みなさん、元気に漫画読んでますか!? マンガタリライターの神門です。
さて今回は、
「2019年4月にマンガタリのライターが読んだおすすめ漫画」
を紹介します!
元号が令和に変わる前、平成最後の月にマンガタリライターが手にして、おすすめする作品はなんなのか?
ぜひ、次に読む漫画の参考にしてください!
目次
1、『SIDOOH/士道』 / 成長しながら幕末を駆け抜ける兄弟の熱い姿を描いた一作
作者 | 高橋ツトム |
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出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊ヤングジャンプ |
掲載期間 |
2005〜2010年
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巻数 | 既刊25巻 |
デビュー作『地雷震』で名を馳せた高橋ツトム先生が描く幕末を舞台にした歴史創作物語です。
主人公・雪村兄弟(兄)翔太郎と(弟)源太郎は、幼くして両親を亡くします。
母の遺言である「強い武士になる」ため2人は旅にでますが、ある事件に巻き込まれて新興宗教団体の「白心郷(びゃくしんきょう)」に身を置くことに。。
日本を乗っ取ろうと企てる野心家でカリスマ教祖の瑠儀(るぎ)のもとで育った2人は、のちに勝海舟、坂本龍馬、高杉晋作、新撰組などなど、さまざまな勢力の人たちと出会い、成長を遂げながら、激動の時代を駆け抜けます!
2、『もっこり半兵衛』/ ギャグにグロに人情まで、分厚いヒューマンドラマが展開される時代劇
作者 | 徳弘正也 |
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出版社 | 集英社 |
掲載誌 | グランドジャンプPREMIUM、グランドジャンプむちゃ |
掲載期間 | 2015年11月号~(不定期掲載) |
巻数 | 既刊3巻 |
お江戸の町の弱きものを無敵の腕前で守り、お下品ギャグありの人情噺でホロリとさせる時代劇です!
月並半兵衛は、8歳の娘と長屋の貧乏暮らしをする浪人です。 仕事は夜の江戸の巡回警備、「夜回り」。
夜鷹(夜に街頭に立つ売春婦)たちとエロ話をし、見守る半兵衛は親しみを込めて「もっこり半兵衛」と呼ばれています。
しかし半兵衛は元「人斬り半兵衛」と後ろ指をさされるほどの剣の達人。
江戸の弱者を守るため、悪人を成敗します!
ベースは人情噺ありのチャンバラ時代劇なのですが、斬られた人間の内臓を克明に描くグロ描写あり、2~3ページに1コマは入る「超」下品ギャグもありと盛りだくさんのエンタメ作品です。
人間の心の汚さもがっつり表現されますが、その分揺り返しのように人情のあたたかさを感じることのできる漫画です。
もともと徳弘先生のファンであるライター。
2018年3月、このマンガがすごい!オトコ編2位になったことは知っていたものの、「時代劇はフォロー外」と足踏みしていましたが・・・分厚いヒューマンドラマに感動!もっと早く読めば良かった!!
まず時代劇のお約束展開が、「グロ」でさらにバージョンアップ!
展開としては「チャンバラでスカッと、人情でホロっと」という分かりやすい時代劇ですが、チャンバラは首がバンバン飛ぶ殘虐バトル、人情噺も人間のイヤ〜なところをえぐり出すグロテスクさがあります。
しかしその分バトルは爽快ですし、ヒューマンドラマには厚みを感じます。
また、時代劇ファン以外も置いていかない気遣いも嬉しいです。
時代劇にほぼ触れることのないライターですが、
- ナレーションで挟まれるお江戸豆知識
- 逆に時代考証を無視したギャグ
などでちゃんとついていけます。
超下品なギャグが満載(たぶん、女性に無理に勧めるとセクハラになるレベル)ですし、絵柄も好みが分かれるのは否めません。
しかしながら!「薄っぺらくないヒューマンドラマが見たいなあ」という方、ぜひにご覧ください!!
