みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『生意気なギャル姉を解らせる話』
です。
『わからせ』とは。
舐めきった生意気な女子供に身の程をわきまえさせる
ということと主に定義されているようです。
同人やR-18界隈などでその手の話がよく描かれていますね。
おいおい、そんな作品紹介して大丈夫なのか、しかも対象がギャル姉とか大丈夫なんか?
と思うかもしれませんが大丈夫、R18作品じゃありません!
主人公の高校生男子、田貫には血のつながらない姉がいます。
彼女の名前は紺野こまる。
特殊な家族環境に問題があり、田貫の親に引き取られて今は家族として一緒に暮らすように
とはいえ、そんな状況もあってかこまるは家族に馴染むこともできません。
弟である田貫に対しても舐め切った態度で悪態をつき、暴言をかましてくる、クソ生意気なギャルです。
「生意気なギャル姉を解らせる話」 1巻 江垣沼/集英社 より引用
だけど田貫はこまるに対して怒ることはせず、ちゃんと「家族」になりたいと、「家族」であることを強く意識しています。
どうやら過去のこまるはそんな子ではなかったようだけど、家族の問題もあって今のような状態になった模様。
本作は、そんな風に生意気なギャルに変わってしまった姉を、田貫が自分なりのやり方で解らせようとする話です。
まー、家族問題で色々と変わってしまうと言うのは聞く話でもあります。
こまるもその例に倣って派手な外見に生意気な言動のギャルになってしまいましたが、生来の気質というものは変わりません。
実際は臆病で、自己肯定感が低く、周囲から孤立したくなくて強がっているような女の子。
クソみたいな友達の誘いを断れなかったり、男達に馬鹿にされて意地になったり、精神的にもとにかく不安定。
そして、かなりポンコツ。
作品最初に出てくるこまるの言動にはクソ生意気だと感じるかと思いますし、解らせてやりたいと思う気持ちも浮かんでくるかもしれません。
でもちょっと読み進めると、生意気ギャルというか弱々ギャルだということがすぐにわかります。
「生意気なギャル姉を解らせる話」 1巻 江垣沼/集英社 より引用
そして、結構チョロい。
だから、変な意味でわからせてやりたいというのではなく、ちゃんと田貫が「家族」として大事に思っていることを解ってもらいたい。
「分からせ」ではなく「解らせ」、即ち相互理解。
そういうことを求めているのだと思います。
田貫もクールで冷徹なように見えますが、こまるのことを本気でどうにかしたいと思っているのでしょう。
あんな態度をされたら放置しておきたくなるとも思えますが、恐らく田貫には幼い頃のこまるとの想い出が沢山あるのでしょう。
そう思わせる描写もあります。
「生意気なギャル姉を解らせる話」 1巻 江垣沼/集英社 より引用
昔のように戻って欲しい、きちんと姉と弟として関係を築きたいし、こまるにも前を向いて進んで欲しい。
そのために取る手段はかなりアレなところも入っていますが、それはまあ(笑)
実際、こんなに顔も体も良い血のつながらない姉が一緒に暮らしていたらどうにかなりそうですが、その辺の感情は今のところないのか?
一方のこまるは学校などの周囲に信用できる人もいなさそうで、なんだかんだ田貫に懐いていく姿が可愛いですな。
まだ色々な問題が待っていそうですが、それらを解決した先に二人の関係がどうなるのか。
楽しみに待ちたいと思います。
本作は、↓ ヤンジャンのアプリで読むことが可能です!
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