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大人気漫画「キングダム」の4つの魅力を鬼のように紹介してみた

どうも、和佐です。

今回は現在「週刊ヤングジャンプ」で連載中の漫画の中で僕が今、熱いと思っている作品「キングダム」について、鬼のように紹介していこうと思います。

まだ読んだことがない人はもちろん、すでに読んでいる人にも改めて「キングダム」の魅力が伝われば嬉しいです。

そして、読み倒しましょう。

「キングダム」を!

では、本題へ。

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1、キングダムってどんな漫画?

『キングダム』第1巻。表紙の少年は主人公の「信」

はい。もう言わずと知れた中国の歴史漫画「キングダム」です。

中国の春秋時代の秦の始皇帝が中華を武力で統一していく物語が描かれています(大体、紀元前250年ぐらい)。

始皇帝といえば不老不死を追い求めてあらゆる所業を行っていたり、万里の長城を築くなどの偉業を成し遂げたことで有名です。

なんとなくこれまでの映画や話で聞く始皇帝は悪者のイメージが強かったんですが、このキングダムで描かれている始皇帝は王の器であり、戦争のない世界を作るという大志を抱いて奮闘する若者です。

真ん中の青年が後の始皇帝である「嬴政(えいせい)」

あまりにも古い歴史なので、正確な史実や詳細なエピソードなどの記録は残っていないわけですが、それ故の「自由さ」がこの作品の特徴です。

例えば、キングダムの主人公であるはWikipediaで調べると・・・

紀元前229年~紀元前228年、王翦が数十万の軍を率いて趙と対峙している時、李信は趙の太原、雲中に出征していた。

紀元前226年、王翦と王賁は、前年の燕の太子丹が主導した荊軻による秦王政(後の始皇帝)暗殺未遂事件の報復として、燕都・薊を攻略し、燕王喜と太子丹を遼東に敗走させた(燕の事実上の滅亡)。この際、李信は、約1000の兵を率いて燕軍を追撃し、太子丹を討ち取った。

紀元前225年、秦王政は、楚を征服したいと思い、対楚戦にどれだけの部隊が必要かを諮問した。李信は、「20万」が必要だと語った。一方で王翦は、「60万」が必要だと語った。秦王は、王翦が耄碌したものと捉え、李信の案を採用して侵攻を命じた。李信は総兵数20万を二つの部隊に分け、李信は平輿で、蒙恬は寝丘で楚軍に大勝した。さらに、李信と蒙恬は、郢周辺を攻め、再び楚軍を破る。しかし、城父で李信と蒙恬が合流した所を、三日三晩追跡して来た項燕率いる楚軍に奇襲され、2カ所の塁壁を破られ7人の将校を失う大敗を喫した。そのため、王翦と交代させられた。なお、翌年、王翦と蒙武が60万の兵を率いて楚を攻め、楚王負芻を捕虜にし、楚を滅亡させた。

紀元前222年、王賁と共に燕の遼東を攻め、燕王喜を捕虜とし、これを滅ぼした。さらに、代(趙の滅亡後に趙の王族が代に逃れて樹立した政権)を攻め、代王嘉を捕え、代を滅ぼした。

紀元前221年、王賁と蒙恬と共に斉を攻め、これを滅ぼした。

このぐらいの情報しか載っていない、

「李信」

という歴史上の武将がモデルになったキャラクターです。

それが幼少期に後の始皇帝である「嬴政(えいせい)」と出会い、身分を超えた親友になっていきます。

この時点で「史実」にはまったくない「空想上の設定」なわけですが、この調子でキングダムでは出てくるキャラクターの設定や、人間関係の設定などが漫画ならではの自由さで創作されています。

羌瘣(きょうかい)楊端和(ようたんわ)が女だったり、龐煖(ほうけん)が「武」だけを極めようとする武人だったり、かなり自由な解釈でキャラクターが設定されていて、それがまた「キングダム」の面白さに拍車をかけています。

つまり、キングダムという漫画は

「歴史上の登場人物と、実際の出来事を踏まえて、それに囚われることなく自由に創作した作品」

だと言えるわけです。

まずこれが素晴らしい!

普通「歴史漫画」というのは、どうしても史実に囚われがちです。

だから創作の自由という意味では、他のフィクションと比べるとどうしても制限が生まれてしまうわけですが、キングダムでは思いっきりその制限を振り切っています。

「大河ドラマ」や「歴史ロマン」というよりは、もはやこの漫画は「ファンタジー」と言ったほうがいいでしょう。

 

2、キングダムの4つの魅力を紹介

僕なりに「キングダム」という作品の魅力を語るとするなら、まずは・・・

その1 戦の規模が桁違いすぎる

引用元:原泰久『キングダム第16巻』集英社

なんといってもやはり「戦闘シーン」でしょう。

最近連載中の「歴史漫画」で言えば、同じくヤングジャンプで連載中の織田信長や豊臣秀吉の時代が舞台の「群青戦記」だったり、ウルトラジャンプで連載中のスキピオとハンニバルの戦いを描いた「アド・アストラ」など、面白い漫画が沢山あります。