3、『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season2』 / 映画を知らなくても楽しめる邦画プレゼン漫画
作者 | 服部昇大 |
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出版社 | 集英社 |
掲載誌 | スピネル |
掲載期間 | 2018年9月~2019年2月(Season2) |
巻数 |
2(Season1、Season2)
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タイトル通り、邦画が大好きな女子高校生、邦吉映子が、大好きな邦画をプレゼンする漫画です。
映画のことを語る漫画は結構、出てきていますが、本作が他の作品と違うのは、
- 邦画をフューチャー
- 映画のプレゼンに徹している
というところです。
映画の見方とか、字幕か吹き替えかとか、映画内容の洞察とか、個人の趣向によって意見が変わってくることを語るのではなく、その邦画作品が
- どのような内容で
- 誰が出演していて
- どういう点が見どころなのか
そういったまさにプレゼンに徹しているのです。
邦キチこと映子のプレゼン内容がまた絶妙で、「え、マジでどんな映画なの!?」と気になって仕方なくなる、読み手にそう思わせてくれる作品です。
とにかく、邦画に限らず色々とどうかしている邦キチこと映子のプレゼンを読むだけで笑えます!
爆笑というか、読んでいる間中、常ににやにやし続けてしまうような作品です。
また非常に良いのが、邦画をプレゼンしているところです。
というのも、洋画だと映画に興味ない人は分からないことばかりになりがちですが、邦画だと出演者が日本の俳優さんなので、映画を観ていなくてもドラマやCMなど映画以外で知っているからイメージができやすいのです。
よく出てくるのは市原隼人、斎藤工などで、彼らが本当にそんなことをするの?
というプレゼンがされるので気になって仕方がない。
こういう作品だと、「映画通じゃないと楽しめないのではないか?」と思われるかもしれないがとんでもない、映画を知らなくても楽しめる、映画を語る漫画なのです。
なお、本作は「Season2」とあるように「Season1」もあり、現在(2019年6月時点)は「Season3」が連載中です!
4、『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』/ 異世界の言語が共通なわけがないと異世界の文化を掘り下げた知的探求娯楽作品
作者 | 瀬野反人 |
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出版社 | KADOKAWA |
掲載誌 | ヤングエースUP |
掲載期間 | 2018年3月~ |
巻数 | 既刊1巻 |
異世界を「調査」するモンスター研究コメディ漫画です。
そう、「冒険」するとか「無双」するとかではなく、基本的には学術的に「調査」する漫画なのです。
主人公の新人研究者・ハカバ君は師である教授が怪我をしたのをきっかけに、調査を引き継いで異世界である「魔界」にやってきます。
そこで出会ったのは、異なる「言語」を話すワーウルフにリザードマン、スライムなどなど。
彼・彼女らは、それぞれに独特の「文化」を形成しています。
「言語」が違い、「習慣」が違い、そもそもあらゆる「前提」が違う彼・彼女らを理解していくために、教授と現地のワーウルフとの子供であるらしいガイドのススキと共に、教授が残してくれた先行研究を参考にしたりしつつ、旅あり、日常ありの異世界フィールドワークが綴られていきます。
最近流行りの現代人が異世界に行くという形式のお話ではあるのですが、本作が特徴的なのは、異世界の「言語」についてかなり深く掘り下げている点です。
まず、現代人が異世界にいくフォーマットの作品だとあんまりそこに作劇リソースを割くわけにはいかないためか何らかの形で「異世界だけど言葉は通じる」という設定で物語が展開するものが多い中、あえて「異世界の言葉は違う、研究が必要」と、その点に全力でリソースを使っている作品である点がユニークです。
とはいえ、異世界の言語が違う、基本的に言葉が通じないという前提で作られている物語は他にもけっこうあります。
本作がさらにユニークなのは、「言語」を一般の人がイメージするような、日本語、英語などといった「音声言語(声などの音をメインに使うもの)」として狭義に捉えているのではなく、もっと広い射程で捉えて描いている点です。
本作には、
- 「身体の言語」
- 「嗅覚の言語」
- 「分体が認識してきた事柄が、分体が本体に戻ると同化? してしまう種としてのアイデンティティやコミュニケーションのあり方に謎が多いスライム」
などなどが登場して深堀りされていきます。
「音声言語」を題材にしてコミュニケーションについて問いかけてくる感じの既存の作品からもうちょっと突っ込んで、そもそも
- 「言語」とは?
