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『銀河鉄道999』エピソード16選!永遠の命か限りある命か、鉄郎の考えに大きく影響を与えた出来事を紹介

 

みなさんこんにちは、マンガフルライターの神門です。

小学生の頃、通っていた図書館で夢中になって読み漁っていた漫画四天王といえば

  • ブラックジャック
  • ドカベン
  • カムイ外伝

 

そして

 

銀河鉄道999

 

でした。

その中で『銀河鉄道999』は、人生で初めて

  • 人はなぜ生まれてきて、そして死ぬのか
  • 永遠の命と限りある命のどちらが人として幸せなのか
  • 命とは何か、生きるとはどういうことなのか

 

ということを考えさせられた作品でした。

まだ小学生ではありましたが、それほど衝撃を受けた作品でした。

作品の中でも、主人公の星野鉄郎はアンドロメダ終着駅を目指す長大な旅の中で様々な人と出会い、経験をして、成長して、生き方や考え方が変わっていきます。

今回は、永遠の命が良いのか、はたまた限りある命が良いのかという「鉄郎の進む道に影響を与えたエピソード」を紹介します。

 

目次

1、『銀河鉄道999』ってどんな作品?

著者 松本零士
出版社 少年画報社
掲載雑誌 週刊少年キング
掲載期間 1977年~1981年
単行本巻数 全18巻
ジャンル SF

 

『銀河鉄道999』は、松本零士先生が週刊少年キングで連載していました。

時は2xxx年、裕福な人は機械の体による永遠の命を手に入れていましたが、一方で貧しい人々は機械の体を手に入れることが出来ず、機械化人から迫害を受けている、そんな世界が舞台です。

機械化人の人間狩りによって母親を殺された星野鉄郎が、無料で機械の身体をくれる星に行くため謎の美女メーテルとともに銀河超特急999に乗って旅する姿を描いたSF作品です。

少年の冒険活劇であると同時に、

  • 「命とは何か」
  • 「永遠に生きることは幸せなのか」

 

といったことをテーマに描き、子供だけでなく大人も、いえむしろ大人になった時にこそ更なる面白さが分かる作品だと思います。

また、SL列車が宇宙船として銀河を走るという素晴らしい世界設定を与えてくれた松本零士先生に、心の底から感謝したくなること間違いない作品です。

宇宙を走るSL! これが素晴らしい

「銀河鉄道999」 1巻/松本零士 少年画報社より引用

 

TVアニメや映画化もされ、特にTVアニメのOPは個人的にアニメ史の中でも五指に入る素晴らしい曲と映像だと思っています。

希望を綴った前向きな歌詞に、故郷を離れ果ての無い長い旅路に向かうことを表す哀愁漂うメロディー、それを歌うささきいさおさんの伸びのある低音がいつまでも胸に残ります。

公式チャンネルで1話を視聴することもできますので、是非、視聴してみてください。

【公式】銀河鉄道999 第1話「出発のバラード」

 

2、鉄郎の進む道に多大な影響を与えた『銀河鉄道999』の16のエピソードを時系列で紹介

『銀河鉄道999』についてざっとご説明したところで、さっそく厳選エピソードをご紹介します。

鉄郎は長い旅をする中で少しずつ考えが変わっていきますので、旅の流れに沿ってエピソードも紹介します。

皆さんも鉄郎の旅を振り返りながら楽しんでいただければと思います。

 

2-1 【火星の赤い風】初の停車駅で会った機械の体を持つゼロニモ

地球を出発した鉄郎が最初に降り立ったのは隣の惑星、火星でした。

地球の植民星である火星に暮らしている人の大半は既に体を機械化しています。

初めて訪れた異星の地で、鉄郎は火星に住むゼロニモに襲われ銀河鉄道のパスを奪われそうになります。

まだ銃を手にして間もない鉄郎に対しゼロニモの方が圧倒的に有利な立場にありますが、ゼロニモは攻撃をやめて鉄郎に撃たれてしまいます。

それは、鉄郎が流す血を見て、鉄郎が生身の人間であることに気が付いたからです。

生身の体を大事にしろと言い残すゼロニモ

「銀河鉄道999」 1巻/松本零士 少年画報社より引用

 

