どうもマンガタリコピーライターのペンタです。
今回紹介する漫画は、高校生アスリートたちが戦国時代にタイムスリップし戦国武将と戦う漫画「群青戦記」です。
タイムスリップする漫画は他にも「信長協奏曲」や「JIN-仁-」「信長のシェフ」などたくさんあります。
でも群青戦記は他の漫画と大きく違うのは、戦国時代の残酷さや血なまぐさい現実がリアルに描かれているところです。
残酷な現実に戸惑いながらも必死に立ち向かう高校生アスリートたちの物語です。
ヤングジャンプ連載されてたので、「群青戦記」を最近知ったって人も、なんとなく知ってる人もいるでしょう。
でも、実際に群青戦記がどんな物語で、何が面白いのかをあまり知らないでしょうから、これから紹介していきます。
グロいシーンも確かにありますが、尻込みせずに「群青戦記」の世界に飛び込んでいきましょう。
読めばあなたも
- 無惨に殺され常に死と隣り合わせな戦国の世界
- 理不尽な現実で自分と向き合いながら戦う姿
この2つの魅力がふんだんに盛り込まれた群青戦記に一気にはまってしまうことでしょう。
では楽しみにして読み進めてください。
目次
1 群青戦記の基本情報
著者 | 笠原真樹(連載デビュー作) |
---|---|
出版社 | 集英社 |
掲載雑誌 | 週刊ヤングジャンプ |
巻数 | 17巻(完結) |
群青戦記は2013年から2017年まで連載された作品で、全17巻からなります。
上の画像からもわかるように戦国時代が舞台となっています。
現代から戦国時代にタイムスリップするという設定で、戦いの楽しさや面白さよりは戦国の世の生々しい描写や厳しい現実に立ち向かう心理描写にスポットが当たってる作品です。
葛藤し迷う人間模様や人の成長が見られる作品なので、ただ娯楽として読むのではなく、作品に込められたメッセージを汲み取りながら読むことをオススメします。
では次に「群青戦記のあらすじ」を紹介していきます。
2 群青戦記のあらすじ
スポーツ強豪校で知られる私立星徳(せいとく)高校。
どの部活も有名でトップクラスの実力者を多数抱えていました。
そんな華々しい成績とは裏腹に、星徳高校ではスクールカーストがあり1軍から4軍まで区別されており、それによっていじめや差別が起こっていた。
実際に生徒が2件の自殺する例もあり、裏では結構問題を抱えている学校です。
その高校で3軍(あまりイケてないやつ)に属する弓道部の西野蒼(にしのあおい)がこの物語の主人公です。
(群青戦記第1巻より引用)
彼は極度の歴史オタクで歴史のことは人一倍詳しく、戦国時代に生まれたら良かったなぁとぼんやり考えていた。
そんなある日、突然学校ごと戦国時代にタイムスリップする現象が起きた。
(群青戦記第1巻より引用)
混乱の中、有無を言わせず無惨にも殺されていく先生や生徒たち。
(群青戦記第5巻より引用)
残酷で死と隣り合わせの戦国時代で、歴史オタクである西野を含め高校生アスリートたちが強敵と立ち向かい、戦う物語です。
最初は怖くて何も出来なかった高校生たちも次第に戦国の世に慣れ、環境に適応していきます。
「理不尽な出来事に遭遇したから、仕方がない」って思考ではなく「理不尽な出来事があろうと戦わなくちゃいけない」
そうやって次第に強くたくましく育っていく主人公の姿も見物です。
また高校生たちが介入することで、歴史が修正されて変わっていくのも一つの見所です。
高校生たちは
- スポーツしかできない高校生達が戦国の世でどう生きていくのか
- 果たして現代に帰ることができるのか?
