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『すくりぞ!』の読むとホっとする学校リゾート化コメディの魅力とは?6人の登場キャラと心に余裕ができるゆるやかな話をご紹介

『すくりぞ!』の読むとホっとする学校リゾート化コメディの魅力とは?6人の登場キャラと心に余裕ができるゆるやかな話をご紹介

どうも。マンガタリライターの相羽です。

お疲れ気味になりがちな現代社会。女の子たちが楽しく百合百合しくしている「日常」もの作品に触れる時間が、癒しになってるという方も多いと思います。

先日、異種族の女の子たちが不思議な「日常」を楽しく過ごしている漫画。らぐほのえりか先生の『ちかのこ』の紹介記事を書かせて頂いたところ、ありがたいことに沢山の反響(RT、いいねなど)を頂きました。

百合漫画『ちかのこ』の読むと幸せになれる異種族同居コメディの魅力とは?登場キャラと日常と非日常を巡る不思議なお話をご紹介

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2019年5月20日

「日常」もので百合っぽい作品はやっぱりイイな……と改めて思って頂けたりしましたでしょうか。

そんなあなたに、今回はもう一作品紹介したい作品があります。またまた、らぐほのえりか先生の作品なのですが。

その名は、『すくりぞ!』。

作品名は、「スクールリゾート」の略です。

リゾート……既に何やら癒しと楽しさと百合の香りがいたしますね。

今回の記事では、癒しと笑いと百合のリゾートへとあなたをご招待できたら幸いなのでした。

 

目次

1、『すくりぞ!』ってどんな漫画?

すくりぞ!  (1) (まんがタイムKRコミックス)
著者 らぐほのえりか
出版社 芳文社
掲載雑誌 まんがタイムきららMAX
巻数

全2巻

寝ることが大好きな主人公の金谷寝子(かなや・ねこ)は、ある日縁があった友だち達と一緒に、「宿直室」を部室とし、「学校をリゾート化する」謎の部活「スクールリゾート部」を作ります。

みんなでベッドを作ってみたり、運動部の合宿のお手伝いをしてみたり、おもむろに農業をやってみたり。

ゆるやかな「日常」を過ごしつつも、ホっとできる「居場所」としての「リゾート」が少しずつ広がっていく物語が綴られていきます。

 

2、『すくりぞ!』では5人(+1人)の女の子が学校をリゾート化する謎の部活で活動している

『すくりぞ!』では、学校を「リゾート」化していく謎の部活「スクールリゾート部」で、5人(+1人)の女の子たちがゆるやか「日常」ライフを過ごしています。

一人一人のキャラクター自体が、どこかホっとできる穏やかな魅力を携えており、彼女たち自身が「一息入れるためのティータイム」、「温泉」、「マッサージ」的な「リゾート」と同種のリラックス要素を持った女の子たちと言えるかもしれません。

まずは、それぞれに個性的な魅力がありつつ、見てるだけで癒される女の子たちを見ていってみましょう。

 

2-1 「金谷寝子」寝るのが大好きで想像を超えて周囲に自由さを誘発していく愛され主人公

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

金谷寝子(かなや・ねこ)。

寝るのが大好きな主人公の女の子です。

寝子の特徴のおもむろに寝る……というのは面白要素でありつつ、寝子の自由感を表してる特徴だとも解釈したいところです。

寝子は、めっちゃ教室で寝ます。

真顔になると、「常識的には」やってはいけないことなんですけど。寝子が本来だったら寝ちゃダメっぽいところで寝るシーンって、硬直してるルールを自由にしていく感じが、あるのですよね。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

寝子は自由です。不自由な場所に、自由をつくっていってしまう面白い子です。

「スクールリゾート部」ができたのも、きっかけは寝子でした。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

ある意味、硬直して考えると寝ちゃダメな場所を、まあ寝てもオッケー感がある自由で快適な場所に変えていくように。

寝子をきっかけに、学校に少しずつ自由でオッケーで色々「楽」な場所が広がっていきます。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

『すくりぞ!』は、ちょっと不自由で楽しさが感じにくかった場所に、寝子が自由で楽しいリゾート(居場所)を作っていくお話とも捉えられるかもしれません。

 