かつてゼロニモが旅に出た頃も同じ生身の身体で、その胸には夢と希望がいっぱい詰まっていることを思い出し、撃てなくなったのです。

生身の身体を大事にしろと言うゼロニモ。

そしてゼロニモの父親もまた、自然に生き自然に死ぬのが一番ではないかと言います。

鉄郎は旅に出た初めての居留地で思いがけず、皆から機械の体になるなと言われているように感じるのでした。

機械の体になった人が、機械の体になるなと言う・・・

「銀河鉄道999」 1巻/松本零士 少年画報社より引用

 

2-2 【重力の底の墓場】機械の体を貰えるなら何でもいいわけではない、鉄郎の思い

宇宙を走る999号は、しばしば思いがけないアクシデントに巻き込まれます。

旅の途中、999号は宇宙のところどころにあるサルガッソーのような場所である重力の底にはまりこんでしまいました。

そこには二日前に脱線した列車がありましたが、その列車の中に入ると何百年も経過したかのように乗客は白骨化し衣服もボロボロになっていました。

時間を操ることが出来るリューズによって、列車は時間を速く進められてしまったのです。

リューズは鉄郎を自分の家に連れていき、一緒に暮らしてくれるなら永遠に生きられる機械の体をあげると鉄郎に言います。

しかし鉄郎は、「自由と引き換えに機械の体をもらいにいくわけじゃない」と拒否します。

自由を失ってまで欲しいものではない、それは機械の体になってやりたいことがあるから

「銀河鉄道999」 3巻/松本零士 少年画報社より引用

 

リューズは愛する人の言われるがままに、愛する人の歓心を引くために、嫌だったのに今の機械の体になってしまったことを後悔していました。

機械の体になることだけが重要ではない。

旅の苦労を代償に機械の体になっても、自由を代償にはできない。

機械化に対する鉄郎の思いの一端が分かるエピソードでした。

 

2-3 【海賊船クィーンエメラルダス】エメラルダスとメーテルの関係に思いを馳せる

999の作中では松本零士先生の他作品、『キャプテンハーロック』、『クィーンエメラルダス』とクロスオーバーしています。

そしてエメラルダスと邂逅したエピソードもまた鉄郎に影響を与えたと思います。

エメラルダスに襲われた999ですが、実は999を襲ったのはエメラルダスの代理アンドロイドで、エメラルダス自身は重い病により床に伏せていました。

体が弱っても機械の体とはならないエメラルダス

「銀河鉄道999」 4巻/松本零士 少年画報社より引用

 

病に弱っている姿をライバルのメーテルに見せることなく去って行くエメラルダス。

例えどんなに美しくて強く誇り高い海賊でも、いつか老いさらばえて死んでいきます。

それでもメーテルは、生身の体のまま宇宙という自由の海を望むまま自由に旅するエメラルダスを羨望するような言葉を放ちます。

仮に余命いくばくもないとしてもそれに懸命に逆らって生きようとするエメラルダスと、そんなエメラルダスを羨ましいと言うメーテル。

運命のレールの上だけを旅し、当分しぬことのできない女だというメーテル。

エメラルダスを羨むメーテル

「銀河鉄道999」 4巻/松本零士 少年画報社より引用

 

鉄郎は果たして、二人の姿に、関係性に、どのような思いを馳せたのか、とても気になるものでした。

 

2-5 【二重惑星のラーラ】機械化人ばかりの星で見た、機械化人の姿に鉄郎は何を思う?

生身の人間は一人もおらず、機械化人ばかりが住んでいる二重惑星。

メーテルは、そんな星だからこそ、機械の体をもらう鉄郎には参考になると言います。

機械化人ばかりの星に降り立った鉄郎は、機械化人達から酷い差別を受けます。

レストランではペットと間違われ注文を受けられなかったり、更にはメーテルが生身の体と知ると剥製にしようとしたりして、機械の体になると皆こんな風になってしまうのかと、鉄郎は憤ります。

さらに、機械化人達とのトラブルの中で怪我を負った鉄郎は、医師のラーラと一時的に体を入れ替わることになりました。

鉄郎とラーラだけではありません、まるで遊ぶかのように体の入れ替えを行う機械化人達の姿に鉄郎は呆れ、怒ります。

遊び感覚で体を交換する機械人間たち

「銀河鉄道999」 5巻/松本零士 少年画報社より引用

 

そして、本当に自分は機械の体になる必要があるのか。

人間でいて短い一生を終えるのが良いのか、機械の体で何千年も生きるのが良いのか、どっちが良いのか分からないと、鉄郎は口にして悩みます。

機械の体になるため旅に出たはずなのに、鉄郎は迷う

「銀河鉄道999」 5巻/松本零士 少年画報社より引用

 

