みなさんこんにちは、【今週の1冊】として毎週、直近に読んだ作品(時には古い作品も!)をご紹介するマンガフルライターの神門です。
皆さんが作品を購入するご参考にしていただければと思います。
今回ご紹介するのは
『それでも君を幸せにしたい』
です!
『それでも君を幸せにしたい』は、野呂俊介先生が原作、ときゎ先生が作画を担当しているラブコメです。
主人公の耕弥は幼い頃に親の転勤で九州に引っ越していましたが、高校生になって9年ぶりにかつて過ごしていた土地に戻ってくることになりました。
その地には小さい頃に一緒に遊んでいた女の子、愛姫がいます。
愛姫とは引っ越した後もSNSでのやり取りを続けており、その中で耕弥は愛姫への想いを強くするようになっていました。
再会したら告白しようと決意をし、実際に想いを告げる耕弥ですが、実は愛姫には大きな秘密というか問題がありました。
それは、愛姫は実は二重人格で、愛姫自身が幸せになりすぎて幸せの許容値を超えるともう一人の人格、珠姫が出てきちゃうというもの!
愛姫も昔から耕弥のことが好きで、耕弥に告白されて無事にカップル誕生!
だけどイチャコラしようとすると愛姫は幸せになりすぎて珠姫になってしまい、イチャコラできない!
そんな2人+1人(?)が織りなすラブコメ作品です。
「それでも君を幸せにしたい」 1巻 ときゎ、野呂俊介/秋田書店 より引用
ラブコメというのは、やっぱり付き合うまでの過程こそが最も面白いはず。
- 好きなんだけど素直になれない。
- 初めは嫌いだったはずのアイツのことが気になってしまう。
- 意外な一面を知って思いが変わる。
なんてことを、ドタバタコメディの中に入れ込んで少しずつヒロインとの仲が変わっていくような。
ところが本作は開始早々からメインの二人は両想いでカップル誕生!
あとはイチャイチャするしかないはずなんだけど、「愛姫が幸せになりすぎるともう一人の人格の珠姫が出てきちゃう」という設定のお陰で展開が単調にならずにラブとコメディを楽しむことが出来ます。
更に物語を面白くしているのは、この二重人格に関する設定
- 愛姫と珠姫は体験を共有している
- 愛姫は耕弥のことが好きだけど、珠姫は耕弥のことを友達としか思っておらず愛姫を応援している(というか愛姫LOVEで愛姫の可愛い姿を見たいので積極的に押している)
- 二重人格のことは家族はもちろんクラスメイト達にもオープンにしている
この設定を活かしに活かしたキレとノリの良いコメディ展開を見せてくれます。
そう、設定はあくまで設定であり、それを活かすも殺すも作品の見せ方次第。
そういう意味でこの作品は、コメディ面においてもラブ面においても文句のない使いようをしています。
- コメディにおいてはテンポのよいボケとツッコミ
- ラブにおいては尊さを感じさせる耕弥と珠姫
これぞラブコメ!
と思わせてくれます。
「それでも君を幸せにしたい」 1巻 ときゎ、野呂俊介/秋田書店 より引用
もちろんメインの三人(?)だけではなく、脇を固めるキャラクター達も濃い人ばかり。
- とにかく熱くて勢いのあるクラスメイトとか
- 愛姫に対する幼馴染マウントをとってくるクラスメイトとか
- 愛姫のことを愛しすぎる愛姫パパママとか
愉快な人たちで溢れており、主人公のツッコミ属性がイキイキとして描かれています。
というかこういうラブコメ作品における主人公はツッコミ属性じゃないと光り輝けませんね。
「それでも君を幸せにしたい」 1巻 ときゎ、野呂俊介/秋田書店 より引用
交際という、ある意味でゴールから始まるラブコメですが、実際の二人の仲はまだスタートしたばかり。
さらに珠姫が今後、どういうかかわり方をしてくるのか。
本当に耕弥のことは友達としてしか見ないのか、あるいは愛姫と付き合っていく中で耕弥への気持ちが変わっていくのか。
逆に、耕弥の方の珠姫に対する気持ちが変わることはあるのか。
ある意味で三角関係にもあるわけで、そういった点も今後の展開として楽しみな部分です。
ここ数年、
- 僕の心のヤバいやつ
- その着せ替え人形は恋をする
- イジらないで、長瀞さん
- 可愛いだけじゃない式守さん
等々、ラブコメ作品が勢いをもって盛り上がってきていますが、それらの作品ともまたちょっと違った作風、方向性であり、そういう意味でも新たなポジションを築く可能性のある作品ではないかと思いました。
2巻以降も楽しみに待ちたいと思います!
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