2-2 「椿山蒼」幼馴染の寝子にヤバい感じにラブする3時間睡眠で能力も意識も高めの部長

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

椿山蒼(つばきやま・そう)。

寝子の幼馴染にして、寝子のことがヤバいくらい大好きという子です。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

能力が高く、またいわゆる「意識高い系」な感じの部分があり、会話の中でカタカナ語(主にはビジネス用語)を使ったりもします。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

物語冒頭では、若干、寝子と二人だけの「セカイ」に意識が向いてる、いわゆる「セカイ系」な感じの罠にハマりかけてたところもあったりするのですが。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

セカイ系:ざっくりとは、「私とあなた」の関係が直接「世界」そのものになってしまうような関係性を描いてる作品。批評の世界でよく取り上げられる作品としては『最終兵器彼女』など。

「スクールリゾート部」の部長でもある蒼。

物語の進展と共に寝子以外のメンバーとも交流を重ねていくうちに、徐々に寝子と二人だけの「セカイ」ではなく、「みんな」と過ごす時間がかけがえのないものになっていきます。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

もともと有能な人なので、世界が広がっていくにつれて、寝子のことだけじゃなく広い世界の様々な人のためにその能力を使っていってくれるのかなと思うと、とてもカッコいい女の子なのです。

 

2-3 「大谷にゅう」お菓子大好きで小さくて可愛いけど言葉はややぶっきらぼうな貴重なツッコミ役

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

大谷にゅう(おおたに・にゅう)。

「スクールリゾート部」の部室である、「宿直室」の最初の住人です。

いわば、リゾートを作った最初の一人です。

お菓子大好き、ゲーム大好きですが、世知辛い現実の中での甘味、厳しい現実の中でのゲームの時間、いずれも、「リゾート(避難所)」的な性質のものです。

物語序盤では一人を志向していたこともあり、最初は彼女が作る「リゾート」もせまく、物理的にスペースも狭かったりしたのですが。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

彼女の世界観、想い描く「リゾート」が広がっていくエピソードは、意外にも蒼との絡みで描かれたりします。

作中での百合っぽい関係でいうと、次節で紹介するリンとの関係が多く描かれてきたにゅうだったのですが。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

第2巻の後半で、蒼によってにゅうの世界が広がるというエピソードが描かれます。

もともと能力もエネルギーも高かった蒼が、意図せずしてにゅうの世界を開くのです。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

ここまでの順番的には、寝子が周囲の自由さを誘発して蒼が自由になり(寝子との「セカイ系」だけじゃなくなり)、自由になった蒼が今度はにゅうの世界を広げていく……という流れです。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

自由を広げていく連鎖の中で、「宿直室」の最初の一人だったにゅうの世界が広がっていくことによって、物語はいよいよ、それこそ部室だけじゃなく世界中に「リゾート」を作る活動は広がっていくんじゃ!? という勢いが感じられるくらい、わくわく感に包まれていくのでした。

 

2-4 「満田リン」にゅうにラブ中のチョロさを宿した理事長の孫にして巨大リゾート企業の御令嬢

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

満田リン(まんだ・りん)。

まず、彼女はお金持ちであるという特徴があるキャラクターです。

 

  • 学校の理事長の孫娘で
  • 巨大リゾート企業の御令嬢

 

です。

こういった一般人とは違う立場であることもあって、少し感覚が普通の人とは「ズレ」ており、物語冒頭ではちょっと狭い世界観でいるのが伺えちゃったりもします。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

自分の狭い世界観を、全校生徒にも押しつけようとしてるとも捉えられるわけで、ちょっと寂しい感じです。

彼女が変わるきっかけになったのは、にゅうの存在です。

作中でも繰り返し描かれる、リンとにゅうのちょっと百合っぽい関係。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

ギャグ調にはなっておりますが、にゅうはリンにとって狭かった世界観を広げてくれた人なんだと思います。

にゅうや「スクールリゾート部」の仲間と時間を過ごしていくうちに、彼女の「ズレ」は、他人にも押しつけようみたいな狭い窮屈なものではなく、なんかイイ意味で世界にリゾートを作っていけそうな、スケール感がある「ズレ」になっていきます。

当初はだいぶ思考が凝り固まっていたということなので、一番「スクールリゾート部」が必要だったのはこの子ではないかという気もします。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