- 「意志の疎通」とは?
- 「存在」とは?
と問いかけてくる感じの作品なのです。
知的高揚、娯楽的快感の両方が堪能できる作品として、とてもおすすめの一作なのでした。
5、『タラレBar 東京タラレバ娘番外編』/ 全ての女性におススメしたい。恋愛相談をタラとレバーがぶった切るエッセイ漫画
作者 | 東村アキコ |
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出版社 | 講談社 |
掲載誌 | Kiss |
掲載期間 | 2017年12号から2019年2号まで不定期連 |
巻数 | 1巻完結 |
東京タラレバ娘のコミックスのオマケマンガとして巻末に載っていた「タラレBar」が、本誌連載「東京タラレバ娘」の後にも掲載されるようになり、まとめてコミックス化された作品です。
「東京タラレバ娘」の主人公・倫子が「~だっタラ、~できレバ」のようにタラレバを言っていたところから生まれた、タラとレバー(タラの白子とレバ刺し)というキャラクター。
「東京タラレバ娘」の作中でも彼らは沢山登場していたのですが、このふたり(?)が「タラレBar」ということで、タラとレバーもタラマスターとレバーテンとなり、全国からくる恋愛悩み相談をバッサリ切っていく、という内容です。
「東京タラレバ娘」も好きで全巻購入済みですが、このタラレBarが本当に面白くて!!
巻末が楽しみになり、本誌連載で大喜び、そしてとうとうコミックス化。
実は3月に「東京タラレバ娘リターンズ」と同時発売でしたが、遅れて購入したので4月に読んだ漫画としてご紹介します。
お悩み相談なのでマンガの割に文字が多く、エッセイマンガのジャンルに入る勢いの作品です。
しかし、東村先生のスピード感と、相談をバッサリぶった切っていく爽快感がたまりません。
文字が多くても、どんどん読んでしまうと思います。 質問は身近なものが多く、自分自身ではなくても、友達や職場の女性など、近くの誰かが持っていそうな悩みなので、「この悩みわかる!」と思う女性も多いのではないでしょうか。
しかし、タラマスターのようにここまで現実を教えてくれる友達は、あなたの周りにはいないでしょう!
ですから、悩んでいる全ての女性に、本作を読んでほしいです。
一見自分には関係ないと思う内容でも、心にガツンときて、結果的にプラスになると思います。
しかし、女性にオススメだと思うのですが、男性が読むとどう思うのでしょうか。
ここまで言われてますよ!!と思う表現も多いのですが、男性も「そうそう、こういうことだよ!」と読んだりするのか??と気になります。
多くの女性にしっかりオススメなのはもちろんですが、男性にも読んでみてほしい作品です!
まとめ
今回はマンガタリライターが2019年4月に読んだ漫画をご紹介させて頂きました!
皆さん、気になる漫画はありましたか?
個人的には『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』が凄く気になりました!
異世界ものは色々ありますが、確かに様々な種族がいれば言語や慣習の壁が高くそびえているはず、そこに切り込んだというのが非常に面白そうだなと思いました。
皆さんも気になった作品がありましたら是非、手に取ってみてください!
マンガタリライター 神門
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次の元号が「令和」に決まり「平成」最後の月ということで、、4月は、時代の変わり目が描かれている幕末モノの作品をいろいろ読んでみました。
命懸けで戦う志士の物語はどれも熱いんですが、その中でも、僕の心に一番突き刺さったのが『士道』です。
序盤は、宗教団体「白心郷」による悪行の数々が描かれていて、血も涙もない話だなーと思っていたんですが(それはそれで惹きつけられる)、、物語が進むにつれ、どんどん熱い展開に。。
仲間、家族、国を想いながら、志半ばで散っていく者、その人たちの想いを背負って懸命に生きる主人公たちの物語は儚く、胸が締めつけられます。
そのストーリーと高橋先生の美しく繊細かつ迫力満点の絵が絶妙にマッチしていて、たまんないです。
普段、英雄として描かれることが多い、坂本龍馬が悪役として登場しているのも面白いポイント!
想像力を掻き立てられる創作物語をどうぞお楽しみください!