地球を出発するときは必ず機械の体になると誓った鉄郎ですが、様々な星を旅し、様々な人たちと出会うことで、迷いが生じています。

その素直な感情が吐露された初めてのエピソードだったのではないでしょうか。

 

2-6 【幽霊世界のフィラメント】永遠の命を手にすることがいい事なのか悪い事なのか、鉄郎は問いかける

宇宙では古い星が消滅し、また新たな星が誕生することを繰り返しています。

惑星フィラメントは、かつては沢山の人が住んでいた星でしたが、突然の大爆発で一人の生存者もなく、住人たちは自分が死んだことも知らないまま消滅をしました。

「銀河鉄道999」 6巻/松本零士 少年画報社より引用

 

かつてフィラメントが存在した宙域を通過していると、列車内に光を放つ謎の人影が発生します。それはかつてフィラメントに住んでいた人たちの想いの残滓でした。

突然、人生を失ってしまったフィラメントの人達。

夢も希望もいっぱいあり、明日がくることを疑うなんてことすら思わなかったのに、何もかもなくなってしまったわけです。

そんな彼(彼女)に、鉄郎は問いかけます。

機械の体をもらうことはいい事かい? 悪い事かい?

と。

機械の体になることはすなわち永遠の命を手に入れることです。

人生を強制的に終わらされてしまった人に、永遠の命を手にすることがいい事なのか悪い事なのか、その考えを聞きたくなってしまったのでしょう。

だけど得られた回答は、結局それは自分次第であり他人には分からないということ。

尋ねるということは、迷っているということ

「銀河鉄道999」 6巻/松本零士 少年画報社より引用

 

鉄郎は、答えを得られぬまま旅を続けます。

 

2-7 【ウラトレスのネジの山】機械の体にみいられた機械の体の亡者と言われる鉄郎

惑星ウラトレスは大量のネジを製造している星です。

鉄郎はウラトレスでネジを生産しているラセンと出会います。

ラセンは、鉄郎が機械の体をもらうため999で旅していることを知ると、鉄郎のことを

機械の体にみいられた機械の体の亡者

と言います。

機械の体の亡者と言われて・・・

「銀河鉄道999」 7巻/松本零士 少年画報社より引用

 

実はラセンも機械の体で、機械の体になる前は鉄郎と同じ気持ちを持っていたといいます。

ラセンは自分で希望して機械の体になったのだから、後悔をしているわけではありません。

それでも鉄郎にかつての自分を重ねて見て、言わずにはいられなかったのでしょう。

ゼロニモもそうですが、生身の体の頃は鉄郎みたいだったと言うのは、どういうことなのか・・・

「銀河鉄道999」 7巻/松本零士 少年画報社より引用

 

ラセンの姿を見て、ラセンの思いを聞いて、鉄郎はまた改めて機械の体になるとはどういうことなのか、自分はなんのために機械の体になろうとしているのかを考えたのではないかと思います。

 

2-8 【永久戦闘実験室】明日死ぬかもしれない身でも永遠の命はいらないという男ゼーダと出会って

観光収入を得るため、観光客に本物の戦争を見せるという星がありました。

その星では宿泊するホテルのすぐ横で本物の戦争が行われ、毎日のように戦いの中で人が死んでいく姿が見世物にされています。

鉄郎はそこで戦争に従事しているゼーダと出会います。

喜んで戦闘を見物なんかしているわけじゃないという鉄郎に対し、ゼーダはその言葉本当なら自分について来いと言います

星の政府に対する反乱軍の一員として戦うゼーダは、明日の太陽をもう一度見られるかどうかも分からない身です。

そんなゼーダは、ついてきた鉄郎に向けて言います。

この星に戻ってくるとき、機械の体なんかで来るなと。

明日死ぬかもしれないけれど、おれは永遠の命なんて欲しいとは思わないと。

死が身近にあっても、機械の体などいらないと断言するゼーダ

「銀河鉄道999」 9巻/松本零士 少年画報社より引用

 

いつ死ぬとも知れない立場にありながら、はっきりと機械の体を否定し、機械人間の政府と戦うゼーダの姿に、鉄郎はまた思い悩んだのではないかと思います。

 