彼女にあった「ズレ」は「スクールリゾート部」のおかげで矯正されずに、花開く感じになったので、もともとお金もある立場の子ですし、それこそ世界中に「凝り」を抱えた人をほぐしてくれる「リゾート」を作ったりといったスケールが大きいことやってくれそうな、可能性を感じさせてくれる子なのでした。

 

2-5 「台場ルル」実家の民宿経営に情熱を持っているしっかり者だけどスキもある新入部員

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

台場ルル(だいば・るる)。

寝子たちと同学年ですが、途中から「スクールリゾート部」に加わる新入部員です。

実家が民宿で、自身も民宿経営に情熱を持っています。ちょっとスキがあったり「スクールリゾート部」の特徴であるゆるやか感を携えつつも、芯の部分に真面目さが感じられるキャラクターです。

彼女が、「スクールリゾート部」と「外の世界」との架け橋を作ってくれる子です。

「スクールリゾート部」の活動が、彼女をきっかけとして、学校の中だけに留まらず、「外の世界」に広がって行きます。

学校の外で民宿のお手伝いをしたり。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

学校の外で農作業のお手伝いをしたり。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

「スクールリゾート部」的な、「リゾート」的な楽しい居場所は、内輪ノリで終わちゃって「外」へとは広がっていかないことも多いと思うのですが。

「リゾート(居場所)」が、学校の中だけで、卒業と共に終わる類の楽しさだったのだとしたらちょっと寂しいです。

そういう時、外部との「架け橋」を作ってくれる子、大袈裟にいうなら社会との接点を作ってくれる子って、こういう真面目な子なんだよな~と読んでてしみじみしてしまう子なのでした。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

たとえば、部活的なふわふわとした一時期の輝いた時間が終わっても、ルルがきっかけで大人になった寝子たちが民宿でバイトしにまた集まるとか。そういう楽しさの継続にまつわる、土台作りをついつい担当しちゃいそうな真面目さが、とても魅力的な女の子なのでありました。

 

2-6 「星野いづみ」頼られる存在を目指すも部員に振り回されがちな若くて優しい新米先生な顧問

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

星野いづみ(ほしの・いづみ)。

「スクールリゾート部」の顧問の先生です。あだ名は「ほしのん」。

常日頃から教師として「ちゃんと」しなきゃと思っており。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

本人はわりと、まだまだ至らない自分自身に真面目に悩んでいます。

どうも星野先生自身は、優秀で尊大で威厳があるような教師像で、自分で自分を縛ってるフシもあったりするのですが。

少しずつ、振り回されながらも「スクールリゾート部」の顧問の先生として活動したりもしているうちに。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

尊大な先生に改まって相談しようというより、部員たちが気軽にありのままの星野先生、「ほしのん」のところに「ちょっと寄っていこう」みたいな場面も増えてきます。

もう、生徒たちに本当は愛されていて、実は、いるだけでちょっと安らぐような、「避難所」的で「居場所」的な人には、そのままの「ほしのん」でなれていたりします。

自分では気づきにくいし、周囲の人からも意識しては気づかれてないような、でもそのままの星野先生なりのカタチで「居場所」を作ってくれている人。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

リアルの方も、こういう人の何気ない笑顔とかでホッとしたりしながらみんな生きてるんだよな~としみじみしてしまう、「リゾート(居場所)」を作る人たち(寝子たち)の「リゾート(居場所)」になってる感が、温かい星野先生なのでした。

 

3、『すくりぞ!』のホっとできるリゾートが広がる話で余裕がある日常を過ごしていくコツに気づける

『すくりぞ!』は基本、笑いあり、脱力ありのゆるやか「日常」もの作品ではあるのですが。

一つテーマというか、作品の方向性もあると思っていて。

「日常」を描きつつも、劇中ではある程度「日常」に波風立てる問題が起こったりもします。

そういう時に、「日常」や「楽しさ」を失わないように、余裕や安全圏(=リゾート)を確保しておくためのコツが描かれている作品だと思います。

「スクールリゾート部」は、

 

  • 力押しで解決しない
  • 力を抜いて「ゆるやか」な流れに任せた方がなんだか上手くいく

 

