福本作品とにかく大好き。マンガタリライター宮ざわっ…です。
「最強伝説黒沢」という作品をご存知ですか?
読んだことある方には分かってもらえると思うのですが、少し上手くいってない人生を歩んでいる成人男性にとって、至上最も共感できる主人公が「黒沢」だと思うんです。
だからこそ、必死に戦う黒沢の姿や名言に心が動かされてしまうのでしょう。
そこで今回は黒沢に出てくる名言をランキング形式でご紹介!
また、今回は名言だけでなく、思わず「クスッ」と笑ってしまう迷言も紹介していきますよ!
1.隠れていた名作「最強伝説黒沢」とはどんなマンガ?
作者 | 福本伸行 |
出版社 | 小学館 |
連載雑誌 | ビッグコミックオリジナル |
シリーズ |
|
最強伝説黒沢は
カイジやアカギでおなじみ、
福本伸行先生の名作の一つです!
ストーリーを簡単に説明すると…
壮大な夢を抱きながらも、うだつの上がらない人生を生きている44歳土木作業員の黒沢(独身)
夢と現実の狭間で葛藤しながら、やることなすこと裏目裏目の日々…。
しかしある日、不良からリンチを受けたことがキッカケで驚異的な格闘センスが芽生え始めて
いく。
基本、ギャグ描写が多くて笑えるマンガなのですが、おもわず黒沢に共感してしまう場面や、胸がグッとくる名言など、とにかく楽しめること間違いなしの作品です!
最強伝説黒沢は2006年に連載終了し、11巻ですでに完結していますが、2013年11月から待望の正当続編が始動。
「新黒沢最強伝説」というタイトルで、現在も絶賛連載中です!
ちなみに、福本先生自身が福本作品で最も好きなキャラクターが黒沢だそうですよ!
連載当時はあまり日の目を見れていなかった最強伝説黒沢ですが、アメトークなどで紹介されたことや、福本先生自身の思い入れの深さもあり、一気に名作として知られることとなりました。
7年の月日を経て続編が連載され始めたのも、福本先生の黒沢に対する作品愛があってこそなのでしょうね。
2.思わず涙がこみ上げ、胸がアツくなる黒沢の名言TOP10
それではここから、最強伝説黒沢に出てくる名言をご紹介していきますよ!
ちなみに、今回ご紹介する名言の中には続編である「新黒沢最強伝説」の名言は入ってません。
逆に言うとそれぐらい名言が多い作品ということでもありますね(笑)
第10位:オレのオレによるオレだけの……
最強伝説黒沢の第1話冒頭を飾ったのがこの名言。
ワールドカップ日本代表の活躍をテレビで見て、誰よりも大騒ぎしながら、心が冷えていくのを感じた黒沢。
「他人の活躍で得る感動ではなく、自分自身が何かを成し遂げたことで得る感動がほしい」
黒沢はそう気づいてしまったのです。
「どんなことでもいいから、観戦者ではなく、プレイヤーとして感動を味わいたい。そんな気持ちを忘れてないか?」と問いかけられているようにも思えますね。
第9位:いつだって一人…一人で乗り切る…!
かつて…… 一度でもあったか…?
ピンチに…… 援軍が駆けつけた事など…!
ないっ…! ありゃしねぇ…!
苦しみは一人… いつだって一人…
一人で乗り切る…!
職場の同僚達に誤解され、疎まれる存在になってしまった黒沢。
そんな中、優秀な現場監督である赤松に急な夜間の誘導員をお願いされることに。
風邪をひいていたものの、頼られたことが嬉しくて二つ返事で引き受けてしまった黒沢。
しかし、それは思った以上に危険な現場だったのです。
風邪で意識が朦朧とする中、車に轢かれないよう必死に誘導する黒沢。
そんな中で見た、仲間が助けに来る幻想を振り払いながら発したのがこの名言です。
マンガや映画にありがちな、ピンチに駆けつけてくれる仲間たち。
でも、現実はそう都合良くはなく、誰にも頼れず一人で頑張るしかない場面がほとんどではないでしょうか。
そんな場面と黒沢の名言がリンクしてしまいますね~。
第8位:そんなものがオレ達の一生……! 物語かっ…!?
オレも死ぬ…!
いずれ朽ちて死ぬ…!