が、その多くは、

「人間としてあり得るレベルの戦闘シーン」

が描かれていて、いわゆるドラゴンボールなどのバトル漫画とは少し勝手が違います。

これは「歴史漫画」という設定上、しょうがないことなんですが、わかりやすい派手さはないわけです。

しかし「キングダム」に限って言えば、さすがは中国の歴史というだけあって、スケール感が尋常ではありません。

例えば、日本で「合戦」と言えば桶狭間の戦いなどが有名ですが、この合戦の戦力は

25,000(今川軍) VS 5,000(織田軍)

諸説ありますが、大体このぐらいの規模だと言われています。

それが中国の歴史となると

300,000 VS 500,000

など、桁が違います。

「どうやってそんな大軍を率いたんだ?」

という現実的問題はさておき、とにかく戦いの規模が凄まじくでかい。

 

その2 化け物級の武将がゴロゴロ出てくる

そして当然、そんな大軍を率いる「武将」たちは化け物ばかりです。

1人で何十人、何百人を平気で相手にしたり、何万という軍勢に対して500騎程度の寡兵(かへい)で突撃したり、とにかくめちゃくちゃです(笑)

めちゃくちゃな大将軍の一人「麃公(ひょうこう)」

僕は中国の歴史が好きなんですが、なんといってもこのスケール感がいいですね。

そして「キングダム」ではそのスケールに相応しい武将たちが登場し、毎回、熾烈な戦闘を繰り広げてくれます。

キャラデザインも素晴らしく、男なら誰もが熱くさせられるような六大将軍とか、三大天とか、魏火龍七師とか、中華十弓とか、伝説的な逸話を持つ傑物たちが次々に登場してきます。


秦国六代将軍たち(引用元:原泰久『キングダム第34巻』集英社)

日本で言うところの「武田信玄」とか、「上杉謙信」など、最強と謳われる武将が何十人も出てくるわけです。

さすがは中国。

話をとにかく大げさにしてくれる(笑)

それがまたこの漫画の面白さに拍車をかけてくれています。

「キングダム無双」とか作ったらとんでもないことになりそうですね。

 

その3 自分の国の存亡が懸かってるかこその、知略合戦!

そして「武力による戦い」だけでは終わりません。

「キングダム」においては知略のレベルも凄まじい。

当然この時代には「偵察機」もなければ、「通信機」もないわけですが、そんな状況の中でも広大な中国大陸の中を縦横無尽に駆け回り、時には騙し合い、時には同盟を結び、一刻を争って知略の限りをつくすわけです。

そもそもとして、主人公側の「秦」という国は、その時代に存在する他の六国を征服して、中華統一を成し遂げなければならないわけですから、最初から無理ゲーなんです(苦笑)

「合従軍(秦以外の国の連合軍)」なんてものに襲われて国家存亡の危機に瀕してみたり、普通に考えて、1対6ですからね(苦笑)

誰もが「中華統一」なんて不可能だと考えているんです。

不思議と七国で均衡が取れていて、300年以上も七国が戦争を繰り広げる状況が続いているわけですから、それも当然ですよね。

でも、後の始皇帝である「嬴政」は、

「それでも自分たちがやらなければ、この戦国時代は永遠に終わらない」

として、不可能を承知で他の六国に戦争を挑んでいくわけです。

例えば、最近の「キングダム」の世界では、秦の隣に隣接し、中華統一の最大の障壁である「趙」に対して戦争を仕掛けていますが、ここで驚くことに、

「趙が想定しえないほどのスピードで、一気に趙の内部にまで大軍で攻め入り、趙の首都である「邯鄲(かんたん)」の喉元まで一気に征服する」

という無謀な作戦に打って出ています。

これが失敗すると秦は数十万の大軍と、それを指揮する秦国最強レベルの武将たち一気に失うことになります。

ドラゴンボールで言えば、悟空とベジータと悟飯とピッコロを同時に失うようなものですね(苦笑)

リスクがデカすぎる。

失敗したらもう秦の中華統一の夢は潰えるどころか、国家の存亡の危機に瀕してしまうわけです。

しかし成功すれば、中華統一の最大の障壁である趙の攻略が短時間で大きく進み、だらだらと戦い続けて国力を消耗するという最悪の状況を避けることができます。

趙から見れば、この防衛戦を成功させればあとは弱体化した秦を他の六国と共に征服して、領土を分割すればいいだけのことなので、どうしても防衛を成功させたい。

つまりこの戦争はにとっても、にとっても、

「100%の力でぶつかり合って勝たなければ、自分たちの国が滅んでしまう」

という決戦なのです。

そのどうしても負けられない戦いを率いるのが、秦の将軍・王翦(おうせん)と趙の将軍・李牧(りぼく)という武将です。


秦の将軍・王翦(おうせん)(引用元:原泰久『キングダム第45巻』集英社)