といったことを心得ているのです。

本節では『すくりぞ!』の、リゾート――居場所、たまり場、安全圏などがあるゆえにホっとできる……部分を簡単なエピソードの紹介と共に見ていってみましょう。

 

3-1 友達とケンカ~人間関係の問題とかぐっすり寝ると何だかイイ方に進んだりしてホっとする

寝子と蒼がケンカしてしまう? というエピソードがあります。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

きっかけは、蒼が前日夜遅くに寝子に電話してしまい、寝る時間が少なくなってしまった寝子がご機嫌ナナメになっているというものです。

遅い時間といっても夜九時なので、寝子が寝る時間も早いなとは思うのですが、

自分が大事だと思っているもの(睡眠)を、相手に同じくらいには大事だと思って貰えなかった……というのがケンカの原因なので、わりと人間関係あるあるです。

そこからケンカの解消までが描かれるのですが、解消の鍵になるのが「寝る」という概念です。

このエピソードの「寝る」には二つの意味があると思っていて。

一つは単純な意味での「寝る」。

寝る。睡眠が十分だと、元気になって精神も健やかになります。多少の人間関係のあれこれとか、気にならなくなります。

二つ目は、「好きなことをする」というのが「寝る」ことにかかってるということ。

寝子は「寝る」のがとても好きなんですね。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

「好きなことをやってる」という自分の快適領域が確保できていれば、人間関係のゲームとか(イイ意味で)どうでもよくなって、大らかな気持ちでいられるのです。

かくして、寝子と蒼もなんだかんだと仲直り。

(『すくりぞ!』1巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

人間関係がイマイチの状態だな~という時ほど、

 

  • 寝る(睡眠を十分にとる)
  • 好きなことをする時間を確保する

 

は、心がけていきたいものなのでした。

 

3-2 お母さんとおもてなし勝負~無理にパワーゲームで競わず仲良くしてもイイよねとホっとする

「スクールリゾート部」とリンのお母さんが「おもてなし」で勝負するというエピソードがあります。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

リンのお母さんは巨大リゾートカンパニーの人ですから、「おもてなし」とか「リゾート」に関しては強者です。

このエピソード、「巨大リゾートカンパニー」的な強者と、弱小「スクールリゾート部」の「競争」を描いてる箇所だったりするのですよね。

受験で仕事で、リアルの方でも社会に「競争」は溢れていますが、強くて勝てる人はともかく、そうそう勝てない側の人にとっては大変だというのがあります。

「競争」が苦しいと感じた時の、リゾート(避難所)ってなんだろう? って話なのですが、『すくりぞ!』での答えはシンプル。

別に「競争」しないで相手と仲良くしちゃう、です(笑)。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

競争相手だったリンのお母さんと仲良くなる……という結末が描かれます。

リアル家族関係でも、家族という互酬共同体に「競争」原理を持ち込む(たとえば、兄弟で優劣を比べるとか)とギスギスしてろくなことにならないですからね。ホっとする結末です。

パワーゲーム、力勝負になりかけたところを、緊張をゆるめて何だか分からないけど調和した状態に落ち着いた……という展開なのですが、要因には寝子の持ってる「ゆるやか力」のようなものがあったと解釈したいところです。

寝子には、殺伐したことになりがちな不自由な事柄・世界観に、ナチュラルにオッケーを出して自由にしていくような個性があるのですね。

その証拠に、このエピソードでとても好きな部分ですが、寝子のゆるやかオッケーで、リンのお母さんが「スクールリゾート部」に入部しちゃうという結末が描かれます。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

部活を扱った「日常」もの作品は数あれど、お母さん入部オチは斬新だと思いました。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

らぐほのえりか先生の作品は、読者の想像を超えてくる超展開が、イイ感じにこちら(読者)側の凝り固まりがちな思考をほぐしてくれるので、とても好きなのでした。

 

3-3 学校に温泉を作る~一度失敗しても安全圏で一休みして再チャレンジできるんだとホっとする

「スクールリゾート部」が、というか寝子が学校に温泉を作ると言い出すエピソードがあります。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

実現できたなら、確かに学校のみんなが温泉に入ってリラックスできて素晴らしいのですが、スケール的にかなり大きなミッションです。

何か大きなミッションに取り組む時、勉強(受験など)にしろ仕事にしろ、我々がついついギリギリ状態になって余裕をなくしてしまうのは、一度失敗したらやり直しができない(かも)という恐怖心が根底にある時だったりします。