その死の際… 思うだろ……
結局 オレは何もできなかった……と!
結局 オレは女一人救えなかったんだ…と!
望みか…? それが…!
そんなものがオレ達の一生……! 物語かっ…!?
気がつけぇ~っ……!
救われねぇのは……このばあちゃんじゃねぇ…!
オレ達なんだよっ……!
今……立たなきゃ…
オレ達が救われねぇんだっ…!
へたれだろうが…!
オレ達はへたれ…!ダメ人間……!
たぶんこの先も…成功とか栄光とか………
んなもの…望めねぇっ…………!
そんなオレ達だが…けど…
今……立てば…
男にはなれるだろうよ…!
暴走族から襲撃を予告され、震え上がっているホームレス達。
黒沢達が協力し、「住処を守るために戦おう」と説得するも、結局は「逃げる」という選択を選んでしまうのです。
足の不自由な茜ばあちゃんを置き去りにして…。
不安で泣いている茜ばあちゃんの姿を見て黒沢が奮起!ホームレス達を引き止めるために放ったのがこの名言です。
人生にはきっと、自分の心を救うために、誰かを救わなければならないときがあるのでしょう。
「死ぬことを恐れるよりも、死ぬときの後悔を恐れる」そんな人間でありたいものですね!
第7位:あんなに泣いたのに……!あんなに誓ったのに……!
ぐっ…!
ひどいっ…! ひどすぎる…!
ひどい精神……!
あんなに泣いたのに……!
あんなに誓ったのに……!
オレは… また…
何もしないで… また…
あわよくば… 何もしないで…
何もしないですまそうと……!
不良中学生にリンチされ、恐怖のあまりプライドを捨ててしまった黒沢。
「尊厳を取り戻すため、不良達と決闘をする!」と後輩達に宣言したことで、話がだんだん大きくなり、知らない人達まで巻き込んで逃げられない状況になってしまいます。
そんな中、「実は決闘なんてする気はなかった」「ごまかして何もせずにすまそうとしていた」という自分の本心に気づいてしまったときの名言です。
「自分で決めて、固い決意をしたはずなのに、いつの間にやら無かったことにしてしまう」
黒沢ほどの大事じゃなくても、誰しも共感を覚えることなのではないでしょうか。
決意だけならいつでもできますが、実行しないと何も変わることはありません。
まずは自分の弱さに気づくという意味で、素晴らしい名言だと思います。
第6位:オレは底なしに自分が嫌いになる……!だから…
これは場面的に第7位の名言とつながっている名言です。
自分の弱さに苦しんでいる黒沢の前に、決闘観戦者の親子が現れ、情けない姿を目撃されてしまいます。
「後悔してるの?」と聞かれ、素直に認めてしまう黒沢。しかし、それに続いて出てきたのがこの名言です。
- 「本当はやりたくない」
- 「本当は怖い」
そんな後ろ向きな思いを無理矢理プラスにしてしまうこの名言。
真の「勇気」とは無謀さのことではなくて、弱さをプラスのエネルギーに変えることなのかもしれませんね。
第5位:胸を張って生きるために……!
闘わなきゃ……
この世に生まれてきたら……
とてもかなわぬ… かなわなかろう… と思っても…
闘うんだ……!
尊厳のため……!
胸を張って生きるために……!
だから 実は勝った負けたは 2番目…
その前に 闘う事自体に意味がある……!
つまり 敗者にも意味がある……!
ホームレスを襲撃する悪辣(あくらつ)な暴走族に対し気迫の応戦を見せ、ついにホームレス達を奮い立たせた黒沢。
目覚めたホームレス達が誇りをかけて暴走族と戦う姿を見ながら黒沢が語った名言です。
個人的にこの名言を見ると思い出してしまうのが、カイジで利根川が言い放つ
「勝たなければゴミっ…!」
という言葉。
同じ作者の作品として少し矛盾しているようにも思えますが…(笑)
しかし、戦うことでしか勝利することはできないわけなので、そう考えると「戦うこと自体に意味がある」=チャレンジすべきというのは間違いないことなのでしょう。
第4位:その仕事は日の当たらない出来て当たり前の単純作業…!
オレたちは軽んじられ……
見下されて…… あしらわれ… そして酷使され…
しかし一切そのことに文句は言わず…
ただ…愚直にやりおおす…!
