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『メイドインアビス」ボンドルド卿に寄せて〜おとなはくるわずにいられない〜

こんにちは!

「内臓は出た方が良い、血飛沫は舞った方がいい」(ただしエンタメに限る)と常日頃思っているライター中山今です。

さて、そんな本棚がR15になりがちな中山の最近の大本命!メイドインアビス の話をしたいと思います!!


大好きすぎて、8巻の続きを勝手に夢に見たくらい(朝起きて嬉しかった)ですが、本日はその中でも

ボンドルド卿は狂い、リコ・ミーティは狂わないのはなぜか?

について思ったことを語りたいなと。

みんな大好きど外道のボン卿。

一本筋の通りつつも心から狂ってる彼ですが、それならリコもミーティもなかなかのもんです。

その違いってなんなのかな?ということをこっくりと考えてみました。

雑に言うと、「狂ったのはボン卿は大人だったから」ってことじゃあないかと・・・ッ!

↓以降、ややネタバレなので未見の方は見ない方がいいですよー。ただ、未見だと何言ってるか分からないと思いますけれどもw

・そもそもボン卿の倫理観ぶっ壊れ系狂人ぶりを振り返ろう。

さて、3人の違いについて論じる前に、黎明卿白笛「新しきボンドルド」(以下ボン卿)の狂気について、改めて振り返ってみましょう。

“ナナチ、新しいカートリッジはいい调子ですよ”ボン卿登場シーン(メイドインアビス 3巻より引用)

“・・・六層の呪い・・・死か人間性を失うか なんとかしたいですよね”ナナチとミーティに上昇負荷をかける直前(メイドインアビス 3巻より引用)

 

 

「将来の夢はお姫様だったんですよ。可愛いですよね」“終わってしまった“カートリッジに対してッ!(メイドインアビス 5巻より引用)

命は研究材料・ど外道の人外野郎、狂気オブ狂気が丸出しですね。

ただし、狂気にいやらしさは感じません。

ジェントルメンな振る舞い、柔らかく上品な口調も相まって、なんなら高貴にすら見えます。

発言にも一貫性がありますし、「狂う」の定義が分からなくなります。

倫理観のみ置き去りにしたこの狂い方、一体どうしてのかなあと思って考察してみます。

・同じ狂気を秘めるリコ、そしてミーティとの違い

ボン卿ヤバイ、のは誰が見ても間違いないですが、実のところリコとミーティも結構キてるな、と思います。

リコは挑戦者として、ミーティは被害者としてボン卿と対峙しますが、三者の根底に流れているのは等しく見果てぬアビスへの憧れです。

「私は・・・ロマンは分かるのよ」ボン卿の狂気の発想を推理したリコ(メイドインアビス 5巻より引用)

 

 

「私がずっと見てきた探窟家たちと同じ・・・あこがれにあふれた目・・・」ミーティを評したリコ(メイドインアビス 4巻より引用)

↑のミーティ像はリコの目を通したものですが、あれだけの目に遭いつつもアビスへの憧れも持ち続けているとするなら並大抵のことではありません。

しかしリコもミーティはボン卿と違い、他者を犠牲にすることはありません。

リコもミーティも友達を想い、友達の悲劇を想い行動します。

同じ狂気を持ちながら、ボン卿とリコ・ミーティは何が違うのか?

それが、ボン卿の持つ大人力(りき)じゃないかなと。

・大人であり続けるためにアビスへの供物として捧げたのが倫理観だった。

ボン卿、言ってもめっちゃ仕事できるじゃないですか。

社会ともなんやかやうまくやってるんですよ。

そんな人が「アビスへの憧れ」を持ち続けるために捧げたのが倫理観だったのかなって。

例えばボン卿、仕事できるなあってエピソードは相当あります。

「人体実験の果てに発見した薬品やらで巨大な外貨を得てそいつを基盤に開発を行ったんだ」ボン卿を評するハボルクのセリフ(メイドインアビス 4巻より引用)