趙の三大天の一人・李牧(りぼく)(引用元:原泰久『キングダム第45巻』集英社)

もうすでにこの緊迫感は伝わっているんじゃないかと思いますが、この2人の武将の「采配」に文字どおり全てがかかっているんです。

保守的な一手は一切無し。

お互いに全手が徹底的な攻めです。

ノーガードで殴り合っている。

攻め負けた方が負ける戦いです。

勝つのは一体どっちだ?と。

まあ、史実は既に決しているのでWikipediaを見れば戦争の結末はわかってしまうんですが(苦笑)

漫画の中ではまさに一刻を争う知略対知略の戦いが繰り広げられ、読んでいるこっちがドキドキしてしまいます。

他にも「キングダム」は、「新しい国を作る(中華統一国家)」という漫画ですから、武将だけではなく、官吏(役人)たちの戦いも描かれています。

ちなみに始皇帝というのは、中国で初めて「単位」「文字」「貨幣」などを統一して「中国」という広大な大陸を統治しようとしています。

まあ、結果としては秦は中華統一後、すぐに滅んでしまいますが、その後の「漢王朝」に続く重要な役割を担ったわけです。

戦争の難しさは戦って勝つことだけではなく、その後の法整備や統治などもあるので、そーゆー意味でも非常に興味深い知略戦を見ることができます。

いやー、奥が深いですね(笑)

 

その4 ご都合主義一切なし!重要なキャラが容赦なく死にまくる!

そして最後に、

「マジか!」

というぐらい、普通に重要なキャラクターが死んでいきます。

まあ、そこも史実通りなのでおかしなことではないんですが、普通は漫画のキャラって、重要になればなるほど、簡単には死なないと思うんです。

でも「キングダム」では、序盤で最強だった「王齮(おうき)」将軍が死に、同じく、最強の名を欲しいままにした秦の将軍達が次々に死んでいきます。

王齮(おうき)将軍−キングダム16巻

世代交代と言えばそれまでなんですが、

彼らの死に様、去り際がまた素晴らしくかっこいい。

「老害」として死んでいくのではなく、きっちりと「次の時代の礎」として死んでいきます。

これが史実という現実がモデルになっている漫画ならではですね。

下手な漫画というのは、

「ご都合主義」

に陥りがちですからね(苦笑)

主人公側が有利になるように謎のアイテムや謎の人物が突然出てくるんです。

でも「キングダム」では、

「いて欲しい時に、重要な人がいない(すでに死んでいる)」

ということがよくある。

そしてそれ故に、

「主人公や登場人物が飛躍的な成長を遂げる」

という、非常にリアルなストーリーが展開されていきます。

「死」というものがストーリーをよりドラマティックに演出していくわけです。

「最高かよ!」と(笑)

読み手の感情を自由自在に弄んでくるこの感覚。

もう作者の掌で踊らされまくってしまうわけです(笑)

やっぱり最高ですね。

 




3、まとめ

ということで、以上が僕が考える「キングダム」のスゴいポイントでした。

まあ、もっと書こうと思えばいくらでも書けますが、ネタバレがスゴいことになるのでこの辺で。

ぜひ読んだことがない人は読んでみてください。

すでに読んだことがある人もこの機会に読み直してみるのはどうでしょうか?

漫画は何度も読み返すことで新たな魅力を発見することもできますよ。

では、また。

和佐大輔

キングダム コミック 1-45巻セット (ヤングジャンプコミックス)

 

キングダムの魅力的なキャラ達にスポットを当てた記事も掲載しています!

気になるキャラがいれば、是非お読みください。

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1 個のコメント

  • キングダムで楽しみにしてる点は、和佐さんが仰る以外に、嬴政の超一級品の論の並べ方です。
    何回も読み返してしまうところです。あの若造が至極の人物たちを納得させるんですもの。
    ”あーいえばこーゆう”
    そして民衆を兵にして奮わせるんですもの。
    (だって呂不韋のほうが現代に近い考え方で合理的じゃないですか。)

    そういった作者編集側の知的レベルの高さを感じさせておいて、
    「えっ、うそ、残念」と思ったところが王騎の矛の再登場の仕方とその後の扱いです。
    作者編集者側はキングダム級の大当たりの作品を手がけるのがはじめてなのか、手の甘さを感じました笑

    組織のリーダーになりたいと思っている人は信から学ぶことは多いのかなと思う点も読者層を広げる一因なのかなと思います。

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    「人生で大事なことはすべて漫画から学んだ」と豪語するマンガタリのライター。「漫画を愛し、漫画に愛された男」サンシャイン和佐は少しでも多くの人に漫画のすごさを伝えなければいけない、という身勝手な使命のためにマンガタリを一人で運営中。詳しくはプロフィールをご覧ください。