やり直しができるという安心感を静かに感じながらミッションに取り組めるなら、もっとゆるやかに色々やっていける場合が多いのです。

このエピソードでは、「みんなにリラックスして喜んでもらいたい」と思い至った上での「学校に温泉を作る」というミッションに、寝子たちが一旦失敗してしまうというのが描かれます。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

そんな一度失敗してしまった寝子たちの一時の「避難所」、「安全圏」になってくれる存在として描かれるのが星野先生です。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

一旦、星野先生という「安全圏」に退避した寝子たちは、再チャレンジして、当初の予定とはちょっと違ったカタチなりに、ミッションを達成するのでした。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

温泉ではなく、足湯で成功。

みんなのホっとする時間、笑顔が達成されてるという点で、本質的には大成功だと思います。

このエピソードのじわじわと幸せになれるところは、

 

  • 「安全圏」に一旦避難してやり直す
  • 当初の目的とカタチは変わっちゃっても、コアの部分で幸せがあるならいいさというゆるやかなオッケー感

 

が描かれてる部分です。

(『すくりぞ!』2巻 らぐほのえりか/芳文社 より引用)

我々の人生は失敗とやり直しの過程だったりするので、この一度失敗しても「安全圏」で気を取り直して再チャレンジして違うカタチなりに成功したりもするさ……というエピソードは、読んでてなんだかとてもホっとするのでした。

 

4、まとめ

今回の記事では、

学校をリゾート化しちゃう「日常」コメディ漫画『すくりぞ!』に関して、

 

  • 6人の主要登場キャラクターたちの魅力を紹介させて頂いた上で、

 

本作自体が読者の「リゾート」的な漫画で、余裕をもって「日常」を過ごしていくコツのようなものも描かれているという読み方をしてみながら、

 

  • 人間関係とか大変になりがちな世の中だとしても、よく寝て自分が「好きなこと」をやる「安全圏」さえ確保してれば余裕があるよねとホっとしてみるのもヨシ
  • ついつい「競争」に巻き込まれて殺伐しがちな世の中だとしても、物事にゆるやかにオッケーを出して(「競争」しなきゃという)固定観念を自由にしていけば、別に相手と仲良くしたりしてもよくて余裕があるよねとホっとしてみるのもヨシ
  • 失敗したら終わりだと思いながらミッションにチャレンジしなくちゃならなくてガチガチになっちゃいがちな世の中だからこそ、失敗しても一度避難して休める「安全圏」みたいな人・場所を確保しておくと、余裕があるよねとホっとしてみるのもヨシ

 

な感じで『すくりぞ!』という作品の魅力を紹介させて頂きました。

気がつくと余裕をなくしてセカセカしてしまいがちな現代社会ではありますが。

『すくりぞ!』を読んで女の子たちの百合百合しく楽しい日常を追ってみたり、

そうそう、こういう時ってホっとできるんだよな~余裕が生まれるんだよな~と共感してみたりするうちに、また生活に楽しさやイキイキ感が生まれてくるかもしれません。

今回の記事がきっかけで、このゆるやかで自由な気持ちになれる漫画に触れて頂けたら、一『すくりぞ!』ファンとしても、たいへん喜ぶのでありました。

 相羽裕司(あいばゆうじ)

可愛い女の子たちが楽しく「日常」を過ごしている漫画は良いものですが。

控えめに言うならオリジナリティがある、強い言葉を使うなら狂気が宿っている、そして「幸せ」が伝わってくる温かかな「日常」&「百合」な漫画があります。

今回紹介させて頂いた『すくりぞ!』のらぐほのえりか先生が描く、超展開百合ハーレムコメディ漫画『ちかのこ』です。

 

  • 地底人も悪魔も仲良く一緒に暮らしてる様子に心地よい自由さを感じられたり
  • 何気ない「日常」の中に「幸せ」を見つけ直せたり
  • 不思議な「非日常」を巡るうちに現実では凝り固まりがちな思考がほぐれてきたり

 

するとても素敵な作品です。

同ライターが『ちかのこ』の紹介記事も執筆しておりますので、合わせてお読み頂けたら幸いなのでした。↓

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2019年5月20日
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