最後の最後まで楽しめる作品になってます。
やっぱり群青戦記面白い。高校生が学校ごと戦国時代にタイムスリップして歴史の波に巻き込まれその中で自我を確立して戦う話なんだけど、まず色々史実と違うから、展開に飽きが来ない。けど、戦の作法とか細かいところが歴史に忠実でそのギャップもまた面白いと思う。
— たつみ (@SanakunoMusou) October 14, 2017
飛ばされた高校生がみな超高校級アスリートってのも面白い。剣道、柔道、弓道はまあ当たり前としてフェンシングやボクシング、アメフト部が戦国の世で活躍するのが面白い。 そして何といってもピンポン!! 卓球怖い!! 卓球部員は舐めない方がいいぞ!! >群青戦記
— バニー@Captain・bookseller (@bunny0521) June 2, 2014
営業さんに群青戦記って漫画貸してもらったんだけどやばいこれめっちゃ続き気になる…!テラフォとかのグロい系読めて戦国系好きなら凄いオススメしたい
— リドゥから脱出したカナト (@asagi_kanato) June 21, 2014
(twitterより)
3 残酷で血なまぐさい!「群青戦記」の戦国時代の3つの見所
戦国時代にタイムスリップし、混乱する現代人に対して戦国時代の武士達は容赦なく襲いかかり、学校の生徒達は当然のように虐殺されます。
(群青戦記第1巻より引用)
戦国の時代ですから命を奪ったり奪い合うのは当たり前のことなのですが、虚しいほどに命を奪われるシーンは思わず目をつぶってしまいます。
主要キャラも作者の都合で生かされるわけでもなく、結構あっさりと殺されます。
自分の推しキャラもあっという間に殺されてしまいます。
切なさもありますが、その儚さや切なさこそ戦国の世ならではだと思い知らされます。
そんな無常さや残酷さが群青戦記の1つのウリです。
3−1 容赦なく命を奪われる現代人の姿がトラウマになる
(群青戦記第1巻より引用)
1巻からその残酷さや怖さが印象に残る描写が多く、恐怖が頭からなかなか離れません。
戦国の時代の人たちは、現代からワープしてきたからなんて事情をわかってくれるはずもなく躊躇なく命を奪ってきます。
(群青戦記第3巻より引用)
相手が丸腰の女性であっても、戦国時代では躊躇なく惨殺されてしまいます。
そんな戦国時代ならではの怖さが感じられるシーン満載です。
何が怖いって、その襲ってくる時や殺す時の表情なんですよね。
(群青戦記第1巻より引用)
この斧を振り上げてる人の顔とか不気味すぎません?
まるで今から薪でも割るかのように平然とした表情をしていますね。
(群青戦記第1巻より引用)
これから人を殺すのに、、、ですよ?
今生きてる僕たちからすれば、人を殺すことは一生体験しないことですし、そんな覚悟なんて微塵もありません。
でも、戦国に生きる人たちは死がすごく身近にあって「やらなきゃやられる」って状態なんです。
(群青戦記第2巻より引用)
だからこそ、人を斬ることにも一切躊躇が生まれません。
そんな不気味さが戦国時代を知らないはずの読者にリアリティを感じさせるのです。
群青戦記ね、一巻読んだ感想だけどね、リアリティあるなぁと思いましたな。がっつり死ぬなぁ。歴史好きなんだろうな作者さん。こういうとき、人がどう動くかに関しての想像力が非常に豊かだと思う
— じりぴょん (@miyuki_dia) March 23, 2017
やだ群青戦記読むの怖い
— チャンヌ (@siochannu_1) March 31, 2015
群青戦記の世界観で言うところの戦国時代の武士達は、みんなゾンビみたいな表情で信長にいたってはもはや脱法ドラッグにおぼれた廃人のようである。
— アオのカイロ @命の煌きで虚空を断つ窮極の奥義 (@aonokairo) March 1, 2014
(twitterより)
3−2 死と隣り合わせの状況で見ててハラハラする
やはり戦国時代なので、いつ殺されるかわからない。という緊迫感は半端ないです。
織田家の領地内に学校があるということで、最初に学校が襲撃されるのですが、そこでは織田軍が殺す側で、生徒達が殺される側で一方的にやられてしまいます。
(群青戦記第1巻より引用)
机でバリケードを作ったり、学校に入らせないように色々工夫はしますが、相手は武士。
人を殺すための装備で、人を殺すための気持ちで挑んでくるのでどうしても太刀打ちできません。
恐怖のあまり自ら命を絶つ生徒もいるくらいです。
