この記事では最近始まった漫画新連載をショートレビューでご紹介します。
気に入る新連載を探すきっかけにしてみてくださいね。
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- 媒体記載あらすじ
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でご紹介します!
1、3月4週目の漫画新連載紹介~『東東京区区(ひがしとうきょうまちまち)』~ライターも東東京在住。ルーツ違いの若者3人がどう街を見るのか楽しみ~
東東京区区 かつしか けいた 路草 株式会社トゥーヴァージンズより引用
タイトル | 『東東京区区』 |
作者 | かつしか けいた |
連載開始 | 2022.03.16 |
掲載媒体 | 路草(Web媒体) |
【作品紹介】
自分が生まれ育った「東東京」は、まだまだ知らないことばかり……。
偶然知り合った年齢も性別もルーツも〝まちまち 〟な三人が、
「東東京」の街を探検・散策し、その新たな魅力や今まで知らなかった場所、気付かなかったことを見つけ出していく地元発見冒険譚 。
路草 株式会社トゥーヴァージンズより引用
【一言レビュー】
若者たちよ、ルーツとかもう越えていけ。
『東東京区区』はネイティブ日本語話者でルーツ違いの3人が、東東京の下町を調べたり歩いたりする街歩き漫画です。
下町の歴史を挙げてくれたり、観光地以外の場所を歩いてくれたり、街マンガとして楽しく読めます。
が、今回レビューをするにあたり、【ルーツ違いの3人の希望】について触れたいと思います。
『東東京区区』の主人公3人は以下のようなメンバーです。全員日本語話者、日本語ネイティブです。
東東京区区 かつしか けいた 路草 株式会社トゥーヴァージンズより引用
言葉の差はない3人。しかしサラはムスリム(イスラム教)メニューのあるレストランを探すし、セラムのお父さんの同僚はウガンダに帰国するため職場を辞めます。
やはりルーツの差を感じる3人ですが、ライターは『東東京区区』にルーツを越える希望を見ました。
そもそも、実はライターも東東京在住です(足立区と葛飾区、東東京でトータル10年ほど暮らしています)。
東東京に現実に住んで暮らしていると、住人やお店に多様なルーツを見ることができます。なによりライターの子どもの保育園でも、複数のルーツを持つ子どもと親御さんたちがいます。
しかし現実に触れあえばこそ、簡単に越えられない壁を感じることもまた事実です。
保育園の玄関、私と日本語で話していても、同胞と出会えばその言語であいさつと会話をするルーツ違いの親御さん。
ほんの少しの疎外感を感じてしまうのは、正直な気持ちとしてあります。
しかしそれはネイティブではない土地に来て同じ言語を話せるのが嬉しいということなんだよな、と想像します。
逆に言語の通じない心細さはどれほどのことか、日本マジョリティの私には理屈では理解しても実感を持つことはできません。
ルーツが違うゆえのお互いへの不安。そう簡単に拭うことはできないのだろうと思います。
それは仕方のないことだと思いますし、むしろ気軽に越えられるものではないと考えています。理屈で理解することと体験は違うものなので。
しかし『東東京区区』の3人は、お互いのコミュニケーションにおいて違和感を感じていません。
サラやセラムがどのように日本に関わり始めたのか?そもそも春太が日本ネイティブなのか?ということもまだ明かされていません。
でも作中、3人が和気あいあいとおしゃべりし、ちょっとした言い合いをしながら街歩きを楽しんでいる様子は、とても自然に見えます。
私の子どもの保育園でもそうですが、子どもたち同士は全員が仲良く過ごしています。時に喧嘩をしたり、特に仲の良くない子がいても、それは本人たちの純粋な個性のぶつかり合いです。
『東東京区区』を読むと、これがきっとルーツを越えるということなんだろうな・・・と、優しい未来を見ているようで幸せな気持ちになります。
ルーツを越えた3人が、東京の古い場所を見て、知って、歩いていく。ただの街歩きじゃない、自分のルーツを忘れず、違うルーツの子と共に歩く街歩きです。
新鮮な3つの目線の東東京レポ。東東京在住だからこそ、ハッとするような視点を期待しています。
『東東京区区』1話掲載の路草はこちら↓
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(中山 今)
こんにちは、漫画の新連載を共有しまくりたい! マンガフルライター中山今です。
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