こんにちは、自粛解除と言われたけれど、結局せっせと漫画を読む中山 今です。
このところ読んでいた漫画の感想をまとめました。各作品の参考までに(今週は3作品!)
目次
1、『チ。―地球の運動について―』存在価値まで賭けた真理の追求がアツい、マンガ大賞受賞作
2021年マンガ大賞2位受賞作。
【あらすじ】
15世紀ヨーロッパ、国教であるC教から外れた思想を持つだけで拷問・火あぶりに処される時代。神童・ラファウは勉学の才と処世術により「チョロい」人生を歩もうとしていた。ある真理に触れるまで・・・
【レビュー】
バイオレンス好きが高じて中世刑史の本を読んだりしてまして。それに照らすと「疑わしければ即拷問」は割とマジだし(中世に人権意識とかないから。。)、また「死後に無になる」という言葉も、現代日本人には想像もつかぬ恐怖の脅し文句と推測します。
ここまでの脅威に晒されながらも真理の美しさに惹かれてしまう・・・この重みよ!次巻も3/30に発売なので楽しみですー!
2、『ヴォイニッチホテル』SFファンタジー群像劇。メチャクチャなのになぜか読後感の良い快作
【あらすじ】
舞台はどこか南国の古びたホテル。登場人物は逃げてきたヤクザ、土着信仰の神、麻薬の売人、ロボット、少年探偵団、猟奇殺人犯、悪魔その他。
ひとりのストーリーが誰かのストーリーと微妙に絡まり、誰かが死んだり恋が生まれたり殺したり。軽妙で不思議な魅力のシニカルなおとぎ話です。
【レビュー】
- コミカルで軽いオタク話
- ライトな下ネタ
- よく死ぬクライムサスペンス
- 神や悪魔、ロボまでが入り乱れるSFファンタジー
で紡がれる群像劇。
大きな目的はなく、ホテルを舞台に漫然とエピソードがつながっていきます。ドライに人が死に、人間の醜悪さがカジュアルに出てくる。なのにささやかな恋は綺麗だったり兄弟を想う気持ちは哀しかったり。
支離滅裂なようで読後感が良いのはメチャクチャなストーリーに対してあくまでドライな死生観のせい・・・かもしれない。3巻完結、今ならKindleで1巻無料(2021/3/27現在)。
3、『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』16巻 漫画表現への挑戦!コマにこもるサウンドのパワー!
【あらすじ】
地味な高校英語教師、本田紫織(シオリ)は27歳にして幽霊に取り憑かれた。幽霊の名はギターの神様「ジミ・ヘンドリクス」。
ジミが言うには、紫織は音楽で伝説を作らなければ死ぬ。タイムリミットは27歳が終わるまで!紫織はギタリストを夢見た過去を思い出し、バンド「SHIORI EXPERIENCE」を組んで伝説を作るため奔走する・・・
【レビュー】
ストーリーが大きく動く16巻。未だかつてない、熱情のSHIORI EXPERIENCEのライブが炸裂するぞー!
ライブシーンの派手さに定評のある本作品、4ページぶち抜きなどの大迫力は今回も健在。コマが集約しひとつの絵になる演出はMVみたいで漫画表現スゲーーー!ってなるよ!
次巻からはどんな音が「描かれる」のか。今までと違う迫力に期待!
4、今週のまとめ。マンガ大賞という訴求力の圧倒的さ
今回は脈絡もなく読んでいましたが、『チ。―地球の運動について―』はマンガ大賞の発表を見たから読んだら面白かった、ってのがでかくて。やっぱりなにがしかの賞があるときっかけになりますね。
『ヴォイニッチホテル』、『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』も賞受賞できるレベルなのにな・・・
- 『ヴォイニッチホテル』→ブラック星雲賞
- 『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』→MV賞(マンガビジュアル賞)
みたいなやつ・・・
もっと賞が増えちゃって、知られざるマンガがいっぱい紹介されればいいのになあ、とか勝手に思っています。
(中山)
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