(群青戦記第2巻より引用)
僕も読む前は、群青戦記を「高校生アスリートと戦国武将が戦う話」ってくらいにしか知りませんでした。
なので、群青戦記が描く戦国の世の怖さやグロさに最初は驚き、顔がひきつりました。
でも、読んでいくうちにそのグロさが逆に戦国っぽくて面白いなと感じるようになりました。
最初は殺されるシーンのグロさに「ちょっと読むのをヤメようかな」と思ってしまうかもしれません。
が、全然見てられないようなグロさはないですし、最初の1巻を読み終えてしまえばだんだんと面白くなり、ストーリーも盛り上がってくるので、ぜひ頑張って1巻のグロさに耐えてください笑
3−3 立ちはだかる武将たちが威圧感たっぷり
(群青戦記第10巻より引用)
やっぱり戦国の世といえば、織田信長ですね。
この男はどの漫画でも最強キャラですね。
以前紹介した「ドリフターズ」という漫画でも織田信長は最強です。(ドリフターズの記事はこちら)
群青戦記の中でもやはり織田信長は強く、力強さとかではなく誰も逆らえないような魔力があるんです。
織田信長が右といえば、みな右が正しいって信じてしまうし、織田信長が死ねといえばみんな喜んで死ぬ。
それくらいの絶対的な存在として君臨しています
(群青戦記第11巻より引用)
そんな織田信長をはじめとして、様々な武将キャラが存在します。
織田信長の天下統一を助ける豊臣秀吉(かなりイケメンですね)
(群青戦記第6巻より引用)
軍神と呼ばれた上杉謙信
(群青戦記第1巻より引用)
さらには、猛将・前田慶次
(群青戦記第10巻より引用)
他にも
加藤清正、福島正則など一度は聞いたことがあるような武将がかなり登場します。
(群青戦記第3巻より引用)
(群青戦記第2巻より引用)
しかもみんな強い。
個人的に加藤清正は気味が悪くて怖さを感じずにはいられないですね。
顔の気持ち悪さもそうですが、ちょっと猫背で前のめりなのが今にも襲いかかってきそうで怖いです。
登場するキャラは、学校の授業で習ったり、歴史ものの漫画読んで名前だけ知ってたりする人が多いです。
なので、「こんな人だったんだ」「こんなことを成し遂げた人なんだ」とか「イメージと全然ちげぇ」と楽しみながら読むことができます。
漫画の作品によっても、歴史上の人物は描かれ方が違うのでそれも歴史漫画ものの楽しみの一つです。
他にも、味方になるんですが、
忍びで有名な服部半蔵
(群青戦記第12巻より引用)
さらには、天下泰平を成し遂げた徳川家康まで登場します。
(群青戦記第1巻より引用)
こんな名だたる武将を前に高校生達がどう振る舞い、どう戦うのかというところに注目して読んでみてください。
4 戦国時代で生き抜く部活男子がかっこよすぎて勇気をもらえる!
あらすじでも紹介しましたが、この高校はスポーツ強豪校なのでみなトップクラスの実力を持っています。
そんな部活男子達が戦国の世の恐怖を感じながらも、その現実に立ち向かっていきます。
(群青戦記第1巻より引用)
4−1 恐怖を感じながらも戦う覚悟を決める姿にグッとくる
いきなり戦国時代に飛ばされて、訳もわからぬうちに、周りの人が次々に殺されて「じゃあ俺も相手を殺そう!」という精神状態には中々なれませんよね?
「人を殺す」というのは、並みの神経じゃ出来ないことです。
それを高校生たちが次第に受け入れていく姿も見所です。
一番最初に覚悟を決めたのが、このアメフト部の高橋という男です。
(群青戦記第1巻より引用)
顔を見れば、明らかに正気を失っているのがわかりますよね?
というか目が据わってますね。
でも正気でも失わないと、「殺さないと殺される」という戦国の世の現実を受け入れられないんです。
主人公の西野は、特に今まで何か問題が起きても見て見ぬフリをする「傍観者」だったのですが、戦国の世ではその考えは通用しません。
自分が勇気を持って行動しないと、失うだけの人生。
(群青戦記第1巻より引用)
ということにようやく気付き、戦国の世に順応していきます。
主人公の西野は最初、ただのビビりで歴史オタクだったのですが、戦国の世で生きていく中で成長していきます。
のちに天下泰平を目指す徳川家康と出会い、家康に憧れ、やがてその意志を継いでいきます。
(群青戦記第7巻より引用)
他にも、
学校では一人で過ごしていたけど、戦国時代に来て人に頼られることで自分の価値を見いだすものがいたりと友情物語や成長物語が見れるのも面白さの一つです。
4−2 戦国武将をなぎ倒す高校生トップアスリートたちの戦闘シーンが爽快!
