬉しいし感謝をするのです。
5秒という短い時間の中だからこそ、本当に伝えたいことを凝縮して詰め込んで出てきた、ファンの真理を表した名言だと思います!
3、まとめ
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の中から、今回は、好きなものは胸を張って好きだと言って良いと、そんな風に思える背中を押してくれる名言7つを選んで紹介しました。
- え、それって背中を押してくれているの?
- そうそう、まさにそうなんだよね!
と、ちょっと捻ったモノから納得せずにはいられないモノまで拾い上げてみました。
今の時代、昔と比べれば色々な趣味が認められ価値観も多様化していますが、それでもやっぱり人様にあまり言うものではないと思っている方も多いと思います。
別に声に出す必要はありません、それでも紹介したセリフにちょっとでも共感し、心強くなってくれればと思います。
以上、この絵柄でこのセンスの平尾アウリさんが堪らなく好きな神門でした。
また読み返したいと思った方、気になった方、ebookjapanでは1巻が無料で読めますのでよろしければ是非。
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