与えられた仕事を!
その仕事は日の当たらない
出来て当たり前の単純作業…!
注目や喝采なんか…無縁!創造性もゼロ…!
誰がやっても まあ同じ… そんな名前のない仕事…!
たいした仕事じゃない…!
しかし… やりおおすっ…!
やめないんだっ…!
こんなにボロボロ… 傷だらけなのに…
役目を…! 自分の役割を…!
誰が… 誰が笑えるというんだ…? 彼を…!
第3位:男だろ…って…!
第2位:そんなものだけを追って…生きて……何になる……?
暴走族がホームレスを襲撃する中、懸命に応戦する黒沢たち。
しかし、肝心のホームレス達が恐怖のあまり動けず…。
この名言は、数の暴力でボコボコにされながらも決して屈しない黒沢の心の声です。
福本先生がカイジなどでもよく言われている「命の使いどころ」というポリシーが前面に溢れ出ている名言ですね。
「ただ安全に、ただ無難にということだけを考えて生きてきた結果、理想の自分からかけ離れた人間になっていた」
そんなことになっていないか自分自身に問いかけたいですね。
第1位:胸ん中はいつも……いっぱいだった……無力感で……!
3.思わず「クスッ」と笑える黒沢の迷言TOP3
黒沢という作品は名言だけでなく、ギャグ要素のある迷言も魅力です(笑)
こちらもランキング形式でご紹介しますね!
第3位:向こうは…FカップGカップ…オレにあるのは…
あるんだ…!本当にこんなこと………!
向こうは…FカップGカップ…
オレにあるのは…
スーパーカップ…!
黒沢が一人TVを見ながら夜食のスーパーカップを食べている最中、黒沢を慕っているヤンキー中学生:中根からの電話が。
卒業旅行で本物のハワイに行っている中根は、同級生の女の子にモテモテ。
そんな中根の様子が電話口から聞こえてきて、黒沢が発したのがこの迷言です(笑)
「カップ」繋がりでラップみたいに韻を踏んでるのが、黒沢にしてはオシャレですね(笑)
ちなみにここから第2位、第1位とご紹介していきますが、非常に汚い描写がありますので、お食事中の方はご注意ください(笑)
第2位:入れてやるっ…!おまえらの口に………!
覚えておけっ…!
卵とはいえ…おまえらは格闘のプロ………!
その気になりゃあ…出来るさ…!
オレを組み伏す事くらい……
が……しかしその時は………
こいつを…!
あるいは……この指を………!
入れてやるっ…!
おまえらの口に………!
中根から金をたかるレスラーの卵3人組を成敗すべく黒沢が宣戦布告。
「力や技では勝てない」と踏んだ黒沢は最終兵器である朝の贈り物(ウ○コ)を使ってレスラー達に脅しをかけます(笑)
そんなもん口に入れられたら大変なことになるってぇ!!!
殴られるより100倍イヤですね(笑)
第1位:入れて……混ぜてやるっ……!おまえのとっ……!
今日は互いに………命のやりとりっ……!
生きるか死ぬかっ…!
ゆえに容赦しないっ………!
心を鬼にして……
目っ…!耳っ口っ…!
ケツ…!ケツの穴にも………
こいつを………
入れてやるっ………!
入れて……混ぜてやるっ……!
おまえのとっ……!
4.まとめ
ちゃんと読んでいたら矛盾とか思わないですけど本当に漫画読んでるんですか?
『最強伝説 黒沢』だが、私にはあと一歩足りない作品であるように思えた。
せっかく44才の土木作業員という設定ではじまったのに、そこから当然導き出されるであろう労働者の搾取・疎外といったテーマはさほど描かれず、「アジフライ」のあたりで性急に片付けてられてしまっている。
本来このような日の当たらぬ労働者を題材とする場合、ヤンキーや暴走族との決闘のような”非日常”を持ち込む必要はない。彼の生活そのものが多くの読者にとって”非日常”だからだ。そのあたりに、この漫画が2巻以降から退屈になり、最後までドンキホーテ的喜悲劇にとどまってしまった原因があるように思える。
『黒沢』に人気漫画家福本伸行のアマチュアさ、二流さが出てしまっていると言えば言い過ぎだろうか?