(群青戦記第9巻より引用)
群青戦記では様々な部活が登場し、彼らは部活ならではの技や戦い方で猛者達と対抗します。
フェンシングや弓道、アメフト、野球、空手、ボクシング、さらには科学部まで戦国の世で暴れまわります。
(群青戦記第2巻より引用)
「戦国武将vs部活男子」ってかなり斬新な設定ですよね。
でもこれがかなり見てて楽しいんです。
これは言葉よりも絵で見れば魅力が伝わりますので、ぜひご覧ください。
- 卓球のフォームで相手の首を斬り落としたり、
(群青戦記第3巻より引用)
- 剣をフェンシングの剣と見立てて相手を攻撃したり、
(群青戦記第3巻より引用)
- テニスのフォームで相手を斬り伏せたり
(群青戦記第9巻より引用)
- 空手の技で生身で戦ったり
(群青戦記第5巻より引用)
戦国武将相手に部活男子が対抗するっていうのは、まるで異種格闘技のような楽しさや新鮮さがあって見ててすごくわくわくします。
文化部と思われる科学部もかなり活躍し、(個人的に一番強いと思ってます笑)
(群青戦記第6巻より引用)
火炎放射器を作ったり、
(群青戦記第10巻より引用)
スタンガンを作ったりと最新技術で対抗します。
運動部だけでなく、演劇部まで登場しその演技で敵を欺くシーンもあり、痛快です。
部活男子が戦国武将に勝つなんて設定もありえないように思えますが、読んでいるとそんな事忘れて没頭しちゃいますよ。
最初は足軽レベルの兵士でも苦戦しますが、次第に戦に慣れていき戦国武将に引けをとらぬくらい暴れ回る姿は必見です。
戦国時代にタイムスリップした学生はみな一致団結して戦いますが、実は敵となる学生も実は存在しています。
それが不破(ふわ)という男です。
5 現代に帰る方法を唯一知ってる男・不破が怖すぎる
(群青戦記第7巻より引用)
この男は現代で自殺していたとされてた生徒なんですが、実は西野たちよりも先に戦国時代に来ていたことがのちにわかります。
彼はIQ161で全国模試もトップを取るほどの優秀な頭脳の持ち主です。
この男が西野たち高校生が現代に帰るためのキーパーソンになります。
ただかなり変わった男で学生時代、授業中も教科書すら出さず指をひたすらトットッと鳴らし続けていました。
見かねた先生が注意したところ、突然自分の手をシャーベンで思い切り刺して「不愉快な思いをさせて申し訳ありません。どうしても手が動いてしまうのです。」と言ったそうです。
それ以来、先生も気味悪がって注意することもできず、クラスメイトからも先生からも不気味がられていた異質の存在です。
(群青戦記第7巻より引用)
この男は、戦争は国にとっても良いことだと考えており、天下泰平の世(争いのない世界)なんていらないと考えています。
織田信長を殺害するために明智光秀と共謀し、アヘンを盛って薬漬けにし殺害しようともしていました。
歴史を変えるためにも薬漬けという歴史とは違う殺害方法で歴史を修正しようと企んでいました。
(群青戦記第3巻より引用)
この男は、歴史を変えるべくいろいろな武将にはたらきかけ、策を練ります。
現代に帰りたい西野達にとって重要人物ではありますが、同時にかなりの危険因子となる存在ですね。
(群青戦記第9巻より引用)
彼は感情が全くないらしく常に無表情で不気味な存在です。
この不破の行動は不気味ながらも、群青戦記を面白く盛り上げてくれます。
西野達高校生たちはみな「現代に帰る」ということをモチベーションにして戦っています。
この現代に帰る方法を唯一知っているのが、この不破という男です。
つまり、
- 現代に帰る方法を唯一知ってる
- 歴史を変えるために様々な策を練っている西野達にとって敵となる存在
というこの群青戦記の中でもかなり重要な存在です。
のちに不破から告げられた現代に帰る方法は、衝撃的でみなが絶望するような方法でした。
果たして西野たち高校生は現代に帰る事ができるのか
また、現代に帰る方法とは何なのか?
楽しみにしてみてもらいたいです。
6 まとめ
群青戦記という作品は「高校生アスリートvs戦国武将」という肩書きばかりが目立ってしまう作品ですが、
- 戦国の世の厳しさや残酷さ
- 理不尽な現実に立ち向かう人の強さ
この2点が魅力的に描かれている作品なのです。
もちろん部活の特性を生かして、戦国武将相手に暴れ回る姿もかっこいいし歴史の教科書でしか知らなかった武将を実際に漫画で見れる楽しさもあります。
とにかく言いたいのは、読んでみれば
(群青戦記第15巻より引用)
って言ってもいいほどの面白い作品なので、
全然群青戦記を知らないって人も、「部活男子が戦う話でしょ」くらいにしか知らない人にもぜひ読んでもらいたいです。
歴史ものの漫画は、設定は似たようなものがあっても世界観や設定は全然違うものになるので、他の歴史ものの漫画を読んだ上で「群青戦記」を読めば違った楽しみ方もできますよ。
ぜひとも「群青戦記」をよろしくお願いします。
マンガタリライター・ペンタ
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