2-9 【透明海のアルテミス】永遠の命を手にしない限り死別の悲しみは終わらない

999が進む空間軌道上に謎の障害物反応がありました。

それは生きている星で、鉄郎たちが降り立ったあとも多くの子供たちを宇宙に産み続けている巨大な生命体だったのです。

そんな星に、透明の宇宙船が到着し、中から透明の女性が降りてきました。

彼女の名前はアルテミス、生きている星から生まれて宇宙に飛び立ち、成長し、そして母なる星に戻ってきたのです。

母の元で死ぬために戻ってきたアルテミス

「銀河鉄道999」 10巻/松本零士 少年画報社より引用

 

アルテミスは母親に包まれるようにして生命を終えました。

また母親である星も、999が脱出するために自らが破壊されることを受け入れます。

鉄郎は母と子が死に別れるのを目の当たりにして、自分自身が母親と死に別れたことを思い出し涙します。

やはり、機械の体になって永遠の命を手に入れなければこの悲しみは永遠に続くのだと。

死の悲しみから救ってくれるのは機械の体だけなのかもしれないと、鉄郎は改めて思うのでした。

死別を避けるには機械の体になるしかないのかと、鉄郎は思う

「銀河鉄道999」 10巻/松本零士 少年画報社より引用

 

2-10 【時間城の海賊】母親と死に別れた過去を追体験して

あらゆる空間軌道が一点に集まる宇宙の大分岐点(トレーダー分岐点)、それが惑星ヘビーメルダーです。

トレーダー分岐点、よく覚えている名前です

「銀河鉄道999」 12巻/松本零士 少年画報社より引用

 

ヘビーメルダーまでは銀河系内、ヘビーメルダーを出ればアンドロメダ系内に入り、まさに旅の一大分岐点になります。

メーテルはヘビーメルダーでやることがあると言います。そしてもし、ヘビーメルダーで自分が戻らなくても、鉄郎は一人で旅を続けなければならないと言います。

メーテルが一人で命がけの何かをしようとしていることに気が付いた鉄郎は、慌ててメーテルを追いかけます。

その行き先は、「時間城」でした。

時間城にはキャプテンハーロックを名乗る海賊がいて、メーテルはその海賊と戦うため時間城に向かったのです。

ここでハーロック登場!

「銀河鉄道999」 12巻/松本零士 少年画報社より引用

 

例え相手がハーロックであろうとメーテルを一人にしてはおけないと、鉄郎は時間城に向かいます。

過去から未来まで自由に渡り歩く時間の城で、鉄郎は母親が機械伯爵に殺される前日の世界に飛ばされました。

殺されることが分かっていても、鉄郎は過去に干渉することはできずに見ていることしかできません。

鉄郎が無料で機械の体を貰うため旅に出ることになった原点を見せられて、鉄郎は何を思ったのか。

過去にさかのぼり、母親が殺される直前を見る

「銀河鉄道999」 13巻/松本零士 少年画報社より引用

 

エピソード内でそういった鉄郎の心理は描かれていませんが、過去を思い出し、また新たに目的を胸に秘めたことは間違いないと思います。

一方でハーロックとの出会い、そしてハーロックの檄を受け、異なる思いを抱いたかもしれません。

このヘビーメルダーにおける時間城の一連の出来事は、

  • 過去の母親と自分の回顧
  • ハーロックとの出会い

 

という2点をとっても、鉄郎にとっても一つの分岐点になったのではないかと思います。

 

2-11 【ヤーヤボールの小さな世界】地球にそっくりの星を目にして鉄郎が流した涙の意味は

昔の地球に似た青く清潔な惑星、それがヤーヤボールの小さな世界です。

地球にうり二つの星

「銀河鉄道999」 13巻/松本零士 少年画報社より引用

 

嘘でも誇張でもなく、ヤーヤボールの小さな世界は地球のミニチュアで、ヤーヤボールという男が作った世界でした。

地球にそっくりなヤーヤボールを見た鉄郎は、地球のことを思い出して涙を流します。

地球のことを懐かしむ涙でした。

しかし鉄郎は、涙した自分自身を恥じ入ります。

それは、機械の体を手に入れるため旅に出たのに、まだ旅の途中で地球を懐かしいと感じてしまったからです。

鉄郎は、そんな自分自身を叱咤します。

地球なんてなつかしがってたまるか、自分にはまだやらなきゃならないことが沢山ある。

石にかじりついてでも機械の体を手に入れて、殺された母親や他の人達のために機械人間と戦ってやるのだと、涙しながら叫びます。

悔しがる鉄郎の姿が心をうちます

「銀河鉄道999」 13巻/松本零士 少年画報社より引用

 

