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【土曜更新】『チェンソーマン』11巻『天雷様と人間のへそ―平庫ワカ初期作品集―』~最近読んだ漫画感想~

自粛宣言がまだ続くので、外出代わりにkindle課金する中山 今です。

このところ読んでいた漫画の感想をまとめました。各作品の参考までに(今週は2作品!)

1、『チェンソーマン』11巻。漫画史上に残したい暴力!かつてこんなに感情移入できない食事シーンがあったか

 

血まみれのアクションダークファンタジー、第一部完結。
人に害為す悪魔が跋扈する世界。

【あらすじ】

頭がチェーンソーになる悪魔と化した少年デンジはその力を見出され、対悪魔組織「公安警察」でデビルハンターとして働くことになる。
あこがれの女上司マキマの謎、デンジのささやかな夢、そして最悪の悪魔とはなにか。支配され、消費されるのはいったい誰なのか?暴力と虚無が画面から匂う大人気作。

【レビュー】

これは漫画史上に残すべき名作巻ですぞ!
アクション、ゾンビ、暴力、絶望、そして救いまで全部乗せ。
特に後半、デンジがたった一人で淡々と食事をするシーンは圧巻。デンジはそもそも、貧困ゆえに「パンにジャム塗って食べる」ことを夢としていました。最終巻にしてたどり着いた食事風景は、わびしく寒々しく読者の感情移入をどこまでも拒否する異質な時間が漂います。

コベニちゃんってどうしたの?とかデンジいきなり料理うますぎじゃねえ?とか言いたいことはなくはないけどそんなことはどうでもいいのだ!地獄→地獄→虚無→救いというジェットコースターに酔うべし!

 

 

2、『天雷様と人間のへそ―平庫ワカ初期作品集―』西部劇みと呼びたいハード&ワイルドで魅力的な世界観

『マイ・ブロークン・マリコ』の平庫ワカ先生の初期短編集。

【解説】
高校在学時の作品~最新作まで幅広い期間の5作品を収録しています。
母を亡くした学び舎の主人が剣豪の手を借り「天雷様」を討つ表題作、穏やかながらとらえどころのない夫に違和感を感じる妊婦のある日を描く『ホットアンドコールスロー』など感情に訴えかける作品ばかりです。

【レビュー】

『マイ・ブロークン・マリコ』にもあった「西部劇み」とでも言いたいハードな世界観が魅力的!収録の超短編では人生を諦めきったような苦みを、40ページ越えの作品からはその諦めから一歩踏み出すような希望を感じます。
5作品のなかで、絶望と希望の中間にあるのが短編『I am NO body』。みじめで忌々しい人生を生きる捨て鉢な青年のお話で、先生が高校生の時に描いた作品とのこと。天才は居る・・・!

3、今週のまとめ。今週はすごいの読んだなあ・・・!

 

『チェンソーマン』11巻の虚無の食事シーンは流れるように読者を絶望に叩き込みますし、『天雷様と人間のへそ―平庫ワカ初期作品集―』のハードでありながらおしゃれな映画のような世界観は一見の価値ありです。

今週はほかにもすごいのを読んだのですが、あまりにこの2作品が良くてこれしか書けませんでした・・・ッ!

来週は女性同士の恋と人生を令和~戦後までさかのぼるという意欲作、『夢の端々』の感想を書きたいです。これも面白かった・・・!

(中山 今)

↓前回の感想まとめは↓

【土曜更新】『怪獣8号』1巻『オッドタクシー』『金剛寺さんは面倒くさい』7巻~最近読んだ漫画感想~

2021年3月6日

 

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