みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『なにも理解らない』
です。

近年、ラノベや漫画でよくみる異世界転生もの、あるいは異世界転移もの。
特に異世界転生ものは作りが非常にうまくできていて、異世界の住人に転生するからその世界の言語や知識を有しつつ、もとの自分の知識もある状態。
だからこそ、異世界でも力を発揮できるという状態をごく自然と作り出しています。
また転生ではなく異世界転移ものでも、その異世界のことをもとから知っている(例えばプレイしたゲームの世界だったり)とか。
あるいは転移した世界でも言語や一般的な知識は共通であったりすることが多いです。
物語をスムーズに進めるためにはその方が良いのは当たり前であり、読者を作品に引き込ませるためにも自然の流れです。
しかし本作『なにも理解らない』はまさにタイトル通り。
主人公は気が付けば見知らぬ世界にいた。
それどころか、自分が何者なのかも全くわからない記憶喪失の状態。
そして、その世界で出会った人たちとはお互いに言葉も通じなければ文化も違うような状況で、そこから相互理解しつつ世界を少しずつ把握していくというモノです。
挨拶からして通じないこの世界で・・・
「なにも理解らない」 1巻 7Liquid/芳文社 より引用
これがどれだけ大変なことかは想像に難くありません。
後書きでも作者さんが書かれていましたが、とにかく設定を準備することの大変さ!
意思疎通を図るうえで重要なのがまずは言葉、言語ですよね。
現世であれば50音やアルファベットがありますが、その世界のでのそういった言語体系を考える必要があります。
発音はもとより、動詞や名詞といった使い方、変化のさせ方、それらを体系立てて作る必要があります。
現代世界でも、別の国だと発音できない言葉とかありますもんね
「なにも理解らない」 1巻 7Liquid/芳文社 より引用
主人公は何も知らない状態ですから、身振り手振りと筆談で少しずつ理解し、それを自分の知識(日本語)に置き換えていきます。
日本に初めて外国語を取り入れる時も、こういうことをしていたのでしょうね、きっと。
ファンタジーやSFって、作品の表には出てこない設定がどれだけ考えられ練られているか、そういうのが分かると面白さも倍増すると勝手に思っています。
設定厨の人ならたまらないのではないでしょうか?
主人公(途中で「りょうた」という名前だけ思い出す)は、その世界で初めて出会ったエルフみたいな少女・ミヤムトゥー(と、りょうたには聞こえる)と交流。
少しずつ言葉や感情が分かるようになってくるも、文化の違いから感情表現の仕方や、言動などが何を示しているのかは分からないし、逆もしかり。
それでも人というのは不思議なもので、少しずつ理解しあえるものなのでしょうね。
ファンタジーの世界観に近いかと思いきや、何やらその文明には似つかわしくないSFチックな機械というか謎のガジェットもあって。
りょうた自身も、この世界では身体能力が大幅にUPされていたり、りょうたの言葉を理解できる謎の生き物(ドラゴン?)がいたり。
果たしてどのような世界なのか、まだまだ謎に包まれています。
りょうたの言葉を理解するドラゴン(?)に機械・・・?
「なにも理解らない」 1巻 7Liquid/芳文社 より引用
数多く存在する異世界モノ作品の中で、ここまで私たちが理解できない本当の異世界を見せてくれる作品はなかなか珍しいのではないでしょうか?
ミヤムトゥーも可愛いですし、面白くて楽しそうな作品が出てきました!
少しずつ情報が開示されていくのも読んでいてワクワクしてきます。
今までとは違う異世界モノ、皆さんも読んでみたくないですか!?
是非、手に取ってみてください!




















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