旅も長くなれば慣れてくることもあります。

時間が経つことによって当初の意志を忘れそうになることもあります。

鉄郎は、みじめな思いをして地球を旅立ち、まだ何も達成していないのに故郷を懐かしく思う自分自身の弱さに気が付き、それが情けなかったのでしょう。

自分が旅に出た時の強い思いはそんなものではなかったのだと。

 

旅も中間点を過ぎたところでこういった1シーンをほんの1、2ページで差し込んでくるのは流石だと思いましたし、個人的には凄く好きなシーンの一つでした。

 

2-12 【フライング・クロ】強制的に機械の体にされたネコアの叫びを聞いて

食べ物屋さんがたくさんある停車駅「クイマ」のある惑星では、フライング・クロという有名な飛行ネコがいました。

そして、フライング・クロ以外にも多数の機械ネコ、キャッツロイドがいる星でもあります。

惑星の住人ネコアは、大勢のキャッツロイドを使役して反乱を起こします。

反乱の理由は、この星は強制的に人間を機械の体にしてしまう星であり、ネコアは機械の体になんかなりたくなかったのに機械の体にされてしまったからです。

ここは、機械の体になりたくなくても強制的に機械の体にさせられる星

「銀河鉄道999」 14巻/松本零士 少年画報社より引用

 

反乱が失敗したネコアは、いまだ生身の体である鉄郎に向けて言います。

機械の体になった人間は食べ物がかわる、と。

機械化人の食べる物とは・・・

「銀河鉄道999」 14巻/松本零士 少年画報社より引用

 

しかし、何を食べるようになるのかを言う前に、星の警察に撃たれてしまいます。

望まない人を強制的に機械の体にする星。

そしてネコアが言い切ることのできなかった、機械化人の食べ物。

鉄郎は、もやもやとした気持ちを抱えて再び汽車に乗るのでした。

 

2-13 【震動駅】永遠の命だからこそ苦しいこともあると知る

震動惑星に降り立った鉄郎は、惑星が震動していない静かな時間帯に宿泊ホテルから外出したために追放されてしまいました。

震動惑星では、静かなゆれていないときが非常事で、非常時にうろつくものは戒厳令違反で永久追放されてしまうという惑星でした。

追放先には鉄郎と同じように追放されたレジストという機械人間の女性がいました。

永久追放され、永遠に苦しみ続けるレジスト

「銀河鉄道999」 16巻/松本零士 少年画報社より引用

 

機械の体であるレジストは、いつまでも追放先に居続けるしかありません。

鉄郎は、死なない体の人の方が限りある命の人間より辛いことがあると知り、涙を流します。

生き続けることが辛いこともあると知る

「銀河鉄道999」 16巻/松本零士 少年画報社より引用

 

機械の体になって永遠の命を手にすれば、無限の広がりを持つ宇宙を旅することも気にならなくなります。

その一方で、楽しみだけでなく苦しみも永遠に続き、永遠の地獄にもがき続けることにもなります。

レジストと出会い、鉄郎は機械の体になることで得るかもしれない苦しみを知るのでした。

 

2-14 【絶対機械圏】機械人間のための星で生身の人間の扱いを目の当たりにして

機械人間のためにだけある世界で、生身の人間はどうでもいい世界、それが「絶対機械圏」です。

「絶対機械圏」では人間は邪魔者で、生身の人間は害虫のような扱いを受けます。

人間の権利などない世界

「銀河鉄道999」 16巻/松本零士 少年画報社より引用

 

そして実際に、鉄郎の目の前で生身の体を持つ母親と子供がまるで虫けらのように処刑されるところを見てしまいます。

「絶対機械圏」とは、機械人間の星のサンプルと考えてよいわけで、鉄郎は悩みます。

機械人間の星は、「絶対機械圏」のような星ばかりなのだろうかと。

生身の人間を虫けらのように扱う星ばかりなのだろうかと。

鉄郎は、そんなことを望んで機械の体になりたいわけではありません。

悩む鉄郎

「銀河鉄道999」 16巻/松本零士 少年画報社より引用

 

鉄郎自身も目の前で母親を機械人間に殺されたのに、自分が機械人間になったら同じようなことをする立場になってしまうのか、おそらくそういうことを考えたと思います。

何が正しいのか?

