みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『描くなるうえは』
です。
主人公の上原くんはクラスでは目立たない地味なオタク男子。
そんな上原くんが周囲に内緒にしていることが、漫画を描いていること。
三次元より二次元の世界に浸って生きていた上原くんの夢は漫画家になることで、実際に漫画を描いて出版社に持ち込むも撃沈。
自信を失い漫画家の夢など諦めてしまおうかと思います。
そんな上原くんの前に現れたのが、スクールカースト1位(上原くん内)のギャル、宮本さん。
上原くんはうかつにも宮本さんに漫画の原稿を見られてしまい焦りますが、宮本さんは馬鹿にしたりなどしません。
それというのも、実は宮本さんも漫画を描いていて、担当さんが付いていたりするくらいだったから。
そして二人とも担当さんから同じような指摘を受けていました。
恋愛漫画だけどキャラクターや恋愛にリアリティがないと。
それというのも、二人とも恋愛経験がないから。
恋愛経験がないならしちゃえばよいじゃない!
ということで、宮本さんから疑似恋愛をしようと言われ、なぜか仮初の交際を始めることに・・・?
そんな、上原くんと宮本さんのことを描いたラブコメ作品です。
「描くなるうえは」 1巻 蒲 夕二、高畑 弓/白泉社 より引用
いわゆる、「オタクに優しいギャル」なわけです。
なんでわざわざ優しくするのか、現実にそんなことないでしょ。
そうツッコまざるを得ない関係性を納得させるのも物語のテクニックの一つ。
本作では、ともに「漫画家を目指す」という共通目標を持たせることで二人の距離の接近を自然に見せるようにしています。
その目標にしても、「漫画を描く」ということで、なかなか周囲には言い辛いものだからこそ数少ない仲間と共有できる、というのもありますね。
宮本さんみたいなつよつよのギャルなら、漫画を描いていることくらい平気で言えそうにも見えますが、そればかりは人それぞれ。
それに、本気で漫画に打ち込んでいる、ってことを知られるのは恥ずかしいと思うのかもしれませんね。
でも、「オタクに優しいギャル」の強みはきっちり活かしています。
なんといっても上原くんもご多分に漏れず、ネガティブ思考で自分に自信が持てないタイプのキャラ。
そんな上原くんに、ネガティブ禁止だと言って明るく前を向かせて歩かせてくれるのが宮本さん。
そう考えるとギャルっていう属性は結構強力ですよねー。
ま、宮本さんの場合、本人自身も結構なオタクだというのはあるかもしれませんが。
「描くなるうえは」 1巻 蒲 夕二、高畑 弓/白泉社 より引用
もちろん、ギャルということで欠かせないのは、お色気(?)
ラブコメでもありますし、お色気シーンというかサービスシーンも随所にちりばめられています。
だけど明るく健康的で、あんまりエッチだという感じは受けませんね、個人的には。
そしてラブコメ展開ももちろん色々と盛り込まれています。
漫画のために彼氏彼女しよう、ということではありますが、二人とも恋愛未経験なわけですから。
- 体育のジャージの上を交換したり(男子のジャージを借りる女子)
- 夜の学校の夜のプールに行ったり
- 風邪ひいた上原くんの家に宮本さんがお見舞いにきたり
決して奇をてらってはおらず王道ですが、だからこそ読んでいての安心感もあります。
そして、宮本さんだって実はかなりな純情。
大胆なことをしてくる割には、意外なところで乙女な姿を見せてくれたりして、それが可愛らしいですね。
「描くなるうえは」 1巻 蒲 夕二、高畑 弓/白泉社 より引用
実際に漫画家としての夢はどうなるのか。
宮本さんの漫画の道はどうなるのか。
そして二人の恋の行方はどうなるのか。
色々と先が楽しみになる、明るく楽しいラブコメです。
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