 

「続けるのが一番大変だってパパも言ってた」プルシュカ(メイドインアビス 5巻より引用)

そもそも人が立ち入ることの難しいアビスの五層で、外貨を稼ぎ、施設(前衛基地)を作り、組織を手配して継続的に運用する・・・とか、ものすごい有能マンだなと。

また、

  • クオンガタリ大発生という事故処理のために外部から月笛を召集
  • 自らの実験のために黒笛の五層立ち入りを進言(誰にかは不明ながら、どこかの有力者であろうと推測)する

などの社会的な発言力もあるなーって感じもします。

また反面、ボン卿は大人ならではのズルさも持っています。

仕事を円滑に運ぶため、嘘未満のごまかしもできちゃうのがボン卿です。

「ご安心ください 道中は私の探窟隊が護送します」貧民のこどもをアビスへ誘うときのボン卿のセリフ(メイドインアビス 3巻より引用)

 

「研究に支障が出るので報告も出していません」ボン卿が他の白笛について語るシーン(メイドインアビス 4巻より引用)

嘘ではないけど、仕事のためにあえて詳しく言わないというズルさです。

これは悪と呼ぶより、配慮と言ったほうが適当でしょう。

(内容は完全に別とすると)ボン卿のこれらの行動は、大人として称賛する人の方が多いと思います。

対して、リコとミーティはガッツリこどもです。

行き当たりばったりの行動をし、体当たりで冒険に繰り出します。

リコは孤児院の暮らしを捨て、幼なじみとも一生の別れを決意しています。

孤児院では問題児であり、懲罰の対象となりがちでした。

ミーティは地上での暮らしではいじめられていたような描写もあり、全てを捨ててアビスへ降ります。

突発的で、計画性などは感じません。

またボン卿曰く、他の白笛はもっと子供じみているようです。

「乱暴で勝手な人たちです」届け出も出さずに六層へ降りた神秘卿を評して(メイドインアビス 4巻より引用)

ほか、

  • リコの育児を放棄してラストダイブした殲滅卿ライザ
  • ショックを配慮せず、リコ出生の秘密をリコ本人に教えてしまう不動卿オーゼン
  • など、周囲の影響への配慮をする気がないのが伺えます。
  • リコ、ミーティ、そして他の白笛たちが持たないもの、それは計画性や配慮など、いわば大人の責任感です。

さてではこのくらいで、ボン卿の狂い方にバシッと暴論をつけてみましょう。。

  1. ボン卿は大人の責任感を持っている
  1. リコ・ミーティは大人の責任感を持っていない
  1. しかし三者は同じくアビスへの憧れを持っている

【結論】

リコ、ミーティを含む探窟家たちが持たない責任感の代わりに捨てたものが、倫理観だった。

それがボン卿なのではないでしょうかッ?

とすれば、ボン卿は狂っているのではないのかもしれません。

リコ、ミーティと全く同じで、捨てた部分だけが違うだけ。

あくまで倫理観のみを捨てた、正常な人間なのかもしれません。

「狂う」の定義っていったいなんだ。

・とにかく俺、ボン卿かっこいいなって思うんだ

今までつらつら書いてきましたが、ライターはボン卿が大好きです。

しかし何が好きなのか、と言われると、ほんと言葉に困ります。

今回考察した通り、ボン卿が大人であるからなのかなあ・・・とも思うのですが、多分それだけじゃないんだよなー。

ボン卿は◯違いであり、良きパパであり、有能な探窟家であり、研究者であり、祝福を受けた者です。

これからもライターは、メイドインアビス 3〜5巻を繰り返し繰り返し読むのでしょうッ・・・!

新しきボンドルド永遠なれ!!

映画も今度見ようと思いまーす!!

(中山今)

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2 件のコメント

    • あ、あわわわわ。
      ご指摘ありがとうございます。。修正しました。

      申し開きもないですな、恥ずかしい。。。ありがとうございますー(中山)

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