旅も後半になっても、鉄郎は結論を出すことが出来ないのでした。

 

2-15 【マグネット駅の一族】正しくても、悪とされる世界を知って

惑星マグネットは磁力が強すぎて金属製のものは吸いつけられてしまい、機械人間には困った星です。

その磁力は999にも悪影響を及ぼすほどでした。

そのため、アンドロメダの管理局では惑星マグネットを有害無益な星と判断し、星を破壊することにしました。

当然、磁力に影響を受けない生身の人間がまだ住んでいるというのに、です。

生身の人間の世界では正しいことも、アンドロメダの機械化圏内では悪と判断されることもある。

生身の人間の世界の常識が通用しない、機械化人間たちの世界

「銀河鉄道999」 17巻/松本零士 少年画報社より引用

 

アンドロメダの機械化圏内は生身の人間には住みにくいところだとメーテルに言われた鉄郎は、言葉もありません。

破壊されるマグネットに取り残されそうになった鉄郎を助けてくれたのは、生身の人間だったのですから。

機械に有害というだけで悪と判断されてしまう、そんな世界の人間になってしまっても良いのだろうか?

言葉なき鉄郎は、そのようなことを考えたのかもしれません。

 

2-16 【ブルーメロンの決闘】機械人間は生身の人間が怖いのかと疑問を抱く鉄郎

まるでスイカのような見た目をしている星、ブルーメロン。

ここでは、支配者層である政府の機械人間に対し、生身の人間たちが反乱を起こしていました。

ブルーメロンではスイカを生産して他の星に輸出して稼いでいますが、人間たちは自然のままに自給自足をしていきたいと願い、支配している機械人間に反乱を起こしたのです。

反乱は成功し、人間たちが機械人間に勝利しました。

しかしその結末は、ブルーメロンを自由に支配できないと判断した機械帝国による、ブルーメロンの破壊でした。

人間たちの反乱が成功したことで破壊される

「銀河鉄道999」 17巻/松本零士 少年画報社より引用

 

たとえどんなに小さな楽園だとしても、機械人間は生身の人間の楽園を許すことはない。

鉄郎はその現実を目の当たりにして、「機械人間は人間が怖いのだろうか?」と、疑問を抱きました。

終着駅を間近に控え、それでも鉄郎は分からない・・・

「銀河鉄道999」 17巻/松本零士 少年画報社より引用

 

  • 自然のままであろうとする人間たち
  • 自由でいようとする人間を許さない機械人間

 

相いれない二つの考え。

鉄郎は永遠の命を手にすることで夢や希望を実現したいと思う一方で、これまでの長い旅の中で見た機械人間たちに憎しみを抱いています。

機械の体になるべきか、生身の体のままでいるべきか?

鉄郎はこれまでに経験した様々なことを思い出しながら、間近に迫ったアンドロメダ終着駅を目指すのでした。

 

3、まとめ

今回は『銀河鉄道999』より、旅の途中で鉄郎の生き方に影響を与えたエピソードをご紹介しました。

実際には紹介した以外のエピソード、鉄郎が経験した全てのことが影響を与えていますが、その中からあえて16のエピソードを選出したものです。

また読み手それぞれで胸に突き刺さるエピソードも異なるかと思います。

名作は廃れることがありません。

特に『銀河鉄道999』は、「永遠の命か、限られた命か」といったような、普遍的なテーマを取り扱っていますから、今読んでなお色あせるものでもありません。

むしろ大人になってからこそ、色々と胸にしみてくるものがあります。

皆さんも是非、手に取ってみてください。

生き方や考え方に影響を与えるようなエピソードがきっとあるはずです。

 

以上、マンガフルライターの神門でした。

また『銀河鉄道999』は名言記事もありますので、こちらも是非!

『銀河鉄道999』名言10選!今を生きる人の心に突き刺さり糧になるメッセージをご紹介

2022年5月14日

 

『銀河鉄道999』は、↓マンガBANGで読むことができます!

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ABOUTこの記事をかいた人

社畜として働きつつ、漫画と小説と野球に癒される日々。人生を変えた作品は「女神転生」。プロ野球を愛しベイスターズを愛する。 熱血王道もの、血飛沫舞うバトルものから美少女百合ものまでなんでも好む。特に「無限の住人」の美しい殺し合い、「はやて×ブレード」のバカバトルが好きです。